■ くま酒 とまと せろり


貴方の手もとには、トマトジュースがあります。そしてウォッカの瓶も。そこに少量のソルトとカットレモン、セロリがあれば完璧。ブラディマリー(メアリー)という、僕が一番好きなカクテルの一つは、それだけの材料で出来ます。

ロンググラスにアイスを入れて、30〜45mlのウォッカを注ぎ、そこにトマトジュースを適量注ぎます。ウォッカの3倍程度がベスト。アルコールの強さはそこでお好みに。マドラーでステアして、カットレモンにナイフをいれてグラスに添えて、セルフマドラー代わりに葉付のセロリをスティックにして添えれば出来上がり。お好みでグラスリップにソルトをどうぞ。

クラシカルレシピにうるさいマスターならば、そこにリー・ペリンソースをアレンジでほんのすこし。拘るならばトマトジュースもクラマトーを使いたいところ。ウォッカもスタンダードなアブソリュートだけでなく、ヴラヴォドやストリチナヤにギルビー、かわりどころではインビロヴァやズブロッカ、ペルッツなんかもオススメです。

そんなスノッブを語るには十二分なカクテル。それがブラディーマリー。必須なのはウォッカとトマトジュースという組み合わせだけ。あとは貴方のお好み次第。それがブラディマリーというカクテルなのです。


というわけで、失敗しそうな確率50%くらいの確率のつもりで即製してみた「トマト&セロリウォッカ」なんですが、即製が完了したので軽く味見をしてみました。即製中はアルコールの強い臭いとセロリの臭いで「うーん…」という感じだったんですが、出来上がったのを濾紙で漉してみたところ、若干緑がかった綺麗な金色の液体に仕上がりました。

香りはセロリの「いい」匂いの部分だけになり、アルコール臭はまだ若干あるものの、ロックにして飲んだところ、飲み終わりやキックバックにものすごい香りがあって、さらに後を引くという果実酒特有の美味さがしっかりでており、甘みの中にしっかりとトマトを感じられる、不思議な果実酒となりました。もちろん砂糖は一切使っていませんので、ウォッカ本来の甘みとトマトの甘みです。

書いた通りベースはウォッカ。そしてトマトとセロリのエキスが抽出されているわけですから、これをトマトジュースで割ってブラディマリーにしたら一体どうなるんだろうかと、期待に胸を膨らませつつ、基本レシピ通りに作ってみました。つまりトマトジュースで割るだけです。


で、飲んでみるとこれがもう美味さMAXです。信じられない味です。トマトジュースは無塩のを使ったのですが、とにかく飲みやすい。さらさらとしている上に香りが強く、後を引き、アルコール臭はまるでしません。

続いてソルトをグラスリップに少しつけ、レモン汁を数滴垂らしてステアしてみました。するとどうでしょう。電気精製塩ではない粗塩を使ったせいもあるのかも知れませんが、トマトの旨味要素、セロリの香り成分、そして二つの野菜の匂いと甘さ、それらがぴーんと切り立ちました。ものすごく味と香りの輪郭が明確になり、その上でそれらがキレイに結びついています。


これは驚きでした。スノッブを語れるくらいブラディマリーは好きなカクテルなんですが、これまでのベストはクラマトーとスタルカを使ったスペシャルなモノだったのですが、そうした手と贅を尽くしたウォッカとは別方向で、僕のブラディマリー体験のど真ん中に立ちました。いや、もう美味すぎます。

これにクラマトーを使ったらどうなるんだろう?リー・ペリンソースを使ったら?ウォッカではなく、トマトの故郷である南米産のテキーラで作ったら…?とまぁ、夢は膨らみまくりです。

もちろんセロリを使っていますし、トマトもヘタごと浸けていますので、若干青臭い匂いはあります。ですので飲む人を選ぶ酒ではありますが、ブラディーマリーがお好きな人にならば、是非オススメしたい逸品です。


大好きなマンガ「BAR レモンハート」では、マスターがブレンデッドウイスキーに、その原酒のシングルモルトウイスキーをフロートする「スーパーハイボール」というカクテルを編み出していました。

ならばトマトとセロリで作った果実酒をトマトジュースで割る、このブラディマリーは「スーパーブラディマリー」になるのかな、なんて考えましたが、折角ラベルもつくって「くま酒 とまと せろり」としたので、表題の通り『ブラディーベアリー』と名付けてみました。もちろん自己満足ですけどね(笑)。



さーいい感じに
酔っぱらって参りました!
よーし冬眠するぞー!

(味見のつもりが、ついつい3杯飲んだらさすがにまわりました…)

(C) G-LABO Gengi-DOJO.