【 2006年01月09日-22:42 のつぶやき 】
■ どうぶつの森日記総集編 −1−
1日目
都会の生活に厭いた僕は、この寒村へとやってきた。住人達は皆穏やかで、時間もゆっくりと流れていくという評判の村だ。様々な人間関係や社会の柵にとらわれない緩やかな時間の中で、本当の人生の意味を見直してみたい。それが僕の望みだ。
目指すべき生活は文字通りの自給自足。果樹園運営や花の品種改良などで生計を立てていきたい。穏やかに、ただ穏やかに。まずはそこからはじめよう。
2日目
参った。入居先の家を用意してくれる手はずになっていたタヌ吉なる商人がいたのだが、当たり前のように家の代金を請求された。持ち合わせもない以上、当然借金を背負うことになる。初っぱなからとんでもないことになってしまった。
借金のカタにタヌ吉に云われるがままに使い走りをさせられる事に。村中を走り回されたが、結局雀の涙ほどの金にしかならなかった。苦肉の策で村中のオレンジをもいで売却する。木守や次の苗の為の果樹を残さないという農業の本道に反した行動だ。計画的に農業を営むはずが、早くもその日暮らしの生活になってしまった。この先どうなってしまうのだろう。
3日目
金がない。驚くほどに金がない。そして用意された家にはロウソクと粗末なベッドしかない。餓えはオレンジを食べてしのいでいるのだが、明らかに栄養不足だ。考えてみれば農業を行おうにも、開墾するための斧もなければスコップもない。俺はこの村に何をしに来たのだろう。
村の住人が釣りをしているのをみた。どうやら魚はよく釣れるらしい。そして魚も売れるらしい。そういえばタヌ吉の店に釣り竿が売っていたような気がする。あれを手に入れれば少しは状況が変わるかもしれない。農園計画の道のりは遠い。
4日目
再びオレンジが実ったので収穫して売り払い、釣り竿を手に入れた。海にいってひたすら魚を釣っては売り釣っては売りを繰り返し、なにがしかの金を得ることが出来た。まずは斧を買おう。そして土地を開墾するのだ。
5日目
斧を購入した。これで土地が開墾できる。勢い込んで適当な土地に目星をつけて斧をふるった。木は倒れ切株となる。しかしそれを掘り起こすスコップがない。しかも何本かの木を切り倒したところで斧が壊れてしまった。不良品なのだろうか。それともこの村には粗悪品しか売っていないのだろうか。
開墾どころか四方に切株を作り、土地を荒らしただけになってしまった。しかもタヌ吉の店は改装になるという。当分の間開拓は出来そうにない。
6日目
日がな一日釣りをする。貝殻を拾ったりもするのだがタヌ吉の店が休みなので売ることも出来ない。部屋中に釣った魚の水槽が置かれ、家の外には貝殻が散乱している。何をすることも出来ないので、村中の草花を集めて花壇を作ってみた。品種改良の第一歩になればいいのだが。
7日目
タヌ吉の店が改装完了。スコップと斧を入手した。これでようやく開墾が進む。区画を考えながら木を切り倒し、切株を掘り起こして整地する。やはり労働はいいものだ。額に汗して自分の口を養うものを作る。これこそが真の人生なのだ。人間は大地にしっかりと両足をおろして生きて行かなくてはいけない。開墾した土地を見て、改めてそう思った。
収穫してあるオレンジを植えるのは明日にしよう。久しぶりに充実した一日だった。
8日目
大事件が起きた。朝起きて開墾した土地に行ったら、どういうわけか家が建っていたのだ。新しい住人が入村したという。斧とスコップをふるい、額に汗して切り開いた土地が。
愕然とした後で怒りがわき上がり、その新しい住人に文句を云ってやろうと踏み込んだのだが、「部屋の片づけをするから」の一点張りでまるで会話にならなかった。怒りのやりどころがなく、家に走って帰ったのだが、途中で花壇を踏み荒らしてしまった。まさに踏んだり蹴ったりだ。
10日目
