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■ 【20周年記念連続更新20/20】ぼくは『誰でもない誰か』になりたかった。
さて、20周年20回連続更新も今回でラストです。押忍、春九堂です。押忍。
最初はね、「最終回だし、まぁ軽く笑い取りに行って終わらせるか。penile health creamの顛末が気になっているという希有な人もいるかもしれないし」とか考えていたんですよ。まぁ、多分そんな人はいないと思いますが、いたらTwitterのDMか、メールをください。別途penileのhealthについて語り合おうじゃないですか。
さて、そんなわけで一昨日昨日とちょいと色々ガツンとやられちゃいまして、しかもなんにも考えないで始めた20回連続更新企画の最終日が自分の誕生日当日だったりもして(無計画)、なんとなーく「そういう雰囲気じゃねえな」ってことで、なんとなくだらだらと書きたいことだけを書こうかと思うに至りました。
あんまり小難しいことを書くつもりはないですが、よろしければお付き合いくださいませ。
このサイト『じーらぼ! 言戯道場』は、その前身を1998年に開設しました。当時はダイヤルアップ通信のテレホーダイタイムのみですし、レンタルサーバーどころか、ホームページサービスみたいなもんではじめましたし、まぁなんでしょうね、自分でもよくわからないままはじめました。恐るべし若さ故の過ち。
元から文章を書くのは好きだったんですよね。それこそ低学年の頃から。それが高校時代に小論文書きなんかで拍車がかかったり、当時アマチュア無線を使ってのパソコン通信(パケット通信)で色々なRBBSに参加して、それこそ色々な年代の方達と知り合うことができて、「文章を使ったコミュニケーション」というものに魅せられていったんだと思います。
そうした場がなければ、ぼくの高校時代までの人間関係というものは、例えば同級生であったり、道場や学習塾で顔を合わせる程度の人達であったりというくらいの非常に狭い世界だったと思います。
ですが、そうした場を得ることで、それこそ親子ほど歳の離れた大先輩や、全く住む世界の違うような方達と縁を結ぶことが出来、また幸いにもそういう方々に可愛がっていただいたこともあって、ぼくの世界は大きく広がりました。
そんな中、ぼくは大学に進学した先で、こんなことを考えていました。
「誰かにとっての『誰でもない誰か』になりたい」
何云ってんのか自分でもちょっとよくわかんないですが、それがぼくの人生にとっての一つの目標になりました。『誰でもない誰か』ってのを、ものすごく簡単にかみ砕くと「名前のない人間関係」という感じです。
親兄弟でも血縁でも縁戚でもなく、教師と生徒でもなければ、先輩後輩でもなく、ともすれば友人とかそういうものでもないかもしれない。それでもなんとなく「そこに行けばいる」「話をすれば聞いてくれる」「話をしてくれる」、そんな存在ですかね。
ぼくにとって、アマチュア無線時代や、niftyや東京BBS・草の根BBS時代、そしてサイトを持つ前や、他にも学生ボランティアで色々な場所の色々な世代の人達と結んできた縁は、なんとなくそんな『誰でもない誰か』だったんです。
そしてぼくにとって、その『誰でもない誰か』達は、ぼくの人生をとてもにぎやかなものにしてくれました。
だから自分もそうなれたらいいなー、なんて気持ちが、このサイトが少しずつ続いていって、「モニターの向こうにいる誰か」達と繋がっていくたびに、段々大きくなっていきました。縁が繋がった人達の『誰でもない誰か』になれたらいいなーと。我ながら随分と青くさいもんです。
当サイトは、特に読み物サイトというわけではないんですよね。日記やらテキストやらの読み物はあくまでもコンテンツの一つ。「なんかみんなでわちゃわちゃとバカなことをやりましょうや」ってのが根底にあって、色々なイベントをやっているサイトってのがココです。
オフイベントに関しては、当時から「会ったこともない人と会うとか怖くねーの?」とか色々心配されたりもしていましたが、それなりの青くささと勢いで、なんか色々やってきました(笑)。
それが20年。
まぁ実働していない期間が相当あるので、実質は12・3年くらいのもんかもしれませんが(笑)、なんとはなしに続いているし、残っています。そして相も変わらず日々バカをやっています。
ぼくが、このサイトの管理人(この表現も懐かしすぎですね)であり、書き手であり、言戯道場の家元である「みやもと春九堂」なる人格を作り出していなかったら、ぼくにとっても、ぼくと縁を結んでくれた方々にとっても、それらは全部なかったことになります。
「でもしかたられば」ではありますが、そう考えると人の縁ってヤツは本当に奇妙なもんだなぁと思うわけです。
この文章を書いているのはハンドルネーム「みやもと春九堂」であり、まぁ一応普通(?)の社会生活を営んでいる本名のぼくとは違う人格ではあるのですが、それほど乖離しているわけではありません。そうでなきゃ20年も続けられないですしね。
ですが、その「20年も続けられた」というエネルギーには、このサイトを通じて縁を結んだ誰かにとっての『誰でもない誰か』になれたという手応えがあったからこそかもしれません。
そしてこっちの方がものすごく大事なことなんですが、他でもなくここを読んでくださっている皆さんが、ぼくにとっての『誰でもない誰か』であったからこそ、ここを維持し続けられたと思っています。本当にありがとうございます。
さすがにもう四十路のおっさんですから、今もまだそんな青くさい情熱を燃やせるほどのエネルギーはありませんが、それでもなお「ぼくが誰かにとっての『誰でもない誰か』になった記念碑」みたいなものとして、ここはのこしておきたいな、というのが今の心境です。
よかったら、また、たまにのぞきにきてください。
疲れたら「バカやってるなぁ」と苦笑いしにきてください。
しんどかった一日の終わりに飲む
カップ一杯のインスタントみそ汁のような
そんな『誰でもない誰か』になりたがっている輩が
いつでもここにおりますので
どーんときなさい!
20周年企画はこれにて閉幕!
お付き合いありがとうございました!
これからもどうぞご贔屓に。
平成三十年十一月五日 じーらぼ!言戯道場 家元 みやもと春九堂 拝
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