【 2006年03月02日-10:03 のつぶやき 】
■ シェルダンな森 おいでよ どうぶつの森日記 −1−
この記事はニンテンドーDSのゲームソフト『おいでよ どうぶつの森』をプレイした筆者の視点から、その村での生活を描いたプレイレビューです。あくまでもフィクションと独自の解釈に基づいた文章であり、一般的なプレイの解釈とはかけ離れたところも多々あると思われます。なお、レビュー対象であるゲームがフィクションである以上、本記事もフィクションであることをご了承下さい。「被害妄想が酷い」とか「まともにプレイしろ」だとか愉快すぎるご意見は無用です(笑)。
【プロローグ・回想】
もう数ヶ月前の事だ。私はとある村に訪れた。いや、正確に云えば入村したと云った方がいいのだろう。都会の生活に厭いた私は、少しだけ、そう少しだけ夢を見たくなったのだ。自然溢れる山村に暮らし、花と果樹を育てる。釣りや昆虫採集を趣味とする、穏やかな住人達との穏やかな時間。それが私の夢見た生活だった。
だが今も目を閉じれば、脳裏に鮮明に蘇る風景がある。私の好意を嘲笑ったワニ顔の女。私を貶めたネズミ顔の男。悪魔のような顔をしていたが優しく穏やかであった釣り好きの友人。そして…諸悪の根源であったカエルヅラの男。
私は村にとって最初から最後まで「部外者」であったのだ。夢見た生活は何一つ適うことなく、私はそこでの生活を破壊した。私の夢とともに、そして――村ごと。
そして、あの月が満ちた夜に、私は復讐を成した。カエルヅラの男は姿を消し、その後ネズミ顔の男も姿を消した。ワニ顔の女は脅え、私に媚びへつらうようになった。
やがて新しい住人達が訪れ、村は姿を変えていった。ワニ顔の女も姿を消し、私は公共機関や商売をしている連中以外の「最古の住人」となった。古く悪しき因習は断ち切られ、村は栄えた…のだと思う。しかしながら私はただ淡々と日々を過ごしていた。
果樹を思い通りに育て、花を育てても心は動かない。海釣りをしているところに引っ越してきた住人が声をかけてくるが、顔は笑って応対しても虚しさを含んだ海風が私の心を撫でるばかりだった。
復讐という名の劇薬。それは甘美な果実でもあったのかもしれない。
今や村中に計画整備された果樹園を持ち、株式投資で利益を上げ、村一番の豪邸を構えている私に対して、誰も害意を持ち得ようはずもない。仮に誰かしらが害意を持とうとも、今の私にはそうした不穏分子を排除する手段も力もあるのだから。
安穏な日々。穏やかに過ぎる時間。しかしそれは禁断の果実の味を知ってしまった私にとっては、ただただ、つまらない日々だった。
海でシーラカンスが釣れた、ある雪の日。海岸に流れ着いた一通のメッセージボトル。そこには「どこか遠くへ行きたい」とだけ書かれていた。どこの誰が書いたともしれない、いびつな文字で書かれた文章。だがそれは私の心の深奥に刺さっていた棘を強く刺激した。
――新しい土地へ。私のことを、いや僕のことを誰も知らない新しい場所へ。
その想いに取り憑かれると、私はいてもたってもいられなくなってしまった。釣り上げたシーラカンスを博物館に寄贈した私は、全ての資産を整理すると、遠く離れた地にいる友人に手紙を書き始めた。「今いる村を離れたい。ついてはしばしの間、身を寄せさせて欲しい」と。
全ての家具調度や美術品を売り払い、保持していた株式も売却した。果樹園も最後の収穫をして、その全てを出荷した。マンネリ化していた日常の中では苦痛でしかなかった作業が、今ではこれほどまでに心躍らせるものになろうとは思いもよらなかった。
