■ IDの効用。

先日来、先輩からもらったこんなものをケータイにつけているわけですが。

以前にも書いた通り僕は首からネックストラップで携帯電話をぶら下げています。そして胸ポケットがついているシャツを着用している時はその中にケータイを放り込んでおくことが多いです。

さて、そんな風にケータイを扱っていますと、普段は胸の真ん中当たりにケータイ電話+『アイラブ巨乳』ストラップが揺れ、これ以上ないアッピールを繰り広げます。

で、ポケットに入れている時は入れている時で、件のケータイ拭きも収まっていればいいんですが、逆にこれだけがペロっとでてしまうことがあるんですよ。

そうするとこれがヒドイ。胸ポケットからペロっと出る=小学生の名札や社員証のような位置に『アイラブ巨乳』。これでは名札というかリアルIDです。「3年C組アイラブ巨乳くーん」「ハーイ」って感じですよ。


僕の巨乳というかボイン大好きっぷりは今更隠すことでもないのですが、チラ見せ程度ならともかく、誰もがそこに自らを示すモノを提示する箇所につまびらかにして、全面に押し出してアッピールする程のモノではないというか、さすがにそれはマズいだろうということくらいは、僕にもわかります。

ですがペロっと出てしまうのは大半の場合無意識の不可抗力。アッピールしたくてしているわけではないのです。首からブラ下げている時に「見られる」のと「名札のあるべき位置に知らずに提示している」というのでは、重みが違うのです。

『アイラブ巨乳』を見た人のリアクションにしても、ブラ下げていて「見られる可能性がある」という状態でツッコミが入ったりするのと、胸ポケットにしまってあるはずなのにペロっと出ていて、見られている意識がないうちにツッコまれるのとでは違うわけなんですよ。

プロレスでいうならば覚悟を決めてのバンプ(受け身)と、不意打ち状態での受け身の取りようがない危険技っくらいの差です。


先日、とあるダーツバーに出向いた時のことです。そこはいわゆるオシャレ系の最近のダーツバーでして、女性店員さんも多くいるようなところです。接客態度としての是非は問わないことにしておけば、皆さん非常にフレンドリーな店なんです。

そしてそこで会計をしている時に事件は起こりました。クロークに預けておいたコートを受け取ろうとした僕に、女性スタッフさんが「どうぞー」とコートを広げてくれたんです。つまりこれは「着せてあげるわ」っというアレです。

せっかくのサービスですから好意に甘えて、袖をとおさせてもらったんですが、両袖を通して前をあわせようとしたときに、その女性スタッフさんがしげしげと僕の胸を見つめ、笑いながらこう云ったのです。

「あ、(コート着せるの)おっぱい大きい子の方がよかったですねー(笑)」

勿論これは不意打ちでした。件のケータイ拭きは、しっかりと胸ポケットの中に入れているはずだったのです。おそらくダーツを投げている間に飛び出たのでしょう。「ペロっと出ている」どころか、僕の左胸には堂々と『アイラブ巨乳』の意匠がアッピールされていました。

予想だにしない角度からの唐突なリアクション。しかも年頃の女の子の口から「おっぱい」なる単語が出たことに僕は動揺しまくりました。プロレスでいうならば完全に受け身のミスです。頭から垂直にマットに突き刺さったかのような強烈な一撃でした。

動揺し過ぎた僕ですが、それでも何かリアクションを返さねば、とやっきになって考えました。しかし上手く回らない思考の中で、とんでもないセリフを選んで発射してしまったのです。



「いやっ!ちょうどいいですよ!」
(サムズアップしながら)



何がだよ。即座にそうツッコミをセルフサービスしたくなったのですが、意外にもその女性スタッフさんは、ちょっとキョトン面をした後で、大爆笑してくれまして、なんとなくではありますが、それでもなんとかその場は収まったのです。

ですがとっさに出た狙ってもいないアクションで笑いを取れても嬉しくもなんともありません。ダーツでいえばブルを狙ったのに18トリプルや19トリプルにうっかり刺さってしまったようなモノです。そんなので出したハイスコアなんかに価値はないのです。

悔しい。悔しすぎる。常在(ネタの)戦場を心がけ、日々精進している僕にとっては、これは事故以外のなにものでもありません。オマケにあんなリアクションは普段の僕の返し技のパターンにはないのです。あれではただの「おっぱいならなんでもいい野郎」ではないですか(論点そこか)!それもなんか中途半端だし!!

大体からして、あんなリアクションは、笑いが偶然とれたならば、そこで間髪入れずに「おっぱいが好きだー!大好きだー!」くらい吠えられるぐらいの重ね技ができないなら、やっちゃいかんのですよ!!(捕まる捕まる)

くそっ!!僕はなんて中途半端なヤツなんだッッ!!ネタとしてもボイン好きとしても中途半端じゃないかッ!!こんな程度でもうすぐ三十だと?!恥を知れ恥をッ!!!



そんなワケでして、その後
そのダーツバーには行っていません。

(恥ずかしくて行けないとか、そういうことじゃないぞ!)

(C) G-LABO Gengi-DOJO.