じーらぼ!言戯道場 (G-LABO Gengi-DOJO) 管理人:みやもと春九堂(しゅんきゅうどう)


【過去のつぶやき】
 2006年06月の【家元のつぶやき】のバックナンバーです。

 感想など、メール掲示板の方にいただけると、非常に嬉しいです。メールは送信する前に、こちらを御一読下さいませ。
2003年
  06月 07月 08月
09月 10月 11月 12月







2010年
03月 06月 08月


2012年
01月 06月 08月


2014年
02月 08月

2015年
12月


2017年
03月 04月





2006年06月のバックナンバー

我々は何を食べているか(2006年06月01日-23:58)
愛の宿。(2006年06月06日-17:30)
愛の宿。 その2(2006年06月16日-08:49)
とあるトイレの物語。(2006年06月20日-11:08)
悲しみの午後。(2006年06月22日-12:33)
鈴木(み)。(2006年06月24日-07:57)
梅雨の湿度とW杯で思い出す、とりとめもない話。(2006年06月26日-16:27)
トルコ語で「攪拌する」という意味が語源だそうです。(2006年06月28日-05:06)
はがいたひ。(2006年06月29日-08:36)


我々は何を食べているか


というわけで業務スーパーで購入した冷凍挽肉が臭くて食えない!という話題から、随分と長いこと引っ張ってしまったわけなのですが、少々色々調べてみました。

まず一つ「こうした臭味の強い肉は去勢牛であることが多い」という情報メールをいただいたと記載しましたが、これは内容転載時のミスでして、去勢牛」の誤りでした。指摘していただきました皆さん、ありがとうございました。


さて。それでは僕なりに調べた結果をまとめてみましょう。まず当たり前のことですが、牛にもオスメスがあります。そしてメスは乳を出しますし、子どもを生みますが、当たり前のことですが、オスにはそれはできません。

精液をとって雌牛に受精させ、子どもを増やす為には牡牛の存在は必要不可欠ではありますが、肉牛にせよ乳牛にせよ「よりよい牛を増やし育てる」というのが畜産の必須条件ですから、よりよい牡牛の精液さえあればいいわけです。簡単に云えば丈夫で、大きく育ち、肉付きがよいという牡牛ですね(そんな単純なものではないと思いますが)

そうなりますと、そういう牛の子をより多く育てればいいわけですから、優秀な一頭の牡牛から採られた精液が畜産家の間で売買されるわけなんです。中には精液の泥棒まで行われることもあるというのですから、かなり重要なモノであるということがわかります。


では、それ以外の牡牛の存在はどうなのかといいますと、よほど遺伝的に優秀な血統(?)でない限り、生まれた牡牛はまだ未成熟な子供の間に去勢をするんだそうです。

なぜ去勢をするかといいますと、人間も同じですが男性の筋肉は堅く、女性の筋肉は柔らかいわけで、それは所謂男性ホルモンの作用などで変わってくるわけです。そこで男性ホルモンの源である生殖器(睾丸)を切除してしまうことで、ホルモンの働きをかえて、牡牛でも筋肉を柔らかくする、即ち食肉となったときの肉質を柔らかく良質なものにすることを目的として行われるわけです。

しかしこの良質なモノというのは日本的な考え方のものであるようで、いわゆる肉食にまだ不慣れな日本人は赤身の旨味を解せず、わかりやすい脂肪の旨味を重視する傾向があるため、霜降り肉に代表される様な「脂肪が多く柔らかい肉」を作るためという形になるわけです。つまり去勢することで女性化した牛は脂肪も溜まりやすいということらしいんですよね。

また牡牛は去勢しないと野性的になり、家畜として扱うにはストレスが溜まったりして不健康になったりするということもあるらしいのですが、このあたりはさすがに専門の方でないと計り知れないこともあると思います。


いずれにしても美味しい肉になるために、牡牛達は痛い思いをしてくれているわけですね。食べる人間の為に。うむ。こうした研究と実践を繰り返して食卓に美味しいお肉を届けてくれる畜産家の皆さんにも頭が下がりますが、やはり命をいただいている以上、本当に感謝して食べなければいけないなぁと思います。まっこと人間の原罪というのは根深いもんです。

情報を提供してくれたHN:森総理さん、HN:tatekawa_dancyさん、本当にありがとうございました。色々考えるきっかけになりました。自分たちが食べているものがなにかということを知らないもんですねえ。本当に。

「お肉」といえばパック詰めの肉塊しか知らなかったり、「魚」といえばブロックやキッツケにされた刺身しか知らないという若い衆の話を聞いて「いやいや、そんなわきゃねえだろう。どういう暮らししてんだよ」と笑い飛ばすことがしばしばありますが、人のこと云えないもんですなあ。まさに「知ってるつもり」でした。


そんなわけで、現在市場に流通している肉牛は大半が去勢された牡牛なんだそうです。一部では「より自然な飼育を」ということで未去勢のまま牡牛を育てて、若い内に出荷するということもあるそうですが、日本の肉牛市場では未去勢の牛というのは、評価対象外になってしまうそうなんですよね。難しいですなあ。しっかりとした赤身で健康に脂肪も少なく、若いから臭味もないということで、ヘルシーミートとしてジャンルがあるそうです。

もちろん市場に流れている食肉には雌牛もあります。そして雌牛は経産牛・未経産牛で格付けも変わったりするそうです。うーむ、深いですねえ…。加えて、雌牛の場合は乳牛として育てられ仔牛を産み、さらにその上で食肉になるわけです。本当にありがたい話ですね。感謝しなければなぁと思います。

これは全くの余談ですが、以前僕がホルスタイン種の牛がどんぶりの中にいるラクガキを描いて、この絵の御題はなんでしょう?というクイズを出しまして、その中で「ホルスタイン種は肉牛じゃないですよー」という御意見を多数頂いたのですが、ホルスタイン種も多くの牡牛はやはり去勢されて食肉として出荷されていますし、前述の様に年老いて乳が出なくなった雌牛も肉牛として出荷されているそうです。

そんなことはまるで知らずに「牛っぽくしよう」と思ってホルスタイン種のブチを描いたわけですが、意外にも正解だったわけですね。わからないもんです(笑)。


さて、ここで話は本題の業務スーパー製(?)の牛挽肉になるのですが、臭味のある肉というのは、やはり未去勢牛、しかも年老いた牛に多いとのことなんですけど、これまで得てきた情報を総合すると、そういう牛は種牛になると思うんです。

ですが状況から考えるに、そんなに種牛って数がいるわけでもないようにも思うんですよね。優秀な牡牛から、一杯仔牛作るわけですから。で、そうなると当然、市場にさほど出回るものではないような気もするんですよ。

なのにあの安価な価格となる少々疑問が浮かぶんですよね。供給量が多ければ価格は下がるのは当然ですが、如何に生育条件的に「美味しくない」とあっても、供給量が少なければ価格は下がらないはずだし、そもそも滅多に売ってないというか出回らないものだと思うんですよ。

あ、でもここまで書いて自分で気づいたんですが、そんなに出回らないものだから逆に業務スーパーで安く売ってるってこともあるんですよね…なるほどな(自己解決)。まぁでもこれはあくまでも仮説です。実際のところは業務スーパーに問い合わせるしかないでしょう。


で、実際食べ方自体も多くの意見をいただきました。多かったのは牛乳に浸しておくことで臭味を和らげるという方法、次に臭い消し効果の高いハーブや激辛調味料などを使うということでした。また、それ以前に解凍を時間をかけてしっかり行うことでドリップ(肉汁)がしみだしてしまわない様にすること、熱を加えた際の脂は極力抜くことなどが手順としてあげられるようです。

どんな過程を経てきた牛にせよ、折角お肉になってくれた命。買わなければ食卓に並ぶこともなかったわけですが、買った以上はやはり食卓に並べて美味しくいただいてこそだということで、解凍手順をしっかり行い、脂抜きもした上で激辛麻婆豆腐の素を使って調理してみました。

結果からいいますと、臭味は抜けませんでした。どんなことをやっても、やはり肉そのもの自体の臭いということで、どうにもならないもののようです。お肉になった牛には感謝していますが、やはり美味しい美味しくないでいえば美味しくないものですね(苦笑)。これは本当にもうどうしようもないなというのが、個人的な結論です。なにはともあれ、御馳走様でした。うん…二度とは買わない様にしたいと思います(こればっかりはどうにも)


そんなこんなで、今回の業務スーパー挽肉騒動(?)だったわけですが、改めて自分の食卓に並ぶ牛肉の事を知る事が出来て、本当に良かったと思います。ホルスタイン種の時にメールを下さった皆さん、そして今回もメールを下さった皆さんも、本当にありがとうございました。

