■ ワーズ!ワーズ!!○ン○レ!〜宇呂田勝男の世界〜

というわけで、御題『ツンデレに似た言葉で、ツンデレに続く新しい萌えジャンルを考えてみよう』に多数の投稿をありがとうございました。今回はかなりハードルが高めだったのですが、それでも皆さんかなり健闘してくれたと思います。

さて、そんな健闘してくれた投稿の中でも、ひたすら僕のツボをえぐり続けてくれたのが、過去の言戯道場時代からの採用常連だったHN:宇呂田勝男さん。大体1本のメールに5作くらいをズラっと書いて送ってきてくれるのですが、どれもこれもなかなかのセンス。

もちろんボツなものもありますが、全体的にクオリティが高いんですよね。こういう分野が得意なんでしょーか(笑)。宇呂田さんってばそっち系?(どっち系だよ)

とまぁ、そんなわけで、今回は特別に宇呂田勝男特集といってみたいと思います。「数打ちゃ当たる」の精神で大量投稿するのもアリですが、一発一発の精度と威力がある程度高くなければ意味がない。そんな「一撃必殺」ならぬ「多撃必倒」型の、よいお手本となってくれるかと思います。それでは早速いってみましょー。


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『インテリ』
「べ、別に君のために作ってきたわけでは無いのだ。料理とういうものは同時に大量の食材を扱うことで旨味成分の向上、味の均一化が量れるという推測が成り立ったので、過剰に作っただけだ。だが、食事は調理後即時に接種しないと味が劣化する上に、冷蔵庫の空間配置にも問題が生じる。よって、君にこの弁当を渡すだけなのだ。な、なんだそのニヤけ顔は!い、いいから直ちに食べたまえ!就業時間まで時間が無いぞ!」

寸評:イメージ的には明らかに眼鏡っ子しか浮かばなかったわけですが、かなりツボでした(笑)。就業時間というあたりでまたこれが。OLさんなのね。そんなツンデレ気味なOLさんなのですね。もう色々たまんない(笑)。
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『モンゴル』
「し、視力なんてほめられても何にも出ないんだから!わ、私はフビライの子孫よっ!?そ、その程度の賞賛で喜ぶわけないじゃない!バカッ!」

寸評:ボケきられました。モンゴルというキーワードにあえて乗馬だとか相撲だとかを持ってこないで「視力のよさ」。しかも返しがフビライって(笑)。様々な分野で登場するチンギス・ハーンではなく、日本史でしか習わない孫のフビライを持ってくるあたりがセンスですよね。なんというか「元寇少女」とかそんな感じ(笑)。
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『インテル』
「私が入ってないと何にもできないんだから…ほんっとに、ちょっとは感謝ぐらいしたらどう?え?…バ、バカ!何もそこまで宣伝しなくても…も、もういいから!分かったから!ほんっとにバカなんだから!!」

寸評:ウチのPCもインテル入ってるんですが、こんな子なのかしらん(笑)。
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『テンパリ』
「か、かかかかかかかかかか勘違いしないでででよねねねねねねねねね、わ、わたわたわたわたしはそんなつもりじゃじゃywせdrftgyふ(気絶)」

寸評:表題先行ボケ逃げって感じですな。赤面しちゃって何も言えなくなってとか萌えシチュエーション的なモノはいくらでも膨らませられるであろうモノに対して、思い切りボケ逃げ、このあたりがセンス。ツンデレのセリフ基準として「言い始めをどもる」というのがあるわけですが、それを上手いこと毒パロディにしたのかなとも思われる次第。上手いなあ。
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『ダンマリ』
「…(無言で弁当差し出す)
 …(勝手に真っ赤になる)
 …(何故かビンタをする)
 …(そっぽ向いて走り出す)」


寸評:誰もが思いつくであろう表題に対しては、どうやってシチュエーションを作り上げるかがキモになるわけですが、これは本当に上手かったです。ダンマリ自体は、他にも同案が6件ほど。同案多数ランキングだと5位っくらいになるんですが、これを超えるシチュエーション部分はありませんでした。キャラクターを動かすチカラがあるんでしょうね。本当に得意分野なんだろうなあ(笑)。
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『シンバル』
「…ふぁー…ほんっと暇ねぇ、オーケストラって…あんたもよっぽどの変人ねぇ、こんな暇な時間を私と過ごすなんて…彼女いないでしょ?やっぱりねー、バカだもんね、アンタ。まったく、黙ってればいい男なんだしさー…って、勘違いしないでよねっ!わ、私はアンタなんかこれっぽっちも意識なんかしてないんだからねっ!あなたがシンバル奏者だから嫌々つきあってあげてるんだからねっ!勘違いしないでよ、バカッ!!(最後の「バカッ!!」でジャーンと鳴らして演奏終了)

