じーらぼ!言戯道場 (G-LABO Gengi-DOJO) 管理人:みやもと春九堂(しゅんきゅうどう)


【過去のつぶやき】
 2005年06月の【家元のつぶやき】のバックナンバーです。

 感想など、メール掲示板の方にいただけると、非常に嬉しいです。メールは送信する前に、こちらを御一読下さいませ。
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2005年06月のバックナンバー

或る検索ワード。(2005年06月02日-09:59)
旧仮名遣いにしても逃避は出来ません。(2005年06月06日-03:18)
僕と僕の足の角質との確執。 -宴の始末-(2005年06月07日-11:30)
僕と僕の足の角質との確執。 -宴の続き-(2005年06月08日-15:45)
僕と僕の足の角質との確執。 -宴の続きの顛末-(2005年06月13日-11:34)
僕と僕の足の角質との確執。第2部 -1-(2005年06月16日-05:26)
第一回楽天ポインダー当選者レポート(2005年06月20日-16:47)
それは指揮棒なのかバトンなのか。(2005年06月22日-09:17)
僕と僕の足の角質との確執。第2部 -2-(2005年06月24日-06:43)
師の言葉達。(2005年06月26日-05:53)
初体験。 -1-(2005年06月28日-20:02)
初体験。 -2-(2005年06月30日-10:52)


或る検索ワード。


当サイトに、とんでもない検索ワードで飛んできた人間がいる。


鳩尾 急所 女性 画像


この人は何を求めているのだろうか。鳩尾(みぞおち)とはいうまでもなく人体の急所である。左右の肋骨に挟まれた胸骨の真下拳一つ分くらい。そこは骨がなく、筋肉も薄いエリアだ。その内側にあるのは横隔膜であり胃袋である。

そこに打撃を加えると、瞬間的に呼吸困難に陥り、また胃が強烈に圧迫される為に嘔吐することもある。悪くすれば内臓破裂の可能性もある。まさに人体の急所である。


この検索ワードで当サイトに来た人は、その鳩尾の正確な位置を画像で知りたいのだろうか。しかしそれでは「女性」というキーワードが説明できない。

しかし女性のそのエリアといえば魅惑の下乳ゾーンでもある。ひょっとしたら少々特殊な趣味で、鳩尾周辺の画像を集めているのかも知れない。ならば、ちょっとだけ、そうほんの少しだけならば共感出来ないこともない。


しかしこれはあくまでも好意的な解釈だ。悪意に満ちた最悪の妄想をするならば、検索してきた人間は極めて暴力的な人間であり、体型・骨格的に男性とは異なる「女性の人体」における鳩尾の場所を正確に知る為に、そうした画像を探しているのかも知れない。

もしくは特殊極まりない性癖の持ち主で、時代劇などで「腹当て身」を喰らって顔をしかめる女性の表情に興奮する種の人間かも知れず、それ故に女性の鳩尾(急所)の画像を探しているのかも知れない。もしくはそういう行為自体の画像を探しているのだろうか。


ちなみに時代劇などで見る「当て身」には、腹当て身と延髄当て身、首筋当て身がある。腹当て身は鳩尾に打ち込むことで呼吸困難の末に失神させ、延髄当て身は盆の窪に衝撃を与えることで脳震盪及び神経の一時寸断で失神、首筋当て身は頸動脈に衝撃を加えることで瞬間的に脳貧血を起こさせて失神させるというメカニズムだ。

端的に云うが、これらはフィクションの出来事である。腹当て身は動けなくはなるだろうが失神はしない。逆に悶絶し大騒ぎするだけだ。延髄当て身はよほどの衝撃力で打ち込まなければ脳震盪など起こさない。またそんな力で打ち込んだら頸骨が粉砕されてしまう。それは失神ではなく殺人に近い。首当て身は左右両方から頸動脈を圧迫しなければ意味がない。つまり現実には、これらの当て身は有効的なものではなく、少なくとも素人の出来る業ではない。


もし仮にこの検索ワードで当サイトに来た人物が、自分の性交的パートナーにSMプレイの一環として「なぁなぁ当て身いれさせてよ当て身」とか考えているならば、是非止めて欲しい。また当然だが誘拐や拉致の手段とするのも止めて欲しい。特に後者は言語道断だ。

ただ、これだけは最後に云っておきたい。女性の鳩尾周辺の画像ならば僕も欲しい。そんな画像なら僕もすごく欲しい。ものすごく欲しいのだ。ください。



お待ちしています。
(鳩尾を三角形の頂点として撮影するといいと思う)



[ 2005年06月02日-09:59 ]  



旧仮名遣いにしても逃避は出来ません。


週末の事である。

仕事が一段落したので晝より料理をする。料理とは云つても鮮魚を切り、刺身にするだけである。支度が終はる頃には夕方と成り、冷やした麥酒を煽り、酒菜を喰らう。非常に幸せであり乍らも、自身がなんとも小市民である事を自覺し、少々眠たげな表情に成つてしまふ。

夜、最近友人らと毎夜のやうに興じてゐる西洋的當遊技「ダアツ」に誘はれる。醉ひ心地乍らも快諾し、友人の車にて移動。明け方まで氣違ひのやうに投げ續ける。歸宅し、就寢。

明けて晝。昨夕の刺身の殘りを醤油と少量の酒で煮立て、おろした生姜を加へ、煎り煮にする。此れに白ごまを混ぜ、飯にのせて喰らう。素朴乍ら非常に美味ひ。また、加減を違へたか、やや硬めの飯と成つてしまつてゐたので一計を案じる。

湯を沸かし、番茶を煎れる。先ほどの鮪の煎り煮に青海苔を少々加へ、紫蘇ゆかりを加へ、山葵を落とす。此れに番茶を注ぎ茶漬けにして啜つた。


夜、遠方より友人が歸省したので再び友人らとダアツ場へと向かふ。週末夜とあつて混雜してゐたので、久しぶりに西洋玉撞き「ビリヤアド」に興じる。私の高校時分に何度目かの流行があり、其の頃に相當撞いたものだが、なかなか上手くいかず、ひたすら負けてしまふ。

ようやくダアツ臺が空いたので、友人らと其のまま夜明けまで興じる。矢張り氣違ひの樣である。八囘二十四投し、得點を累積加算する遊技にて七百十二點を記録する。また的の中央の更に中央に一度に三本の矢を入れる「三入黒」なる記録を殘す。生涯二度目であつた。


明けて晝。目覺めると流石に身體が悲鳴をあげてゐた。なんとも無茶のし過ぎである。主に痛むのは右肩と右足。特に右足は「通風に罹つたのではないか」と思ふほど痛み、歩くのも難しいほどであつた。

二日をダアツ道連れに成つた友人らに聯絡をしてみれば、彼らも同じ樣な状況である。其処で今日は按摩にかからうと成つたのだが、實際に集まれたのは日曜の晝過ぎから夕刻である。何處の按摩も豫約で滿席、ないしは營業してをらず、隨分と彷徨ふことと成つてしまつた。

結局夜半に成つてようやく按摩にかかる事が出來たのだが、身體に掴まつた按摩も驚く程の疲勞であつたやうだ。無理もないとは思ふが、終はつた後、此れまでになひほどに身體が輕くなり、なんとも心地よい時間を過ごせた。


思へば、ダアツに熱中しはじめてからと云ふもの、夜明かしも多くなり、散財もするやうに成つてしまつた。考へてみれば、今週などはダアツで金曜土曜と二度夜明かしをし、更に其の始末に日曜日を費やした事に成る。

我乍ら馬鹿であるなとは思ひつつも、止められないのが熱中の熱中たる所以であり、氣違ひが氣違ひたる所以なのであらう。散財も勞働への意欲と成るならば問題はない。然し乍ら熱中の割に、一向に上手くならない事だけは大きな問題である。

大會も近い。下手くそな私としては、ただひたすら練習するしかないのだ。せめて恥だけはかかないやうにしたいものだ。



ちなみに今週末の出費は食費より
ダーツ代とダーツの後始末(マッサージ)
かかった方が多かったです。

(家計簿つけるのがおつかない…)

旧仮名遣い変換は、じゃこうねずみさんサイト「むだじゃ、むだじゃ」の『「正(旧)仮名遣ひ⇔現代(新)仮名遣い」相互変換〜まるやるま君』を使用させていただきました。面白い(笑)。


[ 2005年06月06日-03:18 ]  



