じーらぼ!言戯道場 (G-LABO Gengi-DOJO) 管理人:みやもと春九堂(しゅんきゅうどう)

【 2003年10月07日-19:13 のつぶやき】

友達の友達の話[春九堂の場合#3]


智史君、智史君。僕たち随分、お互いの「友達の友達の話」をしてきたけど、君の友達の友達って、普通に軽犯罪者だよね。

ウンチョス漏れちゃったとかまでは、アクシデントで済むけれど、コンビニでヲティムにバーコードリーダーって、ちょっと、無い。ていうかいくらなんでもそれはない。捕まるから。

思わず読みながら「おまわりさーん!」と天高く叫びそうになっちゃったよ。まぁシモネタからは離れられないのかなぁ。まぁさすがに僕の周りにはコンビニで軽犯罪を犯すような剛の者はいないけれども、こんなヤツがいたなぁ。

これは僕の友達の友達の話、なんだけどさぁ。

そいつが中学生だった頃の話なんだけどね、今から15年くらい前の話か。まぁ中学って大体どこも部活に入るじゃない。そいつはあんまり先輩後輩関係とかがイヤだったこともあって、クラスの仲が良かったヤツと一緒にバドミントン部に入ったんだよね。その年の創立だったから、先輩いないし、いたとしても同じゼロからのスタートだしね。

まぁ、入部説明会で「バドミントンってやってみるとハードなスポーツなんだな」っていうのはわかったけれども、予想外だったのは30人中男子部員が5人しか入らなかったことだったんだよね。そうすると当然周りは女子ばっかりなわけ。

でも、正直いってその年頃だと喜ぶよりも、どうしたらいいかわかんなくなるようなもんじゃん。その年頃じゃ、女の方が確実に大人だし、怖いしさ。だから男子だけ妙に結束固くなっちゃったんだよね。まぁ決して女子と不仲だったわけじゃないんだけどね。


そんな感じで部活ライフを送っていたワケなんだけど、女子ばっかりだから、動いて汗かいた後の体臭とか気になるんだよね。男ばっかりだったら「スカしてんじゃねぇよ」とかいう話にもなるのかもしれないけれど、女子に「クサい」とかいわれたら瞬く間に話が広がってあっという間にバイキン扱いだからね。そりゃあ気も遣うわけだよ。

で、休憩時間とか終わった後とかに使うわけよ、当時流行りだしていた8×4とかの制汗デオドラント系のスプレーを。みんなでシューシューやるもんだから、部室の中はもう8×4臭がすごいのね。あれはもうちょっと異常だったね。え?なんでそんなに詳しいかって?そりゃもう同じ部活だったからさ。それ以上でもそれ以下でもないよ。友達の友達の話だから。


話続けるけど、当時流行っていたモノで他にコールドスプレーとか、エアーサロンパスがあったんだよね。知ってるでしょ?前者は吹き付けるとリアルに冷たいアイシング用のヤツで、後者はその名の通り液状のサロンパス成分で冷たく感じるヤツ。まぁこれが「あの事件」の火種になったんだよね…。

夏だったか秋だったか、さすがに忘れちゃったけど、いつも通りの放課後の部活が終わった後の事。部室に戻ってきて着替えてたんだよね。で、男連中は、いつも通り着替えてタオルで汗拭いて、8×4をふきかけようと思ったら、どうも一人が忘れたらしいんだよね。で、「8×4借りるよー」とかいって他のヤツのスプレーを手にとってワキに噴射したんだよ。

で、その直後

「冷たっ!!」

とか大声で叫んでんの。何事かと思ったらそいつ、エアーサロンパス間違ってワキの下に吹きかけてんの。もうお前バカかと、アホかと。ゲラゲラ笑いながら見てたんだけど、しばらくもしない内に、今度はそいつが

「あっ?!熱い!熱いー!!ワキ熱い!!

とか言い出して、ワキの下抑えて暴れ出したのね。何事かと。そもそもエアーサロンパスって冷たく感じるものなのに、なんで熱くなるんだと、「お前、なんか悪い病気なんじゃねーの」とか散々からかったわけ。

そしたらそいつ、もう涙目で「だったらお前ら試してみろよ!本気で熱いんだから!」とかムキになってんのね。それで他の連中も、代わる代わるワキの下にエアーサロンパスを噴射してみたわけ。バカだよねー。で、そしたらやっぱり

「何いってんだよ、やっぱ冷た…熱い!!あつーーい!!!

