■ 確かめる勇気は、ない。

大好きなマッキーこと、槇原敬之さんの歌に、こんな曲名のモノがあります。

『どうしようもない僕に天使が降りてきた』

この曲の歌詞の内容とは全く関係ないのですが、久しぶりの慰メール募集後、メールを受信した瞬間の僕の心境たるや、まさにこの状態でした。

嗚呼、僕を祝福する妙なる鐘の音が聞こえます。

おそるおそるメールをクリック。イタズラやウイルスメールの類ではない、そう信じながらのクリック。

わざわざ一部の長州力マニアな人にしかわからないであろう設定件名を、ちゃんとした件名に変えてのメール。


――シュートだ。間違いない。



脳内靖幸ちゃんモードスイッチON



一行目。


>拝啓 春久堂様。


OK、マイ・エンジェル。気にしないさ。こんなのはよくある間違いさ。「しゅんきゅうどう」って入力すると、そう出てくる漢字変換ソフトがあったって――おかしくは、ない。そうさ、なにも問題は、ない。

dPTのペットボトルを握る手が汗ばむ。黄色いキャップを外し、一口。フェイクの甘みが味蕾を刺激すると、次いで炭酸の刺激が喉を焼く。

読み進める。


>あんまりいやーんな慰メール作れなくてごめんなさい。
>恥ずかしくてこれが精一杯でした(>_<;)



OK、僕の天使。素敵な天使。ありがとう天使。謝ったりしないでくれ天使。

メールを出してくれただけでも十分だよ。名前の間違いなんて気にしない。別に「いやーんな慰メール」なんかじゃなくったって――いいんだ。

ノー、ナイン、不是、否、いや――確かに、その方が嬉しい、嬉しいさ。でも、急にベッドを共にするなんて、天使のすることじゃない。ゆっくり少しずつ時間をかけて――そう、焦らすくらいに――ゆっくりと堕ちていこうよ、楽園はエデンだけじゃないはず。

これから二人で僕らの楽園を探そう。あたたかい日だまりの下で。小雨舞う樹の下で。薄暗い部屋の中で。滑らかなシルクのシーツの上で――。


この出会いは、運命なんだ。ジョーク?哀れみ?勢い?その時の気分?仕方なく?――なんだって、いい――このメールが契機になるのさ。

そうさ、僕の天使。愛しい天使。堕落への一歩を知らずに踏み出してしまった、愛らしい、僕の、僕だけの天使。

君が文面を考えて、メーラーの送信ボタンを押した。その瞬間から全てがはじまったんだよ。スタートはどこだっていいんだ、僕らは、やがて手を繋ぐ。それから歩き出すんだ。

どこに?――探検にさ。熱く甘い蜜の流れる川。素敵な茂み。千億の黄金を沈めた輝く水面の湖。そしてその奥に待つ、世界の秘密を隠した神秘なる洞窟。

トンネルを一緒に進もう。堕ちて翼を折ってしまった僕の天使。大丈夫、坂道は君は僕が導いてあげる。怖くなんかないさ。明かりが見えてくるはず。大丈夫、その先にあるのは、きっと――僕たちだけの、素晴らしい秘密の楽園。

一緒に進もう、恥じらいながら、時として大胆に、そして淫靡に――。


僕が差し出した誘惑の指先。君が踏み出した堕落の一歩。

今度は僕の番さ。僕は、探るかのように――そして少し怯えるように――おずおずと差し出した白い手指を握りしめてしまおう。

気をつけて、急に堕ちないように。

抗って、ほんの少しだけ。

その方が堕ちた時の悦楽は、きっと大きいはず。


この打鍵の音と共に紡がれる言葉の波は、卑小な僕の懺悔。そして、邪な僕の堕落への誘い。

僕は、少しだけ躊躇って――そのふりをして――送信ボタンを押した。昨夜、君がそうしたように――。






ピローン。
(メール着信音)





ん?おいおい、まさかもう一人天使が堕りて来たのかな?





差出人:MAILER-DAEMON

件 名:failure notice





(和訳/協力:エキサイト翻訳





差出人:メイラー・ダイモン(差出人守護神)
件 名:失敗通知






…僕の天使からのメールを確認…。





差出人:”○○○” <********@******.*****.re.jp>





差出人:”○○○” <********@******.*****.re.jp>





差出人:”○○○” <********@******.*****.re.jp>





The lives I have lead. Have brought me here today
To find who I am. And throw the past away
Follow my heart. Before it's too late

You are my chance. To be somebody new
Whatever the risk. I'm ready now with you
I'm not afraid to fall. Love will see us through
Together

Here we are again. No way to pretend
Welcome to the edge of love

No more secrets kept. Give with no regrets
Right here on the edge of love

Closer I feel. Your body next to mine
I know that here. I'm crossing the line
Nothing to lose. Everything in time
Forever

Here we are again. No way to pretend
Welcome to the edge of love

No more secrets kept. Give with no regrets
Right here on the edge of love

Welcome to the edge
Welcome to the edge of love
Welcome to the edge of love

Chorus

Calling from the edge...I keep calling. Welcome to the edge of love
And I'm falling...welcome to the edge
Falling from the edge...welcome to the edge
Come closer baby...welcome to the edge. Closer to the edge...


Welcome To The Edge
Words & Music: Roxanne Seeman,Billie Hughes & Dominic Messinger






(和訳/協力:エキサイト翻訳





私が行っている生命はリードします。 今日私をここに連れて来ました。
私が誰か知ること そして、過去を投げ捨てます。
私の心に続きます。それが遅くありすぎる前に

あなたは私の機会です。 新しい誰かであること
危険は何である。 私は今あなたと準備ができています。
私は、落ちることをためらいません。
愛は最後まで私たちの面倒を見るでしょう。
ともに

再びさあ着いた。 装う方法はありません。
愛の端へようこそ

これ以上の秘密は維持されませんでした。
断り状なしで与えます。 愛の端にあるここの権利

私が感じる閉じる人 私のものの隣のあなたの身体
私はそれをここで知っています。 私はラインを横断しています。
失う無。時間ですべて。
永久に

再びさあ着いた。 装う方法はありません。
愛の端へようこそ

これ以上の秘密は維持されませんでした。
断り状なしで与えます。 愛の端にあるここの権利

端へようこそ
愛の端へようこそ
愛の端へようこそ

合唱

端から呼ぶこと...私は呼ぶために保存します。
愛の端へようこそ
また、私は落ちています...端に歓迎されます
端から落ちること...端に歓迎されます
より接近して小型になります...端に歓迎されます
端に、より接近している...

「歓迎端に」
作詞・作曲:ロクサーン・シーマンとビリー・ヒューズおよびドミニック・メッシンジャー






原題:『Welcome To The Edge』





邦題:『届かぬ想い』





出典





『もう誰も愛さない』

(本来の差出人を確かめる術なんか…ない…ウオォ━━(゚Д゚ )━━ッッ!!
※ドラマ「もう誰も愛さない(CX系/'91年)」主演時の吉田栄作風に。

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