僕と僕の足の角質との確執。 -宴の始末-


!!!注意!!!
本日の記事には一部グロテスクな画像が含まれています。
お食事中の方とか、そういうのはイヤンという方は見ないでね。



というわけでして、本日は僕の恥ずかしい部分をお見せしてしまいます。

以前から書いているとおり、僕のカカトの角質はゴリゴリのグリグリでして、ヒビ割れが肉にまで達し、流血したりというヒドイ有様になったりしています。

それでも入浴の度にLoftで購入したオロシ金のような角質除去器でゴシゴシやったり、ひどいときはカッターの刃を伸ばしてカンナがけのように角質をこそいだりはしているんです。あ、ちなみにそういうので角質を落とした後はオイルとかも塗っています。

ですが、最近悪化の一途を辿っているといいますか、まるでよくならず、最後の手段としてフットケアに出向いて角質除去をお願いしたものの「この角質は落とし切れません」と、サジを投げられる始末。


まーそんな情けないというか、ヒドイというか、誰かなんとかしてー!という状況を記事にしたりしたわけなんですが、先日ゴリゴリと仕事をしていたら、ふとした弾みで

「角質がひどいとか、カカトがひび割れて痛くて歩けないとか、どうせ大袈裟に書いてるんでしょ?ネタ系人間はこれだからなー」

という陰口を、月の裏のクレーターにある巨大パラボラアンテナから受信してしまったんです。いや、直訳すると普通に被害妄想なんですけどね。


というわけで、撮影してみましたので晒してみます。コレが僕のカカトです。ああっと!ここから先には、撮影した本人さえも素でひくグロ画像が含まれますので、引き返すなら今のうちですよー!

















これでも「大袈裟」といいますか皆さん。



いやね、普通に自分でもひきましたよコレ。だって「かかと 角質」で検索かけて見に行った先のサイトのサンプル画像とかでも、ここまでヒドイのないんですもの。なんなんだコレ。

でもですね、検索するうちに、ふと気づいたんですが…これって既に角質とかそういうもののレベルじゃないんじゃないでしょうか。いわゆるタコになっているんじゃないでしょうか。


ちょっと調べてみたところ「タコとは慢性的な圧迫や履き物との摩擦などの刺激を繰り返し受けることによって、角化した皮膚がさらに厚くなった、黄色味をおびた硬い角質」のことだそうです。

えーっと…(自分のカカト画像を見て)…うん。黄色い。そしてさらに調べてみると「タコ、ウオノメはカッターなどの鋭利なものでは絶対に削らない様に。更にひどくなります」とのこと。

うわー遅い!もう物凄い勢いで手遅れ!!軽石じゃ歯が立たないから、カッターとおろし金の二刀流で角質に立ち向かっていたよ!全然手遅れじゃんよー!!



なんかもうフットケアじゃなくて
皮膚科に行った方がいいのかも…。

(ベロっといかないもんですかねえ…ベロっと)



[ 2005年06月07日-11:30 ]  



僕と僕の足の角質との確執。 -宴の続き-


久しぶりに感想メール(?)がフタケタに。

えーっと、メールの送信リンクを消極的なポジションに配置した現在のレイアウトデザインにしてからというもの、久しぶりにケタがアレなメールをいただきました。皆さんありがとうございます。

「痛そうですね」「汚い」「大変そうですね」「こんなもん見せんな」など、実に様々なご感想やご意見をいただいたわけなのですが、皆さん総じて一つの結論に辿り着いていらっしゃいました。



結論:さっさと病院行け。




至極ごもっともォオォォーーーッッ!!!いやね、さすがにフットケアのお店でプロフェッショナルな方から「無理でした」とサジを投げられた時点で、なんとなくはわかっていたんですよ。うん。医者しかねえな、と。というわけで、本日夕方より皮膚科に行って参ります。


というのもですね、お医者さんな人や医療関係者な方からもメールをいただいたのですが、おっかないことに「ひょっとしたら角化型の水虫かも」というご意見まであったんですよ。

角化型の水虫というのは、まぁ詳細はコチラを見ていただくとしてですね。上記リンク先から引用しますと『水虫とわかりにくいやっかいなタイプ。足の裏から足のふちまでガサガサして角質が厚く硬くなり、ボロボロと皮がむけたり、かかとがひび割れてアカギレのようになったりします。』とのこと。


どんぴしゃじゃないか。うひえー!やめてえー!生まれてこの方29年、インキン・タムシの類やら水虫やらとは縁のない生活をしてきたのに!なあんてこったい、どうすりゃあいいんだジョニー!!(誰)

まぁ水虫かどうかはいずれにしても、角質化した皮膚を柔らかくする薬を買うにしても保険適用で出してもらった方が安いことこの上ないのは自明の理。思い切って病院に行ってきます。

それにしても水虫だったら本当に泣ける。泣けすぎます。全米が泣きます。新しく買った靴以外全部捨てます…クマーン…(泣)



16時から午後診療なので、そろそろ出ます…。
春九堂の運命や如何に!!!
(水虫だったとしても黙ってコッソリ治せばいいのに…)



[ 2005年06月08日-15:45 ]  



僕と僕の足の角質との確執。 -宴の続きの顛末-


プロローグ(?)

随分ご無沙汰してしまいました。生きてます。むしろ水虫じゃ死にませんから。皮膚科に行きますってのが最後の更新になったからって、どんな心配しているんですか、メールをくれた一部の皆さん。

さて、時間をおいたのは少々理由があります。本当は皮膚科から帰ってきたら、すぐにでも記事を書こうかと思っていたのですが、ちょっと感情的な記事になってしまいそうなので、時間をおくことにしました。

で、落ち着いたり新展開があったりしたので、今これを書いています。ぶっちゃけ笑いナシのシリアス話になってしまうのですが、僕が行った皮膚科は、とんでもない医者だったんです。

というのも、カカトの角質のヒドさやヒビ割れの痛みなどをどうにかして欲しくて診察を申し込み、なおかつ水虫かどうかを調べてもらいたかった訳なんですが、結論からいえばどちらもまるで進捗がなかったんです。


まず初診にも関わらず、問診票もなし。「今日はどうしました?」の一言から始まった診察は、見せた足の裏を一瞥しただけで「痛みますか。そしたら軟膏出しますので、これ塗って様子みましょう。一週間くらいしたらまた来て下さい」。これで終了。

ちょっともう、驚いちゃいましたね。まぁ確かに角質を削るだの処置をするだのは皮膚科の領分というか医者の領分ではないのかもしれません。でもこの角質が白癬菌による角化型の水虫かもしれないわけで、検査しなきゃわからないんですよ。顕微鏡覗けばわかるレベルらしいんですけど、それすらしない。というか触りもしませんでしたね。本当に見るだけ。

挙げ句処方された軟膏を見て二度ビックリ。中程度のものとはいえステロイド軟膏です。それも一切のインフォームドコンセントなしに「塗って様子見て下さい」だけってんですから恐れ入ります。「塗って治らなきゃ水虫だから別の薬出します」ってことらしいんですけどね。

ステロイド軟膏の問題点に関しては今更僕が云うまでもないと思いますが、最低限用法用量の説明はあってしかるべきでしょうし、場合によっては副作用の説明も必要でしょう。それら一切なしです。


結局診察代と軟膏代1200円也を支払って、痛む足はそのままにされて帰されたわけです。ぶっちゃけますが、いくらなんでもコレはヤブ医者と呼ばれても仕方ないでしょう。頭に来るというより、かなりがっかりしてしまいました。

その皮膚科に過剰な期待をしていたわけではないんですが、皮膚科を進めてくれた読者さん達のメールに寄れば、多くの皮膚科では最低限痛まないようにする処置方法を教えてくれたり、軟化剤やケアの仕方を教えてくれたり、場合によっては角質を除去してくれたという話もあったんですよ。

それらの好例にカスリもしなかった事が、さすがに本当にがっくり来てしまったんですよね。さらになんの説明もなくステロイド軟膏を処方する神経にも驚きました。まだ世の中にこういう医者がいるんだなぁと、変に感心してしまう程でした。


さて、ここまでが簡単な皮膚科にいった結果報告です。結論としては、その病院には二度と行かないということだけですね。

しかし、そんな目に遭いながらも、現在僕のカカトは角質も人並み程度になり、表面は普通の足の裏の硬さであり、なおかつ、ひび割れも薄まって、歩いても体重をかけても痛くありません。時々カカトを撫でては、そのすべすべな表面にニヤニヤしてしまうくらいの変わりっぷりです。

全ての出来事は、先週末に起こりました。皮膚科でのあしらいっぷりに肩を落としていた僕のところに舞い込んだ一通のメール。それが全てを変えたんです――。



というわけで、次回
『僕と僕の足の角質との確執。第2部』
に御期待下さい。

(まぁそう長くはならないはず)



