■ 新春連続更新2 霊的なお話 -2-

【前回】http://g-labo.pro/log/2005/200501011841.html
呼び出してはいけない『王子様』。それは2番目、4番目、9番目という、極めてわかりやすいナンバーを持った『王子様』達でした。

本当に大流行していましたから、クラス中のグループで休み時間や放課後に呼び出しては、様々な『お告げ』をききます。いくつもの魔法陣で呼び出しているわけですから、ひょっとしたら同じ番号の王子様を呼んでしまうかもしれないというおそれもあるわけです。

ですから、同じ教室内で魔法陣を書いて呼び出す場合は、他のグループに「今何番目呼び出してる?」と訪ねてから、あいている番号の王子様を呼び出す、というのがルールになっていました。

そうはいっても他のクラスでも流行っていたわけですから、同時に呼び出されている可能性もあったのですが、そのあたりはさすがの小学生知能といったところでしょうか。それとも最もらしいエクスキューズがあったのかもしれません。


ところがグループごとの溝が深まっていっていたものですから、他の『呼び出し』中のグループに声をかけずに、好き勝手に呼び出すグループがあったのです。

しばらくはそのグループも放置されていたのですが、ある日を境に突然そのグループが星の王子様を一切やらなくなってから、奇妙な噂が立ち始めました。

他のグループが呼び出しているにも関わらず、そのグループが呼び出した王子様は、呼び出していい王子様ではなく、他のナンバーの王子様を騙った『4番目の王子様』だったと。そして彼らは怖くなって、やらなくなったんだ、と。そういう噂でした。

しかし数日の内に、噂はより具体性を増してきました。一通りの質問を終えて、「ありがとうございました、おかえりください」といっても、召喚役の二人の手に握られた鉛筆は魔法陣の「いいえ」を繰り返しなぞったというのです。

さらには次いで五十音表の「い・や・だ」を繰り返し囲み、遂には召喚役の子が泣き出してしまって鉛筆を離してしまい、ちゃんと帰ってもらわなかったので、祟られた――そんな「いかにも」具体的な話になっていったのです。


こうした「おまじない」は、女子が中心になっていましたから、僕らは彼女達からの伝聞でしか、そうした話を知り得ませんでしたから、ひょっとしたら裏ではもっと色々な事があったのかもしれません。

というのも、それからまた数日もしない内に、その『4番目の王子様』に帰ってもらえなかったグループの中心だった女の子が、学校を休みだしたのです。

「裏ではもっと色々なことが」と書きましたが、具体的に云いますと、噂が噂を呼び、憶測が憶測を呼んだ末に、「あんた達祟られてるんだから」とかなんとかいう、いじめがあったりして、それを苦にして休んだのではないかと、今となっては考えられるからなのですが、そのときはただただ「祟られたんだ」という噂と憶測に肉付けをしてしまうだけの材料でしかありませんでした。


<つづく>

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