ここ数日は同時期に他の村に入村した友人達に頼んで、特産品の果樹を持ってきてもらったりしていた。開墾する場所も慎重に選んで整地し、次々と果樹を植えてゆき、小規模ながらも少しずつ果樹園らしくなってきた。釣りをするのも化石を掘るのも貝殻を集めるのもいいが、そんな他力本願な生活ではなく、僕は大地に根ざした生活を送っていきたい。
13日目
他の村に入村した友人を訪ねて驚いた。僕は花の品種改良や増作に苦心していたのだが、この村では他の住人達が率先して花を育てているという。自宅も随分と改築が進み、「ローンで困っているよ」などと苦笑しながらも、調度などもかなり凝った内装に仕上がっていた。
収入方法について効いてみたのだが、家具を拾ったり自生している果樹を売ったり釣りをしたりしているだけだという。時には役場の廃品回収所を物色して、使えそうなモノを転売したり、村の遺失物を横領して転売しているそうだ。
愕然とした。彼らはそんな浮浪者然とした暮らしをしていて、こんな豪華な生活を出来ているのに、僕は額に汗して土地を拓き、花や果樹を育てている僕は相変わらず貧しいままだ。電化製品の一つもない。
僕は「そんなその日暮らしの生活で生きていくなんてごめんだ!」と捨て台詞を残して彼の村を去った。我ながら情けない負け犬の遠吠えだったと思う。
帰宅後、何もない部屋についてロウソクに火を灯したが、彼の部屋とは比べるべくもないほど貧しい自分の日常が照らされただけだった。少しだけ泣いて、眠ることにした。
15日目
果樹園も随分と大きくなった。品種も増え、桃・オレンジ・さくらんぼ・梨・リンゴなどの栽培に成功している。区画もキレイに揃っているし、今のところ収穫も順調だ。暮らしぶりも安定してきたので借金を返済し、少々キツくはあったがローンを組んで自宅の改築を行うことにした。手元に残ったいくばくかの金で調度も揃え、ようやく生活にゆとりが出来てきた。苦労はあったが少し報われる想いがした。
16日目
数日前から果樹園が安定してきたので、本腰を入れて花の栽培に着手している。しかしなかなかに品種改良は上手く行かず、増作も出来ていない。他の村の住人にきいてみると、やはり他の村民が水やりなどで協力してこそ成功するものらしい。中には「趣味が花の世話」という人もいるのだという。
しかし僕の村の住人は、ひたすら散歩をしたり真冬にも関わらず昆虫を探したり釣りをしたりという程度で、誰も花には関心がないようだ。これはなんとかしなければならない。まずは花に興味を持ってもらうところからはじめよう。
17日目
思案した挙げ句、これまでなんとか増作に成功した花や、自腹を切って栽培した花を見栄えの好いように配置と組み合わせをして、他の住人達の住居周辺に植えてみることにした。これで他の住民達が花に興味を持ってくれればいいと思う。出来れば枯らさないで欲しいが、当面は自分で世話をしよう。
18日目
8人の村民全員が花を枯らせていた。そして相変わらず虫網を持って村中をそぞろ歩きしている。まるで花には興味がないようだ。軽いショックを受けるも、全ての家を回って水やりをしたり雑草を抜いたりして世話をした。なにか他に方法はないだろうか…。
19日目
住民達に手紙を出すことにした。栽培に成功した赤いバラを添えて「みんなで花を育てて、我が村を花咲き乱れる素敵な村にしませんか」としたためたのだ。このバラは僕の花壇で増作に成功した自信作だ。赤いバラの花言葉は「情熱」。少しでも僕の村の緑化にかける情熱が伝わればいいと思う。虫取りにしか興味のなさそうな住人にはジョウロも贈ることにした。全て自腹を切ったので、少々フトコロ痛いが、これで少しでも村に花が増えればと思う。
20日目
村民達から返事が返ってきた。花の礼だろうか、なにがしかの贈り物もつけてくれている。手紙の内容もそこそこ好意的だ。だが相変わらず村民の大半は虫網を持って歩いているだけだ。僕が知らないだけで昆虫ブームでも起きているのだろうか。
21日目
