■ すらんぐらんらん。

小説のタイトルも作者もなんだったか覚えていないのですが、海外小説のシリーズで、若者達の台詞の訳し方が面白かったものがありました。いわゆるFワードは英語圏ではとにかく忌み嫌われている言葉ですが、口汚い若者やガキンチョ共は割と平気でFワードを口にするようです。

そしてその作中でもバシバシ使っていたのですが、物語の序盤でFワードが初めて登場したところで、訳者が相当気を遣ったのか、今後も頻出するであろうことから、Fワードに「ファック(クソッ)!」というようにカタカナ表記に注釈がついていたんですよ。

他にも「ファックユー(クソったれが)!」とか「マザーファッカー(クソ野郎め)!」などとほとんどのFワード関連語彙に注釈がつく始末。以来、僕の頭には「Fワード=クソ+ホニャララ」という図式が出来上がってしまったわけです。

まあ実際のところ、スラングの意味合い的には、ファックという言葉を辞書的語彙の意味合いでとるよりは、日本語口語での「クソ+ホニャララ」的な意味合いの方が確かに正しいのかもしれません。

でも我々が一般的に云う「クソ」よりも、もっと酷い「クソ」を表すものだと思った方がいいのかも知れません。言葉って難しいっすねえ(笑)。でも「クソ面白え」だの「クソスゲェ」だのなんだのの「スゴイという意味での肯定的なクソ+ホニャララ」に相当する「Fuckin ○○○○」という言い方もありますから、やっぱりこの訳し方は的確なのかもしれませんね。


で、舞台は変わって先日出かけた先でのこと。多分三年生くらいだと思うのですが、数人の小学生男がテーブルにたまってDSとにらめっこしながら、なにやらゲームに興じていたんですよね。

で、その中の一人が、いわゆる「喋りながらでないとゲームが出来ない」タイプの子だったようで、ひたすら喋りながらゲームをやっているんですよ。会話の内容からしてやっているゲームはどうやらマリオカートのようなのですが、「やべー全然遅いよこれじゃー」「うわ邪魔すんなよ」「きたきたきたきた!」などと云っていたわけです。

ところが対戦が始まって相当盛り上がってきたのか、突然「てめぇ!どけよこのクソ野郎!」と言い出したかと思うと、その後はひたすら「○○○○だよ!クソ野郎!」「うわー!○○○○○が○○じゃないかよクソ野郎!」と、とにもかくにもクソ野郎を連発。


あんまりにもクソ野郎を連発するので、さすがに驚いてテーブルの方をチラ見すると、これがまた実に大人しそうというか利発そうというか、身なりもしっかりしている普通の子なんですよね。もう少し襟足だけが長いジャンボ尾崎タイプとか、親の意向で茶髪に染められちゃってる子とか、実はメリケンさんだったとかそういうのを期待していたんですけど、本当に普通のお子さんでして。

そんな子が声変わりの遙か前の甲高い子ども声で「クソ野郎クソ野郎」と連呼しちゃってるんですよ。DS片手に。なんかもうもの凄いシュールな光景でしたね。いや、本来ならば「なんて口汚い言葉を使う子なんだろう。この子の親はとんでもないクソ野郎に違いない」と思ったりするところなんでしょうが、あんまりにも無邪気&ナチュラルに「クソ野郎」を連発しているので、軽いカルチャーショックを受けちゃったんですよ。

子どもの頃って語彙が少ないですし、文字媒体から読み取った言葉を日常に使用する語彙に加えるってことはあまりしないんですよね。ですから、語彙を増やす方法としては周囲の人間の話し言葉や、テレビやらなんやらで「聞く」言葉から語彙を増やしていくんです。

つまり、その子は日常的に「クソ野郎」という言葉を聞いているんじゃないかという可能性にも繋がるわけですよ。もちろん両親などの家族であるとは限りません。子どもの情報媒体って相当多いですし、ゲームだってセリフがフルボイスだったりするわけですからね。


しかしそれにしても、小学校低学年くらいの男の子がゲームやりながら「クソ野郎」を連呼というのは、本当になんとも違和感がありました。

言葉遣いがどうこうというよりは、アメリカの同じくらいの子どもがゲームやりながらFワードを連呼するというような、あちらでは割と普通にありそうな光景が、日本ではこうなるのかーというような感じですね。思わず、僕の脳内ではチラ見した彼らの風景の下に英語で字幕が入りましたから(笑)。

しかもやってるゲームがマリオカートですからね。これでGTAだのカーマゲドンだののバイオレンス系のカーチェイス要素のあるようなゲームでもやっているのならば、話はわからんでもないのですが(笑)。いやはや、なんというか思わぬところでアメリカンな光景を見た思いでしたねー(笑)。


でも、少年よ。あんまり品の良い言葉ではないから、そんな歳から人前でクソ野郎クソ野郎と連呼するもんじゃありませんよ。I'm gonna kick your ass and shut your mouth if you don't stop using those fuckin' nasty words! You fuckin' brat!!でございますわよ。



あ、くれぐれも訳さないで下さいね。
(英訳はメリケンに留学している友人に頼みました。スラングって難しいねー)

(C) G-LABO Gengi-DOJO.