[ 2005年06月13日-11:34 ]  



僕と僕の足の角質との確執。第2部 -1-


<プロローグ>

水虫という名の絶望の十字架を背負う覚悟で臨んだ皮膚科はとんだヤブだった。

「俺の足は…俺の足は一体なんなんじゃいー!」

発泡酒を片手に苛立ちを慟哭に変えても、かかとは痛いまま。ひび割れからは未だ時々出血がある。足を引きずりながら歩き続け、僕はこのままコンクリートジャングルに朽ちてゆくしかないのか…。そう悲嘆に暮れていた僕の元に、一通のメールが舞い込んだ。

件名:家元への電信【角質削ります!】

メールリンクからの送信時にデフォルトで設定されたサブジェクトに加えられた、直球この上ないストレートど真ん中の件名。それは高田馬場でフットケアやネイルアートなどのサロンを営む女性からのメールだった。


地元のフットケアの店には「取り切れませんでした。無理です。別のお店紹介しますよ」と、サジを投げられ、皮膚科には小バカにされ、涙の数だけ水割りを飲むような鬱屈とした日々に差し込んだ一筋の光明。

おそるおそる返信ボタンをクリックして文章を書き始める。最初は途惑いを隠せなかった。だが三行を打ち終えた後、止めどなく溢れ出たのは、それまで心に積もった哀しさ寂しさやるせなさ。それらが怒濤のような勢いで僕にキーボードを叩かせた。

「いいの?こんなアタイの足でもいいの?削ってくれるの?」
(※台詞はイメージです)

溢れ出たのは心の内だけではなく、いつしか熱い涙さえも頬を濡らす。そして押された送信ボタン。翌日に返ってきた頼もしい返信――。

「任せときな。ここはアンタみたいな寂しい女の為の酒場さ。お飲みよ。傷が癒えるまで。踊りなよ。忘れるまで」
(※台詞はイメージです)


そして僕は足を引きずりながら電車に乗り込んだ。一路高田馬場へ向かって――。



というわけで、フットケア&ネイルアートサロンを営まれている読者さんからメールをいただきまして、行ってきました高田馬場。場所は高田馬場駅から早稲田口を出て、さかえ通り商店街に入り、右側の川を越えたすぐのマンションの一室。

フット&ネイル茉莉花(ジャスミン)さんです。まぁ詳しい行き方は、こちらを見たりして下さい。

オーナーの茉莉さんは数年前から当サイトを読んで下さっていたという古参読者さんでして、それってえのは、つまりその、散々サイト上で晒しまくっている僕の痴態とか恥態とかデブっぷりというかクマっぷりも、よくご存知なわけですよ。

その上で、しかもあんな汚らしい分厚い有り得ない、なんか水虫でなくとも他の病気と違うんかというような足の裏を削ろうだなんて云えるなーと、本当に驚きました。まずはその度胸に乾杯です。


ともあれ、高田馬場駅を降りて歩くこと数分。先月携帯電話を変えましてEzナビウォークが使えるものですから、住所を入力してとぼとぼナビに従って歩いていったわけですが、何故か辿り着いたのは、どうみてもマンションの裏口な駐車場。

入り口らしきものはなく、Ezナビウォークは到着したと繰り返すモノの、この建物が目的地なのかどうかすら怪しい状態です。しかしながら予約の時間も迫っていたので、とりあえず建物内部に入ろうと非常階段から侵入する僕。気分はちょっとした不法侵入です。

もし警備員さんとか公安関係の方に誰何されたり職務質問されたりしようものなら、言い逃れすら微妙です。ひとしきり「足が、そのあの、足をですね、削りにですね。インターネットでですね」としどろもどろかつ挙動不審に説明した挙げ句、任意同行の気配が濃厚です。


そんな不安を抱えながらDokiDoki☆不法侵入な感じでマンション内を物色すると、どうにかこうにか目的地に到着。ドアに張られた「茉莉花」の文字を見た時は、本当に助かったと思いました。思わず既に目的達成した気分で帰りたくなったほどです。

まぁ思いとどまりつつインターフォンをポチリと押して「予約していた宮本ですがー」と名乗ると、出迎えてくれたのは茉莉さんご本人。茉莉花のサイトのPROFILEを見ていただければわかる通りの美人なお姐さ…お姉さんなので、既に気圧され気味です。


そもそも僕は散髪するなら美容院は避けて理容室。クアハウスでなく銭湯。リーズナブルなファミレスでだって、サイゼリヤよりバーミヤンを選ぶような男です。

つまりネイルとかサロンとかアロマとか、そういう言葉には無縁ゾーンのイキモノ。カカトの痛みに我を忘れて突貫してしまいましたが、考えてみたらネイル&フットサロンなんていう場所は、無縁ゾーンの対極、そのど真ん中直球というくらいに縁遠い場所なんですよ。

でもここまで来て「すみません、おなか痛いんで早退していいですか」とか愉快な事は出来ません。さっくりと室内に案内されて、早速カウンセリングが始まりました。簡単に症状やどんな具合なのかという状況を説明して、施術の手順を説明されます。

続いて、なにやらメカメカしいスイッチとかがついた巨大洗面器のような器具が登場。茉莉姐さ…姉さんに云われるがままに、すそをめくりあげて足を浸けるとスイッチオン。なにやら足底からジョナサン・ジョースターの息吹のような振動が伝わり水面には波紋が立ちます。



「震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!」とか
ブツブツ言いながらのフットバス。なんだこの足の太さ。


「おお!これが噂のフットバスというヤツか!」などと感心しつつも、当たり前の事ながら普通の人サイズに作られているモノなので、内股にならないと足がはみ出るわけでして、なんかリトルジョーを我慢しているかのような姿勢になってしまったりも。

そのまま浴槽底面にある足つぼ突起にぐりぐりと足を押しつけたりしつつ、モゾモゾモゾモゾモゾと挙動不審的内股モードで待つこと十分。いよいよ施術が始まることになりました。


<んで、長くなってきたので続きます>


[ 2005年06月16日-05:26 ]  



第一回楽天ポインダー当選者レポート


てなわけでして、『楽天アフィリエイトでたまったポイントでダーツグッズをプレゼントしちゃうぜドンドンドンパフパフパフ』略して、『楽天ポインダー』。第一回の当選者は結城コウジさんでした。

諸般の事情でお届けが非常に遅れてしまったのですが、なんとかお届けが完了しまして、結城コウジさんから使用レポートなども送って頂きましたので、公開させていただきます。
第一回楽天ポインダー当選者の結城コウジです。
家元からダーツが届いたので、早速プレイしてきました。

行ったのは、ダーツが置いてあるゲーセン。
一度、会社の同僚とプレイしているので、人生二度目のダーツ。
一人で行ったのに、店員が指定したボードの隣では、男女グループが楽しげにプレイしてますが、そんなこと気にしてませんよ。

カウントアップを、一人で黙々と続け、7ゲーム目6ラウンド。
何か降りてきました。

シングル、シングル、ダブルブルで、ハットトリック達成。
もしかして、僕って上手い? と、何か勘違いしつつ、7ラウンド。
2、7、3で、12点。
すいません。まぐれでした。
結局、最高得点は472点で、僕の二度目のダーツは終了しました。

まだまだ、狙った所に全く飛んでいきませんが、
まぐれでもブルに入ると、結構気分いいです。
早く上手くなって、女の子を連れていっても、恥ずかしくないレベルになりたいですね。

最後に、僕が選んだダーツの紹介を。


 

とのことでした。いやいや、マイダーツ初回でハットトリック達成とは凄まじい。隣の男女グループへの怨念がそうさせたのか、はたまた才能か。

トリプルやダブルに放り込んでLOW TON出したりハイスコアを出したりするのは、いわゆるキャッチ(狙っていないところで偶然高得点ゾーンに入ること)というのですが、ハットは偶然ではなかなか出せないもの。結城さん、やりますな!


てなわけでして、第一回楽天ポインダーの当選分商品は以下の通りです。
【HARROWS製【HARROWS製 ダーツ3本セット】AZTEC 56708 18g

【ダーツ用アクセサリー】BULL'S【ダーツ用アクセサリー】BULL'S TIP 100本入り

【ダーツ用【ダーツ用 アクセサリー】ブロークングラス フライト 3枚セット 3978

【ダーツ用【ダーツ用 アクセサリー】ブロークングラス フライト 3枚セット 4044

組み合わせとしてはバッチリなんじゃないでしょうか。フライトもスリム・スタンダードとありますし、青系のAZTECによく似合っています。


こんな感じで楽天ポインダーでは、その月のアフィリエイト結果に応じた価格分のダーツアイテムを当選者が選べるプレゼント企画です。応募は一度当選された方以外なら何度でもOK!諦めずにガンガン応募して下さい!

