【過去のつぶやき】
2004年08月の【家元のつぶやき】のバックナンバーです。
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2003年
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● 挙動不審。(2004年08月01日-21:08)
● 記憶ニゴザイマセン。(2004年08月03日-20:20)
● 気づいていない人もいるらしいので…。(2004年08月04日-23:39)
● 今しばしお待ちをー…っと、ぱもら進捗報告。(2004年08月07日-07:47)
● 遅くなりました!(2004年08月09日-03:48)
● ぱもらプロジェクト(全国制覇編)(2004年08月11日-00:23)
● 産声を待つ八月。(2004年08月13日-08:53)
● 打ち上げ花火を下から見上げた帰り道、どこかから産声が聞こえた。(2004年08月14日-23:33)
● 友達の友達の話[春九堂の場合#5:最終話 第4章](2004年08月17日-11:53)
● 夏休みの宿題。(2004年08月19日-03:55)
● 続・夏休みの宿題。(2004年08月20日-02:57)
● 顛末・夏休みの宿題。(2004年08月24日-09:35)
● この道は(2004年08月25日-20:42)
● いいがかり。(2004年08月27日-14:26)
● TATTOO!(2004年08月29日-12:23)
● 『食卓』では紹介されない『裏技』(2004年08月31日-13:16)
ここしばらく挙動不審が続いています。
といっても、僕のことではありません。むしろ僕の挙動不審っぷりは生まれ落ちたその日からなので「ここしばらく」なんて温いもんではありません。
ではなにが挙動不審かといいますと、僕のマウスなんです。
僕のマウスはマイクロソフト社の光学式インテリマウスでして、光学式が発売された当初に飛びつかんばかりの勢いで購入した者です。つまり4年くらい使っている事になるのでしょうか。
今でこそ標準的になった光学式ですが、NECのPC-9801の頃からマウスを使い続けている僕にとっては、この光学式マウスの登場はまさに画期的でした。
というのも既存のトラックボール型のマウスは、トラックボールの汚れやら、カウンターホイールに帯状になるまで溜まって付着したホコリなどによって、しばしば動作不良を起こしていたのです。というか、それが当たり前というモノでした。
セロテープと爪楊枝とピンセットがメンテナンス道具であり、トラックボールは洗剤で水洗いして乾かすと、摩擦係数が戻るので動きが好くなるとかそういうものだったんです。多分、普通に今でもそういうもんでしょう(笑)。
そしてそういう動作不良を避けるためにも、マウスパッドというものも必要となっていたワケなのですが、光学式になってからはそんなもの達の全てが必要なくなりました。
マウスを動かせる平面の場所さえあれば、いや場合によっては平面でなくともOKで、掌や腿の上やら、背中なんかでもOKという、まさにまさに画期的なものだったのです。
それ故にか、往事「光学式マウスプレイ」というネタ妄想を繰り広げた人も数多くいたりしました(※「光学式マウスプレイ」…女体をマウスパッド代わりにして、はんはんいわせるという、非常にアタマワルイ妄想)。
そしてそれから数年。今も現役で活動してくれている光学式マウス君なのですが、どうにもこうにも、これが挙動不審なのです。どう挙動不審なのかといいますと、まずマウスを平面に静置しているにも関わらず、カーソルが動きます。
それも明らかに単一方向に動いたりするというわけではなく、人間の操作では不可能なような細かい振動を繰り返すのです。移動距離はミリ単位でしょう。そんな距離を激しく動き回る。そう、擬態語で表すならば、まさに「ガクガクブルブル」といった感じです。正直怖い。
さらに、今のマウスはドライバーやソフトの設定で、シングルクリックでもダブルクリックに出来たりするモノもあるということですが、ウチのマウス君にはそんな機能はないはずです。
ですが、ないはずにも関わらず、シングルクリックでダブルクリックとかトリプルクリック、場合によってはそれ以上の事をしてくれます。「そんなに気を遣ってくれなくてもかまいません」と丁重にお断りしたい気分です。
この余計な新機能(違う)の余波だと思うのですが、今度はシングルクリック&ドラッグをしているにも関わらず、途中で勝手にダブルクリックになったりドラッグのマウスボタンが突然無効になったりもしています。
おかげで移動中に途中のフォルダにファイルを移動してしまい、どこに何があるかわからなくなるなんてことは結構ザラだったりします。おかげでフォルダウインドウ2つ開いて、隣の窓にファイルを移動したりコピーする時にも、全てキーボードでコピー&ペーストする始末です。
ですが、買いに行く暇もなかなかないので、なんとか宥め賺しながら今のマウスを使い続けているわけですが、先日書きかけの原稿を編集していたテキストエディターの内容を、マウスの不審な挙動のおかげで消してしまうという大惨事が発生。
その為、数年ぶりに「モノにあたる」という行為を実施した結果、2発目の打ち下ろし鉄槌(拳の小指側を振り下ろす攻撃)で、マウスに亀裂が入り、3発目で陥没して破損という事態を引き起こしてしまいました。
仕方ないので、今は昔使っていたトラックボール型のマウスに換えたのですが、何故か光学式マウスのときと同じ症状が。
そんなわけで、現在の僕は後悔の念&やらかしちまった感で満たされており、プチ顔面蒼白状態です。
ですが、何人かに話をしたところ「それはどっちのマウスも古くなっていて、部分的に断線したりしているんじゃないかと思うよ」との意見もあり、確かに結構乱暴に扱っているので(普段は鉄槌かましたりはしませんヨ!)、そういうこともあるかなぁと納得したようなしないような。
まぁそれならばという事で、コードレスのマウスを購入しようかと思っています。コードレスで光学式!なんともカッコイイ感じがします。未来を感じます。さすがは21世紀です。
これで今後は断線の心配もなくなりますし、今まではマウスのコードが届く範囲でしか「光学式マウスプレイ」が妄想出来なかったのが、これで文字通り妄想の範囲も広がります(えー)。
ちなみにワイヤレスにしても同じ症状が出た場合は なにかの祟りと判断します。 (オススメの光学式ワイヤレスマウスがあったら教えてください)
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2004年08月01日-21:08
