じーらぼ!言戯道場 (G-LABO Gengi-DOJO) 管理人:みやもと春九堂(しゅんきゅうどう)

【 2006年10月19日-12:57 のつぶやき】

科学万能の世に対する警鐘。


ウォシュレットも随分と進化しているようで。

発売当初は「お水でお尻がキレイになる」というだけのアイテムでしたが、研究しつくされた噴出角度や水量などもあり、ことトイレという個室空間に異常なまでの関心をよせる我が国民にあっては、広く浸透したアイテムです。

また、その裏では、A感覚に目覚めそうになる少年や、機能を確認しようとして顔面に水を噴射された少年などが多発したこともあるわけですが、そんな余談はさておき、最近のウォシュレットには、さまざまな機能が付くようになっているようです。


一つには便座の温度管理機能。これは実は大きな意味があります。「便座が冷たいのくらいガマンするか、便座カバーやらなんかで管理すりゃいいじゃん」と思われる方も多いかも知れませんが、実はこの冷たい便座が命取りになることもままあるのです。

特に中高年からお年寄りの方に多いのですが、そもそもが暖房の効いた部屋や暖かい布団の中から、気温の低いトイレに入るだけでも、その気温の差から急激に血管が収縮し、心疾患や脳血管障害の原因になったりすることもあるんですが、その中でも、朝の寝ぼけた状態で冷たい便座に座り、その急激な温度変化から血管が収縮するというパターンも決して少なくはないそうなんです。つまり「うわ、ひゃっこい!!」では済まないケースもあるということです。

おまけにトイレは個室、場合によっては密室ですから、家族が同居していても発見が遅れて大事に至ることもままあるというのですから、怖い話ですよね。そうしたところからも、この温便座機能というのは、非常にお役立ちなものだと思います。


次に目を引く機能は、これは結構前からあったようなのですが、温水ウォシュレット機能です。これは「冷たい水でないと洗った感じがしない」という一部のマニアの方々には不評らしいのですが、やはり冷たい水で敏感な部分をアレされたりコレされたりするよりは、温かい方が色々な面でいいわけです。

というのも大便の成分の約2割は油脂分だとされていますので、水で洗うよりは、温水の方が油脂を溶かしながらになりますので、汚れ落ちがよろしいということになるわけですね。

ですが温水の温度設定をうっかり高めに設定してしまうと、お風呂やシャワー時の「全身が慣らされている温度に対しての、敏感な部分への温度」ではなく、「一撃必殺ピンポイント爆撃での敏感な部分への温度」となってしまいます。

その為「若干冷ための水が*に来る」と覚悟を決めていたはずが、42〜3℃の温水が*に結構な勢いで飛びかかってきてくることになり、いわゆる「覚悟の量」を誤って、トイレの個室であーッ?!なに!?なにッ?!」と奥歯をガタガタいわせながら狼狽して、「停止」を押そうとして、「ビデ」を押してしまい、温水攻撃が止まったと思ったら、今度は角度を変えて攻撃をされて、再びぁああぁーーーッ?!」と声をあげることになるので、注意が必要です。


そして最後ですが、これが最近とある人物を大いに困らせた最新機能なんです。我が家には1F2Fにトイレがあり、僕は主に2Fのトイレを使っているわけなのですが、先日来自宅の改装が行われており、そのついでに1Fのトイレにもウォシュレットを導入することになったのです。

間取りの都合上、1Fのトイレは2Fのトイレより狭く作られており、使用には問題ないのですが、ウォシュレット便座のコントロールパネルが便座の真横に来るタイプだと、若干掃除がしにくいからということもあり、便座の結構後方、背後の貯水タンクの横あたりにコントロールパネルが着いているタイプのモノにしたんです。

ところが、大の男や僕のような特大の男が便座に座ると、背中には貯水タンクがあり、その横にコントロールパネルがあると、手探りで操作をするような感じになってしまうんですね。貯水タンクのせいで、身体の向きも制限されてしまいますから。喩えるならば、ガンベルトに吊したホルスターが、うっかり腰の裏に回ってしまい、手探りで拳銃を抜き出そうとするような感じです。これが非常に操作しにくい。

ですがさすが21世紀。そのあたりのことも計算ずくでして、なんと壁面に赤外線送受信付のリモートコントロールパネルが設置されたわけです。これぞまさに最新型ウォシュレットの機能。リモコンウォシュレットですよ。まさに科学の勝利。21世紀、来てるな未来!といった感じです。


