じーらぼ!言戯道場 (G-LABO Gengi-DOJO) 管理人:みやもと春九堂(しゅんきゅうどう)

【 2004年03月29日-10:44 のつぶやき】

男色ディーノの世界 -3-


男色ディーノ(だんしょくでぃーの)
OWF(大阪学院大学プロレス研究会)出身の異色レスラー。ネーミングの由来は、かつて週刊少年ジャンプ誌上に連載されていたマンガ『魁!男塾』に登場した異色キャラクター、男塾鎮守直廊三人衆の最後の一人・男爵ディーノであることは疑いない。男爵ディーノについては、こちらを参照されたい。


・貫く!ゲイ・スタイル

社長となった偽造王・一宮と結託し、向かうところ敵なしの鉄男。これは後に明かされることになったの事実なのだが、ディーノが一宮と手を組んだ裏にはとある条件があったのだ。それは、『イイ男達との試合をどんどん組むこと』

社長であり、試合カードを組む権限を持ち、さらには外部の選手を招聘する権限や、広い人脈をもった一宮だからこそ実現可能な条件だ。ディーノにしてみれば、実に酒池肉林、そして実にクレバーな条件であった。

ところがDDT内では、お気に入りといえば練習生時代から必ずお持ち帰りされてしまう高梨や、「青い性ってのも悪くないじゃない」と、ららぽーと屋上でいいようにされてしまった『昭和』太郎あたりとのカードはお気に召していたらしいが、メイン戦線にならんでいるKUDOMIKAMI、そして佐々木貴高木三四郎とのカラミは、あまり無かったというのが実情であった。

しかし一宮社長は、ただの悪徳社長ではなかった。自らが参戦することでコネクションを作り上げた、総合格闘技イベント『DEEP』。そのファン感謝イベントである『SAEKI祭り』が、年末に開催されることが発表され、そこにディーノを送り込んだのだ。


バラエティ豊かな選手達を招聘し、若手達中心ではありながらも、素晴らしいカードを次々と提供してくれる『DEEP』。こんなところに「イロモノ」ディーノが参戦する事自体が奇跡といえば奇跡なのである。

しかも対戦相手は、総合格闘技ジム和術慧舟会所属A−3ジムの代表、門馬秀貴選手だ(リンク先のモデルが本人)。門間選手といえば、現在では闘龍門で活躍しているイケメンスタイリッシュレスラーのミラノコレクションA.Tとは、かつて同じジムで双璧をなしたほどのイケメンである。

一見サーファーとみまがうような、絞り込まれた褐色のボディに八頭身のプロフィール。こんな選手とディーノ様がからんだところで、プロレスの試合になるかどうかはわからなかったが、まさに予想通りの展開となった。

いつも通りのスタイルに、DEEPのオープンフィンガーグローブを着用して登場したディーノ様。入場ゲートに姿を見せた時には、既に中腰で手足をブルつかせた「トランス状態」。

場内に流れる布袋寅泰の「スリル」。場内には「男色ディーノは本物です!男性の方はお気を付け下さい!逃げてェーーーッ!!」といういつも通りのリングアナウンサーの絶叫をバックに、会場の男性客達を物色する。ディーノ様はどこでもディーノ様なのである。

そして続いて門馬が姿を現した。リング上で待ち受けるディーノ様をみて、花道の途中でため息をつく。心底イヤそうである。しかし試合開始のゴングは鳴ってしまった。

ポジションニングの奪い合いから、門馬の背中の上でくるくると股間を中心に回るディーノ。バックを取られると腰を突きだして「カモン!」と絶叫するディーノ様。慌てて逃げる門馬。門馬はレフェリーに注意するように促すも、反則はしていないのだ。

そして門馬の巧みなグラウンドテクニックや関節技をいなしては、必殺の男色攻撃ラインナップに持ち込むディーノ様。抱きつく・撫でる。さわる。そして遂にはタイツを脱がそうという暴挙にまで及んだのだ。

しかし、まさに『こんなこともあろうかと思って』という感じで、オーバータイツの重ね着をしていた門馬。だがディーノに、二枚三枚とずりおろされてしまう。そして最後の一枚を目を輝かせながらズリ降ろそうとしたとき――レフェリーがゴングを要請。ディーノの反則負けを宣告した。

試合後、門馬は「最悪の選手。はやくシャワーを浴びたい」と物凄い勢いでグッタリ。ディーノはディーノで「これからだったのに!あんな不透明決着じゃあ、透明な液止まりよ!」と憤慨するという、とんでもない試合となった。
参考()


・そして種族を超えて

前述のSAEKI祭りは12月28日に行われ、そして翌29日はDDTの後楽園ホール興行であった。この日のディーノは、一宮社長によるリストラ候補として挙げられていた練習生・坂井、そしてかつてのパートナーO.K Revolutionこと、大家健とタッグマッチで対戦することになった。

しかも、先に強引に組まれていた大家とのシングルマッチにはアイアンマンベルトが賭けられており、この試合では坂井の乱入とアシストを得たO.K Revolutionが見事勝利。アイアンマンベルトを奪取することに成功。つまりこの試合は、坂井・O.K Revolutionのリストラ査定マッチであり、O.K Revolutionが保持するアイアンマンベルトの防衛戦でもあるという、重要な試合になっていた。


O.K Revolutionこと大家は、この日キャラクターを脱ぎ捨て、心と身体でぶつかる全力投球の試合をみせた。しかし今一歩届かない。キャラクターでも心でも技でも身体でもない。レスラーに必要な「それ以上のなにか」が大家には足りなかったのだ。結果として試合は、男色技のオンパレードから必殺の男色ドライバーでディーノ様が大家を撃沈。アイアンマンベルトを取り返した。

リング上では一宮社長が敗れた2人に檄を飛ばす。そしてディーノはベルトを取り戻し「おチャンピオンさま」に返り咲いた勢いも相まって、男性客を物色しながら退場となった。

そしてバックステージ(控え室)に戻るディーノ様。そこに待ちかまえていたのは、スカイパーフェクTV301chサムライTVの人気番組『インディーのお仕事』のメインキャスター・三田佐代子女史と、ロシア出身のカエル、ニコライ・ゴッチャンスキーであった――。

<つづく>
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