] ▲
またやっちまいました。
先週の土曜日のことです。この日は第5回目のDDTプロレス観戦オフでして、昼過ぎまで〆切間際の原稿を書いていた僕は、一時間ちょっとの仮眠を友達に電話で起こしてもらってシャワーを浴びると、モタモタと家を出ました。
早起きすれば食事も出来たのですが、前日夕方に食事を摂って以来dPT(ダイエットペプシツイスト)しか摂取しておらず、食欲が微妙にわかないのと時間がないのとで「まぁ現地で食べればいいやー」と家を出てしまったのです。
最寄りの高速ICに入る前にガソリンスタンドで給油がてら、栄養ドリンクを自販機で購入してブドウ糖を摂取。あとはひたすら走り続けて、一時間くらいで水道橋の東京ドーム前に到着しました。
集合場所は毎度おなじみの都営三田線水道橋出口の側にあるケンタッキーフライドチキンなんですが、そこに到着した僕は自身の体調も忘れてドカドカと注文をしました。いやそれでも抑えているつもりだったんです。
内訳はチキン6ピースに、Lサイズ烏龍茶、そしてツイスター一本。
決して大した量じゃありません。少なくともパーティーバレル痛快一人喰いを敢行せしめる程の自他共に認めるケンタバカ一代の僕にとっては造作もない量です。
ですが、空腹感を忘れるほどの空腹状態に、揚げ物を投下するのは結構マグマな行為でして、3本目のドラムスティック(鶏足のピース)を平らげたところで、密かにスイミングアイ(動揺して目が泳ぐこと)してしまっており、6ピース全てを平らげると「正直スマンかった」状態です。
それでも「オレはケンタが好きなんスよ…。――大好きッ」とツイスターに手を伸ばしたのですが、当たり前な事に食せず、大人しく鞄の底にしまいました。
まぁそこまではよかったんですが、問題はその後の経過時間でした。ツイスターを鞄にしまったのが17:00くらい。それから熱気溢れるDDTの興行が17:30から21:45まで続き、その後僕は帰宅したのですが、家に到着したのは23:00過ぎでした。
つまりカッチリ6時間ほど鞄の中に入っていたことになります。会場であった後楽園ホールは空調も効いていますし、バイクで走っている間は夜ですし、そう暑くもない夜だったので大丈夫かなぁと思ったんです。
帰宅した僕は、原稿仕事が待っていましたので、とりあえず帰宅後すぐにツイスターを冷蔵庫に放り込んで、ゴリゴリと仕事の続きを始めたわけです。
さて、なんとか〆切に間に合った仕事を終えて翌日日曜日。仮眠から覚めてみれば、既に時刻は夜でした。19:00ちょい過ぎでしょうか。空腹を覚えた僕は冷蔵庫を開けるとツイスターを取り出し、パッケージを剥くと、とりあえずクンクンと匂いをチェックしました。
冷えているせいもあってか、特に変な匂いもせず、スパイスの匂いしかしないツイスター。大丈夫だろうと思い、電子レンジに放り込みました。ついで缶ビールを一本とりだし、冷蔵庫からキュウリやらレタスやらの適当な野菜を取り出してサラダを作ります。
サラダが出来上がった頃に、加熱完了をつげるアラームが鳴って、僕はややまだ寝ぼけながらもツイスターを取り出して、缶ビールを開けると、そのままキッチンで立ったまま夕食を食べ始めました。
サラダをつまんでビールをあおり、ツイスターをぱくり。うん大丈夫っぽいです。普通にツイスターの味がします。やっぱすぐに冷蔵庫に放り込んだのが好かったのかなーなどと思いつつ、またサラダをつまんではビールをあおり、ツイスターをぱおぶぅえぁえぇぁぇあががががが!!!!????
唐突に感じた腐敗臭というか、動物としての人間の本能が「これは食べてはイケマセン」と警告を発するほどの強烈な刺激に、思わずマグマ大噴火です。
僕はツイスターを縦方向に握って食べていたのですが、上の方のトルティーヤとチキンは多分大丈夫だったもの、どうやら下の方に溜まっていたソースと野菜が傷んでいたようで、そこに食べ口が達した瞬間にアレがソレしてしまったわけです。
防衛本能が反射を刺激し、マグマ大噴出となったわけですが、胃袋から吐き出したわけではないのに、もう鼻からも眼からも涙だか鼻だか唾液だか、なんだかよくわからない粘液を垂れ流しながら、キッチンで一人息を荒げ、「ヴァーヴァー」いいながら大悶絶です。
とにかく全て口の中からはき出して、次に水でうがいをして口をすすぎ、とにかく口腔中に広がったアレな味と臭いを洗浄したかったのですが、下手にスパイスが濃い味付けの食べ物なので、なかなかとれません。
ふとビールで口をすすげば炭酸だし苦いし効くのではないかと思い口に含んで、ゆすぎうがいをしようとししました。ですが当たり前のこと、炭酸にそんな刺激を与えたら炭酸ガスが一気に炸裂します。つまり第二次マグマ大噴火です。
幸いにも「ああっ!?俺なにやってんだバカか!?」と遅まきながら気づき、急いでシンクに顔を伏せたので、周辺環境への被害は最小限におさえられたのですが、噴出寸前に顔を俯かせると、鼻からも眼からも飛び出して大爆発になるということを、この時生まれて初めて知りました(実体験つき)。
まぁなんといいますか、そんな刺激物でうがいしようとする発想が、既にアレすぎだったんですが、とにかく口の中の臭いと味を消したくて、追い詰められていたというか、本当にアレでした。
しかもビールパワーは大したことが無く、まだ口の中が気持ち悪いので、冷蔵庫からウォッカを取り出してコップに少量注ぎ、それで口をゆすいで消毒するという強烈な手段に出ることで、ようやく解決を見ました。
ちなみに使ったウォッカは、いわゆる「スピリタス」。アルコール度数97%の世界最強の酒の一つです。
口に含むだけで、痺れるような刺激があるわけでして、余裕で口の中の味も臭いも解決したわけなんですが、こんな強い酒でゆすぎうがい(ぶくぶくうがい、ともいう)をするとどうなるかというと……。
まず、口の中はヒリヒリしているし、うがいした酒を吐きだしても、口腔や咽頭の粘膜からアルコールを吸収してしまい、オマケに二度に及ぶマグマ大噴出で心拍数や血圧も上昇しているため、アルコールがあっという間に体中を駆けめぐり――結果として、相当酔っぱらって乱れます。
そして、現在――。 その夜に送ったメールを読み返して ビビったりたじろいだりしています。
(例)
『うー…ぽんぽんがいたくなりそうー…(>_<)』
おい、どこのバカだ こんなメール送ったの。 (ハイ…(挙手)。しかし一口も『飲んで』はいないのに…記憶すらない…)
[
2004年08月03日-20:20
] ▲
一番上って見ない人が結構多いんですね。
なんともはや、結構目立つ位置に…と思って、この企画へのリンクを配置したわけなんですが、人によってはここの記事欄しか読んでいない人もいるわけですよね。
