■ 進軍ラッパの音が聞こえる。

これまでの顛末。

本日夜半過ぎ、ヤツから電話有り。明日の節分本番に備え、コンビニで買った太巻きで食事中だった僕。モシャモシャと太巻きを頬張りながら「おうなによー」と応対。

で、開口一番のヤツの発言。


「なあ、予算上限いくらまでにする?」


僕が咀嚼中だった太巻きを噴出しそうになったことは云うまでもない。それも云うまでもないのだが、ヤツの本気っぷりと、いつのまにか「チョコ交換会」に勝手に発展していることにも噴出しそうになった。

万ものツッコミが頭の中をぐるぐるぐるぐると回る。しかし結局、太巻き噴出欲求をなんとか抑え込んだ僕の口から出た言葉はこれだけだった。


「キメなくていいんじゃね?」


おかしかった。

明らかにおかしかった。

「おいおい、お前本気だったのかよ」「なあ、そろそろ俺ら三十路なんだぞ?」「いやいやチロルチョコとか、高くても板チョコとかにしようよ…」

用意したはずの言葉は、どれも出てこなかった。まるで出てこなかった。ヤツも「そうか、そうだよなー」と納得してしまっていた。


電話を切る間際、ヤツはこう云った。そして僕はそれを聞いて暴走する機関車にはブレーキがないことを知ってしまった。そして目一杯釜に木炭をくべてしまったことも。


「OKOK。じゃ、制限ナシってことで。いやーゴディバって結構すんのな。ほんじゃねー」



ゴディバってなんだゴディバって。

(完全にチキンレースになってきましたよ…)

(C) G-LABO Gengi-DOJO.