じーらぼ!言戯道場 (G-LABO Gengi-DOJO) 管理人:みやもと春九堂(しゅんきゅうどう)


【過去のつぶやき】
 2006年09月の【家元のつぶやき】のバックナンバーです。

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2006年09月のバックナンバー

もしも…(2006年09月01日-20:20)
無題。(2006年09月05日-16:15)
桃源郷。(2006年09月08日-19:54)
一人桃祭。(2006年09月11日-19:32)
あげさげチャッカーズの『執事喫茶ってどんなとこ?』(2006年09月13日-13:21)
大激怒。(2006年09月17日-11:40)
ある朝の話。(2006年09月20日-23:46)
風邪っぴきながら新企画(2006年09月29日-12:02)


もしも…


某SNSでバトンを渡されました。なんでも『もしもバトン』というらしいのですが、『もしも』といえば、僕にとっては「ドリフの大爆笑」におけるコントシリーズの金字塔。普通に応えても面白くないので、適当に投げやりに色々妄想して応えてみることにしました。一体どんな質問が投げられるのでしょうか。ではいってみましょう。フンガー。


Q1:もし道端に宇宙人が寝ていたら?
宇宙人?宇宙人かどうかって、どうやって判断するんですか?どうやって?ねぇどうやって?大体からして、自称宇宙人だとしたら、ただの○チガイじゃないですか。仮に納得いくだけの超科学っぷりとかを見せてくれたとしても、僕に一切の危害を加えず、対等な生命体として扱ってくれるという保証と前提がなければ接触なんかするわけないじゃないですか。なにを非常識な。というわけで、とりあえず明らかに意識を喪失している状態としての「寝ている」ならば、複数枚以上の写真を撮影したりした後、119番か、FBIに連絡します。もしくは『TVのチカラ』か矢追純一さんに連絡を。その後『宇宙人を発見した男』として各種ワイドショーや特番に引っ張りだこに。番組初登場時のインタビューで放送された「いや、おどろいちゃったってば!だって宇宙人なんだもの!」というセリフが反響を呼び、その年の流行語大賞を獲得。宇宙人ギミックのアイドルユニット『U−CHU☆JEAN』のプロデューサーとなり、作詞・編曲・途中ナレーションを手がけた『おどろいちゃったってBA!』がオリコンチャート初登場1位に輝き、連続1位記録も更新し、スーパーヒットロングセラーに。そしてクアドロミリオンを達成。その後メンバーの「じゅぴ」(21・Eカップ)とのデート現場をフライデーされるも、動じることなく予定通りにゴールイン。ユニットは解散するが、最後のアルバム『最終宇宙戦争』のラストトラック『インプラントde☆NAC(ネクストエイジチャイルド)☆ 〜愛の遺伝子は永遠に〜』での語りが、若者達の絶大な支持を受け、海賊版や「幻のマキシシングル」が出回る。ほどなくその「幻のマキシシングル」の隠しデータに、宇宙の真理を記したものがあることが噂となり、そのメッセージを受信した者達だけが集うとされる新興宗教団体『U−TUNE(ユーチューン)』が設立され、同団体のスーパーバイザーとして君臨する。著作は数百冊に上り、ヘールボップ彗星の次に接近したスペースウォッチ彗星の接近時には、信者が全員おそろいのスニーカーを履いて富士山に登山するという奇行を行う。「すわ、ヘールボップ彗星集団自殺事件の再現か」と話題を集めたが、実際に行ったことは富士山の一斉清掃。この結果、富士山が「世界一清潔な世界遺産」として認定されることになる。本人は、登山途中に高山病になり、側近や家族に囲まれつつ「みんな大好きだよ」と言い残し、世を去りそうになるが、酸素吸入したところ普通に回復。しかし、ふらりと山小屋から出たところ突如現れた巨大な発光体にとらわれ行方不明になる。4日後に熱海市の海岸沿いを歩いているところを発見される。後はご想像におまかせするとしよう。多分眉毛が繋がって改名したりすることになるかもしれない。


Q2:彼女の浮気現場に遭遇したら?
浮気現場って、どういうのを浮気現場っていうんだろう。踏み込み系だと考えて良いのかしら。やっちゃってるところに入っちゃったらとか、ホテルから出てくるところに遭遇とか?まぁそしたら何事もなかったように話しかけた後、その場を去ります。その時に何を話しかけるかって?そりゃあもう、その二人が明らかに破滅するようなセリフをですよ。「お前らバルス!バルスバルスバルス!!バールースッ!!(泣きながら)」とか。


Q3:今もし突然『オレオレ詐欺(振り込め詐欺)』の電話がかかってきたら?
しばらく話を聞いた後、明らかに明確でない本人だと分かった場合、すっかりノったフリをして取り乱したりしつつ振込先や連絡先を聞き出しつつ、その連絡先を控えて110番。あとはスルー。


Q4:大好きな芸能人が目の前にいたら?
特にいないので応えようがないのだがどうか。だので特になにもしないか、「いつも見てます。応援していますので、これからも頑張ってください」というような超普通の事をいう。終了。


Q5:変なおじさんの格好をした変なおじさんに、急に話しかけられたら?
どんな格好が変な格好なのかわからないので応えようがないというか。とりあえず公序良俗に反するような露出的にアレなものならば、話しかけられた内容に耳を貸しつつ、即座に110番。


Q6:年下に「あんたって子供よね」と言われたら?
「そうです。歳ばっか喰ってるけど、心はいつでも15歳!」と応える。「お前がいうな(笑)」というような相手だった場合、完膚無きまで論破して自殺したくなるくらいまで追い込む。女の子が好意的にそういった場合は、そのセリフを逆手にとって甘えまくった後イロイロしちゃう(無理)。


Q7:猪が猛スピードで突進してきたら?
手持ちのバネ式傘をイノシシに向かって開く(マジで有効)。実は強すぎて賭が成立しない程のムエチャッカー(素手のムエタイ)の選手なので、迎撃のチャランポ(膝蹴り)でイノシシの鼻っ柱を潰そうとしつつ、無茶だったのではねられて「オリビアー!」とか叫んびながら車田正美マンガ風に吹っ飛んだりする。誰、オリビア。


Q8:バイト中に包丁を持った男に「金を出せ」と脅されたら?
うっかりズボンとパンツを脱いで金を出すという下品なことを考えてニヤついてしまい刺されたりする。手持ちの熱湯や煮えたぎった油があった場合は浴びせかける。倒れたところに頭からさらにかけて追い打ち。倒れた相手の腹部に無表情につま先蹴りを連打し、血反吐を吐いたところで110番。ポリスが来るまで、長渕の「とんぼ」を口ずさみ、到着後過剰防衛でダイナマイト逮捕される。翌朝の新聞の見出しは『クマ、やりすぎ』。