ネット回線やマシンスペックによって読み込み速度も違うわけですから「メニュー欄に画像」という配置は意外と考え物なのかもしれません(そこが全部表示されるより前に、記事本文欄にスクロールしてしまうから)。
てなわけでして、改めて告知します。ここのところサイト上を賑わせてくれているコレ。名前を「ぱもら」といいます。正式名称は『癒し系かいじゅうピロー:ぱもら(Pamolla)』です。
名前の由来は、コイツのプロトタイプを友人達に見せた時に「なんか海洋生物みたいだな」という事をいわれまして、何回かの試作を重ねた結果、「実用出来るグッズとしては、枕にしよう!」というコンセプトになり
パンダ+くじら(海洋生物)+まくら
で、ウチのパンダは語尾が「ぱも」になるので、そこからも重ねて、「ぱもら」になったわけです。ちなみに「かいじゅう」と平仮名表記にしているのは「怪獣」と「海獣」の2つの意味を重ねた結果です。
まぁそんなアレ気味なネーミングセンスから生まれたのがコイツなんですが、今までのじーらぼ!アイテム倶楽部企画への参加者の皆さんと、メルマガ読者の皆さんに先行予約を取ったものの、業者さんとの折り合いがあわず、二転三転。
最終的には、なんとか材質や大きさ、製作精度ともに満足のいく業者さんと出会えたのですが、こちらの考えていた単価の上限を達成する為には200匹以上作らなければならないという爆弾を抱えてしまい、実は頓挫気味だったのです。
そこで今回、じーらぼ!アイテム倶楽部第9弾&1000万ヒット記念プロジェクト『ぱもらさまはオーダーが200体以上になったらようやく作れるよスペシャル』として、オーダーを取ることになったわけです。はい。
というわけで、現在進行中のぱもらプロジェクトなのですが、めでたく目標の200体を達成しました!
やったーひゅー皆さんありがとうございますー!どんどんどんぱふぱふぱふー!!ぐるぐるぎゅーー!!(空腹ですよ!)
そういうわけでして、ぱもら量産決定というわけなのですが、サイトを見てくれている友人に喜んで報告したところ「え?そんなのどこで募集してんの?」と云われてしまい、冒頭の一言に戻るわけです(笑)。
あ、さて。話はここでちょっと変わります。嬉しいことに“ぱもら”に対して、非常に多くのオーダーをいただきまして、なおかつそのオーダーが日本全国から来ているんですよね。
オーダーしてくれた「里親候補さん」達のリストをみても、その全国各地っぷりはよくわかると思うのですが、ふと気になって、データベースを作ってみました。
それが上の地図なんですが、■が一匹のオーダーもない&一人の里親候補さんもいないエリアで、あとは青の濃さで数量分布を表しています。
やはり関東は滅茶苦茶多いわけなんですが、PA7で熱い歓待を受け、第二の故郷であり、僕にとって『たましいのふるさと』(登別クマ牧場があるから)である北海道が多かったりもします。
他に、人口分布で考えると名古屋(愛知)・大阪&京都・福岡も多いのはわかるのですが、面白いのが三重・岡山・新潟にも多くの里親候補さんがいてくれることです。
というのも、これらの土地は僕にとってあまり縁がない土地なんですよね。ですから、なんともこれは不思議な感じがします。
そこで僕はちょっと考えました。“ぱもら”のオーダーは、入金待ちの期間を含めて、今月末までを考えています。そして9月一杯は製作期間ということになり(大体3週間〜1ヶ月かかるそうです)、その後、順次発送をさせてもらうことになるわけです。
どれだけの数の“ぱもら”が、日本中に渡るのかはわかりませんが、せっかくこれだけの広がりをみせてくれているわけですから、調子にのってしまおうと思います。
というわけで…
長くなったので、詳細は後日!(えー) (まぁ、いっちょやらかしますよ。ウン。10月は行楽シーズンだし)
[
2004年08月04日-23:39
] ▲
只今内容は執筆中につき、今しばしお待ちを。 先に、『日本全国ぶらりぱもらの旅』地図をお楽しみ下さい。 (8月8日 05:00最新版)
というか、微妙にまだオーダーが伸び続けているので、確定的な事が書けないんですよ。うーん。嬉しい悲鳴。残り2県(和歌山・島根)を制覇出来たら、完璧なのだけれどなー…。
あ、勘違いしている方が多いようですが赤い地域はオーダーがゼロの県です。あとはオーダー数量によって、青が濃く表示される設定にしています。
そうそう、まだ確定ではないのですが、現状で一個あたりの出資額が確実に5000円を切りそうなんですよね(振込手数料&送料&オプションの巾着は別扱いです)。
予想以上のオーダーをいただきましたので、現在業者さんに再度見積もりも出してもらっています。その結果は、週明けには発表できるかと思いますので、期待していてください。
ちなみに「ぱもら」の今後の再生産があるかといいますと、可能性はかなり低いとみてもらって結構です。というのも、生産既定ロット数の問題で、10や20だと一体ウン万円とかになってしまうんです。これは怖い。
なんとか納得出来る価格帯に押さえ込むのに200個以上が必要というのが現実ですので、仮に再生産リクエストが、再度200を越えたら、可能性はなきにしもあらず、という感じで考えてください。そしてそれは多分ないと思います。
それと、「ぱもらの実際の大きさがよくわからない」という方が結構いらっしゃいます。「モノ対比」だとわかりにくいというところも確かにあると思います。実物を見た人は大概「うわ思っていたよりデカい!」と仰いますしね(笑)。
というわけで、本日「ヒト対比」での、ぱもらの実用写真(?)撮影&公開予定です。実際に枕やクッションとして使ってもらいます。
で、コレが本当に難関だったんですよね。というのも、自分がモデルになるということも考えたのですが、そんな事をしたら明らかにキャンセルが殺到しそうですし、何よりも僕がデカ過ぎて参考にならないという致命的な欠陥があります。
ですが枕やクッションとして使う以上、どうしても顔が写ってしまうわけです(頭部対比をしたいため)。で、それが難しい。
というわけで、しばらく「顔出しOK」なモデルさんを捜していたのですが、当たり前に見つからない。「友達のネットアイドル紹介しましょうか?」と云ってくれた方もいらっしゃったのですが、見ず知らずのネットアイドルの方に“ぱもら”を差し出しながら
「こっ…かっ…こ、ここここここ、コレを!!枕として!!使って寝ているとこっとこ、ところを!!ととととと撮らせてくださいッッッ!!!」
とか、追い詰まりまくった表情&血走った眼で頼もうモノなら、訴訟確定です(多分セクハラとかPTSD関係で)。きっと猟友会の皆さんも呼ばれたりします。
そんなわけで、諦めかけていたところに、「やってもいいよー」というを御言葉をいただき、いつも通り土下座&ゴハンでモデルさんを確保することに成功しましたしました。えーと、額とサイフが痛いです。