とかのたうち回り始めてさー。もう僕の友達の友達とか、指さして大笑いしてんの。まぁ他人の不幸を笑うヤツは、手痛いしっぺ返しを喰らうことになるのは世の習いなんだけどね。

で、案の定あんまり笑ってるもんだから、「お前もやれよ!」とかいわれだしてさ。「結束を乱す気か?!」とか「連帯責任だろ!?」とか詰め寄られて、なにが責任なんだとか、そんな結束いらないとか、そういうの有無をいわさない状況なのね。眼がマジだし。

で、もう期待されちゃってるわけ。みんなと一緒にワキに噴射しとけばそれで済んだのに、一通り終わっちゃったから、「それ以上」を期待されてるのね。なんつーかネタフリされてるわけ。そしたらもう応えなくちゃいけない。いや「いけない」って事はないんだけど、そいつは「ここで期待に応えないのは男が廃る」とか思ったらしいんだよ。バカっていうか損な性分だよね。

もう、そこでそいつも覚悟完了したね。

「なんだよもー。お前らバカなんだからさー。騙されないよ?俺は騙されないよ?」

とかいいながら、エアーサロンパスをまず両ワキに噴射。で、さらに

「ほーら、冷たいだけじゃんこんなの。超余裕だよ、お前らチキン過ぎ」

とかいいながら、短パンとパンツを巻くって、ヲティムに噴射。


「ひゃー!冷たー…

あつーーーい!!



まずワキに来たらしいね。まぁ所詮他人の痛みだからわかんないんだけど、もう腕をおろしていられないんだよね。ワキの下がふさがると、噴射された液が密着してすげぇ熱いらしいんだよ。

もう熱いというか痛いんだけどさ。とりあえず周りは「だろ?!熱いだろ?!」とかいいながら大爆笑してんだけど、そいつはもう言葉を返す余裕なんてなかったんだよ。なにしろ刺激がヲティムの方にも来たらしくってね。

「あっ?!あつっ……ぁあああぁぁ!!!

いたーーーい!!


びっくりしたらしいね。そこがそんなに敏感な部分だなんて思いもしなかったらしいよ。ヲティム部分は大したことなかったみたいなんだけど、ヲイナリさん部分がものすごい熱いというか痛かったらしいんだよね。特に裏側?あそこって下着で擦れてるからなのか、ものすごい敏感なんだよね。

「いたーい!!痛い痛い痛い!!タマが!!袋が!!!熱い痛い!!

とか大騒ぎしながら、股間を抑えて文字通りのたうち回ってんの。あとで「ヲイナリさんにハンダゴテ押しつけられた気分」とかいってたけど、もうホント手に負えないバカだよね。周りはもうそれ見て大爆笑してるし。

でも、そいつはもう期待に応えたとかそういう気持ちはなくって、ただただ「使用前に壊れた」とか「使い物にならなくなった」とか、そんな絶望感と痛みとで、短パンの上からヲティムをがっちり両手で握ったままリアルにパニックになっていたらしいよ?

まぁ壊れても仕方のないことをしたわけだけど、どちらかというと頭の中身の初期不良交換をしてもらったほうがいいと思うよね。ちなみにパンツにもサロンパス成分が付着しているわけだから、短パンの上から握りしめたら、いつまでたっても揮発しないことに気がついたのは数年後のことだったみたい。もう、どうしようもないね。

で、ようやく収まったところで、「お前ら、俺だけにこんなことさせていいわけないよな?やってみろって、マジやってみろって!」とかいいながら他の連中を次々と巻き込んで、男子全員股間にエアーサロンパスかけてまわってんの。ちょっとした犯罪だよね。で、案の定全員大悶絶してんの。まさに阿鼻叫喚の地獄絵図だったらしいよ。全員ヲティムを抑えてもんどり打ってるし。

え?その後どうなったかって?あー…ゲラゲラ笑ってるところに顧問の先生が入ってきて、「お前らなにやってんだ?!」とか云われたらしいんだけど説明できるわけもなくって、「まだそんな元気あるなら走ってこい」って全員校舎周り10周させられたんだよな。でもまぁ、それ以来、より一層連帯感は生まれたんだけどね。

後にグレードアップした「タイガーバーム事件」とかもあったんだけど、それはまた別の話ってことで。ま、僕の友達の友達の話なんだけどね。

まぁ運動部所属の中学生男子には結構ありがちな話だと思うんだけど、智史君の友達の友達って他にどんなのがいる?

どうでもいいけど、どうやらシモネタからは本当に逃れられなくなってきたね。


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