それでは結城さん、レポートありがとうございました!これからも素敵なダーツライフを楽しんで下さいねー!



まぁ僕は絶賛スランプなんですが。
(大会まであと6日だっちゅうのに…)



[ 2005年06月20日-16:47 ]  



それは指揮棒なのかバトンなのか。


なんぞ回ってきたようで。

というわけで「このクサレ団地妻!」「なんだとド外道パンダ!」というように愛し合い、罵り合っている妖怪ねこみそじこと漫画家の萩原まおさんが、MuSical Batonなるものど回してくれてました。

でも、ミュージカルバトンというらしいんですが。リレーや徒競走が大嫌いだった僕としては回す為に走るのなんか一切御免なので、次の人には回しません。つまりリレーでいうなら僕がアンカーです。これまでバトンを回した方々が一生懸命に走ってくれたのを尻目に、最下位でゴールに入り、なおかつ同情の拍手をもらいます。うわー辛い(トラウマ再発)


んじゃ早速行ってみましょうか。
■Musical Baton -RULE-
音楽に関するいくつかの質問が「バトン」として回ってきたら、自分のブログ上でこれらの質問に答え、次の 5 人を選びその人にバトンを渡す、というルール。
(春九堂註:意地でも指名して回すなんてことはしません。ここに廻ったのが運の尽きです。諦めろ発案者の人。あと関係ないけど、そもそもこれってブログ用らしいね)


■今パソコンに入ってある音楽ファイルの容量
50GB弱。


■最後に買ったCD
高橋ひろ:『ウェルカム・トゥ・ポプシクル・チャンネル』
高橋ひろ:『君じゃなけりゃ意味ないね』

一週間ほど前に、楽天フリマオークションにて同時落札。十年くらい前に購入したモノをCDが行方不明なので再購入しました。復活したチューリップの新規メンバーとしてメジャーにデビューし、その後ソロ活動。数年やりましたが消えました。今は音曲提供かな。ヒット曲はアニメ『幽遊白書』のEDで使われた「太陽がまた輝くとき」「アンバランスなkissをして」の2曲。

アルバムとしては『ウェルカム〜』の方が好きです。このアルバムに入ってる曲で嫌いな曲はないですね。中性的に聞こえるほどの高音の声と、歌詞のセンスが好きです。僕はこの人の歌で、女性のスタイルの良さを表す「高い腰」という表現を知りました。

「パティオでドッキリ」や「セックス・フレンド」などの曲はタイトルがアレではありますが、すごく歌詞が秀逸です。「2人の血を混ぜたら固まる。今夜試してみよう(パティオでドッキリ)」なんていう歌詞で、日本人の好きな血液型別性格判断による相性を表せる歌い手は、僕の中では他にいません。

センチメンタルでポップでシャイ、それでいてどこかニヒルであり自嘲的な雰囲気もある。恋をしている時、恋をしていない時、晴れの日に、花曇りの日に、陰鬱な雨の日にも白々しく聞いて下さい。


■今聴いている曲
DISTURBED:Glass Shatters
DISTURBED:Prayer


DISTURBED【dis・turbed】
(official site→http://www.disturbed1.com/

━━ a. 精神障害の (an emotionally 〜ed child 情緒障害児); 心配な; 騒然とした.

という意味らしいです。ハードロックややオルタナティブ風味とでもジャンル分けすればいいんでしょうか。アメリカはシカゴのバンドで、ただボーカルのDavid Michael Draiman(ヒゲハゲ)がいなければ、ただの上手いだけのバンドといったところに成り下がる感じの連中です。

プロレスファンにはWWEのストーンコールド・スティーヴ・オースチンの入場曲で一部かなり有名でしょう。「Glass Shatters」のオープニングのガラスのクラッシュ音は、それだけで鳥肌が立ちそうになります。この2曲はDISTURBEDがDisturbedであることの代表的2曲といえるかも。


■よく聴く曲、または自分にとって特に思い入れのある5曲
上に挙げた曲は避けることにしましょうか。雑食なのでよく聴く曲や思い入れのある曲なんぞ5曲で済ませるのなんか無理です。

・Black:Wondeful Life
イギリスの微妙な一発屋さんです。1980年代後半だと思いますが、まだフジテレビの木曜日が「とんねるずのみなさんのおかげです」だった頃、しかも仮面ノリダー全盛期の頃ですね。45分目のCMタイムでサントリーかなにかのウイスキーのCMに使われていた曲だったと思います。

セピアとモノトーンを効果的に使ったCMの映像も秀逸でしたが、曲とイメージが非常にキレイに結びついていて、この曲は頭の中に残りました。当時は洋楽など知り得ようもなく、音源を手に入れようにも調べようもなく、おまけに海外一発屋なんてハードルが高過ぎて、どうにもこうにも気にはなるものの手には入れられませんでした。

再会はその2年後。レンタルビデオ屋でビデオを物色していた時に有線でかかったんですね。そこで熱が再燃。しかし見つけられずさらに数年。今度はFMでかかったので局に問い合わせてアーティスト名と曲名を手に入れました。そしてさらに数年後にようやくCDを手に入れたんです。

探しに行ったのは確かソフマップの中古CD洋楽フロアだったと思います。その時に別のアルバムもあったのですが、購入して聴いたところ「聴ける」のは、この一曲だけでした。まぁ文字通りの一発屋なわけです。夕暮れと秋の夜が似合いそうな一曲です。


・槇原敬之:LOVE LETTER
大好きな曲であり痛々しい過去の曲です。マッキーが大得意な「物の見事に砕け散る程の失恋」ソングなのですが、この状況が18〜19歳頃の自分にあまりにも被りすぎて、地獄を見そうになるほど胸が締め付けられるような想いがします。もしくは布団を被って叫びたい気分とでもいいましょうか。

「大好きだ大好きだって とうとう云えないまま 君は遠くの街にいってしまう 何回も何回も書き直した手紙は ずっと僕のポケットの中」

ピアノ伴奏とマッキーの歌声だけの前半部分。これだけで胸が苦しくなります。何があったかって、この歌の通りの事ですよ。若い恋、若い想い、若い失恋でした。今なら千葉県の端っこと埼玉くれーどーってことねーんですけどね。Peッッ!!!


・爆風スランプ:大きなたまねぎの下で
同アーティストの「それから」と同じくらい好きな曲です。これの原曲はバックがオーケストラではなく、なおかつサビの部分の歌い回しも違いました。爆風スランプがブレイクするより前の曲でして、カラオケなんかに入っている曲は売れた後にリメイクされたオーケストラバージョンなんです。

まぁそんないらない豆知識があるほど長い間好きな曲です。当時中学生くらいだった姉貴が友人からもらったカセットテープに入っていた曲で、とにかくすごくステキで切ない歌詞が大好きです。

ペンフレンドから始まる恋愛なんて今では考えられませんし、そもそも「ペンフレンド」なんて言葉自体が既にセピア色ですが、メールやメッセンジャーがある今では、割とそれが普通になっているような風潮があります。だから何となく今でも色褪せない。でも武道館のコンサートを最初のデートに選ぶのはどうかと思うんですけどね。まぁいいんですが。

ちなみにカラオケで一番最初に歌えるようになった曲でした。カラオケなんかが流行る前から、ずっと歌っていた曲でもあったってことですねー。コミックバンドとして世に出た爆風スランプが、青春曲の王になる片鱗を見せたという、ある意味記念すべき曲でもあります。


・岡村靖幸:カルアミルク
我らが靖幸ちゃんの曲です。出会いはアニメ「シティハンター」のED「Super Girl」で、その後は当時ヤングジャンプ誌上で連載されていた、きたがわ翔の「19 -NINETEEN-」で同作者が岡村靖幸を絶賛していた事から興味をそそられたといったところです。

同時期に萩原健太が司会進行をしていたMTVジャパンでは、ピンクのシルクのガウンを着てテラスで踊り狂う靖幸ちゃんがメインという衝撃的なPV「どぉなっちゃってんだよ」がヘビーローテーションになっており、それが含まれているアルバム『家庭教師』を購入したところから始まります。

このアルバムのファーストインプレッションで「聴けた」のは「どぉなっちゃってんだよ」「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」、そしてこの「カルアミルク」でした。靖幸ちゃん独特の発音や歌詞の切り方や早口で歌い回してしまう部分などは、初心者にはなかなかハードルが高く、その中でもバラードである「カルアミルク」はハードルが低く、ファーストリスニングでも8割以上の歌詞が聞き取れたところがスタートです。