ジョウロを送った住人の家を訪問してみた。僕の送ったジョウロは部屋の片隅に放置されていた。まるで気づかなかったかのように平静を装って辞去した。
22日目
手紙を出しに役場にいったついでに廃品を処理しようと廃品回収ボックスを開けた。中にはゴミに紛れて、赤いバラが捨てられていた。何かの間違いであって欲しいと願いつつ、バラを拾い上げたが、涙が溢れて止まらなくなった。気がついたら僕は号泣していたようだった。役場の窓口からペリカンに似た女性職員が怪訝な顔つきでコチラを見ていた。
23日目
一晩泣き明かした朝、僕は少し考え方を改めることにした。僕は少し一方的だったのかもしれない。なにしろまだ新参者なのだ。それが唐突に花に水をやれだのなんだのを要求するのは、ちょっと違うのだろう。自分の環境を整えることに邁進するあまりに他の住民とのコミュニケーションも十分ではなかったのかもしれない。
村には村の流儀があるのだろうし、昆虫採集がはやっているならば、付き合いでそれをたしなむのもいいではないか。そう思って虫取網を手にとった僕は「これからが新しい第一歩だ」と独りごちて外に出た。
住民達は皆釣り竿を持って村を歩いていた。僕は一人で虫網を持ったまま途方に暮れた。それから僕の思考は、絶対に辿り着きたくなかった一つの結論に辿り着いた。
「僕は嫌われている」。
途端に、こちらを見ている住民達の視線が悪意と嘲笑に満ちたものにしか感じられなくなった。どこから誰かの声で僕の名前を呼ぶ小さな声が聞こえた。その声もまた悪意と嘲笑に満ちている。そして僕を呼ぶ小さな声は四方八方から聞こえて来た。誰も話しかけては来ていないのに。
僕はその場から逃げ出すようにして家に駆け込んだ。
他の「おいでよ どうぶつの森」プレイヤーの皆さん。
このゲームって、こんな非道い世界なんでしょうか。
それとも僕だけ何か間違っているんでしょうか。
ほのぼのとしたゲーム世界のはずなのに
現実以上に辛い展開になっているんですが。
(…このままだと人格的に転落人生か復讐劇になりそうな予感が…)
都会の生活に厭いた僕は、この寒村へとやってきた。住人達は皆穏やかで、時間もゆっくりと流れていくという評判の村だ。様々な人間関係や社会の柵にとらわれない緩やかな時間の中で、本当の人生の意味を見直してみたい。それが僕の望みだ。
目指すべき生活は文字通りの自給自足。果樹園運営や花の品種改良などで生計を立てていきたい。穏やかに、ただ穏やかに。まずはそこからはじめよう。
2日目
参った。入居先の家を用意してくれる手はずになっていたタヌ吉なる商人がいたのだが、当たり前のように家の代金を請求された。持ち合わせもない以上、当然借金を背負うことになる。初っぱなからとんでもないことになってしまった。
借金のカタにタヌ吉に云われるがままに使い走りをさせられる事に。村中を走り回されたが、結局雀の涙ほどの金にしかならなかった。苦肉の策で村中のオレンジをもいで売却する。木守や次の苗の為の果樹を残さないという農業の本道に反した行動だ。計画的に農業を営むはずが、早くもその日暮らしの生活になってしまった。この先どうなってしまうのだろう。
3日目
金がない。驚くほどに金がない。そして用意された家にはロウソクと粗末なベッドしかない。餓えはオレンジを食べてしのいでいるのだが、明らかに栄養不足だ。考えてみれば農業を行おうにも、開墾するための斧もなければスコップもない。俺はこの村に何をしに来たのだろう。
村の住人が釣りをしているのをみた。どうやら魚はよく釣れるらしい。そして魚も売れるらしい。そういえばタヌ吉の店に釣り竿が売っていたような気がする。あれを手に入れれば少しは状況が変わるかもしれない。農園計画の道のりは遠い。
4日目
再びオレンジが実ったので収穫して売り払い、釣り竿を手に入れた。海にいってひたすら魚を釣っては売り釣っては売りを繰り返し、なにがしかの金を得ることが出来た。まずは斧を買おう。そして土地を開墾するのだ。