おそらくこの村に住む誰もが目にしたことも、いや想像すらし得ないであろう金額が私の手元に残った。資産を整理すべく役場に向かうと、保存しておいた郵便が目に止まった。それは数日の間だけではあったが、唯一心安まる時を与えてくれた友人からの最後の手紙。
君とは色々なところで遊んだね。本当に楽しかった。僕の事を忘れないでね。また、いつかどこかで――。
浅黒い肌をした友人の姿を思い出す。独特なのんびりとした口調と優しく低い声で、その文章は私の聴覚にしっかりと再現された。「いつかどこかで」。今こそその時なのだ。何処とも知れない場所へと消えてしまった友人。彼にもう一度会いたい。私はその手紙を保存箱から取り出すと、しっかりと荷物へとしまいこんだ。
新しい人生にもう一つの目標が出来た。
程なく友人から居候を快諾してくれるとの連絡が入った。新しい入村先が決まるまでの間のほんのひとときの間ではあるが、こうして受け入れてくれる友人がいるのはありがたいことだった。
既に準備を終えていた私は、役場のペリカン似の女に引っ越しの手続きを頼むと関所へと向かった。誰も見送りに来はしない。当たり前の事だ、私は最初から最後まで「部外者」であったのだから。
関所前に植えた花々は、やがて訪れるであろう春を待ち焦がれながらも、雪の中で力強く咲いていた。この花々も私が去った後は枯れゆく運命なのだろうか。そう考えると、ほんの少しだけ胸が痛んだ。
我ながら感傷的だとは思ったが、私はそこに咲いていた白い薔薇を一輪だけ丁寧に抜き取って手荷物に加えると、私は新しい人生へと向けて関所を通り抜けた。
――こうして私は最初の村を棄てた。
【要約】
それまで運営していた村に飽きたので、友人のDSとソフトを使って引っ越し。全財産と保存されていた手紙などは全て移行されるので、家財道具やそれまでに揃えていたものを全て売り払って全て貯金し、移動。その後自分のソフトで新しい村を作り、最初のタヌ吉アルバイトを終えた時点で、そちらの村へ引っ越し予定。目標はロデオ(黒い牛)との再会。カブで儲けた金が相当あるので、新しい村では相当な富豪暮らしの予定。
たったこれだけの事で
2000文字近く書いている自分が
バカバカしくって大好きです。
(多分、しばらく続きます)
【プロローグ・回想】
もう数ヶ月前の事だ。私はとある村に訪れた。いや、正確に云えば入村したと云った方がいいのだろう。都会の生活に厭いた私は、少しだけ、そう少しだけ夢を見たくなったのだ。自然溢れる山村に暮らし、花と果樹を育てる。釣りや昆虫採集を趣味とする、穏やかな住人達との穏やかな時間。それが私の夢見た生活だった。
だが今も目を閉じれば、脳裏に鮮明に蘇る風景がある。私の好意を嘲笑ったワニ顔の女。私を貶めたネズミ顔の男。悪魔のような顔をしていたが優しく穏やかであった釣り好きの友人。そして…諸悪の根源であったカエルヅラの男。
私は村にとって最初から最後まで「部外者」であったのだ。夢見た生活は何一つ適うことなく、私はそこでの生活を破壊した。私の夢とともに、そして――村ごと。
そして、あの月が満ちた夜に、私は復讐を成した。カエルヅラの男は姿を消し、その後ネズミ顔の男も姿を消した。ワニ顔の女は脅え、私に媚びへつらうようになった。
やがて新しい住人達が訪れ、村は姿を変えていった。ワニ顔の女も姿を消し、私は公共機関や商売をしている連中以外の「最古の住人」となった。古く悪しき因習は断ち切られ、村は栄えた…のだと思う。しかしながら私はただ淡々と日々を過ごしていた。
果樹を思い通りに育て、花を育てても心は動かない。海釣りをしているところに引っ越してきた住人が声をかけてくるが、顔は笑って応対しても虚しさを含んだ海風が私の心を撫でるばかりだった。