「ファミコンやってディスコにいって知らない女の子とレンタルのビデオ見てる」なんてタームは、全てそろそろセピア色を帯びて来ていますが、それでもこの曲自体が色褪せないのは彼の先進的なサウンドとリズムの感覚故なのかもしれません。

この曲で僕は「バーボンソーダ」と「カルアミルク」という大人の飲み物たるカクテルの名前を知りました。背伸びをしても届かなかった頃、想像の中で見上げていた大人の光景。それでもなお、子どもみたいな仲直りの歌。ちょっとしたアンバランスにピーターパンな雰囲気。それがこの曲には詰まっています。

カラオケでも大体歌います。大好きな曲です。


・Harry Belafonte:Shake Senora/Jump In The Line
同じ曲です。どっちがタイトルなのかは微妙。ハリー・ベラフォンテといえばオールディーズもオールディーズ、ベリーオールディーズな人です。録音時期の問題なんでしょう、CDであろうがなんだろうがレコード独特のシャリシャリっとした薄い音源感がたまりません。

ジャンルはカリプソ。南カリブのトリニダード・トバコのカーニバルコンテストから生まれた音楽です。しかもハリー先生はトリニダード人ではないというオマケがついています。ハリー先生といえば「デーィオ デエエィオー」の「バナナボートソング」がメジャーリーグ・ドジャース時代の野茂のテーマとしてメジャーになりましたが、あんなのはウソっぱちです。ディアマンテスは反省しなさい。

「バナナボートソング」は元々は労働歌であり、苦境にあっても陽気さを忘れない、むしろ陽気さを保つことで苦境を忘れようとした、かの人々の生活文化を反映したような曲なのです。なんだ「ヒデーオ、ヒデエエオ」って。ふざけんな。お前らは魂でもコンドルにのっけてろと小一時間説教したいです。

話が逸れました。ハリー先生との出会いはコメディホラー映画「ビートルジュース」。忘れもしませんが、日本語吹き替え版のビートルジュースの声は西川のりお師匠が当てていました。微妙かつなんともいえない演技でしたが、それがまたよくあっていたんですな。

映画の割とクライマックスシーンで、家の前の主である夫婦霊が、今の住人達を追い出すべく、晩餐会の最中に憑依して、唐突に「バナナボートソング」を歌い出させるというハプニングを演出するというシーンがありました。

そしてこの映画のラストシーンで、夫婦霊と和解した今の住人一家の娘が、夫婦霊にお願いして空中浮遊しながら踊り狂うというシーンからエンドロールまでのBGMがこの「シェイクセニョーラ」なのです。いやー説明長かった。

スチールドラムの音とカーニバルな管楽器の音、踊れもしないのにステップを踏みたくなるような底抜けの陽気さ。「これぞカリプソ!」と大きく頷いてしまいたくなる曲です。真夏の高速道路や田舎道、海岸線を走る時に窓を全開にして大音量でかけながら走りたいような、そんな一曲です。


■次にバトンを渡す人
アンカーなので次には回しません。
というわけで、簡単ですが応えてみました。どうだよクサレ団地妻め。え?なんでそこまで意固地になってバトンを回さないのかだって?



友達がいないからに決まってんだろ!!
ふざけんな海外ブロガーめ!!!

(明らかな八つ当たり)



[ 2005年06月22日-09:17 ]  



僕と僕の足の角質との確執。第2部 -2-


「それじゃあ、ここに座って足伸ばして下さい」

フットバスを終えて案内されたサロンの奥には、白いリクライニングシートがあり、どうやらそこに座って角質除去を受けるようでした。

ズボンのスソをまくり上げ、裸足の毛ずねをこれでもかと言わんばかりにアピールしている状態の僕は、言われるがままにリクライニングシートに座り込み、足を伸ばします。そして、その間に茉莉さんはシャキーンシャキーンと音が鳴るように手早く準備をしています。



まな板の上のクマ。
足にかけられたバスタオルは、醜い毛ずねを隠す茉莉さんの良心。


膝立ちで作業をすることになるので、その対策としてニーパッドを装着し、手には使い捨てのビニル手袋を装着。そして武器である角質除去用ヤスリを入念にチェック。

つい数十秒前には、フットバスから出した僕の足を優しく拭いてくれたお姐さ…お姉さんは、今や完全装備状態のプロフェッショナルへと変貌していました。なんというか僕の足の角質を見る目が既に職人のソレです。


「うわー写真では見てましたけど、ヒドイですねー」

「そうなんです。ヒドイんです」

「あーここがひび割れですね。触ると痛いですか?」

「いえ、その程度なら痛くないです。ここまでヒドイ人ってやっぱそうそういないですか?」

「そうでもないですけど…うーん、それでも横綱級ですね」


Ohヨコヅーナ!アイアムスモーキング!
(×私は相撲の王様です/○私は喫煙中です)


頑丈そうなリクライニングシートを壊しそうな程の巨デブの僕を前に、茉莉さんが横綱という名称を出した事には他意はない、そう信じつつ、まずは施術前の角質の状況をパシャリと撮影してもらいました。





以前より明らかに悪化している感じ。
グロくてごめんなさい。


さて、いよいよ施術がはじまります。工程はさほど複雑というわけではなく、基本的にはひたすら削るだけなんですが、合間合間にコットンに染みこませた角質軟化剤を貼り付けて、柔らかくしてから削るという事を繰り返します。

「乾かず、濡らしすぎずがポイントなんですよー」とは茉莉さんの弁。しかしながらその手順というか手さばきというか手際というか。いやはやとにかく素晴らしく、そして凄まじい。右を濡らしている間は左、左が一定進んだらコットンを当てて、今度は右と、ナイスなコンビネーションを繰り返します。



軟化剤を含んだコットンを当てられたクマ足。
別に染みたりもしなければ、変な臭いもしない。


削るの20cmほどの角質除去用ヤスリを高速振動させ、なおかつあらゆる角度から当てることによって、角質の厚さが常に均一になるようにコントロールしながら削るんですが、なんというかこう、木工の工芸品でも作っているかのような手さばきです。職人というか既に匠(たくみ)の領域です。



匠の高速振動攻撃に角質もボロボロと落ちる。


最初は粉っぽかったのが、だんだん消しゴムカスのように
剥がれてくるのが不思議。道具の差か?否、腕の差だ。


そして細かいところは機械ヤスリ…なんていえばいいんでしょう、歯医者の回転ヤスリみたいな機材まで使って、削ったりもします。なんでしょう、フルキャストのフィギュアでも作っているような感じです(例えるモノがアレ過ぎ)


そして変わりゆく己の足の感覚に驚きつつ、匠に身を委ねること数十分。「まぁこんなところですかねー」と見せられた仕上がりはこんな感じでした。



黄色い部分は角質なのだが、これ以上急に削ってしまうと
逆に固くなって再生してしまうので、とりあえずここまで。
それにしたってえらい変わりようだ。



問題のカカトのひび割れも、ほぼ根本まで到達。
白くなっているのは匠が軟膏をすり込んでくれたから。


正直本当に驚きました。なんといっても施術の最中から「カカトを触られている感覚」が戻ってきたというのが一番の驚きです。そしてなによりもこれだけ削られたにも関わらず、ひりひりもしなければ染みたりもしないんですよ。まさにプロフェッショナルの技です。

角質除去のヤスリも、表裏で荒さが違うヤスリを3本6種類に加えて電気回転式ヤスリの全7種類を駆使した結果が、このカカトということなのでしょう。いやはやそれにしてもすごかったです。ちなみにこれが僕のカカトから除去された角質です。



さながら垢擦りが終わった後のようだが
両足のカカトのみでこれだけ。ちょっとした人体の神秘だ。



大満足で施術を終えて、中国茶を御馳走になりつつアフターケアの事などをお話ししていたのですが、その中で実際に使ったのと同じタイプのヤスリを譲っていただいて、カカトの保湿ケアのことも教わりました。

匠曰く、夜クリームを塗って靴下を履いて寝たりするよりは、クリームを縫った後一時間くらいラップでくるんでおくと一番浸透するとのこと。つまり、お風呂上がりで柔らかくなった角質を削ったならば、保湿クリームをすり込んで小一時間程度ラップでくるんでおくのがよいというわけです。

あとはなるべくこまめに削って、それでも酷くなってきたら散髪するのと同じくらいの感覚と間隔で、フットケアで角質除去をすれば、ほぼ完璧だとのこと。なるほどなるほどと何度も深く頷いてしまいました。


