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■ 納豆・梅干し・鶏卵・うどん賛歌
うどんが好きだ。昔はそうでもなかったのだけれど、今はうどん抜きの一週間の食事なんて考えられないくらいうどんが好きになってしまった。
正直にいってしまえば、いわゆるパスタ・スパゲティー類より好きだ。イタリア料理屋の厨房でバイトをした経験があり、そこでおぼえた各種料理(まかないだけどね)を自分の料理レパートリーの『得意』にしている人間とは思えないくらいだ。
以前、簡易なうどんの食べ方を紹介したとき随分と反響があった。その作り方は至って簡単で、乾麺のうどんを茹でてお湯を適当にきり、刻んだ梅干し・山ほどの鰹節を乗せ、美味い醤油をぐるぅりと回したところに熱湯を注ぎ、よくかき混ぜて食べるという方法だった。
これは尊敬する作家・椎名誠さんのエッセイ『新宿赤マント』シリーズで、遠い昔に読んだ記憶があった食べ方なのだが、実に簡単で美味い。難点は熱い茹でたてのうどんに熱湯という組み合わせなので、暑い季節にはあまり向かないということくらいだ。
そこで今回は、ここのところ愛食(そんな言葉あるのか?)している、夏向きのうどんの食し方を紹介したいと思う。というか今喰ってきたばっかりです。けぷ。
用意するモノは、
・うどん ・納豆 ・梅干し/梅シソ ・梅酢 ・白だし ・鶏卵(生食できるもの) ・海苔 ・長ネギ/万能ネギ ・鰹節
以上。調理道具としては、うどんを茹でる大鍋、茹で上げたうどんを水洗いするザルのようなもの、そしてこれが大事なフードプロセッサーである。あくまでも「簡単」を基本とするので、このフードプロセッサーは大事になる。
さて、手順は簡単。まずお湯を沸かしてうどんを茹でる。その間にフードプロセッサーに梅干し5個ほどを放り込み、軽く回す。すると実が種から離れるので適当に種を取り出す。続いて梅シソも放り込みペースト状になるまで回す。梅酢もいれると良。
続いて納豆。納豆は適当にまずかき回すことが肝心。パックのままでいいので箸でぐるぐるかき回してから添付の出汁醤油と芥子を加え、よくかき混ぜる。かき混ぜた後、梅ペーストの待つフードプロセッサーに放り込む。そしてスイッチオン。適時挽き割り納豆になる程度まで回す。
「あとでプロセッサーにかけるんだったら混ぜる必要ないじゃん」とかいう人はキライだ。納豆に対する侮辱になるので、しっかり手順を踏むべきなのだ。
そうこうしている内にうどんが茹で上がる。うどんが茹で上がったら、ザルにとって勢いよく水洗いする。火傷をしないように注意。ちなみにこの食べ方の場合、うどんを冷やしてあげないと意味がないのだ。
うどんが冷えたら、先程の梅干し梅シソ納豆ペーストに鶏卵を落としてスイッチオン。ちなみに分量だが梅干し5個に対して納豆は2パック、鶏卵は2コか3コ。これで2人前くらいと考えてもらっていい。梅酢・白だしは味付けの好みなのでご自由にというところ。醤油は味が濃くなり過ぎるので注意。出来上がったらこんな感じ。
うどんを適当な器にとり、上から鰹節をばらっとやる。こんな感じ。
明らかにうどんの量を見誤っているのは気のせいということにしておく。諸君は決して同じ過ちを犯さないようにお気をつけ願いたい。
さて、ここまできたら完成間近である。出来上がった梅干し梅シソ納豆鶏卵汁をかける。好みできざみネギを用意したり、きざみノリを用意したりすると、なお好い。
器の大きさを見誤って、かなり後退のネジを外されてしまったような出来映えになってしまったが、気にしてはいけない。空腹で見境がなくなっていたのだ。
さて、あとは適時かき混ぜて食す。汁は別のお椀かなにかにとって、ざるうどん形式で小分けにして汁につけて食しても好い。むしろその方が無難。
ちなみに「納豆が粒のままの方がいい」という意見も多いかも知れないが、粒のまままぶし、うどんをすすると喉に詰まったり思わぬイレギュラーコースに納豆粒が飛び込んだりして、顔面がパニックになることがあったので、ペースト状にすることをオススメする次第。
なお、温かいままのうどんだと卵が固まってしまって、それはそれで好みかもしれないが、僕はあまり好まないということであったり。
いずれにせよ、冷たく旨味に満ちており、なおかつ経済的で簡単で胃に優しく消化もよく、納豆・生卵が苦手でなければ食欲も湧き栄養価も高い、夏向きの逸品であることは請け合いである。
納豆・生卵コンビは意外と親しまれている組み合わせだが、ご飯にかけるのがメインであるという。是非是非この簡単料理に挑戦し、新境地を開いてもらいたい。
余談ではあるが、飲料としてはビール、日本酒が最適。付け合わせには冷やした胡瓜と味噌があれば丸かじりにすると良である。
手前味噌ながら、美味しい食事にありつけたことに感謝合掌。ごちそうさまでした。
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