そのモデルさんが誰かといいますと、当サイトのイベントなどではお馴染みとなっている、イベントお手伝いメイド部隊の女中頭の来水ユキ嬢なわけなんですよね。
でも彼女は昨年からネットラジオのDJユニット『関東ひつじ組』を結成して、そちらをメインで活躍しているため、メイドさんとしてのお仕事は、昨年末のPA10の添乗員以来ご無沙汰だったんです。まぁ「イベント自体やっていないじゃないか」とかガタガタいわない。
そういうわけで急遽モデルさんのスケジュールの確保にも成功しましたので、本日は他数名のお手伝いさんとともに、ばしばしと撮影をします!
上手く撮れるかどうかわかりませんが、せめて参考になるものを!そして迷っている方は、それを参考にズバっと決断を!特に島根と和歌山の皆さん!あなた、あなたですよ!!なんでだ!僕は島根が大好きなのに!松江にはもう3回も行っているのに!!ビバ松平不昧公!!ラフカヂオ先生もビブラ!!!和歌山なんか現代日本におけるパンダの一大聖地なのに!!一大聖地過ぎて飽きたのか?!街中パンダグッズであふれかえっているからもういらないと、そう仰るのか!?あ、あああああそびだったのね?!?!ギーー!!(錆びついたような絶叫)
…失礼、取り乱しました。というわけで昼過ぎ〜夕方に更新予定です!とにもかくにも、お楽しみに!
ところで僕のデジカメはどこでしょう。 (〆切真っ最中の荒れ果てた部屋を見回しながら)
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2004年08月07日-07:47
] ▲
すみません。お待たせいたしました!
た、たった今ですね!ようやく写真の編集が終わってゴニョゴニョ… なにが昼過ぎから夕方だよ畜生。
というわけで、非常にお待たせしてしまいましたが(大体12時間遅れ)、 僕の土下座と散財の集大成&モデルの来水ユキちゃんに大感謝祭な 『ぱもらフォトギャラリー』が完成しました!! やったー!きゃっほー!うっはー!寝てねぇー!!
そういうわけで、ぱもらとモデルの可愛さの共演に、 思う存分ビビったりたじろいだりするといいですよ?
そしてリアルな“ぱもら”の大きさに、 予約へと踏み切るといいと思いますよ?
それでは、お楽しみ下さい! (クリックで写真が拡大します)
(撮影モデル:来水ユキ(Height:153cm)@関東ひつじ組)
そして僕は眠ります。泥のように砂のように。 (来水ユキ嬢のプロフィールなどはココを見れ!)
[
2004年08月09日-03:48
] ▲
祝! 全・国・制・覇!!
わーい(〆切明けの憔悴しきった顔で)。
ああっ、すみません。テンション低くって。というわけで、おかげさまで、埋まらなかった島根県の方からもオーダーがはいったりしまして、なんとか全国制覇を達成することができました!ありがとうございます!ありがとうございます!!
さて、発表を先延ばしにしていた「ぱもらプロジェクト」ですが、先延ばしにしていた理由は単純で、日本の全都道府県からオーダーが入るのをまっていたんです。だって企画名に「日本全国」って入れたかったんですもの。
というわけで、企画概要の発表です。御存知の通り『じーらぼ!アイテム倶楽部第9弾&じーらぼ!1000万ヒット記念企画』として『癒し系かいじゅうピロー:ぱもら(Pamolla)』を受注製作しているわけなのですが、この“ぱもら”の完成は10月頭くらいを予定しているんですね。
勿論200体以上の生産になりますので、一度に完成発送というわけではなく(そんなに一杯一度に我が家に送られてきたら家族共々発狂します)、50体位ずつを完成次第順次発送という形になります。
そういうわけでして、皆さんのお手元に完全に届くのは10月中頃になる予定なのですが、その頃といえば、日本は秋真っ盛り。食べ物も美味しく、気候も穏やかで、旅にはもってこいのシーズンです。
というわけで、こんな事を考えてみました。
・ぱもらを完成させる。 ・ポストカードを作る。 ・ポストカードは3種類作る。 ・普通の太々君ポストカード、銀の太々君、金の太々君。 ・といっても色は4色カラーで、金と銀はありません、ごめんなさい。 ・ましてや金箔や銀箔とかも使いません。 ・今「きんぱく」と打とうとしたら「緊縛」と出て三回打ち直しました。 ・疲れてます。 ・えーと、なんだっけ。あ、そうポストカードを作るんです。 ・で、それを無作為に“ぱもら”の口の中に放り込みます。 ・なので里親さんは“ぱもら”が到着したら、まず口に手を入れてください。 ・そのまま気づかずに洗濯しちゃったりすると、ちょっと困ります。 ・中に入っているポストカードが銀太々君か金太々君だったら…? ・そのまま僕に返送してください。 ・ポストカードが届き次第、スケジュールを組みます。 ・ポストカードが銀の太々君なら…。 ・(ご迷惑でなければ)なにかグッズを送らせていただきます。 ・ポストカードが金の太々君なら…。 ・(ご迷惑でなければ)グッズを直接手渡しに伺います。 ・「うわ当たったけど来んな!」という方は…。 ・掲示板などで、欲しいという方と裏取引をしてください(えー)。 ・日本全国どこであろうと行きます。
という感じです。まだ金太々・銀太々の混入(ヤな言い方だな)割合は決めていません。最終的な生産数が確定した段階で決定したいと思います。
というわけで、以上が『ぱもらプロジェクト』の全貌です。まぁまだまだ穴だらけ未定だらけではありますが、折角日本全国からオーダーをいただけたわけですし、なんとか頑張って実現したいと思っております。
あれ…今日は北斗七星の八つ目の星が やけによく見えるなぁ。 (やる前から死の予兆を感じてどうする)
[
2004年08月11日-00:23
] ▲
はーやくおいでー。でっておいでー。
僕には二人の姉がいることは何度も書いていますが、二人とも無事に嫁いでおります。
そして、時々ここの記事に登場する甥っ子は上の姉の子でして、下の姉貴はといいますと、現在絶賛臨月中だったりするのです。
っていうか只今現在ナウ絶賛予定日近辺です。
実はもう予定日は数日前に過ぎてしまっているのですけれども、どうにもこうにも僕の姪っ子一号は(女の子であるのはわかっているんです。ビバ現代医学)、まだママのお腹の中の方がいいらしいんですな。
なんというか、出てくる前から結構強烈な人見知りで甘えっ子ということが決定しているとでもいいましょうか。生まれる前から既に萌え設定が発動という感じです。
今頃、姉貴のお腹の中で、胸の前で手をグーにして、モジモジしているに違いありません(普通の胎児は皆そうです)。あー!もう可愛いなぁ!
