じーらぼ!言戯道場 (G-LABO Gengi-DOJO) 管理人:みやもと春九堂(しゅんきゅうどう)


【過去のつぶやき】
 2005年02月の【家元のつぶやき】のバックナンバーです。

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2005年02月のバックナンバー

宣戦布告。(2005年02月01日-20:02)
進軍ラッパの音が聞こえる。(2005年02月03日-04:00)
チープシアターシンドローム。(2005年02月07日-09:16)
我が名は「暗殺者」…?(2005年02月09日-17:01)
陰気な計画。(2005年02月12日-03:30)
あまりしたくない結果報告。(2005年02月14日-21:30)
きっかけ。(2005年02月16日-15:13)
奇跡の瞬間。(2005年02月17日-21:12)
遊び呆ける週末。(2005年02月19日-10:09)
家族が増えたよ!(2005年02月20日-21:59)
プロレス会場へ行こう! -1-(2005年02月21日-19:10)
プロレス会場へ行こう! -2-(2005年02月22日-20:14)
プロレス会場へ行こう! -3-(2005年02月23日-21:14)
小さな咳ひとつ。優しかった手の記憶。(2005年02月28日-05:39)


宣戦布告。


「はやいもんでもう2月か」
「うん、1月はあっという間に終わったなあ」

「バレンタインデーというヤツが近いな」
「その前に節分だろ」

「チョコレートかあ」
「いや、豆と太巻きだろ」

「いっぺんでいいから鼻血出すほどチョコレート喰ってみたいなあ」
「買って喰えばいいじゃないか。好きなだけ。ロッテでも明治でもゴディバでも」

「そんなもん喰ってなんか楽しいか、お前」
「別に、俺チョコ好きじゃないし。もらえないのわかってるからどうでもいいし。欲しくもないし」

「うわ冷めてんなー。お前はもう男子として終わってるよ。バレンタインチョコってのは女子からもらってなんぼだろう」
「今時男子女子ってねーだろ男子女子って。久しぶりに聞いたぞ、その男女別呼称。社会に出て何年だよ」

「うるさいな。とにかく俺は女子からチョコが欲しいんだよ。それも本命のチョコだ。それをこう、もがーって頬張って鼻血出るまで貪り尽くすんだよ」
「頬張って鼻血といえば、自慢じゃないが、俺は太巻きを喉の奥までかぶりつき過ぎて呼吸困難になってな。なぜか鼻血出したことならあるぜ」

「確かに全然自慢にはならないけど、それは豪快だな」
「だろ。ちょっとした大惨事だったなアレは。節分の日に、恵方に向かって鼻血こぼしたヤツはなかなかいないと思うぜ」

「複数いても困るけどな。恵方に鼻血ってめでたいんだかめでたくないんだかよくわかんねーし」
「まぁそういうわけでな、チョコなんかどおってことねぇってことだよ」

「ああーチョコ欲しいなあー!」
「お前俺の話、全ッッッ然聞いてないだろ?」

「うるさいな、チョコ欲しいんだよ!チョコだよチョコ!チョコチョコ!!」
「オレオレ詐欺か、お前は」

「あーもしもしオレオレー。ちょっと事故にあっちゃってさー。チョコがないと困るんだ。指定する私書箱に送ってくれないかなあ」
「なんか微妙にマジっぽいのやめろよ。そもそもチョコがないと困る事故ってなんだよ」

「うるさいなあ!俺はチョコが喰いたいんだよ!チョコーッ!!ショコラーッ!!チョコラトーレーッッ!!」
「うるっせえなあ、そんなに欲しけりゃ俺がくれてやるよ!!」

「ああくれよ!!!この際くれよ!!!」
「よおし、どんな際なんだかわかんねーけどな、覚悟しとけよ!!本命だぞ本命!!!!」

「どんと来いってんだよ!!!!!」
「目にモノ見せてくれるわ!!!!!」



ついカッとなって、こんな会話を先日知人(♂)と交わしたのですが、バレンタインデー当日に『勢い余って、うっかりベッドをともにする』なんてことはないように心底気をつけたいと思います。



本命ってなんだよ本命って。
(どちらが僕の発言かは…まぁアレだな、ウン)



[ 2005年02月01日-20:02 ]  



進軍ラッパの音が聞こえる。


これまでの顛末。

本日夜半過ぎ、ヤツから電話有り。明日の節分本番に備え、コンビニで買った太巻きで食事中だった僕。モシャモシャと太巻きを頬張りながら「おうなによー」と応対。

で、開口一番のヤツの発言。


「なあ、予算上限いくらまでにする?」


僕が咀嚼中だった太巻きを噴出しそうになったことは云うまでもない。それも云うまでもないのだが、ヤツの本気っぷりと、いつのまにか「チョコ交換会」に勝手に発展していることにも噴出しそうになった。

万ものツッコミが頭の中をぐるぐるぐるぐると回る。しかし結局、太巻き噴出欲求をなんとか抑え込んだ僕の口から出た言葉はこれだけだった。


「キメなくていいんじゃね?」


おかしかった。

明らかにおかしかった。

「おいおい、お前本気だったのかよ」「なあ、そろそろ俺ら三十路なんだぞ?」「いやいやチロルチョコとか、高くても板チョコとかにしようよ…」

用意したはずの言葉は、どれも出てこなかった。まるで出てこなかった。ヤツも「そうか、そうだよなー」と納得してしまっていた。


電話を切る間際、ヤツはこう云った。そして僕はそれを聞いて暴走する機関車にはブレーキがないことを知ってしまった。そして目一杯釜に木炭をくべてしまったことも。


「OKOK。じゃ、制限ナシってことで。いやーゴディバって結構すんのな。ほんじゃねー」



ゴディバってなんだゴディバって。

(完全にチキンレースになってきましたよ…)



[ 2005年02月03日-04:00 ]  



チープシアターシンドローム。


今更いうまでもなく、僕はデブである。

どれくらいデブであるかというと、おおよそ『実重百貫デブ(1/3モデル)』というくらいのデブである。これがどれくらいの重量になるのかは各自で調べて欲しい。

そんな僕であるから、人並みはずれて身体もデカい。身長こそ173cmほどしかないのだが、横幅と奥行きがあるのだ。

さらに冬の時期というのは冬眠こそしないが、着ぶくれをするので、さらにデカくなる。どれほどデカくなるかというと、コート着用時にはJRの3人がけの席ならば、僕が座ったらあと一人しか座れないというくらいのデカさだ。本当に申し訳ないと思う。


そんな僕であるが、先日、ひょんなことから映画のお誘いを受けた。お仕事での試写会とかそういうわけではなく、プライベートでの映画鑑賞に誘われたのだ。しかも嬉しいことにお相手は妙齢の女性である。

これは世間一般でいうところの「おデート」というヤツではなかろうかと胸をときめかせたりもしたのだが、行く先の映画館を知って愕然とし、そして呆然とし、最終的には断腸の思いでお断りすることにした。

僕如きの為に随分と「そんなこといわずに…」「えー…だめなんですか…」などと食い下がって(?)くれたのだが、僕には断らざるを得ない事情があったのだ。まさに断腸の思い、血の涙とか鼻血とか色々なモノを流しながら苦渋の選択とか号泣しながら馬謖を斬るというくらいの勢いで断ったのだ。


僕は映画が好きだ。むしろ大好きだ。金のないガキの時分から映画の面白さに取り憑かれ、テレビ放送の映画は全て欠かさずチェックしていた。レンタルビデオという文化が出来てからは、ものすごい勢いで小遣いを放り込んだ。

その熱は1991年、つまり高校生にあがるまで続いた。なぜ突然冷めたかといえば、高校からは映画ではなくアニメとエロゲーにずっぽりハマってしまったからというわけであり、別に映画がキライになったわけではない。

しかし僕はある時から劇場に映画を見に行くことがほとんどなくなった。落ち着いてみられない、好きなときに席を立てない、レンタルに比べて高すぎる、気に入った映画はDVDで手元においておきたい…そんなものが僕の用意したエクスキューズだった。