というわけで、牛肉の事を色々考えながら、地元さいたま市のお隣、川口市にあるステーキCOWBOYに出向いて、爆弾ステーキ600gをオーダーしました。牛肉本来の赤身肉の美味さをたっぷり堪能出来る、さすがの僕も大満足なボリュームのオススメ商品です。



全体像。




サイドから。



そして9分後。




完食。



牛さん達と畜産・食肉業者の皆様に感謝をこめて
「ごちそうさまでした」
(jpg情報みたら21:10に到着時撮影、21:19完食撮影でした。我ながら早過ぎ)



[ 2006年06月01日-23:58 ]  



愛の宿。


ラブホテル。

字面にしただけで、軽く頬が紅潮したり足の親指と親指の間が充血したりしてしまいそうな、怒濤のインパクトを持つ存在。そんな名前を冠した映画が先週土曜日から公開されました。その名も『LOVEHOTELS』

映画はラブホテルを舞台に繰り広げられる4人の女性達のドラマなわけですが、そんなこととは全く関係なく、某黒い消息筋の方々から「家元は、ラブホに一家言あるそうじゃないか」と黒い微笑と共に『ラブホバトン』なるものを手渡されました。

ダンカン、いやさダンコンのよしたにさんも受け取らされてしまった、この黒いバトン。僕としては特に強制されることもないわけですが、確かにラブホに一家言あるのも事実。なにしろ学生時代には「有志ラブホ研究会 三つ星ホテル捜査委員会」の会長と名誉会長を兼任していた僕ですから、断る理由もありません。受けましょう、受けて立とうじゃないですか!


思い起こせば我々の世代が幼少のころ、ブラウン管に映し出されていた回転ベッドや鏡張りの部屋といった内装。そしてそこで蠢く男と女。サスペンスドラマやオトナ向けコントの舞台装置として登場したそれらは、視線を外しおもむろに新聞を広げる父や、黙ってチャンネルを回す母の姿や言葉とともに「イカガワしいもの」としてインプットされてきたわけです。

ところが思春期・青年期を迎えて現実のラブホテルを目の当たりにしたとき、そこにあるベッドは回転することはなく、それでも枕元のスイッチをワクワクしながら押せば、エアコンがついたり電灯が消えたり有線が流れたりする程度でしかなかった…。あのガッカリ感たるや言葉にするのが難しいほどです。これから迎える文字通りの「はぢめて」を前に、出鼻をくじかれたとでもいえばいいでしょうか。とにかく幻滅してしまったんですよ。

ですが、そこで挫けないのが、おバカがおバカである所以。そのガッカリ感を味わった仲間を集め、情報を共有し、現場を捜索し、我々のアルカディア、俺たちの夢であるところの回転ベッドを求めて発足したのが、前述した有志ラブホ研究会 三つ星ホテル捜査委員会だったというわけです。


ちなみに、ここでいう三つ星ホテルの星の条件とは

 一つ、ラブホたるもの、ミラーボール・カラーライトを標準装備すべし。
 一つ、ラブホたるもの、壁面ないし天井を鏡張りにするは必定。
 一つ、ラブホたるもの、回転動力を持つベッドを設置すべし。


だったわけですが、その後苦労の甲斐あって回転ベッドのある聖地も発見し、同会はその役目を終え、発展的解消を果たしたんですよね。まぁ、その合間に「オレ、イマ、シバラレテル」事件やら「プールハッケン」事件、「カイニ、トジコメラレタ」事件、「フロ、カタマッタ」事件などもあったわけですが、それはまた別の話。

とまぁ、そんなこんなで、そういった産業や職業に直接携わったわけでもない割には、若干造詣が深いラブホテルという存在。そのバトンであれば受けて立ちましょうというわけで、早速いってみましょう。『ラブホバトン』です。


【01】お名前と性別を教えて下さいね。
 みやもと春九堂・♂でございます。

【02】最初にラブホに入ったのはいつ?
 げふごふがふ…せぶんちーん…げふごふんごふんぐふあっ!(何)

【03】最初に入ったラブホの名前を覚えてますか?
 …ぶ、「ブルーシャトー」…。

【04】そのラブホの印象は?
 なんか普通のシティホテルっぽかった。ガッカリ。風呂が広くて若干感動。

【05】ラブホに入ったら一番最初にすることはなに?
 ベッドにぶっ倒れるか、トイレで用足し。ついでに風呂チェック。

【06】ラブホの部屋を選ぶ時に気にするところは?
 値段とベッドの大きさ。基本的にはフトコロ具合と相談。

【07】「休憩」・「宿泊」、いくらぐらいが適正価格?
 休憩…7000円ぐらいまで?
 宿泊…12000円ぐらいまで?

【08】「休憩」・「宿泊」、何回くらいが適正回数?
 休憩…1回くらいでは。場合によってはナシということもありなん。
 宿泊…2〜3回くらいでは。いや、見栄張りました。2回ということで。
 なんの回数なのかはナイショの中の秘密だ!ナイショったらナイショだ!

【09】印象に残っている名前のラブホがあったら教えて下さい(いくつでもOK!)。
 「いたずら天使」→地元の珍名ラブホ「気まぐれ天使」の系列?
 「農協」→北海道の「野菜系」ラブホ。未訪だが、いつかは…!
 「リバーサイド」→中にグラサンをかけた男性の壁画があったそうです。…陽水?
 「愛美姫(あいびき)」→最初なんて読むかわからず、しばらくしてから爆笑。

【10】印象に残っているラブホでの体験談があれば教えて下さい(いくつでもOK!)。
 浴室の床が滑って転倒臀部を強打。何もせず何も出来ず唸って過ごしたとか。入ったはいいけど、どうにもベッドの居心地が悪く、相方が寝た後で、こっそりソファに移動して寝たとか…。あれ多分「なんか」がいたんだろうなあ。怖い怖い。

【11】「恋のヨンパチ占い」の結果を教えて下さい。
   (http://www.nizoo.com/uranai_pc/
 第十四手.獅子舞い(熱血系)
女のコがカレの肩に両足かけ、リズミカルに動く「獅子舞」。このタイプのあなたは獅子のように激しい一面があります。刺激を求め、わざと浮気をするなど、自分を追い込んでいく事が好きです。デンジャラスな恋もほどほどにね。

【12】実際にその体位でしたことがありますか?
 あるとは思いますけど名前は初めて知りましたよ。熱血なのか…。ちなみに詳しく調べてみようとググル先生に尋ねたところ一番最初に出てきたところで
 <女・両足を男性の方に乗せる様にして開く。>
 <男。ペニ○で女性を支える感じ。>

 という記述があり、若干吹き出しました。小太刀です…強度が心細すぎて女性を支えられんとです…。爪楊枝ではテント支柱は作れんとです…。

【13】オススメのラブホがあったら教えて下さい。
 鶯谷の「MANJO」でしょう。ラブホ界の世界遺産とすべき回転ベッドがあります。しかも鏡張りで電飾もバリバリです。問答無用の☆☆☆です。未だにあるのかはわかりませんが、ネタ人生を歩みたい人にはオススメです。…っと、調べてみたら、まだあるみたいです(笑)。

【14】あなたにとって「ラブホ」とは?
 ネタ的研究対象。非日常の空間。あらゆる恋人達の一時避難場所。そして睡眠するところ。

【15】おつかれさまでした!このバトンを回す人を3人書いて下さい。
 3人も被害者を出せないので、この話を持ちかけてきた黒い消息筋の男の一人にだけ回したいと思います。というわけで頑張れおはらん。でもアレだな、一応友人としてフォローしておくと彼は一人暮らしが早かったので、ラブホの使用経験ってあんまりなさそう。だのでお得意の「俺とラブホ」とかでもOKということに。

 あ、あと読者さんの中で、この酔狂なバトンをやってみたいという方がいらっしゃるかもしれないので、下に質問原文をそのまま書き出しておきますね。やったという方はメッセージなんかいただけると見に行きますので(笑)。
『ラブホバトン』

【01】お名前と性別を教えて下さいね。
【02】最初にラブホに入ったのはいつ?
【03】最初に入ったラブホの名前を覚えてますか?
【04】そのラブホの印象は?
【05】ラブホに入ったら一番最初にすることはなに?
【06】ラブホの部屋を選ぶ時に気にするところは?
【07】「休憩」・「宿泊」、いくらぐらいが適正価格?
【08】「休憩」・「宿泊」、何回くらいが適正回数?
【09】印象に残っている名前のラブホがあったら教えて下さい(いくつでもOK!)。
【10】印象に残っているラブホでの体験談があれば教えて下さい(いくつでもOK!)。
【11】「恋のヨンパチ占い」の結果を教えて下さい。
   (http://www.nizoo.com/uranai_pc/
【12】実際にその体位でしたことがありますか?
【13】オススメのラブホがあったら教えて下さい。
【14】あなたにとって「ラブホ」とは?
【15】おつかれさまでした!このバトンを回す人を3人書いて下さい。
また別件(?)ですけども、各地の珍名ラブホや珍ラブホ、ラブホ珍体験などもお待ちしております。特に珍名ラブホは是非色々知りたいです。久しぶりに古い肩書きの血がうずき出しましたですよ(笑)。



こんな感じの写真とかも大歓迎です(笑)。
※ 写真のある方はコチラからお願いします ※



各地の読者諸兄諸姉の奮闘を期待します!
打倒「農協」!北海道のクオリティに負けるな!

