じーらぼ!言戯道場 (G-LABO Gengi-DOJO) 管理人:みやもと春九堂(しゅんきゅうどう)

【 2003年08月04日-09:03 のつぶやき】

友達の友達の話[春九堂の場合#1]


なんつーか、智史君の友達の友達もなかなかにヒドイね。部屋泡だらけとかいって、なにやってんだよみたいな。まーでもゴキブリとか怖いしね。僕もダメなんだよ。正直パニクっちゃうね。けど、僕の中学時代の友達の友達に、僕よりヒドイヤツがいたんだよ。

これは僕の友達の友達の話なんだけどさぁ。

そいつさ、まぁ僕と同い年なんだけど中学時代塾に通ってたのね。塾っつっても寺子屋みたいな感じのところで、下は小学生から上は大学浪人までいてね。先生が科目ごとに何人かいるんだけど、基本的にはそれぞれの勉強をしていて、個別に指導してもらうって感じ。わかるかなぁ。

で、めちゃめちゃ普通の民家なんだけど部屋を襖外して全部ぶち抜きにしてあるわけ。そうすると20畳くらいの部屋になるんだけど、そこに年齢ばらばらの生徒が入って勉強してんだよね。

ちょうど夏休みのことだったらしいんだけど、なにしろ古い家だからさ、よく出るんだよねゴキが。で、その日もまんまと出ちゃって、殺そうとするんだけど部屋が下手に広いもんだからブイブイ飛んでんのね、ゴキが。女の子とか必要以上にパニックになっちゃってんの。

そいつもゴキダメだったんだけど、女の子とか既に騒いでるわけだからカッコワルイじゃん。そんな中で一緒になって騒ぐの。だから落ち着いたフリして「うるせーなー女はよー」とかブツブツ云ってたらしいんだよ。

そしたら一緒に勉強してた先輩が、「@@!ゴキ殺んぞ!」とかいいだしちゃって。あーその先輩ヤンキーだったんだけど、サッカー部の主将とかやっててさ、三つも歳違ったんだけどなんか妙にウマがあって気に入られてたんだよね、そいつ。

で、ゴキ苦手だしイヤだったんだけど先輩にそういわれちゃ従わないわけにはいかないじゃない。しかたないから渡された殺虫剤もって、一緒にゴキを追い回しはじめたんだよね。

ぷしゅーぷしゅーーー

「@@!そっちいった!机の下!」

「押忍!こっちっスか!あ、いた!死ね!マジ死ね!!

ぷしゅーーーーーぷしゅーーーーーーーーー

「先輩そっちいきました!やばいス!台所そっちのダンボールの方っス!」

「なにやってんだよしとめろよ!」

ぷしゅーぷしゅーー

「うお来た!!!!」

ぷしゅーーーーーーーーーぷしゅーーーーーーーーーーー

とかしばらくやってんだけど、そいつビビってるもんだから必要以上に殺虫剤ばらまいちゃって、なんか部屋の中煙くなってんの。近づいて叩いて殺せよとか思うんだけどね。

なんか無関係の蚊とかがボトボト落ちてきて死んだりしてんだけど、ゴキはまだ全然元気でさー。まぁそれでもそこそこ弱ってきたのか、柱の真ん中あたりで止まったのよ。

そしたら先輩「ここでしとめるぞ」とか云い出して、叩くのかなーとか思ったらポケットからライター取り出して、殺虫剤の前で点火したんだよ。で


しゅぼぶわぁぁぁ!!!



火炎放射。



ゴキブリ相手にそこまですんなっつーか、ひとん家でナニやってんだアンタとかツッコミどころ満載なんだけど、すげぇ勢いで火ぃでてんの。さすがにそいつも先輩も他の塾生も「アンタおかしいよ!なにやってんだよ!」とかいいながらゲラゲラ笑ってたんだけどさ。

で、無論火炎攻撃はゴキにも直撃したんだけど、ゴキ床に落ちてしばらく逆さになってもがいてたと思ったら飛んだんだよね。なんつーの?最後の力振り絞ったみたいな感じで。

しかも運悪く、そいつに向かって一直線で飛んできてんの。つい数瞬前までゲラゲラ笑って気を抜いてたもんだから、不意をつかれてソイツも対処できなくてさ、真っ正面からゴキに体当たり喰らって、パニックになっちゃったんだよね。

「わー!わああー!!!とか絶叫しながら、すごい勢いで払い落としてんの。先輩命令とはいえ、カッコつけてゴキ退治はじめたはずなのにね。なんつーか「残念ですが…手遅れです」級にカッコワルイよね。

そいつすっかりパニクっちゃって、座り机のノートの上に落ちて、また逆さになってるゴキめがけてスプレー噴射したんだけどさ、最初から残量が少なかったのか、部屋中煙くなるまで噴射したからなのか、「ぷしゅーー…(すかー)」とかいって、もうそいつの殺虫剤出なくなってんの。で、そいつ

「先輩!!殺虫剤!!殺虫剤!!早く!早くってば!!

とかお前は漏尿寸前でトイレ待ちしてんのかみたいな感じで叫んで、ゲラゲラ笑ってる先輩の手から殺虫剤とライターも一緒にもぎ取ったのね。んで


「死ねぇぇえぇぇえぇ!!」


ぷしゅーーー(しゅぼ)ぼぶぅわわわわわ!!!!


とか火炎放射したんだけど、さっき云ったとおり、ゴキが落ちてもがいてんのノートの上なんだよ。で、さっきも殺虫剤そこに噴射したし、今度もまた必要以上に噴射したもんだから、当たり前だけど


ぼぶぅわわー!ぼっ!


とかいってノートに引火してやがんの。まぁ自分のだったんだけど。その時の情景を表すと



燃えるゴキブリ。



燃えるノート。



爆笑する他の塾生。



「@@!お前のノート燃えてる!燃えてるよ!!」とかいいながら大爆笑してる先輩。



飛び出してきて大激怒する先生。




とまぁこんな感じ。先生が怒るのも当たり前だけどね。「お前俺の家を燃やす気か!!」とかいって、普通に殴られたらしいよ。

ノートは先生が火withゴキごと閉じてバンバン踏んづけて消火したんで大事にはならなかったんだけど、夏休みも折り返し時期まで来ていて、それまでにやった全国高校入試過去問題集(通称・電話帳)のノートが燃えた上に中にはゴキの死骸(圧殺)状態だから、さすがに使えなくって半泣きになりながら全部やり直ししたらしいよ。

まぁそのおかげかどうかは知らないけど、無事にそいつは志望校に受かったらしいんだけどね。怪我の功名というか自業自得というか、なんつーかバカに火を持たせるとロクな事になんないっっていう、わかりやすい例だよね。

ま、これは僕の友達の友達の話なんだけどさ。智史君の友達の友達で、こんなバカとかいる?

というわけで、『じーらぼ!&bdrz夏休み合同企画:友達の友達の話』、唐突ながらスタートです。交換日記のような感じで、bdrz管理人の智史君と僕の間で「友達の友達の話」を紹介していきます。

基本的に紹介する逸話は全てノンフィクション。「友達の友達」が全くの第三者の事なのか、巡って戻った書いている本人達の事なのか、それは皆さんの想像にお任せします(笑)。

連載は交互10回くらいの予定です。お楽しみに!ちなみに[春九堂の場合#0]はコチラ()。






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