とまぁ、そんな感動の中、先日1Fのトイレに初挑戦したんです。余談ですが、僕は初めてはいるウォシュレット付のトイレでは、必ず水量をMAXにして着座します。まぁこのあたりはなんでしょうね、「様子見や体力のけずりあいなんてのは性にあわねェンだ…全力で来いや」(パンツ一丁で天地の構えを取りながら)というような、神心会空手開祖のような心意気とでもいいましょうか。まぁ僕の中のチャレンジャースピリッツでありフロンティアスピリッツがそうさせるといっても過言ではないといったような、まぁアレな感じなんですけどもね。

ともあれ、脱衣・着座・MAX設定・放出と通常の段階を経て「いざ我が菊座を洗ひたまへ清めたまへ!」と、えいやっと壁面につけられたリモコンのスイッチを押したのですが、どうにも感度が悪いのか動作しないんです。

「ははぁこれはひょっとして、俺様の巨体が赤外線を遮断しているのではないかな」と思い、「おしり」ボタンを連打しながら便座の上に座ったままウイービングやダッキング、ヘッドスプリングなどで見えない赤外線をかわしてみたのですが、そうこうする内になんとかウォシュレットのモーター駆動音が聞こえて、ようやくスイッチが入ったことを知りました。

「やれやれ、21世紀も大したことないのう」などと人心地つき、この後来るであろう*への水圧攻撃への覚悟の量を決めていたのですが、次の瞬間、予想だにしない温度と水圧をもった攻撃が、*をピンポイントに狙撃し始めたのです。

思わず声をあげそうになる僕。なんでしょう、このピンポイントっぷりは。21世紀型のウォシュレットは化け物か?!レーザーサイトスコープでも装備しているのか?!あと新品だけあって目詰まりもしてないから、予想以上に水圧がすげえわけですよ。しかもその水圧がピンポイントです。

具体的に比較するならば


↑旧型


↑最新型

っくらいの違いです。ダーツ用語でいうならば「ビットで狙ってくる」わけですよ。これはキツい。


これは侮りました。侮っていました。すみません、もう勘弁して下さい。ほんとすんません、自分調子にのってました、と、あまりの事に、奥歯をガタガタいわせながらも慌ててリモコンの「停止」ボタンに指を伸ばしたのですが、便器の中から僕を狙撃する「ヤツ」は全くの無反応。

「そうか!赤外線か!」と、停止ボタンを連打しながら身体をくねくねさせて、発せられているであろう赤外線をかわしたのですが、全くの無反応。どうしたー?!と思ってリモコンをよく見てみると、液晶が消えているではないですか。

この瞬間気づきました。さっきも反応が悪かったのは、僕が赤外線を妨害していたからではなく、単純明快に電池切れが近かったからだったのです。

そして度重なるボタン連打によって、リモコン内の電池はその力を使い果たし、静かに息絶え…そして今や、菊座に襲いかかり続ける「ヤツ」を止める術を失ってしまったわけなのです。これは困った、困りました。そうこうしている間にも、既に温水は射出を終え、冬の足音を感じさせる冷たさが、僕のアレを苛みます。


パニックになった頭の中で僕はウォシュレットのコンセントを探し、手を伸ばして真剣にそれを抜こうとしました。が、便座に座ったままではもちろん届きません。その間にも冷水はスゴイ勢いで僕のアレをアレしています。アレし続けています。「もうほんま堪忍して…」と何故か似非関西弁まで脳内では飛び出す始末です。

「この機械には加減というものがないのか!誰だ!水量MAXにしたバカタレは!!あ、俺だぁああぁぁーッ!!」と脳内でテンション芸人のような自責と自問自答を繰り返したりしている内に、ようやく本体にもコントロールパネルがあることに気が付き、そこに手を伸ばし手探りで停止ボタンを探し、一度は若干菊座からはズレた「ないよう!男のそこにはなにもないよう!洗うところはないよう!!」というところに強水圧で狙撃をくらいつつも、なんとか停止させることが出来ました。

一時は、本当にどうなることかと、このまま菊座からの入水によって溺死するのかと。まぁそこまでいかなくとも、水が噴き出したまま素早く立ち上がり様に便座にフタをして、電源を抜こうかとまで思いましたが、なんとか無事に済みました。


このように科学の進歩とともに、日々進化し続けるウォシュレットですが、科学の恩恵に頼ってばかりいると、足下を掬われ、そして危機に陥ることもあるということです。読者諸兄諸姉の皆様におかれましても、十分にご注意下さい。



「そんな風になるのは、お前だけだよ」は
禁止の方向でお願いします(土下座)。

(「新品ウォシュレットに負けた男」という二つ名もナシの方向で…)



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