(なんでもウエルカムドリンクならぬウエルカム野菜があるとか…スゴい(笑))



[ 2006年06月06日-17:30 ]  



愛の宿。 その2


その瞬間、一組のカップルを世界一幸せに演出するという披露宴を前日に控えてラブホ話です(台無し)

というわけで、連日の色々な業務やら雑務やらに追われてギブりそうな日々を過ごしておりますが、皆様如何お過ごしでしょうか。更新がない状態にも関わらず、多くの方に訪問していただいて本当に申し訳なく思うと共に、心より感謝しております。

皆様に支えられて8年間サイトを続けて来られたのだなぁと思うと、嬉しいです。本当にありがとうございます。

というわけで、そんな感謝の気持ちを込めつつ、ラブホテル話題の更新です(台無しその2)


早速ですが、まずは珍名ラブホからいってみましょうか。それにしても、こういう話題になるとくいつきがいいというかなんというか(笑)。投稿してくれた皆さんがモニターの前で軽くにやにやしている顔が思い浮かんでしまいます。読んでる方はその倍のニヤニヤですけどもね?

それでは発表していきましょう。一言ずつつっこんでいく形でいきますかね(笑)。


『ホテル というわけで』

なにが「というわけで」なのか、わかるようなわからないような。まさに「じゃ、行こうか」程度の誘い文句で肩を抱いて連れ込むが如しですな。武田信玄の風林火山でいうところの林あたりの雰囲気を感じます。誘い込む際にも、別の店から「というわけで行こうか」と、まるで前の会話からの接続的に使用して「あ、店出るのか」と思わせておいて、ココに連れ込むというような感じなんでしょう。いやそんなベタやるヤツぁいないと思いますが。

そう考えると、週末の夜などにはこのホテルの前で「だから『というわけで』行こうかって行って、来たんじゃんかよおー」「知らないわよ!ホテルだってわかってたら着いてこなかったわよ!」的な押し問答が繰り広げられているのかもしれません。いやだから、そんなベタやるヤツぁいねえっつの。


『プレイステ〜ション』

ギリギリでいうところの「ギリギリアウト」の方ですな。確かにプレイだし、ある意味ステーションなのかもしれないけれども、明らかにギリギリアウトでしょう(笑)。「ステーション」ではなく「ステ〜ション」というところに、ギリギリアウトをセーフ側にキープ出来ているような出来ていないようなところがあるのかもしれません。ちなみにこれを音読するときはやはり「プレイステエェエション」って感じになるんでしょうか。

そうなるとやはり誘い言葉としては「プレイステエェエションやりにいかね?」とかになるんでしょうか。だからそんなベタやる(以下略)。


『ベルサイユ』

ホテル名自体は珍しくない名前なのですが「1919年ベルサイユ条約締結」という世界史年表覚えの言葉はあまりにもメジャーですが、学校の側にそのホテルが実在したという素敵な経験のある方からいただきましたので採用となりました。ちなみに年号覚えは「イクイクホテルベルサイユ」。基本中の基本ですな。

ちなみに中学の同級生だったT君は、先生に「覚えてる年号あるかー」と聞かれ、勢い込んで挙手し「1543年種子島に鉄砲伝来」を「鉄砲伝来、以後四年です!」と張り切って応え、紀元2世紀半ばに鉄砲が伝来したというタイムパラドックスを発生させていました。154年かよ。


『そばかすバービー』

単純な珍名。バービーってやっぱりアレなんでしょうか。だとしたらこれもギリギリだなあ(笑)。しかし単純な珍名だといって侮ることなかれ。軽くググってみたら「幽霊が出るラブホは?」というスレッドに速攻で名前が挙がっていました。無論真偽の程は定かではありませんが、名前のインパクトに負けない存在感あるエピソードだと思います。

全く関係ない話ですが、夏も近いし、ラブホのみならず怪談ネタもそろそろ時期ですねえ。


『べんきょう部屋』

多数の票を集めたの珍名ラブホ。何を勉強するのかということに関しては、解剖学であったり保健体育であったりと様々なベタな捉え方があるかと思うのですが、それはさておき。そこはかとなく80年代前半テイストの漂うネーミングが素敵です。本則ならば漢字でまとめたり、カタカナならカタカナ、ひらがなならひらがなと統一すべきところを、ひらがな+漢字という構成にする「崩し」的表記はネーミングやコピーライティングでは古い手法ですが、それなりに効果があるんでしょうな(笑)。

コレが多分ただの「勉強部屋」という名前であったならば、さほど票を集めることはなかったでしょう。ちなみに三十人近くがこのホテルの名前をあげました。そのうち何人が、このホテルで「べんきょう」したのかは敢えて追求しないでおきましょう(笑)。


『ふたり共和国』

そもそも共和国とは世襲制などでの王権を持った人物などが君主として国を統治するのではなく、直接・間接選挙によって選出された国家元首が治める国家のこと。つまり「ふたり共和国」とは、ふたりの男女が平等に協議・選出の上、どっちがアレだとかナニだとかをアレしたりソレしたりナニしたり、ええっこ、こんなことまでぇ?!ということをしたりするのだと思われます。

まぁおそらく、そんなことはまるで考えておらず、8割方語感で着けちゃったか、オーナーが全共闘世代に素敵に傾いていた余熱かなにかだと思うのですけども(笑)。それにしてもインパクトありますなー。


『アシュジュポン』

表記は「足十本」だそうです。かつて大学でフランス語の講義を受けているときに、講師の方が「フランス語でイカはアシュジュポンといいます。アシュジュポン、アシジュポン、アシジュッポン。イカは、足が十本だから」とフランス語講義なのにシベリア永久凍土ジョークをかましてくれたわけなんですが、さらに追い打ちをするように「タコはアシュハポンです」と続けてくれたりもしました。そんな往時の軽い事故を思い出させてくれるネーミングですな。

しかしなんでしょうね、このセンスは。イカでも使えってことなんでしょうか。冷蔵庫を開けると冷凍イカが入っているんでしょうか。モンゴイカなんでしょうか。スルメイカなんでしょうか。それとも塩辛?!すでに塩辛なの?!そ、そんな生臭いのダメぇッ!!

ちなみにイカタコの名前がフランス語で本当にそうなのかは知りません。なぜならば、確かめるまでもなく僕はフランス語を捨てて中国語講義に移ったからです。ニーハオー(遠い目で)


『ホテル鵜飼』

鵜飼い漁で有名な長良川沿いにあるそうです。多分理由はそれだけであり、地域密着型という意味では全く持って素晴らしいネーミングだと言い切ってしまっていいと思うのですが、個人的には内装がすごく気になります。ひょっとしたら小型プール級の浴槽があるんじゃないのかとか、クローゼットに鵜飼い衣装があるんじゃないのかとか、それらを組み合わせて鵜飼いプレイが出来るんじゃないのかとか、様々な妄想が広がります。

ちなみに鵜飼いプレイがどんなものであるかは、皆さんのご想像にお任せしますが、僕の妄想の中では、軽い事故を起こしかねないSMプレイが展開されています。多分BGMは五木ひろしさんの「長良川艶歌」オンリーなんでしょうね。


『竜宮』

ネーミング自体にインパクトはないのですが、内装が素晴らしいことで有名なラブホですな(笑)。回転ベッドに加えて、上昇ベッド(エレベーターベッド?)があるという凄まじいホテルです。よせていただいた情報によりますと、回転ベッドのある部屋が「宇宙ベッド」。上昇ベッドのある部屋は「スペースシャトル」という名前で、上昇ベッドが上がりきった先は総鏡張りになっているそうです。凄まじいですな、これは(笑)。

しかし何故ネーミングが竜宮なんでしょうか。ひょっとしたら他にも知られざるギミック部屋があるのかもしれません。タイやヒラメが泳ぐ水族館的水槽に囲まれた涼しげなアクアブルーの部屋で、内壁は完全防音仕様。つまり「音秘め」的なね?いやいやダジャレかよ。


『王将』

最メジャーなものとしては餃子、そして市井の中華料理屋やラーメン屋などにもつけられがちな名前ですが、敢えてラブホにつけるところに心意気を感じます。しかし何故王将なのでしょうか。本将棋では王将は全方位に1マス動かすことが出来ます。そして取られてしまえば負けになるという駒です。そんな王将という名を冠したラブホ。様々想像の翼を広げてみたいのですが、どうにもなんにも浮かびません。せいぜい全9室なのかなー程度です。まさか将棋盤のようなベッドになっているとか、必ず木彫りの王将オブジェがあるとかいう程度のオチではないと思うのですが。