Q9:朝目が覚めて背中に翼がはえていたら?
「神よ!私はこんなものを望んだおぼえはない!!」と劇画調に嘆き、その上で飛べるかどうか試してみたりしつつ、翼の機能や動かし方などを考えて、適当な服の翼穴加工をしたりする。その上で飛んでみたりして楽しむが、多分翼を動かすのには相当な体力が必要であると考えられ、僕の体力不足と体重の面から大した距離や高さは飛べないものであると思われるので、多分滅多に飛ばない。仕方ないので知人の研究者に頼んで謝礼込みで実験体になったりして荒稼ぎする。見せ物上等。その後、中村あゆみプロデュースで『翼の折れたクマンジェル』という歌でメジャーデビュー。さらに『クマになれ』をリリースし、これが鈴木みのる入場曲として一部で大ブレイク。5年後「これ以上、俺は羽ばたけない…」という言葉を武道館ライブで残し、引退。このセリフがその年の流行語大賞を獲得。羽毛布団会社のCMコピーに。本人もイメージモデルとして採用され、同CMの「俺はもう羽ばたけない。だから、あなたを包みたい。やさしく、やわらかく」というナレーションが強烈なインパクトを残し、莫大な売り上げを記録する。その後ひゃっほうな人生。


Q10:リアクションが面白そうな5人にバトンタッチ!
つ【あつあつおでん】
(それはリアクションアイテム)



Q1であっさり力尽きました。
(どうしてバトンの質問ってのは想像力を刺激しないつまんねーのばっかなんだ…)



[ 2006年09月01日-20:20 ]  



無題。


ここのところ怪談づいていることもあって、ネット上の怪談話なんかも随分とチェックしていた。有名なモノもいくつもあるのだが、その中で気になったものがある。

いや気になるというのもおかしな話といえばおかしな話なのだ。なぜならば私は、その怪談、いや一連の怪談群を、既に何度か読んでいるからだ。なのに今回に限って気になった。正確に云えば読了後に「違和感」を感じたのだ。


その怪談のあらすじはこうだ、禁忌とされている場所に忍び込んだ悪童達が、そこで「何か」に遭遇する。別のケースでは憑依されたりもしている。

逃げ出した彼らを救うのは神主や祖父母などの年長者だ。悪童達はこっぴどく叱られながら身を清められ、そして「髪を切られる」。後ろ髪だけを切り落とされた者もいれば、丸刈りにされた者の話も多い。

そうして語り部たる彼らは難を逃れるのだが、必ず犠牲者が出てしまう。彼らは一様に後頭部を傷だらけにし、そして「目を潰している」のだ。誰かにそうされたものもいれば、自ら目を潰した者もいる。

そして後頭部の傷――それは自ら後頭部の髪を引き抜き、また頭皮ごと引きちぎった事によるものなのだ。そうした凄惨な死に様を晒す犠牲者達は、皆「何か」から逃れられなかった結果だという。

語り部本人達を助けた年長者達によれば、その「何か」はどこまでも自らの領域に踏み込んだ(結界を破り、踏み荒らした?)者をおいかけるらしい。そして後ろ髪を掴み、死へと引きずり込む。

だから語り部達は髪を切られたのだ。なぜ後ろ髪を掴むのか。それはいくつかの話の中で年長者達によって明かされている。「ヤツは目が見えない。だから後ろ髪を引き掴む」と。盲目となり、後ろ髪を引きちぎった犠牲者達は、その「何か」と同じ姿になっている、いや同じ姿にされてしまったということなのだろう。


――連鎖。この一連の怪談群の根底に流れるのは、そうした特徴をもつ呪いの連鎖なのだ。そして、これらのストーリーの語り部達は、物語をこう結ぶ。「この話を知った者も、呪いの環に加わる。そして『何か』は、どこまでも探し出して追い掛ける。だからこの話を読んでしまった人達は、一人でも多くの人の目にとまるように、この話を広めなければならない」と。

実にありがちなチェーンメールのような連鎖の手法だ。それまでの、風土に合わせたリアリティ溢れる恐怖に、明らかに水を差すような陳腐な手法。正直、この手のチープな展開にはウンザリさせられるものだ。

しかし、冒頭にも書いた通り、これまで何度も目にしているはずの、これらの怪談群を読み終えたとき、私は違和感を感じたのだ。それは、このチェーンメールじみた手法の演出にではなく、話中での年長者達の発言だった。悪童達を叱責した彼らは一様に云う「ここで見たことは全部忘れろ」。

それは警告であり「もう一つの対策」なのではないだろうか。「知っている」者達を追い掛ける呪い。二度と禁忌は犯さず、それを「忘れる」ことで、呪いから解放されるのではないだろうか。語り部達は事件の後、一様に「その場所」を離れている。

生まれ故郷であったり、親戚の家であったり、たまたま覗きに行ってしまったスポットであったり。そしてそれらを忘れているのだ。やがて皆一つの怪談をきっかけに「思い出し」、これら一連の怪談群が出来上がった。語り部達のその後はわからないが、犠牲者となった者達は皆「その場」に残っているという傾向がある。つまりはそういうことなのではないだろうか。

「その場」を離れ、全てを「忘れる」。それが呪いの連鎖を断ち切る、対策の一つなのではないだろうか。そんな考えが私の頭をよぎったのだ。


――「忘んない!」強い叱責をはらんだ祖母の声が私の脳裏に、突然蘇った。


穏和でのんびりとした声で、ゆっくりと話す祖母が「僕」を叱責した声だ。いや、そんな事があったのだろうか。あの穏和な祖母が「僕」を叱責したことなどあったのだろうか。いや、こうまでも鮮やかに記憶に蘇るということは、事実あったことなのだろう。だが…私は覚えていない…。


私は目を閉じて記憶を辿る。それは昨年、気まぐれを起こした私が、父方の郷里を十年ぶりに訪ねたからかもしれない。郷里を訪ねたきっかけは単純なものだった。

夢を見たのだ。少年だった頃に見た、田舎の様々な風景を。だから私は田舎へと向かったのだ。自分の記憶を辿るために。そして大人になった自分の足で、少年だった「僕」の足跡を辿り、記憶の糸をいくつもつなぎ合わせるという作業をしてきた。