ところでこの姪っ子には、既に呼び名がついています。姉貴と義兄は名前を決めかねいることもあって、「ちびちゃん」とか呼んでいるのですが、僕と母上はその呼び名「なっちゃん」で呼んでいます。
ちなみに「なっちゃん」のフルネームは「なつき」。「夏に生まれるから」という至極単純な理由で、予定日が判明したあたりから、そう呼び続けてきました。
夏来・夏生・夏樹・菜月・奈津貴など、漢字表記も色々考えたのですが、姉貴のお気に召さなかったらしく、あっさり却下。つまりこの呼び名が戸籍上の名前になることはないということらしいです。
まぁ姉夫婦は「生まれてから決めればいい」ということで、色々候補を考えてはいるらしいのですが、どうにも絞り込み兼ねている様子。
ここは一つ仮にも文筆業で飯を食っているハズの叔父さん(予定)が一肌脱ぐべきでしょう。甥っ子の名前「裕大(ゆうた)」を考えたのも僕みたいなもんですしね!
よおし「なっちゃん(仮)」の素敵な名前を考えるぞー!と勢いこんで考えてみたのが、下のラインナップ。
・実夏(みなつ) ・美夏(みか) ・涼夏(りょうか) ・涼美(すずみ) ・千夏(ちか)
すっかり『夏』から離れられなくなっています。
「それでも貴様ライターか」という、非常にもっともなお叱りの言葉が飛んできそうな感じすらあります。
まぁそんなわけでして上の名前は全てボツ。当たり前といえば当たり前というか、なんとも自分の発想の貧困さを嘆く結果になってしまいました。
そんなこんなで名前は決まらないまま予定日が近づき、そして過ぎてしまった今朝、心配になったので姉貴のマンションで付き添いをしている母上に電話をかけてみました。
どうやら出産の兆候はまるでないらしく、このまま遅れそうとのこと。定期検診に行くらしいので、今後の方針やら予定日の修正などもそこでわかるだろうということで、一安心しました。
いやー最近では三十代の出産も珍しくはないわけなんですが、姉貴は初産ですし、遅れてくると自然分娩ではなく帝王切開の可能性もーとか、なんかあって連絡出来ないとか、そういうわけじゃないだろうなぁなどと、妙に落ち込んでしまったり、安産だといいなぁ、姉貴ってケツでかかったっけなぁ、とかワケのわからんことまで考えてしまっていたので、遅れてはいるものの母子ともに健康という確認がとれたことは、多いに安心出来ました。
で、電話を切る間際に「そういえば名前決めたの?」と何の気なしに聞いてみたところ、2つの候補に絞られたとのこと。
その2つとは「有咲(ありさ)」と「千夏(ちなつ)」だそうで、あとは生まれてきたときの顔をみて決めようということになったそうです。
ふむう、なかなかのネーミングセンスじゃないか、バリバリの理系夫婦のクセに(姉夫婦は医療関係の会社で職場結婚)、などと感心することしきりでした。
というわけで「なっちゃん(仮)」改め
「あーちゃん」か「ちなちゃん」。
ママのおなかのなかが居心地いいのは、よおくわかるけれども
ママも頑張ってるし、パパも、ばあばも待ちくたびれちゃうから
ちょっとだけ急いで、つまらなくて痛くて苦しいけど、
やみつきになるほど愉快で、美しくて汚くて、
極めつけにとびっきり楽しい、この世界に出ておいで。
おじちゃも、じいじも、待っているからね。
〆切で食材を買いに行く時間もなかったりして じいじ&おじちゃだけの宮本家は 結構殺伐としてきています。 (遂に乾麺も尽きました。は、白米とおばん菜が喰いたい……)
[
2004年08月13日-08:53
] ▲
祝!女児無事出産!!
おめでとう!あんちゃん!!
おつかれさま!姉ちゃん!!
ようこそ新しい家族!
ようこそ新しい命!
これから先に貴女が生きる
このくだらなくって辛くて苦しい
けれど、最高に愉快な世界の先人として
君を心から歓迎します!!
ようこそ!ちなちゃん もしくは あーちゃん!