ちなみに、もし僕がオーナーであり、将棋狂いでどうしても将棋がらみの名前をつけたくなったとしても「王将」ではなく、半捻りして「王手」にしますね。なんかそれっぽいじゃないですか。え?そうでもない?そうかよじゃあいいよ!(意味なくキレ)


『すずめの学校』

「すずめの学校」といえば有名な童謡ですね。雀の学校の先生はかなりのスパルタ的精神をお持ちの方らしく、完全に揃うまで鞭を振り上げて振り下ろし、生徒達に「チイチイパッパ」といわせます。さながら戦時中の徒手教練のようですが、そう考えるとやはり様々なグッズが含まれているのではないかと想像してしまいます。鞭は基本でしょう。ひょっとしたら内装も教室風になっているのかもしれません。無駄に黒板やチョークがあるだけでなく、全身タイツ的なスズメの着ぐるみもおいてあるのかもしれません。

そしてそれらの設備を駆使し、「チイチイパッパっていえ!いうんだ!」とかいうプレイが日夜繰り広げられているかも知れません。まぁ現実は往時はまだ珍しかったカラオケ付き完全防音というモノなのかもしれませんが。


『寿司屋のとなり』

最後に紹介するのは今回最大の票数を獲得した、この名前。なんともインパクト大なのですが、よせられた情報によりますと、「実際に寿司屋のとなりにある!」というものと「このホテルの隣接エリアに寿司屋はありません」という二つの情報があるようです。どちらが正解なのかはわかりませんが、個人的には後者の方がなんともシュールで好きですね。現場にいってみて「寿司屋ないじゃん!」みたいなベタをやってみたいもんです(笑)。

少々調べてみたところ、奈良にあるかなり歴史のあるホテルらしく、築年数でいうと余裕のフタケタ。昔は確かに隣に寿司屋があったそうです。しかし、寿司屋は現在では閉店。住所から軽く調べてみたのですが、地図で見ると隣は現在、JAC奈良支部、そしてブックスリードという書店になっているようです。ただ地図に載っている限りのものですが(笑)。

そして気になる内装ですが、そもそもが「となり」ですから、部屋名が「ハマチ」とか「中トロ」とか「アワビ」とかになっているわけではなく、ごくごく普通のホテルだそうです。しかし築年数余裕のフタケタというところからか、使用者レポートによると「まーやめといたほうがいい」というもの。なんとも名前負けというかなんというかという感じのようですね。


さて、そんなわけでどかっと紹介してみましたが、やはりラブホのネーミングには面白いモノが多いですね。それだけでおなか一杯になれそうです。いや食事するところではないですが。投稿して下さった皆さん、本当にありがとうございました。

しかし、残念なことに北海道の「のうきょう」に敵う珍名は登場しなかったなーというのが正直なところです。なにしろこの「のうきょう」は、満室を「豊作」、空室アリを「不作」と表示するというまでの凄まじい徹底ぶり。

また「野菜系」とカテゴライズされる、冷蔵庫にウエルカムドリンクならぬウエルカム野菜がおいてあり、持ち帰り自由というのだから恐れ入ります。ジャガイモ3キロなんてのがおいてあったことがあるそうです。本来の「野菜系」は、いわゆるキュウリやらナスやらトウモロコシやらの、食用以外の用途に使いそうなモノがおいてあるというカテゴリなんですが、「のうきょう」はそのラインを軽く越えたところにあるわけですよね(笑)。

さらにコスチュームもウエディングドレスやらセーラー服やらが無料でレンタル出来たりと、正直オーナーサイドも、自分がなにやってんだかわからなくなってそうな、まさにラブホ界のヴァーリトゥード(なんでもあり)を実践しているようなラブホだったわけです。

しかし、噂によると「のうきょう」は既に潰れたという話もちらほらと聞こえてきたりしてきます。実際どうなのか北海道の読者の皆さんからの情報を待ちたいところです。僕にとっては、いつかは行きたい巡礼の聖地だったんですけどねー。潰れてしまったのなら、これ以上に残念なことはないです。がっくり。


というわけで(ラブホ名ではない)、長々とラブホ話にお付き合いいただきありがとうございました。

個人的な見解なのですが、ラブホテルというのは本当に数奇な空間だと思います。そもそもが部屋という空間には、それぞれそこで生活していた人間の空気や想いが宿ります。霊感とかそういう類のものではなく、人間は五感から得る情報だけでも、そうしたモノを感じ取る能力があると僕は考えています。

そんなわけで通常の宿というだけでも、僕なんかは色々身構えてしまうのですが、それがラブホテルとなると、それこそそこで繰り広げられる感情劇というのは凄まじいモノがあるわけです。だから本当に色々考えさせられてしまうんですよね。

ピンチヒッターでラブホの清掃バイトなんかもしたことがあるんですが、本当にヘトヘトになったもんです。なんというかこう、部屋に残された有形無形のモノにあてられたとでもいいますか、大変でした(苦笑)。


ラブホテルにある部屋では確実に誰かが以前に情を交わしたわけです。同じ空間で、同じ空気の中で。2人の関係は、恋人であったり愛人であったり夫婦であったり金銭の関係であったり、それぞれの事情を背負っているわけです。

そして自分たちがその部屋で情を交わした後も、またそこで誰か別の人々が情を交わす。そんな異常な空間なんですよね、ラブホテルって。そう考えると、そんなところに寝泊まりしたりっていうのは、ものすごく身構えてしまうところが多いと思うんです。

それに、そもそもが情を交わすという行為は生活に置いて「隠」の部分です。部屋がない、場所がない人々、また場所や部屋があっても関係自体が「隠」であるから「公」の場では情を交わすことができない人々。そんな様々な事情を、まるまる飲み込んでくれるのがラブホテルという場所なんだと思ってます。


そう考えると、派手な内装、インパクトのある名前。ベッドやバスルームがあるという普通の宿泊施設に施されたギミックという「化粧」。それはそうした「隠」の部分を覆い隠すような厚化粧のようにも思えるんですよね。

隠であり、陰であり、淫である場所。にも関わらず高速道路のIC近辺や繁華街で、その存在感をこれでもかといわんばかりに喧伝する矛盾に満ちた愛の宿。全ての関係の恋人達を、その背負ったドラマごと飲み込んでは吐き出す数奇な建物。

なんかこうやって並べてみると、本当にラブホテルって面白いんです。日常の中に潜むドラマの塊みたいな存在感があるんですよね。だからこそ、僕はこんなにもラブホテルに惹きつけられるのかも知れません。



まぁ披露宴の司会やる前に熱く語る
内容でもないとは思うんですけどね。

(これ書いてる隣で進行台本をチェックしている間抜けさがヒドイ)



[ 2006年06月16日-08:49 ]  



とあるトイレの物語。


今更高らかに宣言することでもないですが、僕は太っています。カナ二文字で表せばデブです。で、根本的にデブにはそうでない人には出来ない経験が多数あるんですよね。

例えば献血や血液検査や注射。皮下脂肪が厚いので静脈やら動脈やらが皮膚の上からは見にくいんですよ。結果として熟練ナースでも「針を入れてから探す」か「何度も刺し直す」という事をするわけです。

これなんかは中々ない経験だと思うんですよね。血液検査を終えた腕は、ベタな刑事ドラマで、小汚い四畳半で項垂れているキャミソール+カーディガン姿の熟女の袖をまくったときのアップのような、ステレオタイプな覚醒剤中毒者のようになってしまうんです。ぶっちゃけ穴だらけwith内出血痕。

しかも、話はそれだけでは終わらず、最終的に前腕・上腕で血管に辿り着かない場合は、手の甲から針をいれることになるんですよ。手の甲ってのは感覚神経が鋭敏なところなので、これが滅法痛いわけです。

まぁでもこんな経験は大したことはない方なんですよね。デブであろうがなかろうが、血管が出にくい人や細い人、怪我をしていて手の甲以外に注射を出来なかったというようなケースもあるわけですから、そこそこ色々な人が経験することだと思います。


しかし、確定的なデブの特権的経験もあるんです。トイレの個室での出来事がその代表例だと思うんですけど、洋式便器の便座を破壊した、もしくは便器自体をを破壊したというデストロイ部門に始まり、押し戸タイプの個室で、入ったはいいが出られなくなったという経験などは、非デブ人間は中々出来るものではないと思うんです。

かく云う僕も、何度も個室に閉じこめられたことがあります。まるで小川にしかける魚の罠「もんどり」のように入ったはいいがでられないんです。あれはもう罠以外のナニモノでもないですよ、ホントに。

