【過去のつぶやき】
2009年08月の【家元のつぶやき】のバックナンバーです。
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2003年
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● おはぎとねぼけ(2009年08月25日-20:33)
● 床屋トライ(2009年08月28日-22:57)
――その日、僕が目を覚ますと、外は暗くなりはじめているようだった。
夢を見たからかも知れない。どういうわけかだかわからないけれど、無性に『おはぎ』が食べたかった。それも、普通にあんこを塗した上にきな粉をかけたり、黒ごまをかけたりしてあるものがいい。
今日は火曜日のはず。母は稽古に行っているはずだし、父は散歩から戻る時間のはずだ。僕はといえば、投薬処方が変えられて、一日中眠気と闘っているような毎日。いや、闘っていると言うよりは、一食ごとに薬を飲んでは眠り、薬を飲んでは眠りの繰り返しだ。
〆切も上げたばかりだし、フラフラとバイクで出かける気にもならなくて、枕元のケータイをもぞもぞと手繰り寄せて、フリンジをカパりと開けてみた。
4時。随分陽が落ちるのが早くなったものだ。雨でも降っているのだろうか。そんなことを考えながら、リビングに降りて二人ともいないことを確認する。そして、出かけているであろうという考えから、おはぎの購入を頼めないかと電話をしてみることにした。こういう時、家族同居はありがたい。
母は電話にでなかった。きっとまだ稽古の最中なのだろう。父は数コールの後に出た。随分ぼんやりした声で応答している。「今日、母さん稽古で、まだ戻らないと思うんだけど、親父さん今どこ? おはぎ買ってきてもらえないかな」。
「……は? え? どういう状況?」
親父さんは、まるで状況を把握していないようだった。「えーと、だから外に出ているんだったら、おはぎを頼みたいんだけど」。僕も呆然としたまま繰り返す。
「お前さん、今何時かわかってる?」
おっかなびっくり+少しの苛立ち、とでもいえばいいだろうか。そんな表情の声で親父さんの声は返ってきた。その意図するところは、僕の正気を確かめるかのような雰囲気を持っているようで、そう問われた僕の方は、思い切り混乱してしまった。何がどうなっていると言うんだ?
1度ケータイを耳から離して、時計の表示を確かめる。4:05。但しAM。その時ようやく僕は全てを理解した。暮れかけだと思っていた空の色は、明け方になりかけたそれで、僕が起きたのは午前4:00前後だったということ。
なんというバカバカしいことをしてしまったのだ。そりゃ母も電話にでないはずだ。おそらく、ケータイを枕元に置いてあった親父さんは、反応したということなのだろう。
僕は「あーいや、ごめん、思いっきり寝ぼけてました。失礼」「あーうん」。そんな父子の会話を交わして、僕は何故か恐る恐るケータイを閉じた。我ながら寝ぼけもここに極まれりという感じだ。
ちなみに、その数分後、僕の寝ぼけというか薬で頭がどうにかなってしまったのではないかという心配をした母が、三階の自室まで様子を見に来たのは、どうでもいい余録である。
いやはや、それにしても、こんな寝ぼけ方をするのは久しぶりというか、初めてかも知れない。そもそも鬱病は物忘れが激しくなることもあるし、現在処方されている薬には、入眠前後の記憶がすっ飛ぶくらいの強いモノがあったりもするので、そのせいといえばそのせいなのだが、それにしても、ここまでヒドイことになるとは。
ちなみに、夕餉にはおはぎではなく あんころ餅が供されました。 ……優しい家族でよかったなぁ……。 (超・遠い目)
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2009年08月25日-20:33
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以前にも何度か書いているかと思うんですが、自分は「美容院」というものが非常に苦手でして、はい。
まぁなんていうか、ああいうオシャレ空間に僕みたいなデブが侵入すると、美容師のお姉さんとかに「ヤダ、デブがきたわ。やだわやだわ。デブだわ。デブ警報だわー」なんて思われながら「今日はどうしますかぁ?」なんて尻上がりに聞かれるのが耐え難いわけですよ(被害妄想炸裂)。
「どうしますかぁ?」なんて、おめぇ髪切りに来たに決まってんじゃねぇか。「お仕事中恐縮ですが、靴を脱いで素足で後頭部を踏んで下さい」なんて頼まれたらどうするつもりだってんだ(意味不明な逆ギレ)。
その点、床屋はいい。なにしろ英語で云えば「バーバー」ですからね。この濁点のつきっぷりと繰り返しっぷりがイイ。「ボディボディ!」と「バーバー!」は、なんとなく似ている感じすらありますからね。男気汁でまくりですよ。ちなみに近所には「バーバーチャンピオン」なんていう、男気汁溢れまくりな店もありますしね。