そんなことをした翌年の今、少年の日の記憶は、割と簡単に蘇ってきた。強い夏の臭いだ。アスファルトが溶ける都会の夏の臭いではない、土の焼ける田舎の夏、そんな臭いが私の嗅覚を刺激する。信州の奥地に向かう山間の集落。そこが「僕」の、そして私の田舎だった。


まだ祖父が生きていた頃だ。姉らは都合がつかなかったのか、私は両親と3人で夏休みの帰省をしていた。集落にも子どもはいるのだが、人見知りの激しい少年だった「僕」は、遊び相手になってもらうことも、仲間に混ざることも出来ず、一人で退屈していた。両親は祖父母と畑に行っていたし、一人の留守番は退屈だった。

集落の中は車が走ることも滅多にないので、交通事故があるわけもない。「僕」に許された行動範囲は、裏山の神社の石段までと、坂下のよろずやまでだったが、そこからの一本道で「おとり前」と呼ばれていた大鳥居前の畑に行くことは出来た。祖父母も両親も、今日はそこの桃の木を手入れにいっているはずだ。

テレビはワイドショーの時間帯に入っていて面白くない。だから「僕」は大きい麦わら帽子を被って、家を出た。強い午後の日差しと蝉時雨の中、どこに行こうかと思案したが、僕の足は重力に従うように坂を下って、よろずやに向かっていた。

ポケットには発行されたばかりのピカピカの五百円玉が入っている。それは祖母にもらった「おこづかい」だった。よろずやに着いた僕は、おばちゃんに挨拶をするとアイスの冷凍庫を開けて、背伸びをして覗き込むように棒アイスを一本買う。

「本家の跡取り息子の孫」であった僕の顔は、よろずやのおばちゃんも知っている。一人でお買い物えらいねえとかなんとか云われて、はにかんだ僕は、「おとり前」への一本道を、アイスをかじりながら歩いていった。土塀と石垣で舗装された用水路を左右にしながら歩く。

炎天下にアイスは既に溶け出していたから、手がべとべとしないよう、すくい上げるようにして僕はソーダ味を喉に流し込んだ。やがて大鳥居前に着く頃には、アイスはすっかりなくなっていて、僕は「あたり」ともなにもかかれていなかったアイス棒をくわえて鳥居を見上げていた。鳥居をくぐり、県道を越えて少し行けば畑があるのはわかっていた。




だけど「僕」は、ここにきて少し考えてしまった。なぜならば、一人で畑まで行くことは許されていなかったからだ。行動範囲は車通りのある県道より内側に限られていたからだ。一人で行ったら誉められるか、それとも怒られるか、僕は少し考えた。そして考えた末に、畑を目指すことをやめて、回れ右をしたのだ。

帰ろうか、用水路(足首までしか水のない小川だ)で沢ガニでも探そうか、そんなことを考えていたが、ふと山側を見上げると、随分上の方に石の階段がみえた。今になればわかるのだが、鳥居があるということは、ここが表参道であり、裏山の神社に続いているのだ。

いつもは家の裏山からすいすいと登っていって、参道の途中から石段を登るのだが、普通に参拝するならば、ここから登っていくことになるのだろう。見慣れた風景が遠くにあることに、少し興味を憶えた僕は、そのまま参道をのぼっていうことにした。石段までなら行動範囲だからだ。

この夏に来たばかりの時にお参りした時には、すぐに帰ってしまったが、神社には大きな木が沢山あって「カブトムシやクワガタがいるかもしれない」と母が云っていたことを思いだした事もあった。虫取網も虫かごも持ってはいなかったが、ちょっとした探検気分で僕は神社へと続く坂道を進み始めた。参道といっても、神社へと続くただの道だ。

舗装もされていない道の左右は百年以上前から建っているような土壁の家ばかり。やがてコンクリートというよりは砂利セメントといった風情の舗装が道路にかぶり始め、石段が近づいてきた。


午後の休みを終えて皆畑に出ているのだろうか、誰ともすれ違わず、遠くに車の排気音が時々聞こえるだけで、その音も蝉時雨にかきけされる。そんな中を僕は一人でよいしょよいしょと小さく声に出しながら、石段を登っていった。途中の鳥居のある踊り場から後を振り返って見下ろすと、いくつもの屋根越しに集落の様子が見える。




下の大鳥居は屋根に隠れてみえなかったが、一人でここまで登ってきたことに、僕は小さな達成感を感じて、満足しながら最後の石段を登っていった。本来なら、ここの少し手前の路地を曲がって裏山に帰らなければならないのだが、僕に芽生えた冒険心は、そうさせなかったのだ。

最後の石段を登り終えて、辿り着いた神社は、神社といっても小さなもので、山を切り開いた平地に、いずれも小さいものだが本殿と宝物殿があるだけだった。社務所があるわけでもなく、どこに神主さんがいるのかもわからないような、いわゆる「村の鎮守」だ。

いや、少なくともそれまでは、そんな風に考えていたのだ。僕は本殿に向かうとアイスのお釣りに入っていた十円玉を「もったいないなあ」なんて思いながら賽銭箱に投げ込んで、見様見真似で覚えていた柏手を打った。

それを済ませると木を見て回ろうと境内をうろついてみたのだが、どの木も大きすぎて見上げるのに疲れてしまうようだったし、境内自体には木はなく、いずれも斜面に生えているので手の出しようがなかった。

それでもセミでもいないかと思って見上げ続けていたのだが、その気配もない。鳴き声は近く遠くにこれでもかと降り注ぐのだが、姿は見えないのだ。木陰越しに強い日差しを浴びた僕は、目が眩んだようになって、慌てて顔を下ろすと、宝物殿の屋根の下の日陰に逃げ込んで石段に座り込んだ。


カブトムシもクワガタもいなければ、セミも鳴き声だけ。「なんだつまんないな」――そんな事を考えながら、僕は立ち上がると、宝物殿の土台の石段のカドに土踏まずで立つようにして、バランスをとったりしながら「帰ろうかなぁ」と呟いた。そのまま土踏まずでバランスを取りながらカニ歩きをする僕。

土台の四つ角まで来て、落ちちゃったら、そのまま帰ろうと考えていたのだが、バランスよく曲がれてしまった僕は宝物殿の横に入り込んでいった。慣れてきたもので、すいすいとカニ歩きで土台の上を歩く僕だったが、夢中になって足下を見ながら歩いていたのだが、宝物殿の裏手に回ったところで、バランスを崩して落ちてしまった。