復讐という名の劇薬。それは甘美な果実でもあったのかもしれない。
今や村中に計画整備された果樹園を持ち、株式投資で利益を上げ、村一番の豪邸を構えている私に対して、誰も害意を持ち得ようはずもない。仮に誰かしらが害意を持とうとも、今の私にはそうした不穏分子を排除する手段も力もあるのだから。
安穏な日々。穏やかに過ぎる時間。しかしそれは禁断の果実の味を知ってしまった私にとっては、ただただ、つまらない日々だった。
海でシーラカンスが釣れた、ある雪の日。海岸に流れ着いた一通のメッセージボトル。そこには「どこか遠くへ行きたい」とだけ書かれていた。どこの誰が書いたともしれない、いびつな文字で書かれた文章。だがそれは私の心の深奥に刺さっていた棘を強く刺激した。
――新しい土地へ。私のことを、いや僕のことを誰も知らない新しい場所へ。
その想いに取り憑かれると、私はいてもたってもいられなくなってしまった。釣り上げたシーラカンスを博物館に寄贈した私は、全ての資産を整理すると、遠く離れた地にいる友人に手紙を書き始めた。「今いる村を離れたい。ついてはしばしの間、身を寄せさせて欲しい」と。
全ての家具調度や美術品を売り払い、保持していた株式も売却した。果樹園も最後の収穫をして、その全てを出荷した。マンネリ化していた日常の中では苦痛でしかなかった作業が、今ではこれほどまでに心躍らせるものになろうとは思いもよらなかった。
おそらくこの村に住む誰もが目にしたことも、いや想像すらし得ないであろう金額が私の手元に残った。資産を整理すべく役場に向かうと、保存しておいた郵便が目に止まった。それは数日の間だけではあったが、唯一心安まる時を与えてくれた友人からの最後の手紙。
君とは色々なところで遊んだね。本当に楽しかった。僕の事を忘れないでね。また、いつかどこかで――。
浅黒い肌をした友人の姿を思い出す。独特なのんびりとした口調と優しく低い声で、その文章は私の聴覚にしっかりと再現された。「いつかどこかで」。今こそその時なのだ。何処とも知れない場所へと消えてしまった友人。彼にもう一度会いたい。私はその手紙を保存箱から取り出すと、しっかりと荷物へとしまいこんだ。
新しい人生にもう一つの目標が出来た。
程なく友人から居候を快諾してくれるとの連絡が入った。新しい入村先が決まるまでの間のほんのひとときの間ではあるが、こうして受け入れてくれる友人がいるのはありがたいことだった。
既に準備を終えていた私は、役場のペリカン似の女に引っ越しの手続きを頼むと関所へと向かった。誰も見送りに来はしない。当たり前の事だ、私は最初から最後まで「部外者」であったのだから。
関所前に植えた花々は、やがて訪れるであろう春を待ち焦がれながらも、雪の中で力強く咲いていた。この花々も私が去った後は枯れゆく運命なのだろうか。そう考えると、ほんの少しだけ胸が痛んだ。
我ながら感傷的だとは思ったが、私はそこに咲いていた白い薔薇を一輪だけ丁寧に抜き取って手荷物に加えると、私は新しい人生へと向けて関所を通り抜けた。
――こうして私は最初の村を棄てた。
【要約】
それまで運営していた村に飽きたので、友人のDSとソフトを使って引っ越し。全財産と保存されていた手紙などは全て移行されるので、家財道具やそれまでに揃えていたものを全て売り払って全て貯金し、移動。その後自分のソフトで新しい村を作り、最初のタヌ吉アルバイトを終えた時点で、そちらの村へ引っ越し予定。目標はロデオ(黒い牛)との再会。カブで儲けた金が相当あるので、新しい村では相当な富豪暮らしの予定。
2000文字近く書いている自分が
バカバカしくって大好きです。
(多分、しばらく続きます)