■ 大人の会話。

とある日の電車内での友人との会話。


「英語喋りたい」
「好きなだけ喋れよ。アイアムアペンから始めるか?」

「いや、間違えた。英語を喋れる様になりたい。あと俺もお前もペンじゃないと思う」
「なんだ、そういうことか。英語かー。確かにまともな英語教育受けてないからな」

「そうなんだよ。一応3+3+4で10年は英語やってるはずなんだけどな」
「まるで喋れないよな。中坊の頃夢中になって憶えた文型…だっけ?まるで意味ねーし」

「あー。あったあった。SVOCとかいうヤツなー。まるで意味ねーよなー」
「大学でネイティブな人が講師やったりして会話やらされたけど、スピーチとかさ、もう単語の羅列なのな」

「そうそう、それで無理矢理通じさせようとしたりな。アイ、ペン!、アハーン?!とか」
「やっぱりペンなのか。あとアハーンってなんだ」

「ニュアンス。あとゴメン、ペンじゃなかった。他に浮かばなかった」
「英語力ねえよなー」

「Aから始まる単語」
「A?…えーと…Aねぇ…アグリカルチャー」

「なんだっけそれ。農業だっけ?」
「そうそう」

「綴りは?」
「A…gri…culture?」

「正解かどうかがわからん」
「じゃあ聞くなよ!」

「A…A…ANGEL」
「なんでそこで天使だよ」

「わかんない。なんか浮かんだ」
「天使が浮かんだか。割と末期かもな」

「アイアムエンジェル。アハーン?」
「ノー。ユーアノットエンジェル」

「ノー!アイムエンジェル!オラエー!」
「あれ?蝶野なの?!」

「ノー!エンジェルガッチャメラ!」
「どっちだよ!エンジェルか!エンジェルなんだな?!」

「イエース!!アイアムエンジェーーール!!」
「イエス!!イエスイエスイエス!!」

「♪はっしりーだしたらぁーなにかこたえがでるだろうーなんてー」
「俺まで一緒に天使扱いにすんな」

「ひどい。仲間だと思っていたのに」
「うるさいだまれ帰れ埋まれ。そして二度と出てくるな」

「冬眠にはまだ早すぎます」
「そろそろ黙らないと本気で埋める」

「ごめんなさい。もう少し生きていたいです」
「よし。ところでなんで英語なんか喋りたくなったんだ?」

「うむ。とある女性に惚れたのだ。といっても喋る機会などないのだろうが」
「惚れたとかそういうのはどうでもいいけど、お前にしちゃ珍しいな。女優?」

「いや、スポーツマン」
「ウーマンな」

「そう、それ」
「で、誰よ?」

「シャラポワ」
「シャラポワ、ロシア人だぞ」

「うっそ!?英語喋ってたよ?!」
「いや、ロシア人だって英語喋るよ」

「騙された!騙されたよ!」
「うるさいヤツだな。あとお前別にシャラポワがどうこうって、おっぱいだけだろうに」

「悪いか。彼女のおっぱいは良い感じだぞ。スポーティーで」
「あれ、着け乳首だって話だぞ」

「なにそれ」
「マジ乳首ではないのだ。ああいう突起状の二プレスってことだな」

「なにそれ?!?!」
「ちょっと前に話題になったんだが…」

「ちっくしょー!!騙された!!騙されまくった!!」
「いやいやいや、別に騙そうとしてそうしてるわけじゃないから」

「騙されたー!!くっそー!ロシアか!ロシアなのか!くっそー!!」
「そこまで憤りをあらわにすることでもないと思うんだが」

「うるさい!なんだその擁護っぷりは!なんだお前ロシアびいきか?!」
「いや、人を勝手にロシアびいきにすんなよ」

「なんだお前、あれだろ、どうせタトゥーとか好きなんだろ!この非国民!売国奴!」
「うわ、えらいいわれ様だが、CD貸してくれたのお前だし、俺ファンじゃないし」

「うわーん!もうなにもかもがダメだ!返せ!返せよお!」
「CDならこないだ持ってっただろう」

「そうじゃねえよ!返せよ!俺の純情返せよ!英語へのモチベーションも返せよ!」
「いやーそれは返せない。ごめん、奪ってもいないし」

「じゃあ北方領土返せよ!!」
「もってねえよ!!なに人の事勝手にロシアの最高権力者にしてんだよ!!」

「お、ついた。そんじゃおつかれー」
「あいよーまたなー」



三十路に足を踏み込んでも
頭の悪さは相変わらずです。

(どっちが僕かは考えない様に)

(C) G-LABO Gengi-DOJO.