寸評:シンバルパートがヒマだとは思いませんが(笑)。○ン○ラ行ワイルドというレギュレーションの中で、コツコツと言葉を探していって出てきた言葉を、大事に考えぬいた苦労のあとが見られます(笑)。まぁそれだけでは採用にはならないわけなんですが、キモはやっぱり最後の鳴り物オチですね。これだけで「この子」のキャラが立ってくる。初登場としてはこれで十分ですが、シンバルなツンデレとして今後様々なシチュエーションで、オチにシンバルを鳴らす子としてコントの登場人物的な活かし方が出来るんじゃないかなぁと。ほら、宇呂田さんの言戯で勝手に想像膨らませられちゃってるでしょ?こういうのがスゴイわけです。
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『オンボロ』
「もう捨てちゃえばいいじゃない、私なんて!どーせアンタは新しい娘の方が好きなんでしょ!私みたいなオンボロとっとと捨てちゃって忘れちゃいなさいよ!…き、機械に感情なんてあるわけないでしょ!これは機械としてのしごく当然のエラーメッセージなんだから!な、泣いてなんかいないわよ!こ、これは眼球機構の故障なのよ!…ば、バカそんな貧乏性だから人間の彼女なんてできないんだから!あ、アンタなんか、私と一緒に朽ち果てなさいよ!…あ、こ、これは一生アンタに面倒見てもらいたいとかそんな意味なんかじゃないんだからね!勘違いしないでよね!」

寸評:300文字未満のセリフだけで、ストーリーがしっかりと出来上がっているのが素晴らしい。深く掘り下げると、ロボットやアンドロイドとの恋というライトSFな世界の定番テーマにさえ関わってくるような。非常に上手いです。個人的には天才・椎名高志の短編『電化製品(アンドロイド)に乾杯!』に登場した「ミソッカス90F」のツンデレバージョンを見た思いです(笑)。
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『マンマル』
「ちょ、ちょっと、転がさないでよ!ボールみたいだからって転がったりしないんだからね!や、やめてよ、可愛らしい形だなんて、そんなっ…あ、あんたなんかサンカクと一緒にいればいいじゃない!」

寸評:仲間内でも大好評だった作品(笑)。「まんまるかわいいよまんまる」としばし盛り上がりましたね。他にもこのあとに続くセリフやシチュエーションを勝手に考えちゃったりしたわけで、コレは本当に素晴らしい。「相手のリアクションを引っ張り出す」という言戯の基本をしっかり押さえてくれています。ただの「まんまる」だと、デブ系を考えやすいところなんですが、「あんたなんかサンカクと一緒に」のところで、図形・形状そのもののキャラクターなのだというフォローになっているわけです。こういうところも上手い。
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『シンプル』
「ばか、勘違いするな、ゴメン嘘、好き」

寸評:個人的には一番好きです。本当にシンプルにツンデレ的なものを描ききっています。一見一部で新しいジャンルとしての確立を見せ始めている「素直クール」にも似ますが、どっこいそうじゃないというところも、またポイント。四つのタームが、しっかり起承転結しているのも素晴らしいですね。こういうところにセンスが出るんだなあ。
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とまぁ、ずらずらっと紹介してきたわけですが、これで全体の1/3くらいってところなんじゃないでしょうか。まだまだ紹介したい宇呂田作品はあるんですが、本当にどれも落とせないのばっかりです。機会があれば全作品を晒しちゃいたいくらいですね(笑)。

しかも、ここで紹介したのも宇呂田作品群の中でズバ抜けていいとかそういうわけではないんだから困っちゃいますよね。まず採用基準に満たないモノはカットして、その中から軽くひっかかったのだけ出しただけなんですから。いやいや大したもんです。

宇呂田さんの特徴というか「○ン○レ(ラ行ワイルド)」4文字の方はありきたりであっても、そこから先の膨らませ方、味付けの仕方が絶妙なんですよね。さらに云うと、この「言葉(4文字の方)なら、こういうのになるだろうな」という、そっちの「ありきたり」も上手いこと独自のセンスでヒネってくる。

いわゆる「お約束」を踏まえながらも、独自の世界を広げるというのは、もっとも受け入れられ易い手法だと思います。いや実に素晴らしいです。そういうわけで、宇呂田さんは、これからもバシバシ素敵な投稿をしてやってくださいね!


さて、御題『ツンデレに似た言葉で、ツンデレに続く新しい萌えジャンルを考えてみよう』ですが、強烈なお手本を並べたところで、もう少し投稿募集を続けてみたいと思います。

宇呂田さんのように言葉とストーリーで攻めて来るもよし、ムスメロのろりーさんのように、イラストをつけてみたりするのも全然アリです。一つ思いっきり突き抜けたヤツを期待したいです。皆さん頑張ってください!(私信:ろりーさん、もしよろしければ優秀作品なり採用作品なりをイラスト化してやってくれたりしませんか(笑)?)


ちなみに先日友人に「○ン○レ」でなんかないか?と話していたところ。

「うーむ…ガンギレ」
「意味は?」

「ガンガンにキレてんの」
「それ萌えか?!」

「じゃあ、ドンギレ」
「意味は?」

「ドンドンにキレてんの」
「いやキレに拘りすぎだし萌え要素カケラもないけど?」

「じゃあゼンギレ!」
「意味は?!」

「全開にキレてんの!」
「だからー!なんだよキレてんのかよ!」

「キレてないれすよ。ぉん。俺のことキレさしたら大したもんれすよ。ぉん」
「お前それやりたかっただけだろ」

「ゼンバレ(全開にバレてんの)」
「上手いこと云った気になってんじゃねええええええええええ!!!!」

という、まさに具にもつかない会話が繰り広げられました。



まぁなんというか、アレだよ、ウン。なぁ金沢?
(どっちが僕だかゼンバレですな(笑))

(C) G-LABO Gengi-DOJO.