この世界に来てくれてありがとう。
これから何年も、何十年も、仲良くしよう。
沢山遊んで、沢山幸せになってね。
「おじちゃま」って呼んでくれる日を 心待ちにしているよ! (台無し)
[
2004年08月14日-23:33
] ▲
ざ。
ざざ。
ざっ――。
ぐしゃっ。
(ごりゅがしゃごみゅ)
「んぐはふっ」
どぅ………。
「待てッ!!ダウンダウン!!」
「おい、D!!大丈夫か!!」
「やばい、なんか白目ってる!!」
「Dちゃん?!言い残す事とかないか?!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!(悶絶中)」
「甘いなぁ、“タックルは前ミツを狙え”っていうだろ?こっちは狙っていくってわかってるんだから、しっかり切らないと……」
『それは相撲で、しかもマワシ着けてるわけじゃないから、前ミツなんかない上に、そもそも相撲にタックルはないし、急所狙っていったら反則です』
そんなツッコミが、その場にいた誰もの脳裏に過ぎったに違いない。だが、一人としてそれを口にするものはいなかった。
バンテージを巻いたアイシングバッグを玩びながら先のセリフを吐いた男。
D(絶賛悶絶中)の股間にそのアイシングバッグを押しつけるというよりは“当て”にいった男。
しかもその押しつけ方に、端から見ても明らかに“特訓に取り込む真面目さ”以外のナニかを籠めた男。
そしてD(絶賛ロングラン悶絶中)を斜め下に見下ろしながら、邪悪としかいいようのない笑みを浮かべた男。
――つまりは、このとんでもないアホくさい特訓を考え出したH先輩。
彼はDを見下しながら
「おいD。邪魔。氷溶ける前にどんどんやるから、お前奥いってジャンプしながら休んでろ」
とだけ言い放つと、次の獲物を指名した。
「M、お前次な。しっかり切らないとDみたいになりかねないからな。こっちはタックルにいくのはわかってるんだから、しっかり見て、しっかり切ること。いいな」
「は、はい…」
言ってることこそまともなように聞こえるが、実態はまったく違う。確信があった。
そして数分後。
がしゃ(ごりゅもちゃ)。
どぅっ――。
「「M〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」」
第二の犠牲者が生まれた。Mの場合はさらに酷かった。Dは正面からアイシングバッグとペニィセット(玉2ヶ込み)が衝突したので、主にそのダメージはペニィ側に分散された。
しかしMは半端にバーピーでかわす形になってしまい、ノーガードの股間を下から突き上げるようにアイシングバッグをあてがわれ……否、叩きつけられたのだ。
女性にはわからないであろうから簡単に解説すると、ペニィセットのボール部分というのは危機を感じると体内にめり込むという性質がある。そしてそうなると肉体的・皮膚的な痛みではなく、吐き気を催すほどの苦痛になるのだ。
よく(?)女性が「ちんちんぱーんち!」と男子の股間を正面から狙うことがあるが、真に効果を求めるのであるならば、無防備な股間に真下からアッパー。これが最強である。
余談になってしまうが、某格闘技では金的蹴りのコツを「つま先から足の甲に睾丸を乗せるつもりで、つま先をスナップを効かせたムチの如く下から上へ蹴り上げ、すぐに蹴り足を引くこと」としている。
「潰す気で蹴る」というのは相当な力が必要であるので、深く蹴るよりも、この方がよっぽど簡単であり、なおかつ行動不能にする事が出来る(よく膝先を打ち込む急所蹴りがあるがアレは不適当)。
ただし、間違っても身近な男性に実験してみたりしないようにしていただきたい(当たり前だけど通りすがりもダメ)。
話が交錯してしまったが、とどのつまりが真下から狙われると余計にダメージがキツいということであり、なおかつ後輩Mは、その攻撃にさらされた――しかも半溶けのアイスキューブがたっぷり詰まった(使い方を間違っている)アイシングバッグ、つまり鈍器で――ということだ。
先ほどのDの悶絶っぷりが、ネタ4:ガチ6という割合であったならば、Mの悶絶っぷりはネタ1:ガチ9という、割合。ウイスキーならば、「水割り」という名のほぼストレートだ。
飲み慣れない者ならば、一口飲んだ瞬間にチェイサーを求めて挙動不審になってしまうところだろう。
SとDの手によって、道場の中央から隅に運ばれていくM。さながらそれは異界の神を見て恐怖に凍り付いたまま死を迎えた者かのようであった。
そしてH先輩の次なる生け贄が選ばれ――。
「次は俺がやろう」
否、名乗りを上げたバカがいた。
K先輩だ。
この惨状を生み出した災厄、それの元凶を一番最初に持ち込んだ男。
「おう、Kやるか」
「おうよ」
道場内でもレベルの違う二人が向き合う。一人は片手にアイシングバッグを持って、一人は無手で。
鈍器をもった方の男が云った。
「でもK、お前これじゃ練習にならんだろ。俺如きのタックルじゃあなあ」
「?…そうでもないんじゃないかな」
「いや、俺じゃ相手にならんよ。だから――」
「これで対等だ」
この時唯一無事で、この模様を目撃していたSは、後にこう述懐する。
『ええ、思いましたよ。「間違っている」って。「違う!それは違う!」って喉まで出かかっていました。口も空いていましたよ。でもそれは言葉をはき出す為じゃなくって…そう、呆れ果てて、です。
だってH先輩、アイシングバッグを固定しているバンテージ外して、控え室に引っ込んだと思ったら……両手にアイシングバッグもって出てきたんですよ』
そして、こう続けた。
『ネタなのかバカなのか暑さで頭おかしくなってたのか――そのどれもが正解で、どれもが不正解なんだと思います。普通に考えたら両手にモノをもったまま組技の練習なんて出来ませんよ。グローブつけたままだって組技は上手くいかなくなるのに。
手にモノを持ったままって事は、手を握ったままってことですよ。組技っていうか組むことすら出来ないじゃないですか。素人でも考えればわかることですよ』
さらに続ける。
『でもね、H先輩は自信満々だったんですよ。それからキメキメで云ったんです「リベンジマッチだな」って。ええ、相当根に持ってたみたいですよ。なにしろH先輩のアレを冷凍ミカンにした張本人はKさんですからね。
