■ ウルフになる為に 〜そのイチ〜

とある日の出来事。僕は、知り合いの会社社長に唐突にこんな事を云われた。

「魔裟斗って知ってる?」

格闘技好きの僕が知らないわけがない。魔裟斗といえば、今をときめくK−1WORLDMAX(※1)、つまり中量級のチャンピオンである。所属はシルバーウルフ。実力は折り紙つきだが、キックボクシングだけならぬ「男臭い」格闘技の世界に、お洒落な新風を吹き込んだ、プロデュース興行の「ウルフレボリューション」を成功させるという、そうした手腕にも長けている。

付け加えるならば一時期格闘技界に新風を吹き込みまくった修斗の佐藤ルミナや桜井マッハ速人、『星の王子様』こと宇野薫などと並び、また追い越す程の人気もある、イケメン(※重要)でもある。

と、こんな感じで知っている知識を披露したわけなのだが、その後に続けられたセリフは、僕の予想を超えていた。

「魔裟斗選手が、香水を作ったんだけど、興味ない?」

と来たのだ。

えーと待て待て。落ち着け。確か魔裟斗選手はイケメンだし、ファッションセンスもあるし、モデルをやったりドラマの俳優に起用されたり(※2)と、幅広く活躍しているが、香水ってなんなのだ。

あれか。よく格闘技とかギャンブル系の雑誌の広告に載ってる「イタリア人男性のフェロモンを抽出!」とかいうヤツと同じか。「コレをつければ貴方もモテモテ!」とかいう部類のヤツか(※3)魔裟斗選手を鏡で囲まれた部屋に閉じこめて、垂らした脂汗から抽出したフェロモンを配合とかそういうヤツか(※4)

それならそれはそれで興味津々だ。まぁそんなわけはないだろうけれども、一応僕は社長に聞いてみた

「えーと、その香水って、魔裟斗選手が入ってるの?


バカまるだしである。



無論そんなことはなく、説明を聞くところによると魔裟斗選手のイメージに合わせた調合のアロマフレグランスで、魔裟斗選手自身も自己イメージを込めてプロデュースしたという、まぁファッションとのコラボレーションといった感じらしいのだ。つけても魔裟斗にはなれないし、魔裟斗も入っていないし、魔裟斗のように強くもなれないし、魔裟斗と一緒に暮らせたりもしない(当たり前だ)

だが純粋に狼をイメージしてつくられたトライバルデザイン(※5)彼のイメージシンボルはかっこいいし。シルバーウルフで販売されたりしている、それを意匠にしたグッズはなかなかにかっこいい。

プロレス・格闘技系のグッズというと、ネタで使うならともかく、日常生活ではどうしてもデザインが微妙だったりするし、「いやいくらなんでも、それはないだろう」という彼岸に渡ってしまっているものも多い(※6)。最近はそこそこ大丈夫なのも多いのだが「それはなんのブランド?」とか聞かれても応えに窮するところもあったりするのだ(※7)

その点、魔裟斗選手は一般へ露出も多く認知度も高いので、まだましというよりも、かなりいけるんではないだろうか。いけるって、どこにかはわからないし、そもそも香水は表に見えるものではないのだが。一体どんなものなのかと興味はむくむくと育ってきた。

結局のところ、社長さんから商品を送ってもらえることになったわけだが、長くなってきたので今回はここまでにしたいと思う。次回は使用レポートなどをお届けする予定。乞うご期待!である。
※1…悪い意味でプロレス化してきてしまっているK−1ヘビー級に比べて、新進気鋭のキックボクサーが集う、スピード感溢れる打ち合いが主体の、見事なまでにハイレベルなキックボクシングの大会。中量級だけあって国内外から鋼のような身体をした、細身のイケメンが参戦しており、こー…その…たまんない。

※2…フジテレビ(CX)系のお昼のドラマシリーズで連続作品であった「はるちゃん」の6作目に、魔裟斗選手は若い漁師役として登場。微妙な棒読み演技が「朴訥」と評価を得たり、「んー。無い」とバッサリ断ぜられたりと、色々話題を呼んだ。個人的には日に焼けた笑顔にねじりはちまきという姿に(;´Д`)ハァハァしたという噂。どこの個人かはナイショ。

※3…スポーツ系の雑誌や男性向け週刊誌の誌面を賑わす広告の一部。「身につけるだけで爆運絶好調」系のネックレスやら「悪用厳禁!」のモテモテシリーズに類する、不思議フレグランス。イタリア人男性のフェロモンを抽出して、メロメロにするらしい。効果の程は定かではないが、こんなに検索でひっかかるほどのシェアを持っているらしい。フェロモンはいいとして、イタリア人って。

※4…若い人にはわからないと思うが、筑波山名物ののガマの油売りの口上である。「手前ここに取りいだしたるは筑波山名物ガマの油(中略)前足の指が四本、後足の指が六本合わせて四六のガマ、山中深く分け入って捕いましたるこのガマを四面鏡ばりの箱に入れるときは、ガマはおのが姿の鏡に映るを見て驚き、タラーリタラーリと油汗を流す(中略)このガマの油」というもの。魔裟斗選手の指は5本ずつです。引用元はコチラ。

※5…トライバル柄(デザイン)とは、東南アジアから南洋方面に伝わる刺青のデザイン。炎やイバラの棘をイメージしたもので、戦士や成人が刺青にしていたもの。南洋のサーファー達が、それにあやかってファッションと御守りとしてタトゥーのデザインに取り入れ初めてから、その複雑で美麗な意匠が受け入れられ広まったそうな。単純な円弧の線の組み合わせを用いて様々な意匠・象形を作り、魔裟斗のイメージシンボルは横から見た狼の顔になっている。カッコイイ。

※6…どこをどうひねり出したらこんなものが出来上がるのか理解できない、あきらかに一般ピープルのセンスからは川一つ向こうに突き抜けてしまっているデザインのこと。ネタだと割り切っているところのものは問題ないのだが、真剣に取り組んだ結果がそのデザインだったりすることもプロレス界には多く、レスラーやフロント側の要求にデザイナーさんが彼岸に渡ってしまったものと思われる。特に最近では某「ど真ん中」団体のグッズに、目ン玉飛び出るようなスゴイものが多く。これなどは、「下痢便大噴火」と称されたりしている。デザイナーさん達が頭を抱えて考えたであろうブランドコンセプト悲しい。

※7…プロレスファンの間で一般に「カッコイイ」とされている、新日本プロレスの蝶野正洋およびマルティーナ夫人による「アリストトリスト」等が最たる例。特にカッコイイとも思わないのだけれども、それはおいとくとして、「プロレスラーの蝶野のブランド」といっても民間人には通じないから「アントニオ猪木の団体の選手で今は取締役を兼任しているプロデューサー兼プロレスラーの蝶野が奥さんと一緒に作ったブランド」と説明することになったりする。無難なところではSOULなどで、「ストリート系のスポーツブランド」で説明が付く。

魔裟斗選手プロデュース・アロマフレグランス
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