落ちたと云っても15cmほどの石段の上からだからひょいと飛び降りただけなのだが、飛び降りたところから振り返ると宝物殿の裏手に、もう一つ小さな古びた小屋があるのが見えた。今までその存在は知らなかった僕は、興味にかられてそちらへと近づいた。


宝物殿を小さくしたような小屋は正面に格子状になった木戸の戸口があり、その上にしめ縄が渡してあった。宝物殿の中はお正月だかに見たことがあった。木馬と鏡がおいてあったと思う。宝という割には大したことがなく「なあんだ」と落胆したものだ。

「この中には何があるのかな」、そんなことを考えた僕は、格子戸に顔を押しつけるようにして、なんとか中を覗こうとした。しかし明かりがあるわけもなく、日陰になっているので、中はなかなか見えない。


見えない。見えない。見えない――。


ここで私の記憶は途絶えてしまった。暗転したかのように何も見えない。思い出せないのだ。それでも振り絞るように記憶を巡らせると、大泣きしながら駆け足で石段をおりている僕が蘇ってきた。

そうだ、「僕」は怖くなって神社から逃げ出したのだ。なにが怖かったのかは、まるで思い出せない。だが、背中を気にしながら、必死になって階段を下り、転びそうになりながら下り坂を降りていった記憶がある。

そしてその先は……そうだ、よろずやと家の方に向かう道と県道をまたいで畑に行く道、そして降りてきた参道、その辻でどうすればいいかわからなくなって――多分両親を捜そうとしたのだろう――そして、よろずやへ向かう道の遠くに見慣れた作業着姿の曲がった背中を見つけて、僕はまた駆けだしたのだ。


どうしたことだろう。こんな記憶を、忘れる事があるのだろうか。だがしかし、今の今まで僕はこの出来事を忘れていたのだ。思い出す。思い出す。思い出す。

嗚咽しながら祖母を呼び止めようとし、走って走って走って、祖母の腰に泣きながらしがみついて、大泣きした僕。思いもしない方向から来て泣いている僕に驚く祖母。そして僕に「どしただっし?ほう。○○くん、どうしたの?」と話を促そうと優しく話しかける。


そして……。


そして、どうしたんだろう。「僕」は、その後どうしたのだろう。思い出すんだ。もう少しで何かがわかりそうな気がする。「あのね、あのね、じんじゃで********************」。嗚咽しながら、なんとか事情を説明したのだろう。なにを説明したのかは…思い出せない。

しかし、僕が話した言葉を聞いた途端、に祖母の表情が変わった。そうだ。それで それ

で 「僕」は、祖母に手 首を捕まれると ぐい ぐいと道を

歩かされ 家に着くと 服を脱ぐように いわれ 井戸の水を あたまから そ

れ から 白い しろ しろい 塩 塩だ しお しおを背中に す

りこまれるように 背中を たた

かれ そ れ か ら 


ああ 髪だ 髪を 


「僕」は髪を切られた。


僕は祖母に髪を切られたんだ。ただでさえ短かった髪を、それこそ坊主頭に――。そして思い出す「忘んない!いいね!」何度も念を押す祖母の顔と声…。そして「僕」は云われた通りに忘れ、そして「私」は思い出してしまった。


いや、完全に思い出したわけではない。だが、確かにこんなことがあったのだ。今の今まで忘れていた「それ」を、今、私は思い出してしまった――わたしはおもいだしてしまった――そして私の思考は「あの違和感」へと戻る。

「話を広める」こと、そして「忘れる」こと。切られた髪、「何か」恐るべきものを見てしまった神社の記憶。あれ以来私は、髪を伸ばしたことは一度もない。色々な理由はあるのだが、それでも、何を意図するでもなく、この記憶を思い出すでもなく、まるで固執するかのようにずっと髪を短くしていた。しつづけていた。

二十代にさしかかる頃まで、田舎には定期的に帰っていたのだが、そのたびに祖母は「○○くんはいつもお髪さっぱりしてんなぁ」と、にこにこしながら云っていた。あの微笑みは…「安堵」ではなかったのだろうか。

ひょっとしたら、あの怪談の登場人物達や語り部のように私も――そうだ、祖母の声には、もう一つ続けられた言葉があった。

「いいか、○○くん、誰にも話しちゃんね!いいね?!おばあちゃんと約束しんね!いいね!」

――最後は哀願するかのような色を帯びていた祖母の声。泣きながら何度も頷くと、祖母は「僕」を抱きしめて、なにかお呪いのような言葉を何度も何度も繰り返していた。


あれは、あれはなんと云っていたのだろう。そして私は、「僕」は…神社のあの小さな小屋で、格子の向こうに、なにを、なにをみたのだろう――。


私が、「僕」が、みたものは……。
















     な 

         が


   目

             い
    
 か     目

          み


    目


     し          ろ


          目

    い











ぼくは





なにを





みたのだろう





















いや、フィクションですけどね。
(普通中盤あたりで気づきますよね(笑))



[ 2006年09月05日-16:15 ]  



桃源郷。


多分近々一人桃祭を開催します。

先日の怪談モドキフィクション記事で田舎の事を色々書いていたら、それこそ田舎で育てていた桃が食べたくて仕方なくなったからです(笑)。

ちなみに信州の田舎で育てていた桃は「川中島」という品種でした。そう遠くないところに同名の古戦場(上杉謙信と武田信玄が戦ったアレです)エリアがあるので、そこから取ったもんだと、なんの違和感もなく信州限定の名産品だと思っていたのですが、品種ですから色々なところで作っているんですよね(笑)。

なんで産地の話になったかというと、楽天をウロついていたところ、山形県産の川中島が本日23時55分までの超お得なセットが掲載されていたからなんですけどね。山形でも作っているのか、と軽いカルチャーショックだったわけです。


それにしても3キロで1680円は安すぎ。山形だと気温が信州より低いはずなので、終わり頃なのかなあ。最終出荷というわけではなさそうですけど、えらい安さです。桃は大玉で250gくらいなので、少なくとも10個以上です。つまり、一個150円くらいという計算。送料が1000円近くかかったとしても一個200円くらいの計算。むむむ、それでもやっぱり安い。

そんなわけで、早速オーダーしたいと思います。ちなみに桃は皮ぎしが一番甘いので、軽く水洗いして皮ごと食べます。丸かじりですな。桃は基本的には袋を被せて育てるので表面の農薬とかは気にならないですし、まぁ摂ったとしても微々たるもの。豪快に汁を溢れさせながら食べるわけです。