だがこれらはエクスキューズというよりは詭弁だ。だから例外として映画を劇場に観に行くこともあった。つまり映画館に行きたがらない本当の理由は別にあるのだ。


本当の理由。それは「席の狭さ」、それに尽きるのだ。

古い映画館というのは古い日本人サイズに座席が作られている。太っていなくとも背が高く身体が大きい人も狭さを感じるだろう。年々増してゆく日本人の平均身長にそぐわないサイズの設備なのだ。ましてや33.3333貫デブとなると、まず座るのも一苦労といった状況になる。

さらに映画館の椅子には肘掛けもついている。リラックスして鑑賞する為の設備なのだろうが、僕にとっては腰骨と脇腹を締め付ける拘束具兼拷問具でしかない。まさに要らぬ気遣いである。殺す気か!と思うことさえあるほどなのだ。

さらにあの狭い感覚での席配置も困る。足が長く無くても胴体やケツの厚みがあれば、自然と足は前に出てしまう。それだけでも窮屈きわまりないというのに、そこを人が通るなどということになったら、まさに進退窮まった事になってしまう。

長いだけの足ならば体育座りのように足を曲げれば、通路を確保できるだろう。しかしながらデブの場合はそうはいかないのだ。そもそも体育座りのように膝をあげようにも腹がつかえてしまう。そもそも足だけでなく胴体からケツまでが「みっしり」状態なので、膝を曲げるだの足をあげるだののスペースなど存在しないのだ。

そこを何度も通られたりしようものなら、いちいち席を立って荷物をよけて席を畳んで、空いたスペースに立ってやり過ごすということを繰り返さねばならない。これは苦痛と屈辱以外のなにものでもない。

そういうわけで僕は最新設備で椅子がやや大きく、通路も広く、席間隔も広いという映画館でなければ出向かないことにしているのだ。立ったり座ったりが面倒くさいだの席が狭いだのだけなら構わないといえば構わないのだが、笑えないことに世の中には『エコノミー症候群』なるものがある。狭い席にデブを押し込んで数時間身じろぎもせずにおかせるということは、デブにとってはリアルに命に関わる問題、まさに死活問題なのだ。


そして今回お誘いいただいた映画は、都内某所にある単館アート系のこじんまりとした映画館のみで限定上映されている映画だったのだ。しかも上映時間も普通のハリウッド映画の2時間サイズの尺ではなく、余裕の3時間オーバーの作品。

ハコに応じて席数も少ないのだが、ハコが小さすぎて席も小さく、座ったが最後まるで身動き出来ないことは確定。そんなところで3時間以上もギチギチに固定されていようものなら、エコノミー症候群まっしぐら、ブッチギリでネコまっしぐら、お先真っ暗である。

そんな事情があって、僕はお誘いを辞退した。辞退せざるを得なかったのだ。しかも「デブ過ぎて死ぬのでいけません」とは云えないし、事情を説明してもわかってもらえないだろうから、辞退の文句も非常に歯切れの悪いことになってしまった。

それに相手は映画に誘っているのであり「映画はあわないので他の事を…」と誘いなおせるほど僕も厚顔無恥ではなく、相手にしてみれば「なんやかんやいって私とでかけるのがイヤなのねっ!」と受け取られても致し方ないといったところである。


デブであるばかりに映画にいけず、デブであるばかりに「それでも」誘ってくれる人の誘いを断ることになり、デブであるばかりに映画を観るのも命がけという悲しい事実。

「それじゃまた、日程があうときにでもお誘いしますねー」という台詞と共に切られた電話は、二度とかかってこないことを確信しつつ、僕はフテ寝すべく布団へともぐりこんだ。

バレンタインデーなるイベントを一週間ほど後に控えた、このタイミングでの出来事である。なんというか逃したフラグはデカい気がしてならない。



――世の女性の皆さん…デブを映画館に誘わないでやって下さい…。
(「フラグ」とかいう発想が既にダメ)



[ 2005年02月07日-09:16 ]  



我が名は「暗殺者」…?


人間勢い余ると怖いモノで。

先日お話ししたように、ダーツにハマりだした僕なんですが、そのハマりっぷりたるや一気に加熱しまして、マイダーツを購入するところからはじまり、遂に先日マイダーツボードまで設置してしまいました。

ダーツ競技は当然のこと厳格に設置方法がきまっていまして、ダブルブル(的の中心)から床面までの高さが173cm、ダーツボードの面からスローイングラインまでの距離は237cmとなっています。

しかしながら所詮家庭用の悲しさ、なおかつ狭い部屋ですので、そこまで正確には設置できません。というわけで「大体」なので、あくまでも基本練習用といったところです。

それにしてもマイダーツに、安物とはいえマイボードまで購入する熱の入り方は、唐突にマイシューズを買い込み、週末だけで1万円以上つぎ込んだボウリング以来。熱しやすく冷めやすい僕ですので、いつまで続くかは疑問ではありますが、それでも楽しんでいます。

なにしろボウリングに比べてダーツは1ゲームの代金も安いですし、体力をそれほど使わないので、割と何ゲームでも出来ます。少なくとも2日連続で合計20ゲームやって、気がついたら財布から1万円札が消えていた、なんてことはないわけです。


もちろんまだまだ全くの初心者である僕ですが、それでもごくたまに「あ、これ確実に狙ったところに刺さる」という集中した感覚が来ます。

野球などで投手や打者が「投げる前からストライクになる/打てるラインが空中に見える」というアレやら、格闘技者が「あ、この蹴り絶対はいる」と見えるような、いわゆる「ゾーン現象」というヤツですね。

集中力が研ぎ澄まされた、その瞬間の快感がタマらないわけです。なんかこう、脳内に色々なモノが多分どっぷんどっぷん分泌されている感じです。

よく映画なんかでスナイパーやハンター達が狙った獲物をヒットしたときに快感に打ち震えたりしていますが、その気持ちがすごくよくわかります。ですからボードに向かってダーツを構えて立った瞬間から、僕も気分はハンターやスナイパーって感じなんです(気分だけ)


マイダーツ(矢)は最寄り駅側のダーツバーで購入したのですが、名前がふるっていまして、その名も「アサッシン(暗殺者)」というのです。数あるダーツの中から選ぶにあたって、ほとんどこの名前で決めたといっても過言ではありません。なんかカッコイイじゃないですか!(小学生レベル)

そもそもアサッシンとは「ハシシ(大麻)」から来ていまして、インド産の大麻を吸わせた上で文字通りの酒池肉林を味あわせ、クセになったところで暗殺を成功させれば、また酒池肉林ラリパッパ天国に連れてってやるぞと唆して、暗殺者を仕立て上げたという話に由来するそうです。

そう考えると、脳内になんかいろんなものが分泌されて集中しまくりで、その感覚がタマらないというか、それがクセになってダーツにハマっている自分を振り返ってみて、かすかなシンパシーを感じたりもします。


実際、マイダーツ選びをしているときに、この「アサッシン」を手にとって、そんな感じのことを考えて「よおし、ハシシなアサッシンになるくらいバシバシ投げ込むぜよ!」と一人悦に入っていたのですが、一緒にいたこの野郎

「アサッシンか…英語の綴りだとASSASSIN…ASS(尻) ASS(ケツ) IN(入れる)だな…(−_−)」

などととんでもないことを云いやがりまして、ついつい僕も「ああ、狙うのはブルズアイ(雄牛の眼=ダーツボードのど真ん中)だが、見ようによっては…な…( ̄ー ̄)」などと応えてしまったんです。

おかげで僕の「暗殺者」は、購入前の段階から「ケツを狙うナニカ」にジョブチェンジですよ。なんというかツーといえばカーといいますか、阿といえば吽といいますか、ヤツとの十年来の付き合いを、これほどまでに後悔したことはありません。

後日購入したEボード(自動でカウントしてくれる電気式のダーツボード)は、ゲームセレクト中や当たり所によっては「ダボー!」とか「トリポー!」とか陽気な外人男性の声で叫んでくれるのですが、その中でも、ブルズアイに刺さった時の「ブルズアーイ!!」というとびっきり嬉しそうな声がなんとも微妙でして…。