トラップの構造はこうです。入るときは押し戸の回転半径が空白なので問題ないんですが、出るときには、その空白部分に僕の巨体がみっしりと入っているため、僕が出られる分まで扉を開くことが出来ない。で、結果中に閉じこめられてしまう。いわば軟禁のセルフサービスなわけです。

これは本当にまいっちゃいますね。男性がトイレの個室に入るというのは、用向きとしてはビッグベン大放出です。つまりその一大事業を為し得た後の開放感、精神的間隙に「で、でられない!」という、かなり切迫した状況が襲いかかってくるわけですよ。この時はもう「出した後で出られないよ、あっはっは」という言葉遊びをする余裕など、まるでありません。ひたすらパニックに陥るだけです。


で、そうした時にどうすればいいかといいますと、答えは簡単。伊達に何度も閉じこめられていませんから、それなりの対策があるわけです。もし対策がなかったら、今頃個室トイレの中で痩せてるはずですから。いや、その前にレスキュー出動かな。いやいや、その前に扉を実力行使で破壊して脱出、警官隊に囲まれ猟友会の銃弾によって斃されているかもしれません。

とまぁ、そんな妄想はともかく。実際の対策はというと、便器の上にのって押し戸を手前に引く、とまぁこんな簡単なことなんですよ。でも、こうすれば回転半径をふさぐものはなにもなくなるわけですから、問題なく戸を開けることができるわけです。

ですがこの対策、実はかなり諸刃の剣なんですよね。なにしろ大の男、いや特大の男が洋式便器の上におそるおそる乗っかって、そーっと扉を開いたりしているわけですから、かなり滑稽な風景になるわけですよ。

その扉を開けた瞬間を見られてしまうだけでも、相当に気まずいわけですが、個室から出るとき自体も問題です。何しろ便座から飛び降りて出てくることになるわけですから、まずは薄く扉を開けて、個室の外に他の人がいないかどうかを確認しなければ行けません。

外で並び待ちなどされていたら、待っている人も出てくる僕もちょっとしたパニックですからね。よく確認せずに便器から飛び降りて脱出しようものなら、「クマ、個室トイレから飛び出し。はねられた男性重傷」なんてことになりかねません。リアルに危険です。


ちなみに、何でこんなことを唐突に書いたかといいますと、先日某所のファミレスにあったトイレの個室が「押し戸デブ閉じこめ式」でして、前述の便座の上に立って脱出するという方法を取って事無きをえたんですが、その際に足下から「めき…っ」という、若干デストロイ気味な音がしたのだけれども、チェックしたところ特にどこも割れたりはしていないようだったので、敢えて男らしく無視したという、軽い事故的な事があったからだったりするんですけどね。

で、「あーあの便器大丈夫かなー」なんて思いながら友人にこの話をしたところ「だから時々便座が割れてる事があるんだー!」と非常に感心されてしまったわけですが、まぁ先ほどもちょろっと書いた通り、真のデブは普通に便座に腰掛けても便座デストロイを起こすことはあったりするわけで。



世の建築設計関係者の皆さま。
トイレの個室はくれぐれも外開きでお願いします。

(デ、デブにも優しいバリアフリーを…)



[ 2006年06月20日-11:08 ]  



悲しみの午後。


何分人づてに聞いた話なので事の真偽は定かではない。まずはその事を前提にして聞いて欲しい。そう、午後の紅茶でも飲みながら、話半分で聞いてくれればそれでいい。

彼、そうだな。仮にSとしておこう。S君はその年受験生だった。今から十数年前の大学受験生。行きたい大学も決まっていたし、模試の結果もそこそこ良好だった。

そんな中、女の子に誘われて予備校の模試を受けに行くことになった。若干金もかかるし、もう今更他の大学の判定を受けるまでもないし、模試自体に興味もなかったのだが、どちらかといえば女の子と一緒に土曜午後に出かけるというところに心惹かれて、S君は予備校に出向いた。

模試はマークシート形式で、まずは氏名等をマークした後で志望校のマークナンバーを記入する形になっていた。S君は一応志望校のいくつかを記入したのだが、志望校のマーク欄がまだまだ余っていたらしい。そこで適当に選んだ大学のナンバーを塗り潰して、そこを埋めたんだ。

模試自体は丁度勉強していた類似問題が出たりしたこともあって、割と好感触に終わったらしい。一方で誘ってくれた女の子の方はあまり芳しくなかったようだ。

数日後、結果が郵送されてきた。志望校判定はB。まぁこんなもんだろう。滑り止めは全てAだった。ついでに適当に書いたところもBやA判定が出ていた。適当に番号だけで選んだので、二つばかり女子大とおぼしき大学名のところがあり、判定がBとAだった。

適当に選んだナンバーが女子大で、しかも良好判定だったのがおかしく、こりゃあネタになるとS君は思ったらしい。早速翌日学校で誘ってくれた女の子に結果を見せた。ところがその適当に選んだ大学の一つは彼女の志望校で、判定は手応え通りに芳しくなかったらしい。

あとはご想像通り。気まずい関係になったというオチさ。そう、どこにでも転がっている、面白くもなんともない、よくある話さ。

何でこんな話を突然したかって?そうだな、なにしろ人づてに聞いた話だからわからないんだが、その女の子の名前でS君にエロスパムでも届いたんじゃないかな。

主人に内緒で★貴方に抱かれたい★乱れてみたい★

とか書いてあったんじゃないかな。しかも件名が「覚えていますか?」とかになってたもんだから、本文読むまでの間に色々なこと思い出しちゃったんじゃないかな。同級生だったから年齢的に結婚もしてるだろうしね。余計に色々考えちゃったんだろうね。スパムだってわかっててもね。

S君の事だからよくわからないんだが、なんとなく悲しいね。悲しい話だよね。哀しいよね。哀しい色やね。哀しい色やねん。



スパムメール業者は絶滅すればいいと思います。
(若干血の涙をにじませながら)



[ 2006年06月22日-12:33 ]  



鈴木(み)。


といっても今のプロレス界に他の鈴木はいないと思うのだが、そんな人の話。

鈴木みのるというプロレスラーが僕はさして好きではなかった。ぶっちゃけると怪我で欠場ばっかりして実績を残さず、たまに復帰してはまた負傷。一度王者にもなったことはあったが、パンクラスというガチンコ専門の団体の中で「入場シーンで魅せる」「アントニオ猪木の雰囲気を最も色濃く継承している男」というヤスカク評ばかりで、強さの説得力を感じられない存在だったからだ。

ちなみに僕は当時のパンクラスならば船木の方が面白くて好きだった。オーストラリアからの留学生であるグレゴリー・スミットを中国拳法の構えから思い切り震脚を入れて最短距離で打ち込んだ掌底、鈴木みのるを冷静に絞め落としたスリーパーなどは鳥肌の立つ試合だった。コメントも確実に明後日の方向を向いているのがナイスだったわけである。

で、鈴木はといえば印象に残っている試合はヴァーノン・ホワイト・タイガーをクルックヘッドシザースでタップさせた試合くらいだろうか。またナイフ殺傷事件が横行していた時期に復帰したときに「みなさん、この腕はなんのためにあるんですか。ナイフを持つためにあるんじゃないんです!」謎の社会派メッセージを残したことも印象に残っている。


まぁそんな過去の話はどうでもよく、鈴木みのるは現在佐々木健介に次ぐ多団体男になっている。最初に純プロレスの世界に踏み込んだのは古巣の新日本プロレス。格闘スタイルとプロレススタイルの中庸のあたりながらも、卍固めや刺すようなドロップキック、スリーパーや、そこから繋ぐ逆落とし、ゴッチ式パイルドライバーなどを武器に、見事にプロレスにコンバートしてみせたかに思えた。

しかし一方ではキャッチルールと銘打った飯塚戦ではひたすら相手の頭をはたくように抑えてタックルにいかせない&手四つに入らないという客をイライラさせるだけという、金返せ空気読めお前がそんなことやっても面白くない勘違いすんな級の世紀のクソ試合をやらかしたりもしつつ、高山善廣とのタッグでIWGPタッグ王座についたりもしていた。

そんな彼がNOAHに訪れたのは2004年の4月。そして参戦は同年の東京ドーム大会。IWGPタッグ王者として試合を行い、その後当時のGHC王者・小橋建太とのタイトルマッチも行い、一定の評価を得たわけである。

その後鈴木は、その後NOAHマットに定着。今年3月には王者・秋山準を相手に2度目のGHCタイトルマッチを行った。で、ぶっちゃけると僕的には、この試合はGHCヘビー級史上、いやNOAH武道館大会史上希に見るクソ試合であり、そのクソ試合にした最大の要因は鈴木のダメさにあると思った次第である。


もうそのダメージたるや酷いもので、二十年以上プロレスを愛し続けてきた僕が、その試合をして一定以上の評価を与えてしまった週刊専門誌の購入を取りやめ、NOAHからも、そしてプロレスからさえも、しばらく距離を取ってしまうほどだった。