それからH先輩は僕に「じゃ、合図くれ。タックルから先はアリアリでいいな」って。あ、ちなみにアリアリってのは道場内の俗語で「関節・絞めアリ」っていう事です。
ええ。「はじめっ!」て号令かけました。見合っていたのは数秒でした。Hさんが結構速いタックルを仕掛けたんですよ。ええ。あっさり、でした。教科書通りに受け止めてバーピーて逃げて、サイドに廻りながら上から体重かけて、べっちゃり潰したんです』
バーピー(青)
つぶし(上)
そこで一息つくと、Sは手を組み直して語った。
『それから後も速かったです。完全にうつぶせに潰れたHさんの腕を上から押さえながらね。こう、腕を首の下に巻き込まれるようにされると起きあがれないんです。体重かけられてますしね。
そうしてHさんの動きを殺しておきながら背中の上でヒョイっと動いてポジションを入れ換えたんです。そう、ちょうど、こうやって……こうですね、右手の甲を左の掌で抑えたような姿勢です。指が足ですね。で、その時に気づいたんです。
いつのまにか、Hさんが持っていたアイシングバッグ、しかもよく膨らんでいましたから、さっきHさんが控え室に取りに行った、氷をいれたばっかりの方です。それを持っていたんです。Kさんが、こう、がっちりと』
それから――。
Sは見た、Kがその普通の意味で『冷たい凶器』を振り上げるのを。
そして続いて聞こえた音は、すぐに呻き声と悲鳴にかきけされた。
それは無防備なバックから股間にアイシングバッグを叩きつけられた、その瞬間の衝撃による呻き声、継続する苦痛と冷たさによる、悲鳴。
勿論、H先輩のものだった。
股間にバッグを叩きつけたK先輩(上) さっきまで加害者だったH先輩(下) ※画像はイメージです※
確かにK先輩は、容赦のない人だった。
特にH先輩とのスパーリングなどでは時々見ている我々は「観ている」にかわりそうなほどハイレベルであったし、それだけ真剣であって、攻め手にも容赦がなかった。
だが、今回の、今、その時にSが目の前にしている光景は、あまりにも容赦が無さ過ぎた。
人間の急所は正中線上に存在する。頭頂部から始まり、鼻、口、顎、喉、心臓、鳩尾、丹田、そしてペニィとコブクロを経由し、最後に辿り着く急所――それが「*」。つまりアスホーなのだ。
かつて、レスリングの神様カール・ゴッチは、彼の弟子達にこう教えた。
「ボーイ、レスリングの裏技を教えてやろう。相手がセメントをしかけて来たら、我々レスラーは殴ったりせずに組み伏せるんだ。そうして相手がカメの様にまるくなったら、ケツの穴に指をぶちこんでやればいいんだ。どんな大男でも体勢を崩すさ。それから骨の一本も折ってやればいいんだ」
プロレスリングのショウマンシップを嫌い、真剣勝負での強さを追い求め、それゆえにマット界から冷遇された男、プロレスの神様。その神様ですら「指」止まりだった。
そんな急所に、K先輩は「氷の詰まった鈍器」を叩きつけ、押し当て、押し込み、ついでにコブクロを冷凍ミカンにしたのだ。
K先輩は、本当に容赦のない人だった。
数分間、否、数十秒間の出来事だったろうか。H先輩が静かになったのが先だったのか、K先輩がアイシングバッグをH先輩の股間から外したのが先だったのか、道場には静けさが戻り、セミの声だけが遠くに聞こえていた。
全てが終わった。不毛な、実に不毛な、それでいて危険なだけの時間が。
――全てが、終わった――。
しかしそうではなかった。H先輩の押さえ込みを解いたK先輩は、立ち上がるとSに向かって言い放ったのだ。
「おいS、ぼっとしてないで準備。Hリタイヤだから、俺がやるよ。準備しろ」
と。
悪夢のような時間は、まだ雲雀の歌を聴かず、ただナイチンゲールが啼くばかりだった――。
<次回最終回>
[
2004年08月17日-11:53
] ▲
僕の『ふるさと』は信州信濃です。
親父殿は高卒で田舎を出てきました。兼業農家の長男で、夜学に通いつつ公務員に。職場で母上と出会い、ごく普通の恋愛をして、ごく普通の結婚をして……そして二女一男を授かりました。
で、その一男が僕です(生まれてすみません)。
というわけで、父の出身は信州信濃の山奥だったりします。家業は色々あったようですが、まぁ農家ってところなんでしょう。その割には亡くなった祖父は陸軍省だかどっかに勤めにいったりもしていたようですが、晩年は普通に農家をやっていました。
で、この「宮本家」は、本家でして、オマケに僕で実に十八代目という、なんとも長ったらしい経歴を持っています。
正確には5代か6代前の学者だった御先祖様は連れ合いがなく、途中で妹夫婦を養子にして継がせたりしているので、直系中の直系ではなくなっているのでしょうが、一応脈々とその系譜を継いでいるらしいのです。
ちなみに、この御先祖様は、それまでに蓄えた財を使い果たして身上を潰したりと、結構どうしようもない人だったようです、笑える(笑)。なんというか、学者であることを除けば、僕は間違いなく、この人の血が濃いんでしょうなあ(ダメ人間)。
古い記録を辿ると、どうにも「豪農」とか「庄屋」とか呼ばれるような家だったらしく、今現在、祖母が一人住まいしている家は、今年で築280年という凄まじさ。無論手入れもしていますし増改築もしていますから「一番古い部分で」ということです。
信州という土地は、古くは武田vs上杉の決戦場になったりと、色々戦場になっているところですので、戦で功を立て姓を許されたらしい家紋付きの我が家には、それらしく鎧も長刀も脇差しも槍もあったりもします。
もっとも、長刀や槍の刃は、戦時中の金属類回収令(金属供出)で出してしまったのですが。火縄銃の台座だけ、なんてのもあったりしますね。
さて、そんな僕の『ふるさと』。親父殿は結婚してから埼玉に居を構えてしまいましたので、厳密にいえば僕の「実家」は、今住まっているところです。
ですが本籍を信州から動かさず、宮本家は生活をしていたりするわけでして、親父殿がそうであるように、僕も「長男の長男」。いわば、家督を相続する「内孫」の立場にいたりするわけです。
