■ 冷麺と思い出と生肉。

部屋兄弟多すぎだよコンチクショウ。


まぁそれはそれとしておいて、水曜日取材→木曜日〆切→金曜日〆切→徹夜で披露宴→仮眠しつつ原稿→2ちゃんねる第九オフ取材→そのまま下北でライブ→徹夜で原稿アップ、という、なんだかわけのわからない週末スケジュールを超えて、ようやく月曜日に辿り着いている春九堂です。まぁまだまだ余裕ですよ。


さて昨夜は下北沢の風風亭で焼肉をこれでもかと喰らってきた次第でありますが、どう考えても4人で行ってユッケ15人前は食い過ぎだと思う。

しかも「すみません、ユッケの方品切れでして」って云われて、真剣にキレそうになるのもどうかと思う。主に僕なんですが


まぁなんにしても生肉サイコーです。なんていうか狂牛病上等!って感じですね。頼むから早く治療法見つけて下さい、エライ人達(弱気)。

ちなみに風風亭はユッケとかスープとかデザートまで食べ放題なのが嬉しいですな。あとビビンバやキムチも食べ放題。オーダー制なので、時間がかかったりすることもあるのですが、そういう場合は容赦なく店員を責め立てましょう

昨夜も「オーダーとったフリでオーダー通っていなくて待ちぼうけ」という現象が数度起こりました。てめぇシモキタで働いてるからってチョーシくれてんじゃねーよ。殺すぞコラ。

失礼。取り乱しました。

嗚呼、でもあのタイムロスの間にユッケの在庫が切れたと思うと、やはり腹立たしいのです(まだ食う気マンマンでした)。


さて、そんな恨み節はともかく。風風亭には冷麺も食べ放題なんですな。そしてそれをオーダーした友人が一言「冷麺ってかたいよねー」と云ったわけです。


そのセリフを聞いた途端、脳裏に蘇る、学生時代の友人K。彼は期末考査を目前にした、平日に「今、韓国(への旅行)が安いんだよ!二泊三日で三万五千円とかだぜ!?」と息巻いて、なんの事前知識もなく、突如韓国に渡った剛の者でした。

ちなみに目的は焼肉とキムチを食いまくること。「出かけるのはいいけど、韓国の知識とかあんのかよ?」と聞いたところ、「焼肉とキムチ」と応えやがったバカ野郎でもあります。なんか戦後の日本の歴史教育のダメさっぷりを垣間見る気持ちで、僕らは彼を放置したものでした。


明けて翌週。彼は大学に登校してくるや否や、如何に韓国がよかったかを興奮気味に話し始めました。数時間後に最初の試験が待ち受けており、殺気だって最後の悪あがきをしている僕らに対して。

無論、態度は素っ気なくなります。まぁ元よりKは、空気を読めない男ではあったのですが。僕らが今覚えなくてはいけないのは、ゲシュタルト学派の心理学史であって、キムチの作り方でもなければ、焼肉のタレが甘すぎて辛(つら)かったとか、辛(つら)いと辛(から)いって同じ字だけど、これは辛(つら)かったって読んで欲しいところだね、とかいう小ネタでもないのです。

適当に話を聞き流していると、Kもなんとか興味を惹こうと躍起になります。いいからお前も勉強しろよと云いたかったのですが、それすらも面倒。そしてそんな彼が『隠し玉』級の話題(本人評価)として出したのが、『冷麺』の話題でした。

「いや焼肉とかはさ、日本でも食えるけど、お前ら冷麺って知ってる?しらねーだろうなー。韓国の麺でさ、キムチのってる冷やし中華みてーな酸っぱいのがあるんだよ!俺、麺類好きじゃん?だから頼んじゃったわけ。そしたら結構すぐ出てきたんだけどさ、なんか麺とかヘンな色してんだよ。日本の麺と明らかに違うわけ。そんでさ、上にキムチとか野菜とか乗ってるんだけど、周りみてたら、まずそれを混ぜんのな。で、箸舐めてみたら酸っぱいんだよ!なんつーの、お前これは酢だろ!酢そのものだろ!って感じのタレなのね。そんでいざ食ってみたらさ、かたいんだよ!すげーかてーの!もう超ビックリだよ。お前ホントに麺かよって感じ?」

「へぇ、カタいんだ、どれくらい?」(棒読み)

「いやもう尋常なかたさじゃないね。俺、アゴはコンクリをも噛み砕く自信があるじゃん?ビールの栓とか開けられんじゃん。だからまぁコンクリ以上のかたさだよな」

「いや、それはねーだろッ!!」


失策もいいところです。あまりのバカボケっぷりに、ついつい全員でツッコミをいれてしまいました。このままのってしまったら、我々はもう「負け組」です。ますます興にのってくるK。なんとか勉強に戻ろうとする我々。血で血を洗うデッドヒートです。


