じーらぼ!言戯道場 (G-LABO Gengi-DOJO) 管理人:みやもと春九堂(しゅんきゅうどう)

【 2004年09月13日-22:14 のつぶやき】

SA・WA・YA・KA -1-


既に恒例になっているような気がします。

というわけで、おおよそ一ヶ月に一度のお楽しみと化してきた感のある散髪タイムがやって参りました。

数ヶ月前は、寝ぼけた頭で散髪にいき、いつも通りに「サイドとバックはバリカンで短くして、耳の上あたりからボカしはじめてトップだけ残してください」と頼んだところ、目を覚ましたら鏡の向こうにモヒがいた(※モヒ…モヒカン)という凄まじい事になってしまいました。


そしてその数ヶ月後には、何故か自分の中で「短髪野郎祭り」という言葉がフィーバー。久しぶりに連絡をとるそのスジの方に勧められるままに、そのスジの方御用達のヘアサロンへ。そして風邪で意識朦朧とする中、延々数時間髪型を変えられまくるという惨劇に遭遇。


そしてさらにその数ヶ月後には、迂闊にも理容室で居眠りをしてしまい、気がつくと髪型は数年ぶりに前髪があるというスタイルになっており、ヒゲおよび眉毛まで不思議な形に整えられるという珍事件にあってしまいました。


思えば「オシャレとかそういうのに縁遠いデブは美容室にはいっちゃいかんというか行けない。なんか怖いしという堅い信念(?)のもと美容室ではなく理容室、否、むしろ床屋に通い続けていた僕ですが、ここまで色々な事態に出会せば、もはや怖れるものなどありません

というわけで、本日は美容院に行って来ました。というかまぁ普通に月曜日は理容室って休みだからなんですけどね。

さて、買い物の途中、飛び込みで入った美容室はこざっぱりとした内装の中にもオシャレムードが漂い、店員さんはみな髪の毛が茶色とか金色とかという、いかにもいかにもなお店でして、その時点でビビってたじろいでいたのですが、ここで引き下がっては髪が切れません(当たり前)

というわけで、オシャレな店員さん達の、きらびやかな笑顔と「いらっしゃいませ」攻撃にもメゲずに店内へ進みます。そしてオーダーをするわけなのですが、今回のオーダーはちょっと難しいのです。

というのも、どういう髪型にしたらいいのか自分でもわかっていない状況だからなんです。なんでそんな状況になっているかといいますと、実は明日からお仕事で銀座の飲食店に取材に行くんです。

普通に取材というわけでも身だしなみを整えたいところなのですが、明日からのお仕事は場所が銀座ですよ銀座。もうそれだけでもビビってたじろぐってもんです。

しかも出口調査でインタビューを取ったりもせねばならないのですが、どこの誰がモヒなデブに声をかけられてインタビューに応えるでしょうか。いいえ誰も応えません。

というわけで、自分で髪型を具体的にオーダーするよりも、イメージだけオーダーして、あとはプロにお任せするのがいいだろうと思ったわけなのですが、その「イメージ」を伝えるのが難しいのです。というか僕のようなデブが口に出してはいけないような言葉なのです。

しかし伝えなければナニもはじまりません。仕事は明日からですし、今の髪型のまま行くわけにも、ましてやモヒにして行くわけにもいきませんから、力を振り絞り、意を決して、覚悟を完了して僕に向かって歩いてきた店員さんの目を見据えました。戦闘準備完了です。


「いらっしゃいませ、今日はどういたしましょうか?」

「カットとシャンプーお願いします」


ここまではOKです。


「かしこまりました、長さとかスタイルはどのようにしましょうか?」


緊張の一瞬です。僕は握った拳が真っ白になるほどに力をこめ、そして――云いました。


「ええとそのう……爽やかな感じにしてください」


気分的には床一面にガソリンを撒いた上に立ち、体中にダイナマイトを巻き付けてからタバコに火を付けたくらいの心境です。

『デブがどの面下げて「爽やか」とか云ってんだ出てけ!という感じです。


ですが…


「……かしこまりました(にっこり)」



ちくしょう。なんなんだこの敗北感は。
(長くなったので次回へ!)



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この記事の直前の記事です。
../2004/200409112052.html
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