刺さるたびに「アス・アス・インが刺さったんだ…ど真ん中に…刺さっちゃったんだ…」と複雑な気持ちになって、素直に喜べずにいる僕がいます。



もし今後読者の方と一緒にプレイする機会があった場合、僕のダーツがブルズアイに刺さったとしても、男性の方は「うわーすごーい」とか「こんなの初めて(見たー)」などの歓声は、くれぐれもご遠慮下さいますようお願いいたします。
(その内「アス・アス・イン」で投げるタイミングをとったりして…)



[ 2005年02月09日-17:01 ]  



陰気な計画。


いやはや、またまたダーツのお話で申し訳ない。

というわけで、目下ダーツに大ハマリ中の僕ですが、すべからく上達するには、なんらかの目標があった方が上達が速いという事もありますので、一応目標を持って取り組んでいます。

といってもカウントアップ(3投8ラウンド=24投した得点を合計するだけの一番簡単なルール)で600点台を出すとか、そういう目標ではなく、もう少し大きな(?)目標です。といっても大会に出たいとか、そこまでの大きな目標ではないんですけどね。

僕のダーツの目標。それは『ダーツバーデビュー』なんです。


いや、既にダーツバーには行っていますし、僕がダーツにハマるきっかけとなった池袋のバー『sure』も当然ダーツバーといえばダーツバーなのですが、そうではないんですよね。

ぶっちゃけた話、今ダーツというスポーツは流行らしく、至る所に『スペクトラム』というダーツマシンを設置してあるお店があります。ゲームセンターやカラオケボックス、マンガ喫茶やビリヤード、ボウリング場なんかにも置いてあったりします。次いで多いマシンが『ダーツライブ』ですかね。

で、そもそもは『sure』のように「バーにダーツマシンが置いてある」という、あくまでもバーが主で、ダーツは従というところからはじまったわけですが、流行にあわせた結果なのでしょう「ダーツが多く設置してあるお店に、バーカウンターもある」という立場逆転したお店が増えてきたのです。で、それが僕のいう「ダーツバー」なんです。


例えば首都圏を中心に展開している『バネバグース』や、『Bee』なんかは、その最たる例でしょう。パセラ系列の『ロスカボス』も、そんな感じといえばそんな感じです。

で、僕の地元であるさいたま市は大宮にも『Bee』が出来たというので、一度覗いてみたんですよね。そしたらまーなんつーんすか、オサレなんですよ、オサレ。店内もオサレなら店員もオサレといいますか、こう

「週末はクラブでアゲアゲ。好きな音楽?ダブとか、ちょっと前ならトランス?え?将来?フランス人かブラジル人になりたいね」
(※個人的偏見と誤った情報によって構成されたイメージです)

という感じなんですよ。

『Bee』なんていう名前だからって、迂闊に『合い言葉はー?!』なんてオタクボケも出来ないような雰囲気なんです。リュックに靴ひもで鈴結びつけてる場合じゃねえって感じです(過去の痛々しい傷跡がアレなのでピンと来た人も深くツッコまないで下さい)

で、そんな場所ですから、客層もやっぱりこう、どこかオサレ。間違っても僕みたいなキモデブがヘタクソなプレイをしていい場所ではない感じなのです。とてもじゃないですが、こんな場所で練習なんて出来ません。オサレスタッフやオサレ客に囲まれてボコボコのサラシアゲアゲにされます(意味不明)


そんなわけでして、まずは自宅での投げ込み練習を行い、そこである程度納得できる形になってきたならば、次には地元の寂れたマンガ喫茶やビリヤード場のダーツスペースの古いマシン(『タウロス』というマシン)で練習をして、そこで結構成績が伸びてきたら、ようやく地元周辺のダーツバーにデビュー。そしてその先に初めて首都圏デビューしよう、というわけなんです。

というわけで、少なくとも狙った時以外で1〜6に投げ込んでしまっているウチは、自分からダーツバーなる場所に足を踏み入れることはしないつもりでいます。

いや、もっとハードルをあげて、カウントアップでいつでも450以上…いや500以上とれるようになるまでは行きません(現状では永久に無理そう)

つまり別の言い方をすれば、僕のようなキモデブでも、それくらいのスコアを出せる腕前になれば、ダーツバーに存在することも許されるのではないか、と、そんな風に考えているわけです。

いや、大会に出たりすることを前提にひたすら自分のスコアを上げることだけを考えるならば、そんな目標は必要ないのでしょうが、やっぱり「娯楽スポーツ」ですから、薄暗いプレハブ建ての寂れたビリヤード場の片隅で黙々と投げるのではなく、賑やかに楽しみたいじゃないですか。

それにダーツバーは流行のスポットですから、ピ、ピチピチ?なギャ、ギャル?、えーとそのほら、いわゆる一つの、そのー、アレだ、女性客とかも多いわけですよ!

それで、仮に僕がとんでもない腕前になって、一人でストンストンダブルブルやら20トリプルを連発したりしていたら、「お上手ですねー私達初心者なんですけど、おしえてもらえませんかあー」なんて事になったりするかもしれないじゃないですか!

そしたらもうアレですよ!バンバン教えてバンバン上達しちゃって、最終的にはハートのダブルブルにナイスダーツ!みたいな!みーたーいーなー!(誰か猟友会呼べ)


まぁそんな目標や欲望や野望や妄想は果てしないわけですが、現状の僕はといえば自宅練習で投げる度にマイダーツボードにダーツが刺さらないで跳ね返っては落下し、腐海と化している床に紛れ込んでしまい、その中を探し回ることに時間を費やしている毎日(明らかに投げている時間より探している時間の方が長い)。お店で投げてもカウントアップのスコアはギリギリ300くらいが平均という程度の腕前です。



このままのペースだと普通に考えて、首都圏ダーツバーデビューをする前に、いや地元のダーツバーデビューの関門を越えるより前に今のダーツブームが終わってしまいそうです。
(まぁブーム終わっても続けるけどね…)



[ 2005年02月12日-03:30 ]  



あまりしたくない結果報告。


あまり多くを語りたくないので、今の気持ちを歌にしてみました。アコースティックギターのカントリー風バラードです。切なく歌い上げます、聞いて下さい。

曲名は『カウント2.14』、副題は『バカ達のバレンタイン』です。



カウント2.14
〜バカ達のバレンタイン〜


作詞作曲:みやもと春九堂




あの頃の俺たちは 何かに向かって

いつでも 息を切らし 走っていた


雑踏にさえぎられ 壁にぶつかって

それでも 前を向いて 走っていた


勢いと 若さと 友情だけが

俺たちの ほんの少しの 財産だった


だけど 時は流れ 今

俺たちは すこし大人になったのだろう


oh my best friend

財布の中には

少しばかりの自由にできる金があったから


oh my best friend

お前はゴディバで

俺は銀座和光のチョコを楽天で買った



(間奏)



「いつまでも若くないから」なんてお前は

うつむき加減に 酒のグラスをおいてつぶやく

「バカだな、そう簡単にかわるかよ」

俺は笑って そっとお前の肩を叩いた


だけど それはそれ これはこれだろう

なんで 二人とも こんなに散財してんだ


お前 来年の春 結婚すんだろ

てゆーか マジで領収書とかいいから


oh my best friend

チョコレート如きに

6000円とか普通にありえないだろ


oh my best friend

そういう 俺のも

送料込みで軽く7000円とかしたけど



oh my best friend

「本命だから」とか

時期が時期だけにマジでやめろよ洒落にならねえ


oh my best friend

「あ、今更だけど俺ホモじゃないから」とか

わかってるから 余計にツッコミずれえんだよ



oh my best friend

家路を行く人の中

チョコレートの包みを持った俺は途方にくれてる


oh my best friend

もう二度とやらないぞ

勢いだけで 男同士の チョコと意地の張り合い



No more Valentine...

LaLaLa LaLaLa La La La...


No more Valentine...

LaLaLa LaLaLa La La La...