まぁ、そんなわけでして、寝たり起きたりの日々で、髪の毛がぼっさぼさになってきたので、「夏も終わることだし、髪でもバッサリいくかぁ」と思い立ち、本日散髪に床屋に、いやさバーバーに出向いたわけですよ。
いつも同じ髪型にしても面白くないなーと思ったので、はたと思いつきまして、いっちょう奇抜なヘアスタイルにしてやろうと考えたんですよ。で、奇抜なヘアスタイルといえば、プロレス界にバリアート(デザイン用の細いバリカンを使って様々な文様を頭に描く)を持ち込んだ、鈴木みのる。
なんでも、少し調べてみたところ、試合によって「横浜のカリスマ美容師」に、色々なデザインをしてもらっているらしいんですけどね。それが僕の地元の床屋で出来るかどうかという、ある意味チャレンジをしてみようと思ったわけです。
余談ですが、僕の通っている、その近所の床屋さんは、店長と奥さんの二人でやっているお店でして、顔ぞりとかが非常に気持ちよく、そんなに混雑していることもないので愛用しているんですが、さすが地元の「床屋」。
利用者年齢層は極端に高い(おっさん〜おじいさん)か、極端に低く(小学生〜中学生)、料金表のメニューには「丸刈り」「アイパー」「パンチパーマ」「白髪染め」という、男気汁度の濃い文字が並ぶお店。そしてこれは本題とは恐らく関係ないのですが、初老の店長はといいますと、白髪を薄紫に染めているナイスガイです。
つまりこれは、横浜のカリスマ美容師vs薄紫の床屋店長という、対局に位置する者同士のイデオロギー闘争でもあるわけですよ若林さん!(全日本プロレスの実況風に)
というわけで、週刊プロレスのバックナンバーやインターネットに転がっている、鈴木みのるの画像を探してみたりして、資料を作りまして。これで床屋に行って「プロレスラーの鈴木みのるさんっていうんですけど、これと同じ髪型にできますか?」と云ってみよう、と。そういう感じで行ってみたわけです。
ちなみに鈴木みのる選手のヘアスタイルは、このあたりとか、このあたりとかを見てもらえればわかると思うんですが、いやはやかなり奇抜です。しかし、まぁバリアートをそんなに凝らなければイケるかなーと思いつつ店に出向きまして、作戦を実行してみたんですが……。
「とまぁ、こんな感じのヘアスタイルなんですけど、できますか?」
「そりゃできないことはないけど、随分すごいね」
「すごいですね。まぁこの刈り込み部分は適当にアレしてもらって」
「そうだねぇ。まぁそれは、このあたりとか参考にしましょうか」
「そうですね。お願いします」
とまぁ、サクサクと話は進みまして、いざ断髪(?)。ぼっさぼさになっていた髪の毛を先ずはバリカンでザックザクと刈り進み、まして、まずは地を作り、後頭部の部分モヒカン(?)エリアを完成させた後は、いよいよバリアート部分です。
細めのバリカンを取り出してきた店長が、その刃を0mmに調節して慎重にバリアートを刈り込んでいきます。じりじり、じりじりといった感じで、段々鈴木みのる風になっていくマイヘッド(マイヘアー?)。
そして、簡単なデザインとはいえ、完成が段々見えてきたところで店長が一言。
「じゃ、剃って仕上げますね」
――えっ?
バリアートとは、文字通りバリカンを使って「刈り込んでデザインを仕上げる」ものなんですが、そんな知識はないであろう店長の決断なのか、もしくは「刈り込むなんてヌルいこと云ってねぇで剃り込みにしちまえ!」という男気魂が発動したのかは定かではありません。
定かではありませんが、僕の頭は蒸しタオルで蒸され、そして泡を塗られ、そして良く磨がれたカミソリで、ザリザリと剃られていきました。拒否権?そんなものありませんよ。ここは床屋ですよ?店長の髪、薄紫ですよ?椅子に座ったその瞬間から、全ては理容師の腕一つに全て委ねられるんです。そういうルールなんですよ。
しかし、まぁ剃られるのはいいとして、普段カミソリをあてるような場所じゃないもんですから、これが滅法痛いんですよ。しかし、ゾリゾリやられること十数分といったところでしょうか。鏡の向こうには、随分と太った、そして行き過ぎてやっちまった感が溢れる鈴木みのるファンの姿がありました。なんか「学生プロレスで『鈴木ふとる』とかいそうですよね」、って感じです。
というわけで、完成図はコチラ (精神的ブラクラというかグロ画像注意です)
全てが終わった後で、自分の年齢(33)に はたと気づき、「なにやってんだろ……」と 思ったとかなんとか。 (しっかし、明らかに容疑者ヅラですよね……)
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2009年08月28日-22:57
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