夏休みの間中収穫と出荷の手伝いをしていたわけですが、出荷できない熟れすぎなものや、傷物、逆に早すぎたものなんかはもちろん食卓に並ぶわけです。収穫しながら休んでいる間に、井戸水であらったりしつつ食べたガキの頃を思い出すなあ。僕にとっては、西瓜以上に桃が「夏の果物」だったんですよねえ…(しみじみ)。


とまぁそんなわけで、これを書きつつ早速5kgの方をオーダーしてしまったわけなのですが、オーダーしてから、はたと気づいてしまったんです。5kgということは、一個が大玉250gだとして20個近くあるはず。先日書いた通り両親は現在シルクロードなので、これを一人で食べるわけです。ちなみに桃の消費期限はおおよそ3日〜1週間ほど。なんというか「桃食べ放題!」というより「桃まみれ!」といった感じです。



両親不在の間の食事は
全て桃でまかなう事になりそうです。

(桃太り確定)

ちなみに購入先はコチラです。

【3kg1680円(税込/送料別)】
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【5kg2625円(税込/送料別)】
【最強の50%OFFで2625円!】みずみずしい取れたての桃「川中島」5kg!農家より採れたてをお送り...
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ちなみに上のは本日(9/8)23時55分までなので、他のお安いセットはコチラという感じで。こちらは10日までらしいですぞ。これもまた安い。送料考えたらどえらい安い。

【大玉8個(たぶん約2kg)2079円(税込/送料込)】
ちょっとだけお味見はいかが♪
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[ 2006年09月08日-19:54 ]  



一人桃祭。


ここで一句。

桃の香に クマが遠吠え うまいクマー!

というわけでして、ちっとも俳句じゃない五七五を展開しつつ、先日紹介&注文した桃が日曜昼に無事に届きまして、現在も一人桃祭の真っ最中です。

桃祭。英語で云えばピーチフェスティバル。略してピーフェスの主役たる今回購入した桃なんですけれども、いやいや時季はずれになるんじゃないかと若干心配していたんですが、まったく問題なしでした。

「桃なのに問題ナシ、なんちってー」とかテンション&メートルあげちゃって云いだしてしまい、周囲&読者の皆様を「うわぁ…」と可哀想なピエロ系生物を見る目で見られながらドン引きさせてしまった上で、正気に戻っても後悔しないくらいの問題なしっぷりです。いや、うそ、ごめん、後悔してます。本当にごめんなさい。


とまぁそんなこんなで、5キロ2625円という超破格値での桃購入だったわけですが、この時季出荷される川中島種は基本的に一個250g以上のはずなので、計算上では小ぶりなら20個近くが送られてくるはず、という「お前どんだけ桃好きなんだ」状態だったわけですが、実際届いてみると、予想に違わぬ量が入っていました。






その数なんと16個







小ぶりなものを選んで測ってみましたが一個290g


いやもう素晴らしいです。文句なし。そんなわけで早速食べてみることにしました。本来ならば桃は、食べる前に数時間冷蔵庫で冷やしておくと、甘さが際だって素晴らしい味になるのですが、我慢できません。届きたてのを常温でいただきます。

さて、桃というのは果汁が非常にたっぷりな果物。個人的には他にも梨・西瓜・枇杷あたりが、これに桃を含めたものが、汁気チャンピオンズとでもいいましょうか、汁気四天王とでもいいましょうか、そんな感じの果物だと思っているわけですが、まぁそんな個人的雑感はさておいても、桃が汁気たっぷりなのは云わずと知れたことです。

そこで、桃は皮ごと丸かじりを旨とする僕としては、汁が零れるのを前提としてキッチンのシンクにて食することにしました。


先日の記事でも書いた「桃の皮ごと丸かじり」ですが、「桃の皮には産毛が生えているから丸かじりはちょっと…」というメールを何通かいただきました。うんうん、確かに桃には産毛が沢山生えています。桃を扱った後に手を洗わずに手の甲やら腕やらを、その手で触ってしまうと皮膚に細かい産毛が刺さって、これが滅法かゆくなったりもします。

そんな桃ですから「そんなもん喰って大丈夫なのか」とか「食べるときに口の周りに産毛が刺さってかぶれたい放題にならないか」と心配されるのもよくよくわかります。が、そんな心配はご無用。ちゃーんと方法があるのです。

野菜のオクラなんかも産毛の生えている食材の一つですが、調理をする前によく水洗いをして、その後、食塩を手にとって濡れたままのオクラの表面をじゃりじゃりと擦り洗いすることによって産毛をとる、という下処理の手法があります。この手法が桃にも使えるわけです。


「塩で擦るなんて、せっかくの甘い桃がしょっぱくなってしまわないか?」という意見もあるかもしれませんが、塩で擦り洗いした後に流水で洗い流して上げれば、まず塩味が残ることはありません。それでもイヤだという方は、塩を使わなくても、流水をかけながら掌と指でしっかり擦り洗いしてあげれば、産毛はほとんど気にならなくなります。



こんな感じですね。

コレは別に塩を使ったわけではなく、掌でごしごしと表面を磨くように洗った後の桃です。産毛なんて見えないでしょ?まるで磨いたリンゴの様につるつるでございましょ?

でもまぁ実際は水に濡れて産毛が目立たなくなっているだけという部分も大いにあるわけですけれども、問題は食べるときにそれが気になるか気にならないかというだけなので、この際気にしないことにしちゃいます(我ながらアバウト)。

で、桃を丸かじりにするときの諸注意なんですが、とにかくかじった瞬間汁が噴き出しますので、勿体ないですから、吸い込みながら歯を入れる感じがベストだといえるでしょう。大口を開けて、唇全体で「んばちゅふっ」と桃に吸い付きながらかじるわけです。この時には「桃の汁を一滴たりとも無駄にするもんか!」という断固たる決意が肝心です。何事も心構えが大切ですからね。



そんなわけで、もしゃり。もしゃりもしゃり。

結果的に零れ放題になってしまうわけですが、下はシンクなので問題ありません。服に汁がつかないように、シンクの上に顔を突き出し、腰は引き気味にして、野生丸出しでかじるのが醍醐味ですね。スタイル的には肉食恐竜の代表格T−REXことティラノザウルスを彷彿とさせる姿勢がベストです。


それにしても、この桃は甘い。ジューシーなのは云うまでもありませんが、今年食べた桃の中でもベスト3に入るくらいの甘さです。しかしそんな桃も、種周りの果肉だけはどうしても酸っぱいもの。