二度と、二度とこんなバカはしません。
(…ゴディバのチョコセット美味しいけどね…)



[ 2005年02月14日-21:30 ]  



きっかけ。


それは、そろそろ仕事を一旦しめてベッドに潜り込もうとした早朝の出来事でした。

寝る前にタバコの煙が充満して空気状態が最悪になっている室内を換気しようとした僕は、窓を大きく開けて、外の空気を室内に流し込みました。

雪が降ることを感じさせるような冷たさ。そんな凍てついた空気を胸一杯に吸い込むと、その清浄さに体中の血液が一瞬にして活力を得たようにさえ感じます。

「新都心」なんて言われながらも田舎の面影を残す地元。昼夜を問わず大型トラックが走る国道からも少し離れた僕の家の周りは、まだ起きる気配を見せず、夜の延長線上を静かに歩いているようでした。


十分に満足した僕は、清浄な空気と引き替えに部屋の温度と体温とを少し失って、二・三度身震いすると慌てて窓を閉め、布団に潜り込みました。

それから寝返りを二度。あくびの後に吐き出した息の色が白いことに驚いて、もぞもぞと布団の中からエアコンの暖房に手を伸ばしたのです。

温度設定をして作動ボタンを押すと、既に十年選手となったエアコンの室外機が動作を始めます。ファン周りに電気が流れてゆっくりと回り出す音。部屋からガラス窓一枚隔てたところにある室外機のその低音は、まるで大昔の「デンキキカイ」のようです。

「寒いし、はよう部屋を暖めてくれー」

そんな独り言を、鼻まで被った布団の中で呟いた僕は、室外機の低音がいつもと違う事に気がつきました。

確かに十年選手のエアコンです。オマケに極寒の外気にさらされていますから、動きも鈍いでしょう。低いモーターの唸りのあとに、まるでようやくといった風情で回り出す洗濯機の脱水槽のように振動することもあるのです。

でも、その時は明らかに違いました。室外機の振動音にしては明らかにデカイ音なんです。一つの予感がひらめいた僕は慌てて布団をはねのけ、ベッドから両足を揃えて飛び降りました。

そしてその瞬間、僕の住む埼玉県南部を震度4の地震が襲ったんです。まさにジャストタイミングでした。

部屋に拳法で言うところの右前中段構えから八相構えになり、不安定なところに積んである雑誌類や、積ん読タワーを左右の手で抑えました。


揺れる部屋。

揺れるPC。

揺れるドットインパクトプリンター。

揺れるデュアル液晶モニター。

揺れる「将太の寿司(文庫版全22冊)」タワー。

揺れる週刊プロレスバックナンバータワー。


そして、それらを冷静な表情で抑えるクマ。
(しかも揺れに強い拳法の構え)


パネル工法一戸建て三階屋根裏部屋の僕の部屋は、震度4レベルとはいえども、非常に大きく揺れます。笑い事じゃありませんが、かなりシュールな映像だったと思います。


随分長く感じましたが、時間にして数十秒程度の事だったのでしょう。倒れてくるモノはないので、後は家が崩れなければ死傷するようなことはなかろうと、妙に悟ったというか覚悟完了していたというような心境だった僕は、揺れが小さくなってきてから、極めて冷静にTVのリモコンに手を伸ばしてNHKをつけました。

ちなみに1−3−4とチャンネルを変えたのですが、一番報道が速かったのは日本テレビで、次いで速報がNHK教育テレビに映り、専門番組がNHK総合テレビに映りました。

関東にこれだけ強い揺れとなると、考えられるのは千葉県が沈んだか、茨城県が割れたかと思っていたのですが、ようやくして震源地とマグニチュードなどが表示され、大事には至らなかったことに胸をなで下ろした次第です。


それにしても、全てが終わった頃にはエアコンで部屋もあたたまっていたわけですが、なんといいますか、エアコンのスイッチを入れた瞬間に地震の兆候があり、ベッドから飛び降りて着地すると同時に地震発生。

なんでしょう。タイミング的に地震のスイッチON(エアコンのリモコン)&地震を引き起こした(ベッドから飛び降り)のが僕っぽくって、なんかこう、申し訳ない気持ちになってしまいました。



でも、だからってケータイのメールで「今ジャンプしなかったか?」って送りつけすぎですよ!!全国の友人諸君ッッ!!
(心当たりがあるだけに「うん、ごめん」と返信)



[ 2005年02月16日-15:13 ]  



奇跡の瞬間。


相も変わらずにダーツにハマっています。

そして遂にEボードでは物足りずに練習用にブリッスルボードを買ってしまいました。

簡単に説明しますと、Eボードとはエレクトリックボードの事で、投げたところの得点を自動的にカウントしてくれるボードです。

仕組みを簡単にいうと、ボードの得点エリアに圧力感知装置がついていて、ボードにダーツが当たると、その部分が圧力を感知して得点を計算するというわけです。

ですからぶっちゃけた話が、指で押しても得点になりますし、ボールを投げつけても得点になります。そんなことをやっても練習になりませんので、もちろん無意味ですが。

んで、ブリッスルボードとは麻の繊維などを圧縮して整形したボードで、通常はハードダーツ(先が針になってるやつです)の的として使うのですが、先が樹脂製の針になっているソフトダーツと共用のモノもあるのです。

ちなみに僕がハマっているのはソフトダーツ。ソフトダーツ用のボードは盤面に細かい穴がびっしりと開いていて、ダーツが「突き刺さる」というよりは「穴にめり込む」ことで的に刺さるという仕組みになっているわけです。だから余計に「アスアスイン!」とかそういう表現はマズいわけですよ奥さん!!(奥さん?)

んで、家庭用のEボードはとにかく当たった時の音がうるさい。どれくらいうるさくてどんな音がするかといえば、壁に向かって樹脂製のペンケースを投げつけたような感じでしょうか。業務用のマシンとは違って消音が施されているわけではなく、固定も甘い(というか僕のところは吊してあるだけ)ので、当たり前といえば当たり前です。

加えて刺さりが甘く、ダーツが跳ね返ることもままあります。でも、これは相性のいいチップ(ダーツの先端の針部分)を選んで、高いボードをしっかりと壁に固定すればそこそこ問題ないようです。


で、ブリッスルボードといえば麻に「刺さる」わけですから、音は小さく、跳ね返りもほとんどありません。そしてソフトダーツのチップでも刺さりますし、刺さった穴も細いチップを使えば、正直あまりハードダーツの針と変わりありません。つまり投げる練習をするだけならブリッスルボードの方がいいわけです。

しかし僕は自動的に得点を計算してくれたり、01やクリケットなどのさまざまなルールを学ぶ為にも良かろうと、Eボードの誘惑に負けて格安のものを購入してしまったんです。

いや、それはそれで後悔してはいないのですが、ボードに向かってダーツを投げるたびに跳ね返るわけで、投げ込み練習をするはずが拾ったり部屋の腐海に飲まれたダーツを探す時間の方がよっぽど長いという不思議な事態になりましてねー。さすがにいい加減業を煮やして、ついにブリッスルボード購入に踏み切ったわけです。

それからはもう、毎日毎日投げ込んでいます。跳ね返る確率は5%あるかないか程度ですから、これが実に気持ちが良いのです。

オマケにあわせて新しいマイダーツも購入してしまいました。これが最初に買ったストレート型のアサッシンとは違い、頭の方が太くなっている、いわゆる魚雷型というタイプなんですが、投げる感触が微妙に違って面白いのです。

そういうわけで、現在どっちがより指になじむか、投げやすいかということを考えながら、ダーツの形に見合ったグリップとフォームを試行錯誤しながら投げ続けているわけです。


さて、ダーツのルールで最も簡単な『カウントアップ』というゲームは、1R3投で8R、つまり24投した時の点数を競いあうものです。

ダーツのボードには1から20までの数字があり、それぞれの数字の外周と内円にダブル・トリプルという、その数字が2倍・3倍になるゾーンがあります。そして盤の中央にある二重円は、ブルズアイといい、外側が25点、内側が50点という計算になります。

つまり最大の数は20のトリプル=60×3投×8Rですから、1440点になるわけです。もちろんそんな数字を出すなんて神以外に有り得ないわけですが、やはり誰しも高みを目指したいもの。カウントアップルールでは20のトリプルゾーンを狙うのが定石となっています。

一つの数字エリアの、さらにトリプルゾーンを狙うなんて非常に難しいのですが、仮にトリプルに入らなくても3投すべて20に入れば、20×3で60。さらにそれが8R続けば480点と、なかなかに好成績になるわけです(あくまでも僕のレベルでは)


そんなわけで、20に向かって狙って投げるという練習を繰り返しているのですが、ここで重要なのがボードの20エリアの左右のエリア。20に隣り合っている数字は、なんと1と5なんです。

