じーらぼ!言戯道場 (G-LABO Gengi-DOJO) 管理人:みやもと春九堂(しゅんきゅうどう)

【 2004年03月30日-10:00 のつぶやき】

男色ディーノの世界 -4-


男色ディーノ(だんしょくでぃーの)
OWF(大阪学院大学プロレス研究会)出身の異色レスラー。ネーミングの由来は、かつて週刊少年ジャンプ誌上に連載されていたマンガ『魁!男塾』に登場した異色キャラクター、男塾鎮守直廊三人衆の最後の一人・男爵ディーノであることは疑いない。男爵ディーノについては、こちらを参照されたい。


・intermission:ニコライ・ゴッチャンスキーというカエル

――ニコライ・ゴッチャンスキーは、ロシア出身のプロレスマニア。しかも主にインディー団体マニアである。その知識はここ十数年のインディー団体の勃興や選手の相関関係にまで及び、一部レスラー達とは親交さえもあるという、一見するとパペットぬいぐるみのように見える不思議なイキモノだ。

また週刊プロレスの記者をつとめていた、フリーライターの須山浩継氏の声に酷似しているという、世にも珍しい偶然の持ち主でもある。さらに『インディーのお仕事』のエンディングでは、時々「ズドゥラストヴィーチェ(こんにちは)「ダスヴィダーニャ(さようなら)を言い間違えることがあるが、間違いなくロシア出身のカエルである。本人がそういうのだから間違いない。


さて、ニコライは、かつてWWSという団体で、極悪大王ミスター・ポーゴの飼い犬レスラー・黒犬に襲われ、重傷を負った。その経験は彼にトラウマ(精神的外傷)を残し、うなされる毎夜を過ごすことになってしまった。

ニコライはそれを克服する為に、大日本プロレスに入門。目的は黒犬と試合をして復讐することだ。彼は、プロレスラーになりたい一心で練習に励むも、いかんせんパペットぬいぐるみのように軽く小さいボディがネックとなってしまう。

それでもどうしてもリングに上がりたいニコライ。そんな彼の夢枕にゴッチャンスキー一族の神様が立つ。白ヒゲ白装束の神様は「プロレスマスコミの一員として、プロレスをバカにするようなことはしてはいけないぞ」と、プロレス記者歴数十年の大ベテラン・菊池孝氏の声に酷似した声で告げ、1日に10分、5回までは人間サイズまで大きくなれるようになったのだ。

1度目の巨大化は大日本プロレスのグレート小鹿社長の前で行い「これならOK」とのお墨付きをもらった。そして2度目の巨大化で大日本プロレスの興行で黒犬と対戦。トリッキーな動きで、見事勝利をおさめ、トラウマを克服した。


一度成功すると欲が出るのは人間もカエルも同じなのだろう。一試合しかしていないにも関わらず、ニコライは週刊プロレスの選手名鑑に載りたいと言い出した。週プロ側からすれば「一試合しかしていないカエルなんか載せられるか」という至極もっともな意見なのだが、ニコライにいわせると「藤波社長なんか今年一試合もしていないじゃないか」ということになる。

どちらかといえば週刊プロレスの言い分が正しいのだが、ニコライは収まらない。結局週刊プロレスの佐藤編集長に直談判し「ベルトを獲ったら載せてあげるよ」との言質を取り、脚立が王座に就いたこともある、アイアンマン王座に狙いを定めたのだ。

さらにニコライは、一宮DDT新社長にも、ロシア美人を紹介する(カエルかも知れないが(笑))という交換条件でタイトルマッチを組むことを約束させた。そして12月29日の後楽園。試合後のディーノを挑発する為に、三田佐代子女史とともに、バックステージで待ちかまえていたのだった――。


・年納めは両生類と

ようやく取り戻したアイアンマンベルトを抱え、疲労困憊のていでバックステージに下りてきたディーノを待っていたのは、メガネの女とメガネのカエル。しかもあろうことかカエルはディーノに向かって「三ヶ月くらいで終わるイロモノだろうと思ってたら、なかなか頑張ってるじゃない」などと言い放ったのだ。

当たり前だがキレるディーノ様。三田女史を突き飛ばし、ニコライをふんづかまえると、タイツの中に押し込んでガンガンに腰を突き動かし始める。悲鳴を上げるニコライ。這いつくばって「メガネメガネ…」とメガネを探す三田女史。前後の見境が無くなっているディーノ様。まさに阿鼻叫喚の地獄絵図だ。

そしてディーノはトイレに入ると、個室に閉じこもる。数秒の後聞こえたのは水を流す音。そしてややぐったりした顔で出てきたディーノは、「2003年最後が両生類だなんて……」と、顔をくしゃくしゃにしながら去っていった。ちなみに個室の中にニコライの姿はなかった――流されたのだ。


しかし、その数日後の「インディーのお仕事」放送中に、なんとかニコライは復活。なぜか全身にワカメを巻き付けての登場。どうやら海まで流されたらしい(この元ネタがわかる人は、かなりのインディーマニア。2000年7月29日のIWAジャパン後楽園ホール大会の浅野起州社長のパロディね)

おかげで熱が45℃もあるそうで、カエルというか両生類の平熱がどんなものかはしらないが、鼻汁まで出して大変そうではある。そしてこんな体調のまま、DDT年明け1月12日の後楽園ホール大会に臨むことになってしまった。


そして試合当日の後楽園ホール。試合開始前にトイレに入るニコライ。そして鏡に向かって巨大化の呪文を唱えたのだが……なにかがおかしいらしい。ニコライを案じて駆け寄る三田女史が見たものは、2mをゆうに越す扉の上からはみ出ている、ニコライの指であった。そして三田さんは失神(笑)。

リングアナのコールを受けて「インディーのお仕事」のBGMで入場してきたニコライ。その姿は、明らかに前回大日本プロレスで黒犬に勝利したニコライとは寸法が違う。まるで、力士上がりの2mレスラー・太刀光そのもののような、偉丈夫になってしまっていたのだ。多分発熱のせいだろう。なんというか、こう、キモイ。


続いて入場してきたディーノだが、リング上のニコライを見て既に戦意喪失状態。気持ちはよくわかる。しかし試合は試合だ。プロとしてリングに上がったディーノだが、2mの巨大ガエルを前に、精神的にも肉体的にも敵わず、散々いいようにされた末に失神KO負けを喫してしまった。

こうしてアイアンマンベルトは、無機物王者・脚立(昨年引退)に続いて、史上初のぬいぐるみ両生類王者を誕生させるに至ったのである。
参考()/Extreme Party



なお、試合後のバックステージで元のサイズに戻ったニコライは、通りがかった『昭和』にあっさりとフォールを許し、ベルトを奪われてしまった。同じくバックステージに戻ってきたディーノであったが、既にベルトはない。

ニコライから「『昭和』選手にとられちゃった」と聞かされると、またまた発狂。「おバカーーーーーー!!!」と叫び、ニコライを折檻。三田女史を突き飛ばし、三田女史は再び「メガネメガネ…」状態になるという、壮絶なオチがついたのであった――。


<つづく>
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../2004/200403312130.html