じーらぼ!言戯道場 (G-LABO Gengi-DOJO) 管理人:みやもと春九堂(しゅんきゅうどう)

【 2004年05月19日-18:11 のつぶやき】

探していたモノ


インターネットすごいね。春九堂です。

僕は、子どもの頃気管支が弱くてですね、ぶっ倒れては高熱を出して「ぜひぜひ」いいながら、かかりつけの町医者のところに行ってたんですよ。

で、待合室で順番待ちしている間、暇なので本とか読むわけですよ。ところがたまたま持っていかない時もあったりするんですが、その時はおいてある雑誌とかを読んでいたんですよね。

雑誌といっても、これがまた当時の僕にちょうどイイモノが無かったりしたわけですよ。例えば「週刊少年ジャンプ」でも、「コロコロコミックス」でもいいわけなんですが、そういうのがナイ。あるのは何故か「なかよし」とか「りぼん」。

おそらくは院長先生の娘か孫かのを持ってきているのでしょうけど、おおよそ「少年」が読むラインナップではなかったわけです。


そこで手を出してしまったのが、大人向け週刊誌。でも表紙からスキャンダラス気味な本は、なんとなく手に取りづらくて、選んだのが「週刊文春」だったんですね。ちなみに当時9歳とか。

そして、難しい記事はすっ飛ばして、マンガを探したりしつつページをめくっていき、出会ったのが「糸萬ピ」こと、「糸井重里の萬流コピー塾」だったんです。

当時、広告業界だけではなく、様々なメディアの旋風を起こしていた「時の人」、コピーライターの糸井重里氏を「家元」に据え、毎週出される御題に対して、読者がコピーを作って投稿する、そんな企画でした。

多い時には一万通近く、少ない時でも3000通を集め、雨後の竹の子の如く類似企画が他誌にも登場するという、とにかく大変な人気企画だったわけです。


ガキなりに、すっかりその面白さに魅せられてしまった僕は、あしげく病院に通いました(健康になれよ(笑))。そして毎週木曜日を楽しみにするようになったのです。

ところが次第に体の調子もよくなってきて、通院が必要なくなり、週刊文春との、いや糸萬ピとのカンケイも断たれてしまい、正直、文春を毎週購読するには早すぎる年齢だったということもあって、糸萬ピからは離れてしまったわけです。


しかし、その数年後。バイト先の古本屋で一冊の本に出会いました。それは糸萬ピ傑作選ともいえる、単行本。その2冊目で「糸井重里の萬流コピー塾 U.S.A」でした。

蘇る少年の頃の思い出に、その本を店頭からコッソリ隠して購入し、すり切れるまで読み返したことはいうまでもありません。いくつかリアルタイムで読んだ覚えのある御題もあって、とにかく楽しい一冊でした。

それから再び時代は流れて、インターネット時代に入り、僕もホームページを持つこととなって「この企画をサイトを通してやってみよう」とはじめたのが、言戯道場の前身である「Gの辞苑」でした。

投稿常連も集まり、レベルも向上し、今ではサイト持ちになっている方、古参のサイト管理人さんからも投稿があるなど、なかなかの盛況ぶりでしたが、CGI登録型にしていた為、投稿者数の増加と共に、維持が困難となり(データがよく消えたなぁ、あの頃は…)、残念なことに企画終了となりました。

その後「言戯道場」としてリニューアル復活するも、これまたCGI負荷が高すぎて終了。ついでスレッド型掲示板「じちゃんねる」にて行ったモノの、投稿ルールが飲み込めていない方も多く、書式がまとまらない為、編集が困難となり、これをプロトタイプとして、現在の「言戯道場」にいたったわけです。

こう整理してみると、当道場も非常に長い歴史とルーツを持つわけなのですが、そのルーツの原点に、先日ようやく巡り会うことが出来ました。

インターネット古書店検索で引っかかった書籍、それは一冊目の単行本「糸井重里の萬流コピー塾」と「糸井重里の萬流コピー塾0880」でした。しかも両方とも初版でゲットできたのです。

先人達の素晴らしい足跡をぺージで辿り、いまやふつふつと僕の中にヤル気が漲っております。

他にも「ワニ版」「基本篇」「天然の」「85点の言葉(知的で口べたなあなたに)」「ぶんこ版」とあるので、まだまだ探し続けなければならないのですが、いつか全てを手に入れたい、そう考えています(あ、お持ちの方や古書店経営・勤務の方などからの、ご連絡など随時おまちしております)


まぁ特にオチがあったりするわけではないのですが、先人の塾生の皆様の作品に対して、当道場の門下生諸君の言語センスも負けていないぞ、と、ヤル気&自信を改めたといったところです。

それにしても、出会ったのが1983年だか1984年だかなので、実に二十年越しなんだなぁ。そりゃ、歳とるわけだよね(笑)。


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念力で放送したかった。
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