5日目
斧を購入した。これで土地が開墾できる。勢い込んで適当な土地に目星をつけて斧をふるった。木は倒れ切株となる。しかしそれを掘り起こすスコップがない。しかも何本かの木を切り倒したところで斧が壊れてしまった。不良品なのだろうか。それともこの村には粗悪品しか売っていないのだろうか。
開墾どころか四方に切株を作り、土地を荒らしただけになってしまった。しかもタヌ吉の店は改装になるという。当分の間開拓は出来そうにない。
6日目
日がな一日釣りをする。貝殻を拾ったりもするのだがタヌ吉の店が休みなので売ることも出来ない。部屋中に釣った魚の水槽が置かれ、家の外には貝殻が散乱している。何をすることも出来ないので、村中の草花を集めて花壇を作ってみた。品種改良の第一歩になればいいのだが。
7日目
タヌ吉の店が改装完了。スコップと斧を入手した。これでようやく開墾が進む。区画を考えながら木を切り倒し、切株を掘り起こして整地する。やはり労働はいいものだ。額に汗して自分の口を養うものを作る。これこそが真の人生なのだ。人間は大地にしっかりと両足をおろして生きて行かなくてはいけない。開墾した土地を見て、改めてそう思った。
収穫してあるオレンジを植えるのは明日にしよう。久しぶりに充実した一日だった。
8日目
大事件が起きた。朝起きて開墾した土地に行ったら、どういうわけか家が建っていたのだ。新しい住人が入村したという。斧とスコップをふるい、額に汗して切り開いた土地が。
愕然とした後で怒りがわき上がり、その新しい住人に文句を云ってやろうと踏み込んだのだが、「部屋の片づけをするから」の一点張りでまるで会話にならなかった。怒りのやりどころがなく、家に走って帰ったのだが、途中で花壇を踏み荒らしてしまった。まさに踏んだり蹴ったりだ。
10日目
ここ数日は同時期に他の村に入村した友人達に頼んで、特産品の果樹を持ってきてもらったりしていた。開墾する場所も慎重に選んで整地し、次々と果樹を植えてゆき、小規模ながらも少しずつ果樹園らしくなってきた。釣りをするのも化石を掘るのも貝殻を集めるのもいいが、そんな他力本願な生活ではなく、僕は大地に根ざした生活を送っていきたい。
13日目
他の村に入村した友人を訪ねて驚いた。僕は花の品種改良や増作に苦心していたのだが、この村では他の住人達が率先して花を育てているという。自宅も随分と改築が進み、「ローンで困っているよ」などと苦笑しながらも、調度などもかなり凝った内装に仕上がっていた。
収入方法について効いてみたのだが、家具を拾ったり自生している果樹を売ったり釣りをしたりしているだけだという。時には役場の廃品回収所を物色して、使えそうなモノを転売したり、村の遺失物を横領して転売しているそうだ。
愕然とした。彼らはそんな浮浪者然とした暮らしをしていて、こんな豪華な生活を出来ているのに、僕は額に汗して土地を拓き、花や果樹を育てている僕は相変わらず貧しいままだ。電化製品の一つもない。
僕は「そんなその日暮らしの生活で生きていくなんてごめんだ!」と捨て台詞を残して彼の村を去った。我ながら情けない負け犬の遠吠えだったと思う。
帰宅後、何もない部屋についてロウソクに火を灯したが、彼の部屋とは比べるべくもないほど貧しい自分の日常が照らされただけだった。少しだけ泣いて、眠ることにした。
15日目
果樹園も随分と大きくなった。品種も増え、桃・オレンジ・さくらんぼ・梨・リンゴなどの栽培に成功している。区画もキレイに揃っているし、今のところ収穫も順調だ。暮らしぶりも安定してきたので借金を返済し、少々キツくはあったがローンを組んで自宅の改築を行うことにした。手元に残ったいくばくかの金で調度も揃え、ようやく生活にゆとりが出来てきた。苦労はあったが少し報われる想いがした。
16日目