一説によると、これは桃が種を存続させるための機能だそうで、甘い匂いを放つ果肉は、動物達に食べさせて種を運んでもらうため、そして種周りの果肉の酸味が強いのは、動物たちに種まで食べられてしまわないように、そこだけ酸味を強くして種を吐き出させるためなんだそうです。ほんとかどうかはしらねども、いやはや植物の知恵というのも侮れないもんですねぇ。

そんなわけで、種周りの果肉は酸っぱいので、その部分は残す感じで果肉をもしゃもしゃと食べます。



若干お見苦しくて申し訳ございません(笑)。

と、まぁこんな感じになるわけですが、散々甘い味を楽しんだ後で、この種周りの果肉を歯でこそげる様にして食べて、その酸味で口の中の甘みをさっぱりさせるというのも、また一興といえば一興です。好きな人は好きらしいですからねえ。このあたりは好みの別れるところですね(笑)。

ちなみに桃の種を割ると、中から更に種のようなものが出てきます。これは「桃仁(とうにん)」と呼ばれる漢方薬の元。血液の循環をよくしたり、生理不順や生理痛などの婦人病に効果があるとされています。

また、このような薬効成分に加えて、桃は種からも香りの成分が出ますから、果肉と一緒に焼酎などに漬け込んで、桃酒にする人も多いようです。捨てるところなしとは、まさにこのことですなー。


そんなわけで、第一回の桃祭レポートだったわけですが、その後も冷蔵庫で冷やしては食べ冷やしては食べと、現在までに5個を消費しています。まだ10個以上残っているので、2日3日は十分に楽しめそうです。いやはや、よい買い物をしました。


ところで、昔話の「桃太郎」の明治時代までの伝承やら、西遊記に出てくる孫悟空が盗み食いした桃やらを紐解くまでもなく、桃は「若返り(回春)」の効果があるといわれてきました。実際の薬効成分的にはどうなのよと思うところもあるわけですが、桃尻という言葉に現れるように、桃というのは若干セクシャルな形状をしているわけで、やっぱりそうしたモノがアレしたりソレしたりしているわけでしょう。



そんなわけで、桃で腹を満たした
僕の回春っぷりをアレすべく
女性読者の皆さんは是非御協力を御願いします。

(どさくさまぎれのえっちらほぃメール募集オチか…)

先日紹介した桃を購入したというメールを何人かの読者さんからいただきました(ありがとうございますー!)。おそらく皆さんの手元にも既に届いて、楽しまれている事かと思います。んで、今回写真付きで紹介してしまい、読んだ皆さんの桃欲を著しく刺激してしまったかと思うのですが、残念なことに前回紹介した超お買い得桃セットは既にどちらも販売時期が終了してしまっています。

そんなわけで、探しました。めちゃ探しました。価格面も比較検討しました。色々種類もあるわけなんですが、どうせなら我が郷里である信州の名産桃「川中島」を食して頂きたい。僕が買ったのは山形県産でしたが、それでも同じ品種でしたしね。これならば安心して紹介できますから。

ということで、先日の特価モノよりは若干お高いですが、それでも安い送料税込2730円10個入り(一個あたり273円)というのがありましたので、紹介しておきたいと思います。

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というわけで、皆さんも是非、晩夏初秋の味覚である桃を堪能してくださいまし。



[ 2006年09月11日-19:32 ]  



あげさげチャッカーズの『執事喫茶ってどんなとこ?』


太々&黒々
あげさげチャッカーズの
執事喫茶ってどんなとこ?

太々でーす。
黒々でーす。
二人合わせて、太くて黒いあげさげチャッカーズでーす。
いやー、こないだ久しぶりに情報誌を読んだんだけどね。メイド産業の広がりとか、今ほんとにすごいね。
すっかり市民権を得たもんなあ。今じゃどこの地方都市にいっても、メイド喫茶はあるからねえ。
そうそう。でもって本拠地の秋葉原方面ではもう、メイド産業花開きまくりだよ?喫茶だけじゃないんだから。メイドマッサージに、メイド整体、メイドシャンプーに、メイド美容院なんてもんまであるんだ。
もうなんでもありだなあ。しかしマッサージや整体ってなると、有資格者なわけじゃん。割と必死に勉強して研修受けて、その上でたどり着いたのはメイドってのは、若干アレな感じではあるよね。
いやいや、そういう産業もそういう工夫をしていかないとだから、間違いじゃあないでしょう。
でもさ、これで接骨院とか鍼灸院とかまでメイドに走り始めちゃったら困るよね。もういい歳した施術師さん達に、ある日オーナーが「うちはこれからメイドでいくから」とか言い出しちゃうの。
うわー。それはヤだなあ。
若い子らならアレかもしれないけれどね。ベテラン柔道整復師の山田五郎さん(53)まで、メイド服着用ですよ。
なにやっちゃってんの山田さん?!
もう悔しくて情けなくて指が震えて、うっかり患者さん、いや「ご主人様」の関節増やしちゃったりね。
うっかりじゃないよ!重大な事故だし、そんなにイヤなら辞めればいいじゃん!!
でもある日気づくんだな。鏡に映った自分を見て。「…あたし…綺麗…?」とかって。
いやな気づきだなーオイ!明らかに道踏み違えちゃったよ。まぁでも、山田さんの話は別としても、男性もメイド産業系に入っていくことは出来ないこともないらしいよ。
へえ?女装メイド喫茶でも出来たの?
若干遠からずだけども、さすがにそれはないな(笑)。執事喫茶ってのが最近はあるんだってさ。
執事ぃ?執事って基本的にナイスミドルやロマンスグレーのおっさんがなるもんじゃないのかあ?
まぁ実際の執事さんってのは従僕からの叩き上げが多いわけだから、そうなるだろうけど、執事喫茶のスタッフは、さすがにそうではないみたい。若い男性やら、男装した女の子らしいよ。
なるほど、だから「若干遠からず」というわけか。それにしても執事喫茶ねえ。なにやるんだろ。萌え萌えジャンケンとか?
執事はそれはやんないだろ(笑)。男性客には「旦那様、おぼっちゃま」、女性客には「奥様、お嬢様」とか呼んで、あとは普通に接客するんじゃないかなあ?
ふーむ。でもそれだけじゃないだろうな。絶対。
まぁそうだろうけどもさ。
アレだ。プレイサービスが絶対につくね。
まーそりゃあなんかあるんだろうけれども。例えばどんなのよ?
ほら、小説とかだと執事って、わがままなお嬢様やら奥様やらに乗馬鞭で叩かれたり平手で叩かれたり、忠言しようとして水ぶっかけられたりするじゃん。
ま、まぁ確かに。
だからそんなサービス。
いやいや?執事喫茶は飲食店ですよ?性風俗じゃないですよ?
だから基本的には寸止めだよね。
いやいや、寸止めもなにも…ないと思うけどなあ…。
多分ね、『おかえりなさいませ、お嬢様。さあぶって下さいハァハァ』って言うんだな。
来店早々早速?!大体ちっとも寸止めしてないじゃんかよ!
『おかえりなさいませ、お嬢様。どのムチにいたしましょうか?』とかさ。選べるんだよ、ライトな教鞭タイプ、スタンダード乗馬鞭、マニアックなバラ鞭に、別料金でイボトゲ付の九尾鞭とかね。
マニアック過ぎるし、それもう明らかにSMクラブじゃん!
『おかえりなさいませ、お嬢様。ろうそくにいたしますか?ムチにいたしますか?』
なに待ちかまえちゃってんの執事!?
『おかえりなさいませ、お嬢様。さ、お嬢様、どうぞお靴をこの頭へ』とかさ。
踏まれんの?!どこまでマニアックなんだよ!!
あと、あれだな。VIPルームならぬ「勉強部屋」とかがあるんだよ。で、お嬢様に勉強を教える執事という設定で、羽ペンやら鉛筆の後っかわの消しゴムとかで、こう、執事の敏感な部分を責めるんだ。間違いない。
明らかに間違いだらけだよ!飲食店だから!そんなサービスはないから!
あー、じゃあ「熱々紅茶責め」の方かな?
どこのリアクション芸人だよ!!大体「の方」ってなんだよ!執事喫茶は飲食店なの!だからそんなサービスはないの!!大体そんなサービスあったとしても需要ないよ!!
いやいやー。わっかんないよー?『ほら、林!メェーって鳴きなさい!』とかいいながら、こうビシバシとね。もうお嬢様大興奮ですよ。案外、ウケると思うね。執事SMクラブ。
そこでダジャレかよ!っていうか、今明らかにSMクラブっていっちゃったじゃん!
指名制で、林、長谷川、田中から選べます。
確かに執事っていうと、そんな名前ばっかりだけども!
テコ入れで『青い目の執事・セバスチャン、待望の来日!』とかね。
プロレスラーかよ!大体なんだよそのニックネーム「青い目のケンシロウ ジョシュ・バーネット」じゃないんだから。
『オマエハ スデニ フンデイル』。
来日早々、早速踏まれちゃってんのかよ!?もういいよ!
どーもありがとうございましたー!