つまり、20狙って投げて、数センチ左右にズレたら一気に地獄に落ちる仕様。大きい数字を狙う為にはリスクが高くなるように設計されているわけです。これだからダーツは面白い。


僕はダーツ投げる時、精神を集中して頭の中に聞こえる「タワシ!タワシ!」という雑音を消し、無心になって投げるよう努めています。

そして今はリズミカルに同じテンポ、同じタイミング、同じ動作で、同じところに投げ込む練習をしているので、尚更に無心になって6本のダーツを連続で投げ込んでいます。

というのも「実戦では三投目が一番集中が途切れやすいので、1Rあたりの集中力を強化する為に3本以上を連続して投げる」というのが狙いなんです。

このように同じところにダーツを集中させることを「グルーピング」と呼ぶのですが、これが実に難しい。しかしこれがある程度習得出来なければ、いつまでたっても野望は達成出来ません。ひたすら練習あるのみなのです。


そして昨晩遅くの事。苦戦に苦戦を重ねた結果、遂に僕は初の6本全てを一つのエリアに投げ込むことに成功しました。まだまだ未熟ですし、最後の最後でちょっとだけ集中力が途切れて、同じエリアでも隅の方に投げ込んでしまいましたが、それでもこれは僕の中では一つの大きな成長です。

嬉しくなってついついケータイのカメラで撮影してしまいましたので、お恥ずかしいながらも公開させてもらいますね!というわけで、僕のダーツ人生初の6本グルーピング達成写真です!






正面







アップ





き、聞こえる……。
「家元、ダーツ向いてないよ」という声が
聞こえるゥウゥッッ!!!

(驚異の合計7点(一本ダブルなので)。20エリアだったら120点)



[ 2005年02月17日-21:12 ]  



遊び呆ける週末。


私とて人間。いや、どちらかといえば「つまらない人間」ですから、些細なことでむしゃくしゃしたりすることもあるのでございます。

というわけで、金曜の昼間に少々プライベートで立て込んだ話があったりして、空腹によるものもふくめて致死級のストレス保持者になってしまった僕。

ため込んでおくのは性に合わないというか、ストレスが長引くことになってしまいますので、ついカッとなって適当に時間の合う人々を集めて池袋に繰り出し、飯&酒&ダーツ&カラオケというオールナイトコースを敢行して参りました。


んで。まぁ行くのはいつもの池袋駅の西北方面で、溜まるのはレストラン&BAR「SURE」なんですが、なんと今回はお仕事明けにも関わらず、僕のダーツのお師匠さんが「SURE」に来てくれたんです。

お師匠とはいうものの、mixiでコレはどうなんですかね?コレはどうすればよかでしょう?と訊ねてはアドバイスを返してくれるという、極めてネットユーザーらしい師弟関係なものですから、直接お会いするのは初めて。

そして当然直接指導して頂くのも初めてだったのですが、いやはや教え方が上手いのなんの、ネットで受けていた指導では、理解が足りなかった疑問部分を、全て解消してくれました。

かといって、それですぐすぐ結果が出るほど伸びるわけもなく、受けた教えを身体が覚えるまで繰り返して叩き込むしかありません。

つまり、ここから先は直接指導をしてくれた際の身体に残った師匠の感触や、瞼に焼き付けた師匠のフォームを何度も繰り返し脳裏で再生して、理想の姿を追い求め続けるわけです。よおし頑張るぞー!!



発言がいちいちアレっっぽいのは
使ってるダーツの影響による仕様です。

(投げるタイミングは「アス(構え)・アス(引き)・イン(投げ)!」)



[ 2005年02月19日-10:09 ]  



家族が増えたよ!


本日昼過ぎに上の姉が第二子を出産しました。三歳になった甥っ子の弟になるわけですね。

姉ちゃん本当にお疲れ様。にいさんも立ち会いお疲れさまでした。親父さんもおふくろさんもお疲れ様、ちびちゃん達にくれぐれも風邪うつすなよ!

ゆーたはこれから「おにいさん」だね。ちっちゃいあーちゃんと、今度生まれたしょーたのおにいさんだね。

ママがちびちゃんの方にかかりっきりになっちゃうから、少し寂しいかもしれないけれど、パパもじいじもばあばも、おじちゃんも、もちろんママだって、ちゃあんとゆーたのことが大好きだからね。


新しく家族になってくれたきみへ。


きみが大きくなったら。

生まれてくる前の夜には
雪が降っていたことを話そうと思っています。

それから、きみの産声が聞こえた頃には
止んでいたことも。

だから、きみは冬生まれだけど
きっと春を連れてきたのだと。



おめでとう、おめでとう。

ようこそ、この世界へ。

今は力いっぱい泣いてください。

それが一番最初のきみの仕事。

それだけでぼくらは幸せになれるから。



おめでとう、おめでとう。

無事に生まれてくれて、ありがとう。

たくさんたくさん楽しもう。

心からきみを歓迎します。

ようこそ、ぼくの新しい家族。



[ 2005年02月20日-21:59 ]  



プロレス会場へ行こう! -1-


久しぶりにサイトで告知しますが。2月25日(金)に水道橋は後楽園ホールにDDTを見に行きます。


初めてこの話題に触れる方も、ひょっとしたらいるかもしれませんので改めて紹介しますと、DDTとはプロレス団体です。トップページのオススメ欄にもある、伝説のゲイレスラー「男色ディーノが所属している団体です。

またがっちんがっちんのバッチンバッチンな格闘技がいい!という方にはあまりオススメできない、頭の中をカラッポにして、リング上で、いや試合会場全体で起こっていることを体感して楽しむという、エンターテイメント色の強い団体でもあります。

どのくらいエンタメ色が強いかというと、ディーノの存在自体が既にそうなんですが、他にも『学校へ行こう!』のパイレーツに登場する長州小力なんかより数百倍「長州力」しているオマージュレスラー(単純にコピーしているわけではなく、あまりにもそのレスラーが好き過ぎて、同化してしまったレベルのレスラー)泉州力なんてのがいたりします。

プロレス界のど真ん中を歩こうと旗揚げし、ど真ん中を突っ走り過ぎて最短コースの一年弱で崩壊した幻の団体「WJ」以来、新日本プロレスに出戻ってみたりハッスルに参戦してみたりと、後先考えない振り幅の広さで、妙な人気を誇っている長州力ですが、その人気にあやかってか、入場曲の「パワーホール」が鳴り響くと、ものすごい勢いで怒濤の「泉州」コールが試合会場を包み込みます。

さらに団体内に宗教組織なんてのもあったりします。その名も「蛇光(じゃひかり)」とかなりギリギリなところを鋭角についてきているのですが、宗教組織というよりはスーパー戦隊シリーズやらライダーなんかにでてきた悪の秘密結社風です。さらに教祖や構成員たちのドジっ子っぷりを考えると、タイムボカンシリーズの三悪じみた感じといえばいいでしょうか。

もちろん普通にハードヒットでテクニックの応酬を繰り広げるプロレスも展開されますが、基本的には「楽しさ」重視、そんな団体です。プロレスを見ていなくても、ルールに詳しくなくても、バラエティーショーライブをみるような感じで、頭カラッポにして楽しめる、そんなプロレス団体なのです。


んで、今回の興行タイトルは『Don't try this at home 2005』。会場は後楽園ホールで、試合開始は19:00となっています。試合カードはコチラとなっております。

各試合カードの流れなどは後日に回すとして、とりあえずDDTってなんじゃろうという感じでもなんでも、興味のある方はコチラからお申し込み下さい。なるべく近い席のチケットを確保します。


僕はかれこれ5・6年DDTという団体を応援してきているのですが、実は今後とあるプロジェクトを動かしていこうと思い、現状少しずつ動いていたりします。

これまでのプロレス観戦オフなどで通算合計100人近くを動員しているわけですが、どうせなら目標を大きく掲げてみたい。DDTを通じてプロレスの面白さをもっともっと伝えていきたい。そんな事を考えています。

なにがどうなるかは、まだまだ動き出したばかりなのでアレですが、乞うご期待!というわけで、次回へ続く!