足のケアなんて気にしないようなものですが、あまりに無頓着だと僕みたいに酷くなってしまいます。女性は角質化したりカカトが荒れたりするとストッキングをはく時に伝線させてしまったりするので、それでもそこそこ気を遣うようですが、男性は気にしなさ過ぎるところも正直あると思います。

特に僕の場合、子どもの頃から板の間で行う格闘技をしていたものですから「硬いカカトは稽古によって作られたもの。俺の誇りなのだー!」というように考えているところも、実はあったりもしたんです。

ですが、よく考えてみたら今は格闘技をやっていないわけでして、それでここまで厚くなるのはケアしなさ過ぎということに尽きるんですよね。それで足が痛いといってりゃ世話ないわけですよ。カカトの角質が厚くて良いことなんかありゃあしないんですから。


また強い刺激で削るのは絶対にいけないという事も云われました。カッターで削るなど以ての外で、強い刺激で削られると、今度はそこを守ろうとして、余計に角質が厚くなるんだそうです。骨折後の骨強化やら、筋肉の超回復みたいなもんですが、そんなところで強化されても困りますからねー。

日常は強くやりすぎず、根気よく丁寧に角質を除去し、僕のように手遅れな横綱級にまで酷くなってしまったらプロに頼るというのが、どうやら一番のようです。


さてさて、そんなわけで僕のカカトの角質はめでたく除去されたわけです。写真はたっぷり公開してきたわけですが、最後に昭和でいうところの「使用前・使用後」、平成でいうところの「ビフォー・アフター」をやってみましょう。



使用前使用後





ビフォーアフター





23年前20年後





額から吸収前額から吸収後





構え入水





レッツププッピドゥー



…えーと、なんか一部今回の件に全く無関係な上に、なにがどう「使用前・使用後」で「ビフォー・アフター」なのかわからない画像が紛れ込んでいましたが、とにもかくにも今僕のカカトは割と健全かつ健康であり、流血沙汰や痛くて歩くのも大変というような事にもなっていません。つまりは完全に回復し、僕と僕のカカトの角質との確執には一応終止符が打たれた、と考えていいでしょう。


それにしても、色々な職業の人が、僕のこのサイトを見て下さっているのは勿論わかっているのですが、それにしてもまさかフットケアを生業にしてらっしゃる方までいるとは思いませんでした。こんな事ってあるもんだなーと、感慨深く思う次第です。

さて、今回僕のカカトの角質をやっつけてくれた匠こと茉莉さんが経営する『フット & ネイル 茉莉花(ジャスミン)』は、フットケアからネイルケア・ネイルアート、インディアンマッサージや、まつげパーマなどもしてもらえます。

しかしながら、全ての業務を茉莉さんが一人で行っているので完全予約制となっていますので、ご注意を。予約は上記リンク先からメールか電話で出来るようです。なお、基本的に男性一人での来店はNG。女性同伴でならOKとのことですので、友人知人同僚学友姉妹恋人(Peッ!)等を誘って行って下さい。

実は今回、僕も友人に同伴してもらったのですが、まつげパーマを施術してもらい、非常に満足したようです。なんかまつげがあがったせいで瞼もリフトされて、目が大きくなって感動していました(よくわかんないので「目ぇでかくなった!目ぇでかくなった!」と誉めたらヤな顔されました。←だからモテねぇんだよ)


さてさて、全ての工程が終わってサロンを後にしようとした僕。玄関先まで茉莉さんは見送ってくれたのですが、僕がいつものように靴ひもを緩めに結んだ靴に足を入れた瞬間「あ、家元ちょっと待って!」と鋭く茉莉さんに制止されました。

何事かと思いきや「その靴じゃダメ」と、唐突にしゃがみ込んで僕の左足の靴ひもをぎゅぎゅぎゅっと、ややきつめに絞り上げ、手際よくしゅしゅっと結ぶ茉莉さん。「足をカカト側にしっかり固定しないと、靴の中で擦れちゃってカカトによくないんですよ」とのこと。

ほーなるほどなーと思っていたら「さ、そっちの足は自分でやってみて!」との命れ…指導。思わず「サー!イエッサー!」と云いそうになりながら、慌てて靴ひもをきつくする僕。そんな僕を見て「ダーツも足がしっかり固定されてる方がスコア伸びますよ!」と笑う茉莉さん(茉莉さんは3年ほど前までバリバリのダーツプレイヤーだったそうです)

その目は「あれだけ苦労して角質取ったんだから、靴から気をつけなさい!今度来た時に前より悪化していたら…わかってるわね…?」と無言のプレッシャーを放射しているように感じたのは、多分僕の気のせいだと思います。そう、おそらく、多分、きっと。


そんな顛末もありつつ、マンションを出て高田馬場駅に向かう路上。自分でやった方の靴ひもが、少々締め付けすぎたか疼き出したので、僕はしゃがみこんで、茉莉さんが結んでくれた左側の締め方を参考にしながら靴ひもを結びなおしつつ、僕は思いました。

「また茉莉姐さ…姉さんに叱ってもらい角質を取ってもらいに来よう!」

靴ひもを結び終えて顔を上げると、同行してくれた友人が不審者…というか、変質者そのものを見るような視線で僕を見ていた気がするのは、多分気のせいではなかったと思います。


<了>

★今回お世話になったお店★

店名フット&ネイル 茉莉花(ジャスミン)
住所〒161-0033 東京都新宿区下落合1-1-1 トキワパレス503
TEL/FAX03-3364-1765
営業時間11:00-21:00 (当日予約は18:00までに連絡)
夜間遅くなどの時間外の予約も応相談。
定休日不定休(サイトトップページにて告知)
最寄り駅JR山手線・西武新宿線・地下鉄東西線「高田馬場」駅より徒歩3分
(アクセス詳細はコチラ
URLhttp://www.jasmine.st
MAILmari@jasmine.st
備考・ペット同伴可(応相談)
・男性単独での来店は不可、女性同伴の場合は可
営業内容フットケア、ネイルケア、ネイルアート、まつげパーマ、インディアンマッサージ他
(メニュー詳細はコチラ



[ 2005年06月24日-06:43 ]  



師の言葉達。


デビュー戦を数時間後に控えているのですが、ただいま絶賛仕事中です(げっそり)

僕には数多くの「師」と呼べる人達がいる。一番最初の師は、やはり両親であったり姉らであったり、祖父祖母だった。そして、その後多くの師に出会った。学校で、習い事先で、それ以外の場所で、また書籍や映像などの資料の中にも師は多くいる。

無論、僕が一方的に師と思っている人達も多くいるし、中には会ったことのない人もいる。そしてもう二度と会うことが出来ない人もいる。


僕の中には、そういう「師」達の言葉、否、言霊が多く詰まっている。几帳面に記憶の引き出しに整理整頓されているわけではなく、雑多に詰め込まれた玩具箱のような状態。そんな僕の記憶の箱には、ころりころりと大切な言葉達がしまわれているのだ。

そして僕は精神状態や自分の置かれている状況その時々によって、その玩具箱に顔を突っ込んでは、なにかないかと探す。自分の折れそうな心を励ましてくれたり、指針を示してくれたり、不安に潰されそうな時に気力を振り絞らせてくれる言霊を探すのだ。


たかだかダーツの大会。しかも行きつけのBARの常連達だけで行う小さな大会だ。だけど僕にとっては、この約半年間に新しい趣味として没頭してきたダーツのデビュー戦。だから今日の僕、今の僕、そして今から数時間後の僕にとって必要な師達の言霊を、僕は記憶の玩具箱から探し出すことにした。

なんとも情けないことだが、既に胃が痛くなるようなプレッシャーがある。でも大会だの勝負だのなんていうものには、ここ十年近く縁がなかったのだから仕方がないといえば仕方がない。そんな僕に対して、玩具箱から転がり出てきたのは、こんな言葉達だった。


「やるならとことんやりなさい。相手が不具になるまで。少なくともそのつもりでやりなさい。君が身につけている術はそれだけのことが出来るものだから。そして君にはそれが出来るから」


「恥をかいてしまえ。悔しくて悔しくて、やりきれなくなるほど悔しい思いをしろ。それから泣け。泣いたらそれを恥と思え。それから仕返しをしろ。かいた恥の分だけ力強くなれる」


「負けて悔しい思いをすれば伸びるかって?そんなことはない。悔しさが残って情けない思いをするだけだ。ただし相手の顔を一生忘れるな。そうすれば練習に力と殺気が入る」


「冷静に落ち着いたところで勝てないモノは勝てない。考えるより先に体を動かせ。一秒だけでも本気で殺す気になれれば十分だ。その一秒で一発は入れられる。その感触を絶対に忘れるな」