「まぁコンクリは比喩だけどさ。ヨーゴ(専門用語)でいうところの、メタファー?メトニミー?シネクドキ?」

「どれも違うよ。お前のはただのボケだ」

「まぁまぁ、とにかくかたいのよ。硬度があるっていうんじゃねーぜ?なんつーか弾力?ゴムのような?むしろゴム?とにかく噛みきれねーのよ。わからねーだろうなー」

「いや、わかるよ。食ったことあるし」

「お、なんだよS食ったの?韓国で?」

「や、国内だけど」

「あーまーいーなー!!あまい。とら屋の羊羹痛快一本丸かじり並みに甘いね。ロイホのディモズパンケーキに、一瓶メープルシロップかけちゃうくらい甘い。なんつーか、それはお前、似非冷麺だよ。似て非なるものだよ。本場のかたさには敵わないってもんだよ。まぁまぁそれでさ、かたいだけじゃなくて長いんだよな、これが。噛みきれない上に長いから飲み込めないワケよ。あれはもう参ったね。閉口したっていうの?いや口閉じらんねーんだけどさ」

「どんくらいなげーんだよ」

「東京−ロンドンぐらい?」

「ねーよッ!!」


またです。また全員でつっこんでしまいました。もう条件反射なんです。というよりも殺伐とした雰囲気で勉強しているので、ボケにボケで返す余力がないんです。だからこそハモってしまうほど単純なツッコミをいれてしまうんです。仕方なかったんです。そして、そんな項垂れムードの僕らを後目に、ますます勢いづくK。

「まぁでも俺の中ではそんな感じだったわけよ。おいおい、どんだけ長いんだよ、国際線か!お前は国際冷麺線か!とか一人でツッコんでたら、なんか添乗員さんがさ、突然ハサミもってきて俺の冷麺につっこむわけ。うわナニするんだとかおもったら、ジョキジョキ切ってるワケよ。麺を。かたい麺を。食べ物ハサミで切るのかよ!お前はシザーハンズか!とか突っ込もうかと思ったけど、ついつい食っちゃったね。あれは美味いもんだよ。まぁなんつーか、もう文化の違いを感じたね。焼肉もハサミで切るしさ。日本でも食用バサミとかあるけど、滅多につかわねーじゃん。あれはすごいね。ハサミは韓国文化だね。日本じゃお前、焼き魚ハサミで切ったりしたら、料理屋のオヤジに首切られるぜ?絶対に。いやマジで。まぁなんつーか、最初っから切って出せよとか思うわけよ、日本男児の俺としてはさ。まーなんていうか、そういうところも文化の違い?異文化交流?そういう意味でもプチカルチャーショックだったよな」

ようやく語りを一段落させるK。冷麺から文化論までもっていくあたりは、まぁただのバカではないと思わせておいて、やっぱりただのバカなんですけどね。手を止めずに、それでも一応聞いていた僕らは、一息ついてリアクション待ちの彼にたずねました。


「で?オチは?」


「えーと…テスト範囲教えてくださいッッ!!!!


それはそれは見事な土下座でした。日本男児の、あまりにも正しい土下座姿に、殺伐とした試験前の空気に一陣の爽やかな風が吹きこんだ――そんな感じすらありました。

ちなみに僕らの応えは、全員揃って

「死ね」

だったわけですが。


血気盛んだったバカ時代の、そんな記憶を思い出させてくれる食べ物、「冷麺」。

風風亭での夕餉、最後の一腹を冷麺で〆ようかなと思いつつも、ラストオーダーを取りに来た店員に、その四文字を告げられなかったのは、Kの土下座姿が色鮮やかに脳裏に甦ったから――そう云っても過言ではないと思います。





まぁそんな事とは全く関係なく、
生肉食い足りなくて未だにイライラしている
僕だったりするわけなんですけどね。

(ユッケって、自作できないかなぁ……)

ギブアップセレクション!問題101:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題102:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題103:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題104:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題105:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題106:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題107:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題108:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題109:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題110:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題111:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題112:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題113:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題114:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題115:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題116:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題117:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題118:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題119:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題120:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題121:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題122:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題123:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題124:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題125:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題126:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題127:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題128:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題129:残り手札2枚
ギブアップセレクション!問題130:残り手札2枚

『ワードバスケット』ゲットのチャンス!
いまならクロネコブックサービスは
送料無料の税込み1260円ポッキリ(ポッキリ?)
代引きにしても1470円だ!

(このリンク先から購入してくれると春九堂が喜びマス)

(C) G-LABO Gengi-DOJO.