無論、負傷していたが故に大技を受けられない状況であったと思われる秋山にも責はある。だが責はあるにしても、あまりにもタイトルマッチらしい試合をできなかった。少ない技でも試合を組み立てられる反面、引き出しの少なさを露呈してしまった鈴木に不快感を覚えたのだ。二度目の武道館メイン、そしてGHC挑戦という舞台に対して、鈴木はあまりにも成長がなかったのだ。


まぁこのあたり羅列すると止まらなくなるので、こちらの補足記事を読んでもらえばいいのだが、なんというか塩日本如きでは通用したかもしれないけれど、NOAHマットや全日本マットなどの純プロの世界では、鈴木みのるの今の実力ではメイン級では通用しない、と、個人的には思ったわけだ。

見せる試合、そして魅せる試合作りが出来ないようじゃ、受けも攻めも出来ないわけで。よしんばやったとしてもそれは自己満足に過ぎないわけで。テレビ放送とマスコミカメラ向けにコーナー上で卍固めやったところで会場の観客には届かない。そういう意味では、鈴木のしょっぱさってのは、666でラム会長が云う「佐野はしょっぱいねぇ」よりも塩分が高い。なんというか「お前はスタンリーからやり直してこい」と真剣に思ったものである。


とまぁそんな感じで、長々説明してきた鈴木みのるに対する僕の思いなわけですが(唐突に口調変更)、その後鈴木はといえば、全日本マットにも参戦するわ、ドラゲーでストーカー市川戦のXとして登場するわ、K−DOJOに上がるわ、真日本プロレスで佐山先生のマスクを剥いで脊椎エルボーもらったり「シュートでもいいよ」とかキレられたりだとか、実に多方面にわたって活動しているわけです。

実体のない、パンクラスミッション所属という実質フリーレスラーとしては、こうして対戦相手を選ばず、オファーがあればどこへでもという姿勢は非常に評価されるわけで、その度にレスラーとしての振り幅を試され、なおかつ振り幅を増やしていくことになるわけです。

ぶっちゃけメジャーの団体名だけでプロレスを見ているファンよりも、インディー団体を見ている層は濃いし辛辣。その中で一定以上の評価を得ているということは、それなりの試合を魅せてきたということなんでしょう。

さて、そんな「好物:鶏の唐揚げのマヨネーズ和え」というハイブリッドバディな鈴木みのるさんですが、この度ウルティモドラゴンフェスタに登場、しかも数週間に渡るマスコミ前振りを経て、対戦相手はメカマミーという試合をやらかしたわけです。

で、その試合展開および詳細は以下の通り(http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/headlines/wrestling/20060623-00000044-spnavi-spo.html)。


> 鈴木みのるVSメカマミーの異次元対決はみのるが圧勝。パワーアップしたメカマミーをスリーパーで機能停止させた。現代科学の推移(ママ)とエジプト4000年の神秘の結晶であるメカマミーは、数々の殺人凶器で迫るが、みのるはメカドリルで腹をえぐられようが、巨大ロケットパンチの直撃を食らおうがビクともせず。パウダー攻撃で一度はダウンを奪われたものの、鋼鉄武装したマミーに禁断の水を浴びせ、スリーパーで絞め上げると、マミーは新兵器から煙を噴き、完全に機能停止してしまった。マミーたちを「おまえらバカか」と切り捨てたみのるだが、全試合終了後の表彰式ではマミーのメカドリルを装着したまま殊勲賞を受賞し、まんざらでもなさそうだった。



ちなみに会場レポートでは「お前らバカか」は会場のファンからの「メカみのるはー?」という問いに対してのモノだったらしいんですけど、「スタンリーからやり直せ」と思っていた僕にとっては、そのスタンリー(メカスタンリー)と抗争を繰り広げたメカマミーと、ここまで熱い攻防を繰り広げたという事実に対して、遂にここまでやったかという気分なわけです。

ガチンコが売りだった選手がここまでというのは、まさに振り幅を示した事に他ならず、ここまで出来る鈴木みのるならば、僕も見てみたいという気分が少しずつ出てくるわけです。

無論この試合の場合もストーカー市川戦も、鈴木みのるの試合というよりは、対戦相手が作ってくれた試合になるわけですが、そこでもなんとか鈴木みのる色を出してきたという実績は大いに買いたいところ。

全日本でもNOSAWA論外と組むなどの展開も見せ始めているの上に、高校アマレス時代からの知人であるドラゲーのモッチーこと望月成晃とのタッグで天龍とあたるなど、今後も鈴木みのるの振り幅増大計画に、若干注目したいなと思う次第です。でも、あの武道館でのクソ試合の「禊ぎ」は、こんなもんじゃまだまだ済まないですけどね。



「メカみのる」までやってくれたら
諸手を挙げて即許しますけど(笑)。

(さすがに有り得ないよなー(笑))



[ 2006年06月24日-07:57 ]  



梅雨の湿度とW杯で思い出す、とりとめもない話。


世の中には体力バカなんて言葉がありますが。

体力バカといいますと、すぐに想像するのは「体力ばかりで知能がない」という人だと思うんです。そして次に想像するのは中学高校時代あたりの体育教師じゃなかろうかな、と。曰く、すぐに根性論を振りかざす、傍若無人である、感情にまかせて大声を出したりするので日本語が若干不自由である等々、さまざまな悪いイメージがあると思うんです。

でも実際は、そういう「体力バカ」って滅多にいないと思うんですよね。体力を養うのには科学に基づいたトレーニングが基本中の基本になりますし、教員免許を取得するためには、最低限大卒の資格が必要になるはずです。そうすると、そこに「知能がない」という要素は入らないと思うんです。

無論、全てを根性論で乗り越えてきた人もいるとは思いますが、そういう人の方が逆に珍しいんじゃなかろうか、と、僕なんかは思うわけです。


僕の中学時代というのは1988年から1991年までの3年間。この頃の世相を振り返ってみると、事件としては小学校の校庭に机と椅子が運び出され謎の「9」の文字に並べられたイタズラ事件、宮崎勤による連続幼女誘拐殺人事件、オウム真理教による坂本弁護士誘拐殺人事件、そして汚職贈賄事件として世間を騒がせたリクルート事件などがあった時期です。そしてなによりも、1989年には昭和天皇崩御、昭和から平成へと元号が変わったということもありました。

教育現場を問題とした事件・事故などでは、体罰問題などがクローズアップされ、同時にいじめ問題もこの時期に大きくクローズアップされていました。小中学生が体罰やいじめを苦に自殺なんていう報道が、相次いだ時期でもあります。


しかし、今では考えられない事かもしれませんが、僕が通っていた中学では体罰は普通に行われていました。教師が生徒に対して暴力を持って懲罰を加えるという行為は、言葉にすると非常に問題ではありましたが、例えば拳で顔面を殴打したり、腹部や急所に蹴りを入れるなどの致命的な障害を与えかねないような暴力は振るう教師はいませんでしたし、体罰を加えられるには、それなりの理由もあったと思います。

極めて難しい問題ですが、罪に対する罰として、その現場での即時性を持つ体罰というのは、極めて有効なものなのだろうなということは、なんとなくではありますが「あり」なんじゃなかろうかと個人的には思います。こんなこと云うと問題発言になるかもしれませんから、「体罰を受けて悔い改めることも多かった身としては、その有効さは身に染みている」と云い換えるべきでしょうね(苦笑)。

しかし、勿論相手の心身に後々にまで傷が残るような暴力は、行きすぎたものだと思います。でもそんなの個人差ですからねぇ、特に「心」の方ってのは。本当に難しい問題です。ちなみに欧米の古い小説には体罰として顔面を平手で張るというようなことはあり得ず、前腕や臀部を打ち据えるというものが大半です。鞭打ち刑も背中を打ち据えるのが基本です。これは体罰と致傷暴力とを明確に分けているのではないかなーと思うわけです。


殴ったことも殴られたこともある身として云いますと、日本の体罰に多い顔面への張り手による加撃、いわゆる「ビンタ」というのは、実は相当危険な行為なんです。無論拳での加撃に比べれば安全であることは確かですが、顔面を殴るという行為自体が極めて危険なんですよね。

まず当たり所がズレて耳であった場合、鼓膜の破損や聴覚障害を起こす可能性があります。眼球に指があたったりすれば視覚障害を起こし、直接眼球に当たらなかったとしても視覚障害を起こす危険性は大いにあります。

また顔面を張るというよりは頬を張るというのが鉄則ではありますが、これもまた危険。人間の歯というのは非常に硬いものですから、掌という柔らかい部分とはいえ高速で衝撃を与えられれば、口腔内の肉が歯に当たって切れます。口の中は薄い粘膜ですから、あっさりざっくり切れますし、流血もするという状況になるわけです。