<実際の会話をもとにしていますが、どちらが春九堂かは気にしないように御願いします>



[ 2006年09月13日-13:21 ]  



大激怒。


まぁ桃が手元にあって、なおかつウォッカを大量に購入したところでお気づきの方も多かったと思うのですが、桃祭の締めくくりに桃酒を作ろうと思い、前々から購入を考えていた、果実酒超音波即製機の「季々彩酒」というものを購入したわけです。

で、ウォッカも季々彩酒も届き、さぁということで昨日準備をして仕掛けたわけなんですけどね。ちなみにこの「季々彩酒」は超音波をかけることで果実へのアルコールの浸透を促進し、果実から果汁やエキスの抽出を促進するというものなわけです。

なにしろ数週間から数年かかるものが、約24時間で出来るというのですからスグレモノです。せっかちな僕なんかは、こういう科学的なアイテムには胸ときめいちゃうわけですよ。なにしろ業務用の超音波洗浄機とか持ってますからね!もう、超音波大好きー!(だめな子の形相で)


ところが、昨日の昼2時頃にセットして、今朝見てみますと面白いことに電源が切れていました。コンセントは入ったままですし、説明書にもそんな仕様は書いていません。おやおやー?と思いながら、コンセントを抜き差ししてみたりするのですが、操作パネルの電気すらつきません。

はい、ぶっこわれー。

なんですかねこれ、即死ですよ即死。箱開けて電源入れて初の果実酒瓶を説明書通りにセットして動作させたら、24時間で果実酒が完成するどころか、21時間でぶっこわれですよ。

この連休で初の桃酒を楽しもうと思っていたのが、もうクッチャクチャもいいところです。まぁアルコールに漬け込んであるわけなので、桃酒が悪くなることはないんですが、実に不愉快というか悲しいというか激しく憤っています。故障というかこりゃ不良品でしょう。初期不良ですよ初期不良。


ところが購入した通販ショップも製造元もバッチリ連休中でおやすみです。まぁ当たり前といえば当たり前なんですけどね。しかもショップの方は鹿児島の方のお店だったんですが、台風の影響で本日はメールの返信処理もできないとのこと。これはまぁ不可抗力というかなんというかですが、いずれにしても若干ヒドイことになってしまいました。

とりあえず速攻で交換希望のクレームメールを出しましたが、さてはてどうなることやら。それにしても本当にガッカリグッタリブッチリガッチリモッコリですよ。ヒドイ話です。



あんまりにも悔しいので
ほぼ生のウォッカの状態で
今夜は酔い潰れようと思います。

(この調子じゃ普通に作ったんじゃ果実酒は出来ないわ(笑))



[ 2006年09月17日-11:40 ]  



ある朝の話。


ヒトコトの方に書いたように、現在我が家の近辺は絶賛工事中です。

というのも、自宅周辺の区画整理というヤツが現在進行中でして、道路は通るわ周囲の家は破壊されて移転するわ、畑はなくなるわ、駐車場は増えるわ、貯水池はできるわというような感じで、まー大改造をされているわけですよ。

そんな中で、我が家の設備も一部改良が加えられることになりまして、本下水の延長工事に伴い、それまで水洗浄化水槽だった下水設備を本下水道に接続することになったわけです。

下水とは皆さんご存知の通り、トイレで人体から放出された、いわゆる便的なモノと、その洗い水などが流れ出るという設備。そしてトイレとは現代日本において健康で文化的な最低限度の生活を営む上では欠かせないモノです。トイレがなかったら軽犯罪覚悟で野外放出をしなければなりませんからねぇ。

ちなみに全くの余談ですが、フランスのベルサイユ宮殿にはトイレがなかったという逸話は、でたらめだそうです。ただ、トイレとして独立した部屋というのはなく、イス式便器が各所に点在していたとか。しかも宮殿で生活している人の数に、便器が全く足りなかったということと、陶器製の携帯便器などの中身を使用人が庭なんかにポイポイとぶちまけちゃったりしていたので、清潔な環境とは云えなかったという話はあるようですね(笑)。