数日前から果樹園が安定してきたので、本腰を入れて花の栽培に着手している。しかしなかなかに品種改良は上手く行かず、増作も出来ていない。他の村の住人にきいてみると、やはり他の村民が水やりなどで協力してこそ成功するものらしい。中には「趣味が花の世話」という人もいるのだという。
しかし僕の村の住人は、ひたすら散歩をしたり真冬にも関わらず昆虫を探したり釣りをしたりという程度で、誰も花には関心がないようだ。これはなんとかしなければならない。まずは花に興味を持ってもらうところからはじめよう。
17日目
思案した挙げ句、これまでなんとか増作に成功した花や、自腹を切って栽培した花を見栄えの好いように配置と組み合わせをして、他の住人達の住居周辺に植えてみることにした。これで他の住民達が花に興味を持ってくれればいいと思う。出来れば枯らさないで欲しいが、当面は自分で世話をしよう。
18日目
8人の村民全員が花を枯らせていた。そして相変わらず虫網を持って村中をそぞろ歩きしている。まるで花には興味がないようだ。軽いショックを受けるも、全ての家を回って水やりをしたり雑草を抜いたりして世話をした。なにか他に方法はないだろうか…。
19日目
住民達に手紙を出すことにした。栽培に成功した赤いバラを添えて「みんなで花を育てて、我が村を花咲き乱れる素敵な村にしませんか」としたためたのだ。このバラは僕の花壇で増作に成功した自信作だ。赤いバラの花言葉は「情熱」。少しでも僕の村の緑化にかける情熱が伝わればいいと思う。虫取りにしか興味のなさそうな住人にはジョウロも贈ることにした。全て自腹を切ったので、少々フトコロ痛いが、これで少しでも村に花が増えればと思う。
20日目
村民達から返事が返ってきた。花の礼だろうか、なにがしかの贈り物もつけてくれている。手紙の内容もそこそこ好意的だ。だが相変わらず村民の大半は虫網を持って歩いているだけだ。僕が知らないだけで昆虫ブームでも起きているのだろうか。
21日目
ジョウロを送った住人の家を訪問してみた。僕の送ったジョウロは部屋の片隅に放置されていた。まるで気づかなかったかのように平静を装って辞去した。
22日目
手紙を出しに役場にいったついでに廃品を処理しようと廃品回収ボックスを開けた。中にはゴミに紛れて、赤いバラが捨てられていた。何かの間違いであって欲しいと願いつつ、バラを拾い上げたが、涙が溢れて止まらなくなった。気がついたら僕は号泣していたようだった。役場の窓口からペリカンに似た女性職員が怪訝な顔つきでコチラを見ていた。
23日目
一晩泣き明かした朝、僕は少し考え方を改めることにした。僕は少し一方的だったのかもしれない。なにしろまだ新参者なのだ。それが唐突に花に水をやれだのなんだのを要求するのは、ちょっと違うのだろう。自分の環境を整えることに邁進するあまりに他の住民とのコミュニケーションも十分ではなかったのかもしれない。
村には村の流儀があるのだろうし、昆虫採集がはやっているならば、付き合いでそれをたしなむのもいいではないか。そう思って虫取網を手にとった僕は「これからが新しい第一歩だ」と独りごちて外に出た。
住民達は皆釣り竿を持って村を歩いていた。僕は一人で虫網を持ったまま途方に暮れた。それから僕の思考は、絶対に辿り着きたくなかった一つの結論に辿り着いた。
「僕は嫌われている」。
途端に、こちらを見ている住民達の視線が悪意と嘲笑に満ちたものにしか感じられなくなった。どこから誰かの声で僕の名前を呼ぶ小さな声が聞こえた。その声もまた悪意と嘲笑に満ちている。そして僕を呼ぶ小さな声は四方八方から聞こえて来た。誰も話しかけては来ていないのに。
僕はその場から逃げ出すようにして家に駆け込んだ。
このゲームって、こんな非道い世界なんでしょうか。
それとも僕だけ何か間違っているんでしょうか。
ほのぼのとしたゲーム世界のはずなのに
現実以上に辛い展開になっているんですが。
(…このままだと人格的に転落人生か復讐劇になりそうな予感が…)