つまりビンタの受け手側は、余計なダメージを被らない為にも、当たり所を変えないためにも不動でなければならず、なおかつ歯の鋭い部分に肉があたらないように、しっかりと歯を食いしばっていなければならないわけです。

ひょっとしたら皆さんも邦画の戦争モノや軍事モノの映画やドラマなどを観たことがあるかもしれませんが、その中で上官や教官が一兵卒に体罰を加える際「気をつけィッ!歯を食いしばれッ!!」と怒鳴りつけて、不動名目閉口にてビンタを受けるというシーンがあったと思います。

実にアリガチなシーンではありますが、これは上記のような余計なダメージを被らせないためのテクニックなわけです。「無抵抗なままに体罰を受けなければならないなんて、なんて理不尽な!」としか思えないようなところでもありますが、これも体罰と致傷暴力とを隔てる、安全面を考慮した手法なわけですね。


なんでこんなにビンタについて熱く語っているのかわからなくなってきましたが(笑)、もう少し続けます。ビンタというのは公開で行われる鞭打ち刑にも似て、痛みと同時に恥を喚起する為の罰なんですよね。

つまり頬を張られれば赤く腫れ上がりますから、一目に「ビンタされた」とわかるわけです。そして、それはもちろん力加減にもよるものですが、罰の痕跡として一時的に目立つわけです。つまり罪に対する罰を、隠しようのない顔面に貼り付けて歩かなければならないわけで、これはもう非常に恥になるわけです。

そういう意味では背中や尻、長袖シャツを着ていれば前腕さえも「普段は隠れる」ところですから、自らの中にだけ恥辱屈辱という意味ではビンタは非常に強い「恥」を与える体罰になるわけです。だから欧米人は顔面を張られるという行為を非常に嫌うというか、もの凄い屈辱として受け取るなんていうエピソードも、さまざまな創話のエピソードに登場したりします。

平手で叩けば音は非常に強いですが、その割にはダメージは少なく、傷にもなりにくい、その上に恥を強く意識することになる。そう考えると「正しいビンタ」は、極めて「正しい体罰」になるのかなぁと思うわけですよ。「体罰に正しいもなにもない!」という議論はこの際おいといて、という前提でですけどね(笑)。


さてさて、随分前置きが長くなりましたが、ここでようやく話は僕の中学時代に戻ります。長かったなぁオイ(笑)。で、中学時代の体育教師にS藤先生という方がいらっしゃったんですけど、これがまだ三十路に踏み込んだばかりの若手教師だったんですが、絵に描いたような「体力バカ」系の体育教師だったんですよ。

「ペナルティ」という言葉が口癖だったんですが、お前は自衛官か軍人かというような堅く厳しい口調で「〜もとい!」というのも口癖だったり、生徒に対する呼称が基本的には「おめぇらはよぅ」という口調だったりとまぁ、「体力バカ」系教師として嫌われるタイプの代表例のような人物だったわけです。

そして得意技は体罰。ボールを投げつけるわ平手で殴るわ蹴りくれるわ、相当やりたい放題のように見えました。さらに授業の普段着が大学時代のジャージで背中に「JUN●EN」の文字が白くプリントされているという、なんとも微妙なスタイル。このまま竹刀持たせれば宗田理さん原作の学園映画に端役として登場できそうでしたねえ。


で、そんなS藤先生なんですが、ある日の授業で球技大会の練習かなんかでサッカーをやることになりまして。まぁそもそもサッカー部の顧問だったりしたもんですから、どうせまた熱くなるんだろうなーとか思ってたら、唐突に赤ジャージに白の半パンという出で立ちでグラウンドに登場しまして(笑)。

勿論レプリカジャージでしょうけど、サッカー部のヤツに聞いたら当時の日本代表のユニフォームだとかそんな感じのことをいっていたと思います。当時はまだJリーグもなかったわけですし、日本代表がワールドカップに出られるなんていうのも夢のまた夢だったわけで、「キャプテン翼」の人気でサッカー競技自体はメジャーになりましたが、それでもまだまだマイナーでしたからねぇ。

で、そんな感じで若干生徒達にひかれつつサッカーの授業が始まったわけなんですが、何分加減もルールも知らないアホな中学生ですから、キャプ翼に影響されたようなダーティーなスライディングタックルごっことかをやり出す一部のバカがおりまして。

そうすると、さぁ大変。S藤先生がホイッスルを鳴らしながら速攻やってきまして、イエローカードもレッドカードもなく、突然ジャージをひっつかんで立たせるや「お前らなにやってんだ!!そんな汚いプレイがあるか!!タックルは怪我させるためにやるんじゃない!ボールを取るためにやるんだ!!歯ぁくいしばれーッ!!!」と怒鳴りながら次第にテンションを上げていき、最後は言い終わるか言い終わらないかでグラウンドに響き渡る強烈な打撃音という顛末があったわけです。

当時はヒネた中学生でしたから、その言い方や仕草というかキレ方が妙におかしくて、しばらく笑い話のネタになったり、それこそ一部にしか通用しないモノマネのネタになったりしていたくらいのもんでしたし、体罰どうこうも「済めばそこまで」という空気もあったわけなんですが、後日PTA関係かなんかで、やはりS藤先生の体罰が問題になったりしたこともあったようです。


まぁなんでこんな事を唐突に書いたかと云いますと、今現在も開催中であるドイツワールドカップサッカーと、その出場選手や応援をするサポーター達の姿を見て、なんとなくS藤先生を思い出したってだけなんですけどね。今からもう16年以上も昔の出来事です。

当時は出場予選突破さえ夢だったワールドカップサッカーというか日本のサッカー界というか、まぁそんなものも随分様変わりしたんだよなぁなんてことを考えたりしたわけです。S藤先生が今も教師をされているならば、50歳手前といったところでしょうか。ひょっとしたら、今年のワールドカップサッカーも日本代表のサムライブルーを着て応援しているのかもしれません。


「体罰」というキーワードが会話に出されると、僕が真っ先に思い出すのは、この先生の事というくらい体罰が日常的だったり印象深い人だったりしたわけなんですが、不思議と恨みはありません。

それは、僕がこの先生に初めて殴られたとき「怪我するから動くなよ。歯を食いしばってろ」と云われてから殴られ、そして、それから何故殴ったかを延々と説教され「冷やしとけ」とタオルを渡されて体育教師控え室を出されたというような事があったりとか、そんな経験があるからなのかもしれません。そして、それほど体罰が日常的だった教師にも関わらず、僕の知りうる限り僕が中学にいた3年間で、誰にも怪我をさせていなかったという事も大きな理由なんだと思います。

繰り返しますが、本来ならば、体罰に正しいもなにもないのかもしれません。ですが、S藤先生の「体罰」は、感情に任せたただのヒステリックな暴力ではなく「プロとしての体罰」だったと、今では思っています。そしてそういう意味でも、S藤先生は「体力バカ」ではなかったのだな、などと思ったりもするわけです。

まー今の教育現場では、絶対に認められないタイプだと思いますけどね(苦笑)。「感謝」とはちょっと遠い感覚ですが、うーん。決して嫌悪するような経験ではなかった、そう思っています。


[ 2006年06月26日-16:27 ]  



トルコ語で「攪拌する」という意味が語源だそうです。


最近ヨーグルトにハマっています。

そもそもが生まれる前、つまり母上の胎内にいる頃から「うむ、冷やし中華が食べたい」と念を送り、十月の半ばというシーズン外しまくりの時期に親父殿を走らせたという逸話を持つほどの酸味好きの僕。

ですから、もとよりヨーグルトも大好きなんですが、それ以上にハマっているんです。むしろ病みつきになっていると云っても過言ではありません。まぁここのところ、必要最低限の食材しか調達せず、乳製品を摂っていなかったからということもあるんでしょう。


主な食べ方としては低脂肪タイプのヨーグルトにシークワーサージュースを大さじ二杯ほどかけ、添付のオリゴ糖かカロリーカットの甘味料を混ぜるというものです。果物を混ぜいれたりはしません。まぁ素材の味を大事にとかそういうわけではなく、お金がなくて果物が買えなかったりとか、そこまでするのが面倒なだけなんですけどね。

普段から目を酷使しているものですから、そういうことを考えたら、ビタミンAが豊富なブルーベリージャムなんかもいいのかもしれないのですが(宇呂田くん訂正サンクス(笑))、ジャムだと必要以上に甘味が強いしカロリーがイマイチ心配であったりもして、手を出していません。つっても別にカロリー考えてヨーグルト喰ってるわけじゃないですが(笑)。


ちなみに最近のお気に入りであるシークワーサージュースは非常に香りが高く、酸味と深みがあって非常に珍重しています。実際は台湾のなんたらとかいう柑橘類なんだそうですが、日常的にシークワーサーを食べているわけでも飲んでいるわけでもないので違いがわかるわけでもなく、別にどうということもありません(笑)。

糖分を感じない酸味と香りの濃い原液なので、普通に水で希釈して水割りにしても美味しいですし、お湯割りにしても美味いです。ドレッシングの風味付けに使ったり、焼き肉のつけだれなんかにも使えます。そしてヨーグルトに混ぜると実にあうんですよ。酸味もアップです。


で、これを昼飯代わりに500gをまる1パックほどもしゃもしゃと喰べるわけです。すると効果覿面。洋の東西を問わず便を秘してしまう女性は多いわけですが、そんな方々が明らかにうらやむほどの豪快なビッグベン様が降臨されます。本当にすごいです。

あんまり熱便、もとい熱弁(ベタベタ)することでもないんですが、そもそもが快便気味の僕であっても、若干ひくくらいのが出たりするんですよ。なんというか腸の形まるまるとでもいいますか、「おいおい流れないんじゃないかコレ?!」とか思うくらいなんです。お食事中の方、ほんとすんません。


ですが、問題なのは賞味期限の都合上、そうそうまとめ買いが出来ないこと。特に冷蔵庫に入れておいて未開封だとしても、なんとなくこの時期は怖いです。ヨーグルトが腐乱というか再発酵したら、なんになるんでしょうね?