まぁそんなこんなで本下水接続工事が行われているんですが、その手順というのが中々大変でして、現在浄化槽が埋まっているガレージを掘り起こし、本下水ジョイント部も掘り起こし、浄化槽に接続しているパイプと本下水を接続しなければならないわけです。

そんなわけで我が家の前には小型の重機が押し寄せてきて、一日中地面を掘り返したりしていたんですよ。で、そういう工事をやっている間は、当たり前ですがトイレは使えません。何しろトイレから浄化槽に直結しているパイプを外したり取り付けたりするわけですから、そんな作業をしている最中に、迂闊にも便的なモノを放出して水洗で流したりしては、工事の人達が大変な事になってしまいます。

こう、黄金的なモノが、パイプからバシャーとかドジャーとか勢いよく噴出しちゃったりしてね。そんで工事の人が「うわー」とか「あひゃあー」とか「もっとー」とか、そんな感じで、ねえ。うん、最後のは絶対にないと思うんだけですけどね。ほんと、お食事中の方ごめんなさいね。


とまぁ、そういう状況ですから、パイプを外す作業をしている間はトイレは使えなくなるという予定は知っていたのですが、今朝いつも通りに尿意を感じて起床し、ベッドを出て階下のトイレに向かったところ、とんでもないものが目に入ってきたんですよ。






しまった今日だったのかーッ!!
(ムンクの「叫び」の形相で)



もうこの時点で相当なパニックですよ。ぶっちゃけ朝一番って一番尿意高まってるじゃないですか。眠っている間の溜まりまくった生理現象の塊が一気に放出されるわけですから。

それに僕は「尿意を感じて目が覚める」ということが多いので、起きてトイレの前に来た時点で相当尿意高まっちゃってるわけですよ。寝起きで油断しているから我慢もなかなか出来ませんし。

ここのところ忙しくて家人と顔を合わせていなかったことが、もろに裏目に出てしまいました。しかしさすが我が母上。写真でもわかるとは思いますが「こんなこともあろうかと」という感じで、携帯用トイレを置いていってくれたようです。

しかしこの携帯用トイレ、両親が先日まで出向いていたシルクロード旅行の非常時用として買ったもの。もろに「アウトドア用」と書いてあります。これって表で使わないと飛び散るかもしれないとかいう仕様かもしれないわけじゃないですか。

危ない。これは危ないですよ。自宅内でリトルジョーを撒き散らすかも知れないなんていうリスクは負えません。かといって外は外で作業員の皆さんがいらっしゃるわけで、そんなところに血相変えて飛び出して、おもむろに局部を露出した上で、携帯用トイレに放出するなんてこともできません。通報確定ですよ。この項目「クマ、突然放尿。射殺さる」とか見出しが出てしまいます。


そうこうする内にも尿意はMAXに近づいてきていますが、まだなんとか我慢出来そうだったので、大急ぎでジャージに着がえて、ダッシュでバイクにまたがり、ダッシュで近所のコンビニへと向かいました。

ともすれば本能のままに生理現象のほとばしりが溢れかえりそうな股間を、愛車のシートにおしつけるようにしながら、歯ぎしりをしつつ決死のライディングです。信号の赤に罵倒と呪詛の言葉と諦めの祈りをごちゃ混ぜにした感情をぶつけながら、なんとかコンビニに駆け込み、警察のガサ入れの如く早足で歩きながら「トイレ借ります!」とトイレに向かったのですが、そこで待ち受けていたのは











ブルータス!!お前もかァーッ!!
(裏切られた皇帝の形相で)



もう、我が目を疑ったというか目の前がかすんだというか、若干股間が湿りかけたというか(かけた、ですよ?)。まぁそれでも見てわかる通り写真を撮ってるくらいの余裕は若干ありましたし、ノックしたところすぐに店員さんが「どうぞ」と出てきてくれたので、個室に飛び込んで一気にジャージとパンツを足首まで降ろして、大放出。事無きを得たわけですが、いやー本当に危ないところでしたね。

まぁ、その後はすっきりさっぱりして、トイレの使用料というわけじゃないですが、タバコを買って、往路の必死さが嘘のように、爽やかな秋風の如く軽やかに帰ってきたわけですけど


レジを打つ顔なじみの
店員さんの僕を見る目が
明らかに不審に満ちていました。

(なんというか…しばらくあのコンビニいけないな…)



[ 2006年09月20日-23:46 ]  



風邪っぴきながら新企画


どうも皆様、お元気ですか。僕はダメです。春九堂です。相変わらず咳が酷く、ムハッフンムハッフンメフッムハフッと謎の異音を奏でております。名付けてクマ咳。ムハッフ。げほげほ(普通に咳してるじゃないか)

さて、そんな意識朦朧の中でもお仕事をしているわけなんですが、そんな中でふと思いつき、メッセンジャーでたまたま上がっていた人達を捕まえては唐突に難問を投げつけては「0ポイーン!」とヒドイことをやったりしていた言戯道場的新企画に、皆さんも是非参加して頂きたいと思います。


題して『じーらぼ!式 素晴らしき言ワザの世界』。云うまでもなく「言ワザ」は「ことわざ」と読みます。「言技」という当て字造語は世に溢れているのですが、読み違えで「言戯」と被ってしまうのでカタカナにしてみました。うん、どうでもいいコダワリですね(笑)。

まぁタイトルから察しが付くと思いますが、既存の「諺」の一部を改編して面白おかしくしてしまおうというモノです。投稿内容は改編部分と、改編したあとのコトワザ的なモノの意味やらコメントやらといったものになります。後者は記入しなくてもOKですので、気楽にバンバン投稿して下さいまし。


面白いと思った投稿作品は、リアルタイムで『ヒトコトなつぶやき』にて公開させていただきます。なお、採用の選択基準は僕の生理的な好みというだけですので、理に走るよりは、勢いやインパクト重視の方がいいかもしれません。

というわけで、コチラの投稿フォームから、お気軽にバシバシ投稿してやってくださいませ。なお、第一回目の御題は『猫に○○』です。○○の中は文字数無制限ですので、難しく考えずにガーンとやっちゃってください。ガーンと。文字投稿でなにをどうやると、ガーンってなるのかはよくわかりませんが。ムハッフムハッフ(咳)


ちなみに一番最初に僕が
思い付いたのは『猫にこみ』でした。

(風邪っぴきの状態でなんか、こんなもんだよ…)



[ 2006年09月29日-12:02 ]