師よ。僕の師達よ。えーとその…あのですね、ダーツはそういうスポーツじゃないんですが。



大会開催まで後8時間…。
ど、どうしよう…。

(それにしてもヒドイ言葉ばっかりだ…)



[ 2005年06月26日-05:53 ]  



初体験。 -1-


生きてます。

いやーヒドイですな皆さん!確かに緊張しまくりのデビュー戦ではありましたが、更新がないからって「ボコボコに負けて樹海に行ったに違いない」とか「ボコボコに負けて腹いせに対戦相手を物理的にボコボコにして今頃檻の中に違いない」とか「ボコボコに負けて店内で暴れ、猟友会に射殺されたに違いない」とか。一体どういうことですか、まったくもう。

てなわけでして、無事にデビュー戦を終えてきました。行きつけのBARの小さいトーナメントとはいえども、人生初のダーツ大会出場。しかも数名のダーツ仲間を引き連れての参戦ですし、サイトでもこうして煽ってしまった手前、ものすごく胃が痛くなるようなプレッシャーを感じながらの初体験でした。

てなわけで、大会直前から大会までの様子をダイジェストでいってみましょー。


6月24日(金)・夕
仕事を終えてボードとボードスタンドをセッティングする。シュールカップに参戦する兄貴が早めに仕事が終わったらしいので「食事してから軽く練習しようぜ」と呼び出す。二つ返事で応じる兄貴。よし生け贄は捕まった。


6月24日(金)・夜
部屋に来るなりダーツスタンドを見て「狂ってる」とか言い出す兄貴を尻目に「さっさと投げる準備しろ。大会までもう時間がないんだぞ」と急かす。不穏な空気を感じ取ったのか「え、ちょっと投げるだけだよね?」とか怖じ気づいたようすで云いやがる。

こんな状況下にホイホイと出てきて、何を今更――。

「アホか。シュールカップは予選301・カウントアップ/301だ。つまり301を極めれば怖いモノなし。そこまではいいな?」
「お、応…」

「そして、君の目の前にはクリケットプロ425TCという素敵なボードがある」
「う、うむ」

「つまり金をかけずにTAURUSと同じセパレートブル仕様で練習がし放題なわけだ」
「うむ。それはいい」

「そして我が家には俺たち以外誰もいない」
「……」

「そこで黙るな。まぁいい。で、明日は休みだ」
「うむ」

「というわけで、100戦するまで帰さない」
「なにを…?」

「301」
「いやいやいやいや、俺お泊まりセットとか持ってきてないし!」

「うるさいだまれ投げろ」
「お、鬼ー!」

というわけで、鬼の100戦合宿がはじまる。途中一応食事休憩なども取るには取ったが、とにかくひたすら投げる。練習というより修行状態。そして体力が尽きた明け方に沈没。


6月25日(土)・昼
眠っている兄貴を叩き起こして少し投げる。この時点ではまだ55戦。昼食を摂りに外出し、再び戻る。そしてひたすら投げる。70戦を越えたあたりで、お互い何かが見えてくる。フィニッシュまでのラウンド数がどんどん減り、対策も見えてくる。と、同時に疲れも見えてくる。

「なんかわかってきたかも…」
「そうか、それはよかったな」

「で、そろそろ終わりにしないか?」
「は?なんでだ?」

「いや、投げすぎは良くな」
「うるさいだまれ投げろ」

「お、鬼…」
「前線に敗残兵はいらんのだ、立て!投げろ!殺せ!」

気分はすっかり鬼軍曹だ。


6月25日(土)・夕
なんとか100戦を終える。最終的には55勝45敗だった。腹が減っただの疲れたなんだのうるさいので兄貴を追い出す。そして僕も泥のように眠る…予定だったのだが、仕事の連絡が入り、ごりごりと仕事を始める。食事をとりつつ、全てが終わったのは翌午前5時半だった。

明らかに投げすぎで右足のカカトが痛む。風呂に入って足を温めながらもみほぐし、風呂上がりには足の裏に湿布を貼って、なんとか処置をしたと思いこむことにした。


6月26日(日)・早朝
仮眠しようと潜り込んだベッドで寝返りを打った瞬間に、肩の痛みで眠気が吹っ飛ぶ。原因もなにも、単純明快に投げすぎ。どうしようもなく痛むのでバンテリン系の膏薬を塗り、痛み止めを飲む。何もしないよりはマシだったが、痛みにガウガウ云っている間に起床時間になってしまう。


6月26日(日)・午前
シュールカップは14:00回債なので13:30には店に入る予定だった。出来ればその前に池袋のスポーツクラブで開店直後から1時間半ほど投げ込みして最終調整をしておきたかったのだが、待てど暮らせどバスが来ず、結局僕はSureに直行することになった。

寝不足・肩の痛みにくわえ、最終調整も出来ないで本番という状況。コンディション作りで既に負けたような気分になったが、それもまた仕方なしと諦め、ひたすら移動。


6月26日(日)・昼
Sure到着。既に他のメンバーや常連の皆さんも来ている。私服姿のマスターにちょっと驚く。見回してみると32人フルエントリーにしては人数が少ないような気がする。訝しんでいるとマスターが

「ダーツショップの店員さん達が諸般の事情で来られなくなっちゃったんですよー。その関係でお断りしたりしつつ16人に調整したんです。というわけで予選はなしで501・クリケット/501でやりますんで」(※ルールはコチラを参照)

と説明。いやいやいやいやいやいやいやいやいや、どうなのそれってば。既にイヤな汗が出てきている。闘わずして予選通過は喜ばしいといえば喜ばしいのだけれども、初っぱなから501・クリケットだなんて。予選通過を大目標にしていたので、突然の本戦ルールに戸惑う。5人の仲間達も皆それぞれに不安を隠せないでいるようだ。

ちなみに今回は32人中僕を含めて6人の仲間(以下、ダーツ部)がシュールカップにエントリーした。一応マスターには身内同士であたらないように初戦のカードを調整してもらっていたのだが、6/32と6/16では随分と違う。

一回戦だけはあたらないだけで、すぐに身内で食い合うことになるだろう。しかしそれ以前に勝ち上がれるかどうかの方が大きな問題だ。予選である程度未知の対戦相手達の腕前を見ておきたかったのに…胃が強烈に痛んだ。


6月26日(日)・一回戦
マスターの挨拶があり、早速一回戦が始まった。すっかり忘れていたが、この大会にはマスター自身もエントリーしている。そしてマスターの一回戦の相手としてダーツ部から、なぐっちが組まれていた。

ルールの変更と一回戦、しかもオープニングマッチという事で緊張感が尋常ではない。さすがに勝てないか…という少々暗いムードの中スタート。しかしマスターは普段練習しているわけではないので、調子が上がらないこともあったのか、やや不調。そこに今週だけで二十時間近く練習してきた、なぐっちが噛み付く。結果は大番狂わせでなぐっちの勝利。Sureが揺れた。

これで勢いづいたダーツ部、古参常連でハイスコアランキングボードの上位にいる人に、ダーツ部のエースで唯一のBフライト・もたぃさんが接戦を制しする。さらに兄貴も危なげなく一回戦を突破。残念ながら他2名は一回戦敗退でルーザートーナメントの方へと進んだ。

そしていよいよ僕の一回戦。相手はSureに行った時には一度も見ていない方だった。つまり完全に実力未知数。先攻後攻を決めるジャンケンでも負け、強烈に胃が痛んだ。さらに足に震えが来る、やばいやばいやばいー。しかしゲームは始まってしまった。


<長くなったので続きます>


[ 2005年06月28日-20:02 ]  



初体験。 -2-


6月26日(日)・一回戦の続き

ガチゴチに固くなったまま501スタート。ジャンケンに負けたので後攻から。ん、対戦相手のスローイング。あれ、相手も固くなってる。なんとかなるのかも…と思いつつ自分の番へ。

昨日兄貴と散々練習した「とにかく20をキープ。出来れば20Tに入ってね、お願い良い子にしてるから投法」で投げてみる。というか投げられない、膝が笑ってるというか震えている。「うわーなにこれ、ホントに俺の膝ッッ?!」と餓狼伝風に驚いたりするも、さっさと投げねばならず、ガチガチのまま投げる。ギリギリ1本キープ。だが、ぐちゃぐちゃもいいところ。