涅槃経には「牛より乳を出し、乳より酪を出し、酪より生酥を出し、生酥より熟酥を出し、熟酥より醍醐を出す」と書かれています。しかし別典によれば、酪から生酥の過程は発酵ではなく熱処理であるので、酪とされるヨーグルトが再発酵した場合、多分出来上がるのは、普通に「腐ったヨーグルト」なんでしょうね(笑)。いやはやなんとも実に食えない話です(若干上手いこと云った気になりながら)

なんにせよ、これから暑くなって食欲が失せる時季にも非常にオススメです。これだけ喰ってりゃいいということは、まず無いでしょうけれども一食代わりに食べる程度にはいいかなーと思っています。



とにもかくにも食べてる間は
尋常じゃなく快便でしたから!

(まだそれを云うか)



[ 2006年06月28日-05:06 ]  



はがいたひ。


先日来、奥歯が痛くて痛くて、集中力が持続しません。

なんつーかもう、ホントに歯、痛い。正確には「歯、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」くらいに痛いです。

しかも、なにげに複数箇所が痛いような気がするんですよね。二・三日はとりあえず気合いと努力と根性と痛み止めでなんとかごまかしていたんですけど、どうにもおさまらないので歯医者の予約を入れました。


実は姉は歯科衛生士で、その旦那、つまり義兄は歯科医なんですよね。しかし僕は歯の健康というモノをあまり気遣ったことがなく、歯医者に行くのも十数年ぶりという為体なんですよ。だって歯医者きらいなんだもん(三十歳児アピール)

大体歯医者というものは、なんでああ何度も通わせるのがわかりません。理解に苦しみますよ。歯ってのは自力で回復することはありえないそうですから、時間おいて回復の様子見ましょうだとかなんだとかってないわけでしょ。

矯正歯科のように時間がかかるものならわかるんですけど、基本的には麻酔打って削って塗って被せて終了じゃないすか。そんなんだったらもう一撃で治してくれと、一撃で。痛みになら慣れている。さぁやれ!すぐやれ!今やれ!!って感じです。何度も通うって非常にイヤなんですよね。習い事じゃないんだから。


まぁとにもかくにも十数年ぶりに歯医者に行くことになったわけなんですが、最近の歯医者事情ってまるでわからないんですよね。機材とかは進歩してそうですし、聞いた話では最近はガリガリやらんでレーザーかなんかでやったりもするらしいですしね。

特に歯医者が怖いとかそういうことはまるでないんですけれども、それでもなんとなく緊張します。なにしろ自分の口の中を赤の他人に見せるわけですからね。あまつさえ指とか機械とかフィルムとかなんかこう色々なモノを入れられるわけですから、緊張しない方がおかしいわけですよ。

そんなわけで、久しぶりの歯科医体験に向かう緊張を緩和すべく、一応モノカキらしく歯医者さんに行った状況をシミュレーションしてみることにしてみました。


男が頬を抑えながら眉根をしかめて自動ドアをくぐる。看板には「デンタルクリニック」の文字。受付には白衣の女性。


「どうなさいましたかー」
「あの、どうも右の奥歯が痛くて。虫歯だと思うんですけど」

「そうですかー。ご予約の方は?」
「あのーそれが予約していないんですよ。大丈夫ですかね?」

(時計をみてから)ええ、大丈夫ですよー。それじゃこちらの問診票を書いていただけますか。こちらでお願いします」
「あ、はい。…っ痛ー」


男、受け取った問診票をしばらくじっと見る。やがて首を傾げながら受付の女に話しかける。

「あの…」
「はい?なにか?」

「えーっとですね。この問診票…なんですけども」
「はい?」

「熱とかはないんですが」
「あ、そうですかー。じゃあ平熱って書いていただければ」


「あと、『手足に手首や肘や膝以外の関節が増えていませんか』っていう質問は、若干おかしいと思うんですけど…」
「そうですか?なければ、特になし、で結構ですよ?」

「いやもちろん関節増えたりはしてないんですけども、見ればわかるっていうか、そんな自覚症状あったら歯医者じゃなくて別の病院行きますよね?」
「意外と気づかない間に増えてることもあるんですよ?」

「いやいや、そ、そういうもんですか?」
「ええ(にっこり)


「あ、あとですね。この『非合法な薬物を売買した経験がありますか?』っていう質問は医療行為に関係あるんでしょうか?あと、その後に『あると回答された方は、その時の状況を出来るだけ詳細に書いて下さい』ってのも、なんかこう、いや、そんな経験ないんですけど、まるで歯医者と関係ないですよね?」
「なければ、特になし、でいいんですよー?(若干強い口調で)

「いや、ないですけど…(小声で)大丈夫かなここ…」

(時計を見ながら)次の時間、予約が入っておりますので、簡単にで構いませんから、少し急いで書いていただけますか?」
「あ、はい。(小声で)普通そういうこと患者に云うか…?」

「えーっと…あのー!」
「はい?まだなにか?」

「ええっと、その、この『初体験はいつですか?』とか、これ明らかに虫歯とかと関係ないですよね?!」
「…童貞、なんですか…?!(心底驚いた顔で)

「いや、違いますけども!!って、だからなんでそんなこと応えなきゃいけないんですか!!」
「構わないんですよ。童貞なら童貞で、当院ではそのような理由で患者さまを差別したりしませんから。童貞でもー…(男から顔を背けながら)


「いやいやいやいやいや!だから違いますって!!だからなんでこんなこと聞かれなきゃいけないんだって事をさっきから聞いてるんですよ!」
「…まぁ、色々医療的理由もあるんですが、基本的には…」

「基本的には…?」
「趣味、ですね」

「趣味かよ!!歯医者関係ないじゃん!どんな趣味してんだよ院長!」
「いえ、私のです」

「お前のかよ!!なんで患者のプライバシー覗こうとしてんだよ!!」

「口の中を覗いていると、他のことも色々覗いてみたくなるんですよ。『あーこの人こんな口してるけど、腕折れてんだー』とかね。もう面白くって」
「いやいやいやいや、面白がってないで、まず骨折治してやれよ!他の病院紹介してやれって!整形外科とか!!」

「他にも、あーこの人こんな口してるけど、非合法ドラッグ売りさばいてんだーとかですね。もう大爆笑ですよ?」
「だから笑ってないで、それは通報しろよ!!あと口の中関係ねーから!!」

「で、あなたは童貞、と」
「違うから!!」

「これはもう大急ぎで通報しないといけませんね(電話を手に取りながら)
(慌てて電話を取り上げながら)童貞は別に犯罪じゃねーよ!!大体どこに通報するんだよ!!」

「ご近所の奥様達に」
「それ通報じゃなくて噂流してるだけじゃねーか!!もう、なんなんですかここは!!あと僕は童貞じゃないですから!!!」


自動ドアを別の患者が入ってくる。

「あ、こんにちは。10時からご予約の鈴木様ですね」
「はい、よろしくお願いしますー」

「そういうわけなんで、次回までに問診票に記入してきてくださいね。次の患者さん来ちゃいましたので」
「ええー?!治療なしなんですか!!」

「ええ、残念ですけどタイムアップです。楽しい時間をありがとうございました」
「もう、わけわかんねーよ!!」

「問診票は、次回までの宿題ということで。時間内に終わらなかったので…(受付の机からごっそりと紙束を出して)これ追試分です」
「もう来ねーよ!!」



シミュレーションじゃなくて
明らかにコントになってるし
そもそもこんな歯医者はねーよ。

(歯科医の義弟が書く記事じゃないよなー(苦笑))



[ 2006年06月29日-08:36 ]