[ 2005年02月21日-19:10 ]  



プロレス会場へ行こう! -2-


というわけで、先日に引き続き、今週の金曜日にDDTに行こうぜ!というPR気味な記事です。

んで、だ。皆さん今日は注意があります。本日の記事には当サイトにしては珍しく動画を用意しています。

そう、とにもかくにもプロレスというかDDTを知ってもらうには、動いているレスラーそのものを見てもらった方が文章で伝えるより手っ取り早いだろうという安易な考えの結果なのですが、ここまで辿り着くのにDDTを応援し始めてから5年近くかかってしまいました。

当たり前ですが、レスラーには肖像権がありますし、興行だけではなく、試合模様を放送したりDVDやビデオにして販売するという方法でプロレス団体は収入を得ています。それを勝手に放送するのは当然非常に問題があるわけなのです。

手前味噌というか手柄話をするようで恐縮なのですが、僕は専門誌やCS放送のファイティングTVサムライでDDTを知ってから、ちょくちょくと試合会場に観戦に行き、そしておはら汁の荒井氏を通じて、リング外の場所でMIKAMI選手と出会い、イベントを開かせていただいたりしつつ、プロレス観戦オフなども開催し、今年になってようやくDDTの本丸に辿り着きました。

つまり、簡単にいいますとエライ長い道のりを歩いて、ようやくようやく辿り着いた「オフィシャルな使用許可」を得ての動画資料の公開なのです。


いや本当に長かった――。

思えば2001年4月半ば頃「サイト上でDDTを扱っていいか、また画像などを使っても構いませんか」とオフィシャルサイトに問い合わせたところ、NOのお返事をいただいて項垂れたなんていう過去もありました。

それがようやく。ようやくの解禁というか、ようやくの「OK」のお返事。その時期から考えただけでも4年の歳月が流れたわけです…。


んで、とどのつまりが何が言いたいかっていうと、無断転載絶対禁止ってことと、サーバーから怒られるので画像に直リンクしないで下さいってことです。ホントに頼みます。いずれはDDT動画コーナーを、否、DDTやプロレス自体のコーナーを独立させますので!


というわけで、現在絶賛発売中のDDTのDVDシリーズから、今回は男色ディーノ選手の説明不可能な超絶男色技の数々を御覧いただきたい!!今回はまず4本を公開。その男色ディーノ初級編と思って頂きたい。

なお動画ファイルはWMV形式を用いている。その為、視聴するにはウィンドウズメディアプレイヤーが必要となるのでご注意を。それでは早速いってみよう。


死ね〜!
首投げから両腕を大きく広げ「死ね〜!!」と叫びつつ、がっちりとスリーパーホールドに行くセオリームーブかと思いきや、愛おしげに相手の身体を抱きしめまさぐるという驚異の技。精神的ダメージは計り知れない。なお、「もっと死ね〜!(相手をそのまま倒して膝枕)」「さらに死ね〜!(添い寝)」などへのコンビネーションムーブへとハッテ…もとい発展することもある。


男色クロー
プロレスをはじめ、あらゆる格闘技では禁止のはずの金的への加撃だが「ディーノだけは別」というかなんというかが非常によくわかる攻撃。大きく振りかぶった腕、その先の手は球体となった超人エネルギーを抜き去ろうとするかのような猛禽類の獰猛さを見せる。そして一気にゴールデンボールをポケモンゲットなみにがっちりホールド。かけられた相手はただただ悶絶するしかない。


男色スクリュー
スタンディングの男色クローから、一気に自分の身体を捻りあげるという荒技。元来は相手の蹴り脚をキャッチし、相手の膝を抱え込むようにしながら自分の身体を捻り上げるという、藤波辰彌の「ドラゴンスクリュー」を模したものだが、ドラゴンスクリューの使い手は多いものの、ここまでアレンジして使いこなす選手は他に類を見ない。握られた上に捻じ切られる…その痛みとショックは男性にしかわからないだろう。


男色ドライバー(生)
学生プロレスに連綿と受け継がれてきた伝家の宝刀「パンツドライバー」。それをプロのリングに堂々と持ち込んだのが、この「男色ドライバー」だ。普段は股間に「男」と書かれた伸縮自在のオーバータイツに(過去にスーパー宇宙パワーという選手に「オ前、パンツ伸ビスギダ!」と評された逸材)相手の頭部を押し込み、視界を奪ってからのジャンピングパイルドライバーを敢行するのだが、動画はアンダータイツ、つまり「生」の股間に相手の頭部を押し込むという荒技である。その破壊力の倍増っぷりはいうまでもないだろう。なお男色ドライバーは、倒れた相手にパンツをかぶせたまま、顔の上に覆い被さってフォールするというムーブまでで完了である。つまり「生」の場合は顔の上にディーノ様の…いや失礼。なんでもない。とにかくスゴイ技であることは理解して頂けただろう。


さてはて、そういうわけでして念願かなっての大公開第一弾はディーノ様入門編ということでお送りしました。楽しんでいただけたでしょうか?ここで注意しておきたいのですが、DDTは決して18歳未満立ち入り禁止とかそういうところではありません。

ですが、観戦ツアーに参加される方はくれぐれもディーノ様に軽い気持ちで迂闊に近寄ったりしないようにして下さい。本気で襲われます。女性の方も女性だからといって安心しないで下さい、ディーノ様は女性が大嫌いですから、それこそ何をされるかわかりませんので。

そしてお食事中に本日の動画を見てしまった方がいらっしゃいましたら、その方々には心より微妙にお詫びしつつ、明日はもっとヒドイので要注意と警告をしておきたいと思います。


念願かなっての動画資料の公開でしたが、問題がいくつか。一つには転送量の問題でサーバーから怒られないかどうかということと、動画の公開という程度の事とはいえども、はじめてをディーノ様に奪われたということです(限りなく遠い目)。
(…後悔なんか…し、してない…)



[ 2005年02月22日-20:14 ]  



プロレス会場へ行こう! -3-


というわけで昨日に引き続き、男色ディーノムービースペシャルをお送りしたい。

この企画は、今後明らかにするものではあるが、遙かなる野望を達成する為に、DDTの魅力を少しでも多くの人に知ってもらい、なおかつその興行に一人でも多くのお客さんを動員したいという趣旨で行っている。

しかしながら本日公開するムービーは、あんまりにもスペシャル過ぎて逆にヒくんじゃないかと思ったりもしている。それくらいスゴイのだ。といっても興行にいってライブで男色ディーノを体感したら、その衝撃はムービーどころの騒ぎではない。

だから僕は敢えて、そう、敢えてこのムービーを公開することにした。ダジャレではなく、今後後悔することになったりするのかもしれないが、もうすっかり覚悟は決めたのだ。すっかり覚悟完了なのだ。止めるな!!止めたら躊躇してしまうじゃないか!!大事なのは勢いなんだよッ!!


というわけで、本日は『男色ディーノ応用編』と銘打ってムービーを公開したいと思う。なお、ムービーには18歳未満禁止の内容は含まれていないが、根本的に男性の裸体やケツなどに拒絶反応を示す方や、ネタをネタとして受け入れられない方、頭コチコチのガチンコ好きな方にはオススメしないので、少なくともムービーリンクをクリックしないことをオススメする。あと食事中の方もパスした方がよろしい。

また、このムービーはDDTの承諾を得ての公開となっている。よって無断転載絶対禁止サーバー負荷軽減の為、ムービーへの直リンクも禁止とする。


さて、注意書きは終わった。

Do you 覚悟完了?

