じーらぼ!言戯道場 (G-LABO Gengi-DOJO) 管理人:みやもと春九堂(しゅんきゅうどう)

【 2018年10月30日-23:59 のつぶやき】

【20周年記念連続更新14/20】投げるでも飛ばすでもなく「刺す」。


今日は多分相当数の人をおいてけぼりにします。押忍、春九堂です。押忍。

ぼくはダーツに出会い、一気にハマっていき、そこそこうまくなったなーってところで交通事故で腕は動かねぇわ立ってらんねぇわ指先の感覚は鈍磨しているわ細かい動きはできねぇわで、ダーツから距離をおきました。

んで、なんかしらんですが事故から10年して、唐突に指が動くようになりましてね。まぁそのあたりの顛末は以前このあたりに書いた通りなんですが、それからもそこそこ練習はし続けています。といっても、ゲーム方式はあんまりやらないで、ひたすらブルに投げ続けるという方針ですね。

ダーツというスポーツ。1Rに3本の矢を狙ったところに刺して、その時によって最上のスコアを目指すゲーム。その根本を全く無視した練習方法をしています。さぁここから相当数の人を置いてけぼりにしますよー。

まず第一に、ぼくがダーツをはじめたころは、ソフトダーツがまだ黎明期で、上手い人達はハードダーツでも上手い人達。そして既にある程度以上完成されている方々ばかりでした。となると、ある程度のセオリーがあったわけなんですが、ぼくなんかはそうした情報に惑わされまくりの人でして、上手い人達のプレイDVDなんかを見ては動作分析をして色々試行錯誤し、今考えると本当にばかばかしいレベルというか「宗教かよ」っていうような、なんだかよくわからない理論に騙されたりしていました。ほんとクソですわ。

そのナンチャラ理論が完成されていて、アプローチもセオリーも正解であるならば、それを提唱した人はとっくの昔にとんでもないトッププレイヤーになっているはずですし、薫陶を受けたプレイヤーもトッププレイヤーになっているはずです。そして現状、なっていません。というわけでクソだったということですね。ハハハ。


話は変わって、ぼくは一応学問の単位として解剖学と運動生理学を修めています。理学療法士の専門校に通っていた賜というかなんというか、そんなもんですね。なので、「どうしたらどう動く」というものが根本として叩き込まれています。あとは自身の経験してきた武道の術理を心得ています。今はそこから導き出されているものに基づいてダーツの練習をしています。

ダーツは投擲競技ですが、正確には精密さを競う競技です。というわけで「精密に投擲するという」ことが目標になるわけですが、こう考えると唐突に難しくなります。やること、考えることが多くなりすぎるんですよね。

そもそも「投擲」は「投げる」「飛ばす」ですが、ダーツの結論は「矢を精密にターゲットに刺す」です。というわけで「投げる」も「飛ばす」も不正解ということにしています。

つまり「狙ったところに精密に刺す」これが唯一の正解ということです。

これを行う為には「近くにあるものに精密に刺す」ことをまずしなければならないわけですが、これがそもそも難しいんです。多分一番身近な精密動作は「針の穴に糸を通す」なんですが、これは「片手で針を調整し」「片手で糸を調整し」「合わせる」ということで達成が可能になります。

これが「固定されている針の穴に向けて」「片手で糸を調整して」「穴に通す」だと、物凄く難しくなるんですよね。でもダーツに求められていることってこういうことなんです。「投げる」でも「飛ばす」でもないんです。

さすがに糸だと糸先がヘタってしまって難易度が高まってしまうので、「針の穴に針を通す」にグレードを落とすとしましょう。こうなると「針をつまむ指先」は、強く握りすぎてプルってもダメですね。んで、針の穴と針先の位置関係を「よく見て」、丁寧に刺す。

これがぼくがやっている練習の基本中の基本になります。

これを「立ってやる」さらに「針の穴を目の高さより上に設定」して、距離を「腕が伸びきる距離」までに少しずつ伸ばして行ければレベルアップです。

準備はこれが全てです。


「刺しに行くときに身体が動く」と、まず針の穴に針を通すのは無理です。


見えている針の穴に真っ直ぐ針を進めないと針の穴に針を通すのは無理です。


で、この動作とイメージを徹底的に身体に叩き込みます。


スローラインからボードまでは大体240cm。


スローラインから上腕前腕は出ていますので、実際はそれ以下です。


さて、ここで少し話は変わります。人間は動物ですが、四足方向の動物、ナックルウォークが主体の類人猿、それらと人間が大きく違うのは「2足歩行であること」、そして「本能の中に投擲能力」があるということです。人間の基本スペックスゲーって感じですね。

一説によれば「ものを使ってものを作る」ところから始まったようなのですが(ex:打製石器を作る工程)、そこからさらに「狙ったところにものを投げる」動作になり、「狙ったところに銛を刺す」動作、「狙ったところに槍を刺す」動作へとなっていったという話です。すごいね、人類♡


というわけで前述の「針穴に針を通す」という「狙ったところにものを刺す」ことにまずは大きくリソースを費やし、そこからさきの「たかだか2mちょい」の距離は「人間が基本的に持っている投擲能力」で距離を潰す。「飛ばす・投げる」に自発的なリソースを一切割かない。これが今のぼくの基本思考です。


その上のステップは「刺す」ことに「力」を与えます。この思考方法は「殺傷能力を上げる」です。これは武道経験者でないと若干わかりにくいかもしれませんが「皮膚に刺さる」程度ではなく「急所に一寸刺し込む」という物騒なことを基本思考としています。これはちょっと特殊な筋肉と関節の使い方をするので、少し解説が難しいですね……。また機会があったら解説したいと思います。慣れればすぐなんですけどね。粘土にダーツ刺せば一発です。


そんなわけで、こうした思考方法と練習方法でやっている結果がコチラです。










なお、ゲームの練習にはあんまりなりません。
(これは曲芸のウチね)



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