そのままワケもわからず投げ続け、なんとか勝利。なんで勝てたのかわからないくらいダメダメだった。続いてのクリケットは何故か微妙に調子がいい、点取り合戦にもならず順序よくマークして消していく。16をオープンにした状態で、相手はブルのみになり、打ち合いになりそうだったので、2本16プッシュしてからブルへトライという投げ方で、こちらはそこそこの勝利。結果的に2回戦進出するも、調子は全然あがらない。01の方が得意のはずなのに…。


6月26日(日)・二回戦

兄貴と、ダーツ部エースのもたぃさんは危なげなく2回戦も突破。準決勝に進出した。ここで僕が勝てば準決勝進出、そして準決勝の相手はまともに勝ったことがないエースのもたぃさん。身内同士の争いになってしまうのだが、そこはそれ、仕方ない。

2回戦の相手はじっくりと1回戦のプレイを観ていた人だったので、大体の実力は掴めていた。いつも通りに出来れば、なんとかなる…かもしれないというレベル。しかしいつも通りに出来ないからグダグダになるわけで、今度も501はグダグダグダ。クリケットはそこそこトリプルにも入り、10Rで勝利。おかしい。明らかにおかしい。

それはそうと、準決勝で早々と身内同士の対決となってしまった。対策を考えたいところだけれども、とにかく01がダメなのでクリケットで…といっても、もたぃさんにはクリケットで勝ったことがほとんどないわけで、これまた微妙。


6月26日(日)・準決勝

兄貴は危なげなく決勝進出を決める。組み合わせの妙か実力か、合宿が効いたのかもしれない。一方こちらは身内同士の争い。いつものメンツだしリラックスして投げられると思いきや、お互い割とピリピリムード、ガチンコならではの空気になる。

501は相変わらずのグダグダっぷりで、160残ってるところをアウトされる。いやー全くお話しにならないですよコレ。というわけでクリケットは先攻。20に2本マークしたところまではよかったが、なぜか18に一本入ってしまう。もたぃさんも20に2本マーク。

次ラウンド、20をオープンしてプッシュに行くが失敗。もたぃさんも20クローズして終了。3R、18をクローズ&プッシュ、もたぃさん慌てず19クローズ。僕は引き続き18プッシュ、もたぃさん19プッシュ。

ここで大体の方向性が決まってくる。相手がミスするか自分がトリプルやダブルに放り込んで相手を一気に突き放さない限り、相手がオープンしているところを閉じにはいけないし、新しいところをオープンにもいけない。そして相手がトリプルに入れれば、こっちもトリプルにという展開になると、これはもうノーガードの打ち合いになる。

そして僕ら2人はその方向性に決定。クリケットなのにお互い20と18、20と19だけをマークした状態で、ひたすらプッシュにいく。いわば足を止めての左ローキック(19)と右フック(18)の打ち合いだ。お互いどんどん点数は高くなっていくが、致命傷には至らない。

ギャラリーも盛り上がって来て、僕は「マスター!BGM、アリスの『チャンピオン』にして下さい!」なんて軽口を叩くくらい楽しんではいたのだけれども、19Rでお互いの点数が並び、20Rは痛恨のシングル1本キープでストップ。この時点でもたぃさんが1発でも19を入れれば負けが確定。息詰まる一瞬の後に勝敗は確定。さらにダメ押しのトリプルも入れて、完敗を喫した。

というわけで、僕のトーナメントの結果は準決勝敗退というなんとも微妙な結末に…終わらなかった。そう、ルーザートーナメントで三位決定戦が残っていたのだ。


6月26日(日)・ルーザートーナメント準決勝

ここで少しルーザートーナメントについて説明を。ダーツのトーナメントでは珍しくないルールなのだが、いわゆる敗者復活戦が用意されている。16人トーナメントの場合、1回戦敗退者同士で闘い、勝利した方は次に2回戦敗退者と闘うのだ。そしてこれに勝利すると準決勝敗退者、つまり今の僕と闘うことになり、最終的には別ブロックを勝ち上がってきた相手と三位決定戦となる。

そして僕のルーザートーナメント準決勝の相手は、またもやダーツ部のなぐくんだった。一回戦でマスターと接戦を繰り広げて勝利、二回戦では惜しくも敗退したものの、ルーザー勝ち上がりとの相手に勝利しての対面。正直結構ヤバい。

しかもこれに勝利した方はルーザー決勝(三位決定戦)を一回戦負けから勝ち上がってきたマスターとやるというのだから、さらにプレッシャーだ。またもや身内同士の対戦ということで、少々凹んだが、試合は試合。いざ尋常に勝負。

結果はからくもストレートで何とか逃げ切った。というわけで三位決定戦の相手はマスターとの勝負に。既におなかが痛くなってきていた。


6月26日(日)・ルーザートーナメント決勝(三位決定戦)

一回戦ではなぐくんに負けてしまったマスターだが、その後敗者復活第一戦第二戦三戦を余裕で勝ち上がってきた。日頃練習はしていないというマスターだが、それまでの試合を見ている限り、501でもクリケットナンバーに叩き込むという「実戦の中での練習」というレオン・グラシエーロ方式をとっており、つまりは準備は万端。体調も万全のようだ。

以前一度だけマスターに勝利したことはあるものの、その時のマスターは前日から寝ておらず、練習投げもない状態というバッドコンディション。参考にはならない。しかしながら、ダーツにハマったお店で、目標としているその店のマスターと、ルーザートーナメントとはいえ決勝であたるというのは、これ以上ないドラマチックな展開。

「揉んでもらう」ではなく、勝つ気でいかんでどうする!と自分を叱咤してルーザー決勝に臨んだ。ジャンケンで勝利し501は先攻。しかし相変わらずの絶不調で、なんとか20シングルをキープするのが精一杯。一方のマスターは危なげなく19狙いでトリプルにもダブルにも放り込む。あっという間に100点以上差が着く。

そのあたりで、ギャラリーから「マスター!牛出して牛ー!」とのリクエストがかかった。牛とはつまりブルの事で、TAURUSではインブルに叩き込むと牛が表示される。つまりブルに入れて見せろというリクエストだ。そこでマスターは「えー牛ー?はいー」と応え、19T狙いからブル狙いに切り替えた。



ちなみにまさにその瞬間を捉えた写真がコレである。




拡大。





かっちーーーーん。



御覧の通り相当怒っている。確かにマスターは余裕を見せつけられるほどの腕前がある。ブル狙いに切り替えて1Rは外したものの、2R目にはインブルに叩き込んできたのだ。しかしながらフィニッシュが見えてきそうな段階で、アレンジ度外視の余裕を見せつけられ、僕は正直カチンと来た。そこで僕も1Rブル狙いに切り替え、アウトブルに一発叩き込んで応じる。

結果的には、その後マスターも19に狙いを戻してアレンジをくわえてきたが、20Dを2発出したりしつつ、僕はなんとかバーストせずに追いつき、勝ちをひっぱりこんだ。続くクリケットは打撃戦にはならず、お互いにどんどんオープンとクローズを繰り返しつつ、17を確保してトリプルダブルに放り込んだ僕が有利になり、最後はインブルに叩き込んでブルをしめて勝利。2−0でマスターに勝利し、三位となった。


結果

さて、というわけで僕のデビュー戦の成績はルーザートーナメント優勝、総合では三位という結果になった。決勝戦はダーツ部エースのもたぃさんが兄貴をけちょんけちょんにして優勝。ダーツ部全体で見れば、1−2−3位を独占するという結果になったわけだ。

もたぃさんは何度も川崎Beeでトーナメントに参加、ダブルスながら優勝も果たしているし、兄貴も地元のトーナメントと川崎遠征経験もあるわけで、さすがの結果といえる。一方で僕の3位は「出来過ぎ」。

まぁそれでも自分のダーツがまるで出来ていないような状況でありながらも、そこそこの成績だったことは喜ぶべき事だし、それなりに伸びてきているのだろうとも思う。ともあれ、2月からはじまった僕のダーツライフは中間目標であるSure−CUPに好成績を残したことで、一段落したと考えている。


次の目標は、もちろん次回9月開催予定の『Sure−CUP7』。それまでにも、いくつか地元の大会などに参加して場数を踏みつつ、ダーツライブのレーティングもBBフライトくらいまでは伸ばしたいと考えている。

ダーツをはじめて約5ヶ月。こんな楽しいスポーツ、当分やめられそうにない。






3位の商品はペーパーシュレッダー(何故)。



ちなみに、これで一番最初に粉砕したのは、大会での運気を占う為に大会三日前に引いた



【凶】のおみくじでした。
(『勝負事…思い通りにいかず』、当たってたよ…うん…)



[ 2005年06月30日-10:52 ]