それではめくるめくディーノワールドへ往こう。




パイプカッター
ガットショット(下腹部への蹴り)からの連携で使うことが多いこの技は、知る人ぞ知る“ストーンコールド”スティーブ・オースチンの「ストーンコールドスタナー」が原型となり、なおかつその同系統の技であるダイヤモンド・ダラスペイジの「ダイヤモンドカッター」から派生したモノと考えていいだろう。簡単に解説すれば急所を鷲掴みにして、ヒップダウンすることにより、急所を根こそぎにしてしまおうという恐怖の技だ。リアルギロチンである。相手は自らもニーダウンする事でギロチンを避けるが、それでも着地の衝撃は緩衝しきれない。なお本技とは全く関係ない余談だが、パイプカットとは精巣から性器へのパイプを処理することによって根本的な避妊をする処置の事である。本邦では松方弘樹氏や大橋巨泉氏がパイプカットをしたとの噂が有名。


シャイニング・あてがい
ニーダウンした相手の膝をステップにして頭部に膝蹴りをいれるという武藤敬司の「シャイニングウイザード」はあまりにも有名になったムーブだが、ここまで変化させたのは彼一人。まさにディーノ様ワールド全開である。通常の「あてがい」は、コーナーに追い詰めた相手ににじり寄り、「寄るなー!」とばかりに放たれたパンチを、見事な腰のスナップでかわした上で、相手の顔面に股間を押しつけるという拷問技だが、この技はそれをシャイニングウイザード式に進化させたもの。相手の精神的ダメージは計り知れないが、自分の急所をぶつけて大丈夫なのかという疑問もある。しかしディーノ様は自らを「鉄の股間を持つ男」としており、かつての日米ゲイ決戦では、それを証明してみせた。つまりこの技の餌食になった相手は精神的ダメージの上に、鉄製の鈍器で打たれたかのようなダメージを受けることになる。恐ろしい。


男色ナイトメア
オーバータイツをずりおろし、ダウンした相手の上にまたがって、スクワット。つまりむき出しになった臀部を顔面寸前に繰り返しアップダウンさせる荒技中の荒技。眼前で上下し、またいつ直接落とされるかわからない状況は拷問以外の何者でもない。まさにナイトメア(悪夢)だ。選ぶ道はギブアップか、それとも…。学生プロレス時代からの基本ムーブであり、他に並んでダウンした相手の顔の上を次々とまたいで歩く「男色ウォーク」などの技もある。ちなみにマスコミ人で犠牲になった方も。


リバース男色ナイトメア
上記の男色ナイトメアで相手がギブアップしないとなるや、今度は向きを変えてスクワットをする。すると今度は顔面寸前に局部が踊ることになり、果てしなき悪夢に襲われることとなる。なおムービーでは伸脚運動になっており、正式な名称は不明。この技名は便宜上つけたものである。またタッグマッチなどでは夢中になってナイトメアを放つディーノ様にカットの急所蹴りやハイキックなどが放たれる。自然ダウンするディーノ様。しゃがみ込んだ先、否、下にあるのは…。続きはムービーを見て頂きたい。



というわけで、衝撃映像を含めて御覧いただいたわけだが、いかがだったろうか。これまで賢明に男色ディーノというレスラーの存在と魅力とをアピールしてきたが、どんなに文字で伝えようとも、ムービーが与えるインパクトには敵わないという結論に辿り着いてしまったような気さえする。

そして「文字<ムービー」ならば「ムービー<ライブ」となるはず。ならばこその『プロレス会場へ行こう!』という呼びかけなのだ。逆に「うへえー!」と引きそうなムービーを初っぱなに持ってきておいてナニをいうやら、という意見も聞こえそうだが、敢えて耳を塞ぐことにする。

25日後楽園ホールの観戦ツアーまであと1日。この短い間に出来ることはたかが知れているが、それでも明日もムービーを紹介したいと思う。また次回ビッグマッチは新宿クラブハイツなので動員は難しそうだが、翌4月には再び後楽園興行もあるかもしれないし、新木場の常打ち興行もある。DDTが止まらないように、僕も止まらない。やるとなったらやるのですよ!!

喩え「今回、家元が熱烈に応援する男色ディーノ選手の動画を観て、家元がノンケかクロかっていう長年の疑惑に一つの確信が生まれました」という婦女子からのメールをもらったとしてもッ!!ヴァぁあああぁぁぁあーーーーッッッ!!!!!(断末魔)
(5通も同じような内容のが…ね…)



[ 2005年02月23日-21:14 ]  



小さな咳ひとつ。優しかった手の記憶。


最近ダーツとプロレスの事しか書いていない気がします。

いや「気がする」ではなくて、本当にそんなのばっかりですな。ちょっとびっくり。そこまでダーツにハマっているのか僕は!ハマってます!!(ちからいっぱいの笑顔で)

えーと、そういうわけでして今日はちょっとダーツだのプロレスだのから離れたところのお話を。

春一番も吹き荒れて、雪が舞ったり春本番のような日差しを感じたりと、なかなかに変化に富んだこの春先のシーズン。一歩表に出れば花粉症で鼻と目がイカれてしまうのは毎年の事ですが、マスクをつけて街を歩く人達の中には、花粉症よりもっとヒドイ状態の人が多くいるようです。そう、季節の変わり目に大流行する例のアレ、インフルエンザです。

かつては流感(流行性感冒の略)と呼ばれたインフルエンザですが、今年も大流行。既に僕の周りだけでも十人以上が感染し、ヒドイ目にあっています。

インフルエンザは主に接触感染・飛沫感染・空気感染という経路で感染する、とんでもないウイルス野郎です。簡単に解説すると、ウイルスのついた手で目を擦ったり鼻をほじったりしたら感染、感染者が放った咳やくしゃみでの飛沫を吸い込んでの感染、そしてくしゃみや咳で空気中に広く拡がった粒子状飛沫を吸い込んで感染というわけです。


これらの感染を防ぐ為には、手洗いとうがいの徹底、そして流行時に外に出たり人混みに入るような時はマスクで呼吸器を覆うことです。感染している人はマスクで鼻と口を覆って、飛沫を出さないようにするということも同時に大切になるわけですね。

そのインフルエンザも予防接種で感染しないようにしたり、感染したとしても発症から36ないし48時間以内に専門の治療薬を投与すれば、そんなに重症にはならずに済むといいます。

ちなみに普通の総合感冒薬(いわゆる風邪薬)では治りにくいので要注意です。諸症状は少しは楽になるかもしれませんが、インフルエンザと風邪は根本的に違うので、しっかりと対策してください。

具合悪いなーと思ったら、迷わず熱を測って下さい。そして熱がぐあっと一気に38度を超えたりしたら、迷わず救急診療を受けて下さい。インフルエンザの場合、自分だけの問題ではありません。

「こんな熱気のせい気のせい」とかの勘違いした丈夫さをアピールする場合ではありません。周囲の人間が迷惑しますので、本当にさっさと病院に行って、出歩く時は周囲に感染者を出さないようにマスクをつけるようにしましょう。


さて、いつもはいち早くインフルエンザでぶっ倒れているのがセオリーなはずの僕が、こんなに目くじらを立てているのには実は理由がありまして。簡単に言えば身内がインフルエンザに感染して苦しんだからなんです。

先日、上の姉に次男が誕生した事は記事にもしましたが、退院して落ち着くまでの間、長男である3歳の甥っ子を我が家で預かっていたわけです。ついた当日はジイジとバアバと遊んでいたのですが、翌日から途端にぐったり。

小児科に連れて行ったところ普通の風邪薬を処方されたのですが、翌日の夕方過ぎには熱が急上昇。大至急再度連れて行ったところインフルエンザだとわかりました。

流行シーズンだというのにインフルエンザかもしれないから検査してくれと強く言わなかったジイジとバアバにも問題はあるのですが「症状が出たら救急に連れて行って下さい」という医者も医者です。

診察料の二重取りじゃねーかとか、怠慢じゃねーかとも正直思いますが、症状が出て確定してからでないと、可能性の段階で出してしまっていては、大流行シーズンには治療薬や検査キットも不足するという事もあるわけで、仕方ないと言えば仕方ないのだということもわかってはいます。

ですが、わかってはいても小さい命を預かっている身としてはなんとも云えない、いてもたってもいられないような気持ちになってしまうわけです。自分の子どもだったりしたら医者に怒鳴り込みかねませんな。


3歳の甥っ子は、見るだにぐったりしており、食欲もない状態でした。まだ幼い発音で「くどぅちいようくどぅちいよう(苦しいよう)」と訴え、時折耐えかねたように切なく泣き声をあげては、小さく咳き込む姿は、あまりにも辛いものでした。胸が締め付けられる思いとは、まさにこのことかと思うほどです。

思い起こせば身体の弱いガキんちょ(いまでも弱いですが)だった僕も、このくらいの時期には、本当によくよく熱を出したものでした。二十数年前の記憶ですから、相当薄くなってはいるのですが、それでも幼い身体を蝕まれる苦しさは、非常によく覚えています。

熱を出して寝込むと、決まってみる夢がありました。狭い部屋で手足をばたつかせて暴れる自分。それと共に壁や地面が崩れる映像――。

なんでそんなイメージの夢を見たのかはわかりませんが、その夢は本当に恐怖で、その夢を見ることによって「いまぼくは、すごくぐあいがわるいんだ」ということを認識したものです。


今でこそウイルスやらなんやらというものによって病気になるということはわかっていますから、文章表現的にも「病魔と戦う」なんていう言葉を理解しえますし、治るということがわかっているわけですが、子どもにとっては病気というモノは理解しがたいモノです。

ただ身体が思うように動かず、見るモノはゆがみ、息が苦しくなり、全身が痛む。好きなモノを見たいとも食べたいとも思わず、食べ物を口にすれば吐いてしまう。

しかも誰かや何かのせいにできるわけでもなく、一方的にひたすら苦痛を受け入れるしかないという極めて理不尽な状況です。その恐怖感や絶望感は大人になってしまった身からは想像もつかないものがあるのでしょう。

だからこそ、親や周りの大人達が優しく「えらいね」と誉める、「元気になったら**しようね」と励ます。苦痛や苦労を耐えしのいで何かを達成し、その報酬や褒賞として自分が喜ぶ何かが与えられたりするという、人間の目標行動の原体験は、ひょっとしたらこのあたりにあるのかもしれません。


話がちょっと逸れてしまいましたが、とにかく甥っ子が辛そうで大変だったわけです。数日前、回復してきたところで自宅へと帰ったのですが、今度はおふくろがぶっ倒れる始末。僕は倒れるわけにはいかない状況にいるので、自室に自主的に隔離という状況なわけなんですけどね。

さて、甥っ子や同い年くらいの子どもの云う「くどぅちい(苦しい)」は大人の云う広義な意味で全身状況を訴えるモノではなく、ストレートに呼吸の事を指しています。

「だるい」だの「節々が痛い」だのの表現を知らない以上、一番辛いところをして「苦しい」と症状をそのまま悲嘆と助けを求める言葉にかえて口にしているわけですが、呼吸が楽になってくれば、他の症状もよくなってくるというのが実際であったりもします。語彙が経験・知識が少ないだけに、逆に一番悪いところを認識しやすいのかも知れません。


そんなわけで、子どもが風邪を引いて熱を出し、咳などで苦しんでいる時に使われるのが、お馴染みのコレなわけです。



ヴィックスヴェポラップ50g[医薬品]・ヴイックス
コレ。



その名は「ヴィックスヴェポラップ」。僕と同世代の人は、子どもの頃からこの医薬品のお世話になった人がものすごく多いと思います。ヴィックスドロップというのど飴もあり、こちらは「エヘン虫」のCMでお馴染みですね。


このヴェポラップは簡単に言えば塗布湿布剤。これを胸に塗ることで胸部筋肉への湿布作用で痛みと呼吸が楽になり、塗った胸からハッカ系の臭いや作用が鼻のや喉の粘膜を刺激がすることで、呼吸も楽になるというモノ。

軽く調べてみたところ、正確なデータは出てこなかったのですが、昭和30年代には既にテレビCMを放送していたとのこと。随分歴史があるものなんですねえ。

軟膏なので、ぬとぬとしたオイル?ワックス?的なヌットリベトベトとした感触は、それがイヤな人は溜まらなくイヤなものなのでしょうが、僕は幼少時に随分お世話になったこともあり、コレには思い入れがあるのです。

TVCMもそんな感じの映像だったのですが、子ども時代、夜中じゅう咳き込んで苦しさ絶頂にいる時に、おふくろさんなりおやじさんなりがベッドにやってきては、コレを胸に塗ってくれるわけです。すると不思議なことに、そうやって塗ってもらうだけで随分と楽になれたんですよね。

もちろん実際に効用もでていたのだと思いますが、そこまでの即効性はないでしょう。ですから、いわゆるプラシーボ効果なのでしょうが、それでもヴィックスヴェポラップは僕にとっては風邪の苦しさを取り除いてくれる「魔法の塗り薬」だったんです。


風邪を引いたときに、おとうさんとおかあさんが塗ってくれる魔法の塗り薬ヴィックスヴェポラップ。これを優しく塗ってもらえば治るんだ――。

そんなイメージさえもあったわけですが、親が優しく塗ってくれるたのは本当に小さかった子どものうちだけで、その頃の記憶は最早うすぼんやりとしてしまっています。逆に鮮烈に覚えているのは、わりと物心ついて来た小学校低学年ぐらいの頃の事です。


もとより気管支が弱く、風邪を引いて熱が出れば、咳が出て止まらなくなり、嗚咽するまで咳がでて呼吸困難になるような状態だった僕は、やっぱりヴェポラップのお世話になっていました。

もちろんそんな歳にもなれば自分で塗りたかったのですが、ヴェポラップは子どもが扱うには割と危険だったので(目を擦ったりしたら地獄どころの騒ぎではない)、普段はどこぞか目の届かないところにしまわれていました。つまり親の管理下にあったわけです。

ぐったりとした僕は母に頼んでヴェポラップを持ってきてもらうわけですが「自分で塗るから」という僕の手をはねのけて、母上は僕のパジャマをはだけてヴェポラップを塗ってくれました。

愛情、そうなのかもしれません。子どもに触らせるのはまだ危険だから、そうなのかもしれません。ですが、「はいはい、そんじゃ塗るわよー」と割と乱雑にベタベタっと胸に塗ったくった母上は、その直後に「さっさと治して学校いきなさいよー」と、指に残ったヴェポラップを、意識朦朧として抵抗出来ない僕の「鼻の下と両頬」になすりつけたりしたのです。

これはこう、なんとも凄まじい拷問でした。確かに鼻は通るのですが、通り過ぎて鼻水はダラダラ出てくるわ、頬からの刺激で涙はダラダラ出てくるわ、もうそりゃあ凄い騒ぎなわけです。なんというか鼻水&涙の顔面洪水祭りです。英語でいえばウエッティフェイスフェスティバル。略してWFFですよ。

しかもそんな状態になると何故か口も半開きになってしまい「あー…ああーー…」と声を漏らし、ともすればヨダレもこぼれてしまったりと、最早完全にパニック状態。

ですが迂闊に指で拭ったりしてヴェポラップの範囲が拡がったてしまったら被害も拡大しますから、どうするわけにもいかず、ひたすらダラダラと涙と鼻水を流しながらティッシュで少しずつ拭い取るのが精一杯なんですよね。

ぼーっとしていた意識も、このパニックに対応することで一気にシャッキリとして、気がつけば咳も鼻づまりも随分良くなっていたような気がするのですが、荒療治にも程があるというか、絶対に単なるイタズラ心で母上に遊ばれたとしか思えません。


こうして「魔法の塗り薬」は「悪魔の劇薬」に変わり、「子ども時代の優しかった母の想い出」は「顔面大洪水祭り略してWFFのトラウマ」へと変わりました。

それがきっかけなのかどうかは定かではありませんが、やがて僕はヴェポラップを卒業してしまい、末っ子だった僕が卒業したことで、自然と我が家の救急箱(薬箱ですね)からヴェポラップも姿を消してしまいました。

ですが、今回甥っ子がインフルエンザで苦しんでいる中、親父殿か母上かがヴェポラップを買ってきたらしく、ケホケホと小さく咳をする甥っ子の頭を撫でてやると、あの懐かしい樟脳とメンソールの臭いが少し僕の嗅覚に伝わってきて、こんなガキの頃の記憶を、ふと思い出したわけです。


TVCMで子どもの胸に塗っていたイメージが強いからか、別に小児用というわけでもないのに、子ども時代の終わりと共に卒業してしまった「ヴィックスヴェポラップ」ですが、その効果は大人になった今も変わらないはず。

うつされない・感染しないが当たり前の基本ではありますが、もしこのシーズンに僕もぶっ倒れて咳と鼻づまりに悩まされるようになったならば、久しぶりにヴェポラップを塗ってみようかと思っています。



鼻の下と頬に。
(WFFのトラウマを今こそ克服)



[ 2005年02月28日-05:39 ]