親父殿が引退後に、どのような生活をする心づもりなのかはわかりませんが、自分の生まれ育った故郷である信州の地を、それなりに大切にしてはいるようです。
というわけでして、僕もある程度以上、信州の土地に愛着を持っています。ガキの頃、それこそ物心着く前から信州には通い詰め、長い休みに入れば(または収穫の時期)なんかには、手伝いにもいったものです。
映画「となりのトトロ」に見られるような農村の風景を、僕は「さつき」であり「めい」である頃のリアルタイムで体験してきました。
小川で冷やしたもぎたてのトマトの味。塩も味噌もつけずにかぶりついたキュウリのみずみずしさ。虫取り網をもって走った蝉時雨の森。夕暮れ時の静けさに思わず怖気だって、わけもなく泣き出してしまった鎮守の社――。
無論、いい思い出ばかりではありません。75年生まれという、ある程度「現代っ子」であった僕にとっては、店もなければ娯楽もなく退屈で、夜は早く、朝はなおのこと早く、虫だらけで、ヘビもいたし、祖父は頑固で厳格で……そんな記憶も、たっぷりあります。
ですが、十数年前に祖父が亡くなって、田畑を人に貸す形で手放してしまった今、農作業を手伝いに行くこともなく、僕も大人になって「自分の予定」を優先させるようになったせいか、自然と田舎から足が遠のいてしまいました。
裏山の草刈りをしたり、お年始回りの挨拶をしたりといった事が何回かあった程度でしょうか。最後に行ったのは、祖母の米寿のお祝いをしたとき以来……とすると、既に四年前なんですよねぇ。しかもその時は家にいただけですから、村の中を廻ったりもしませんでした。
祖父もそこに眠る、先祖代々の墓には行くたびに一応顔を出してはいるのですが、急ぎの時は仏壇で済ませてしまうこともあったりと、最後にお参りにいったときの詳しい記憶がありません。
――子どもの頃は毎年帰っていたのに。
そんな風に思いながら、今年の夏も過ぎていくのかなぁと考えたのは六月末あたりのことだったでしょうか。
なんとなく、本当になんとなくそんなことを考えていたら、どういうわけだか田舎の風景を夢に見ました。
村の中でも小高い場所に立つ田舎の家。
小川から水を引いた用水路。
そこを辿った先にある大きな鳥居。
逆に進めば渓流を左手に山に入っていく。
その渓流の橋を渡れば確かそこは県道で。
坂になっていて……その先にはお墓があるんだ。
裏山から抜けた先にあった神社。
古ぼけて段数の多い石段。
お堂。
中には木製の馬がいたような…。
なんでそんなものを見たんだろう。
子どもの「ぼく」は怖くて…畏れ多くて、覗けなかったのに。
鳥居前の畑、あれは桃だ。あそこに行くには、あの家の裏を廻って。
ああ、いやだなぁ、あすこには吠える犬がいるんだ。
あぜ道は一輪車を押すのが大変で……。
夕焼けが綺麗だった。青い稲穂が、朱に染まる。
真っ赤に、まっ赤に、まっかに。
あの雲の色と同じ色のお爺ちゃんのタバコ。
帰りに買って帰らなくっちゃ。おつりでアイスを買おう。
どこかでツクツクホーシの鳴き声が聞こえて。
それから「ぼく」は宿題をやらなくっちゃと思って、夕陽を避けるように背を向けて駆け出し、「僕」は目を覚ましました。
たったそれだけのこと、本当にたったそれだけのことだったんです。だけどそれは妙に生々しい記憶で、その上忘れかけていた田舎の景色が、思いの外鮮明に蘇って。
それから僕は妙に、そわそわしてきてしまったのです。
そんなわけでして、姪っ子の有咲も生まれたことですので、祖母に写真を見せようなどと思いつつ、週末に田舎に帰ってみることにしました。
時期を外したような唐突の「帰省」ですが、夢に見たのも、お墓参りに来ない内孫を、おじいちゃんや御先祖様が、呼んだのかもしれません。
電話をすると、突然の話に祖母は驚いていましたが、出かける前に覚えている限り、そして夢に見て思い出した限りを、手書きの「地図」に起こして、昔のように「探検」気分で、お墓参りがてら見たい風景をみて、確認したいモノを確認してきたいと思います。
ひょっとしたら思い出せないような「忘れ物」があるかもしれません。それを探す短い短い「探検の旅」。
それが僕の今年の「夏休みの宿題」です。
[
2004年08月19日-03:55
] ▲
僕の田舎は長野県を縦に見た時に、真ん中よりの北側になります。っつーか長野市のはずれの方です(何件かお問い合わせがありましたのでお応え)。
というわけで、早速地図を書いてみたりしました。
なんといいましょうか、イイワケをさせていただきますと、マウスで手書きなんで、かなり荒れた感じになっています。まぁ見てやってくださいよ。ヒドイもんです。
クリックすると別ウインドウが開いて拡大図を見ることが出来ますが、出来れば見ないでやってください。なんだこりゃあ。
なんつーか、もう、随分といい加減です。ファジイを通り越して、なにがなんだかさっぱりわかりません。さすが小学校低学年の頃の記憶です。
それが顕著に現れているのが、地図の中心である「いえ」を拠点に、全ての方向の位置づけが右か左かなんですよね。
地図ってのは普通、東西南北というもので配置を考えるモノなんですけど、ガキの記憶ですから、そんな概念はなく、あるのは徹頭徹尾右か左です。あ、いや、思想的に偏ったりはしておりません。ええ。
昨日の記事では「なにもないところ」と書きましたが、この地図では本当になにもないですね。
「なにもない」という記憶を元に書いているのですから、当たり前の事なんですけれど、この地図が現実だとしたら、物凄い寒村、いやそれすら通り越して廃村です。
鄙びているとかそういうのを通り越して、絶滅寸前ですよ。どういうことだ。失礼極まりない。まだ祖母をはじめとして、分家の方々も長生きしてらっしゃるっつーの。平均寿命と平均年齢記録絶賛更新中ですよ(それはそれで問題)。
ですが、なにはともあれ、ここまで位置関係を掴んでいるということに、少々驚きました。そして「田舎」での「ぼくの世界」の狭さにも驚いたもんです。これじゃあねえ、そりゃあ飽きるよなあ。遊び相手は姉ちゃん達だけだったしなあ。
そんな風に、なんとなく、この地図モドキを書きながら、より鮮明に「田舎」の記憶が蘇ってきました。
そりゃあもう、稲穂を渡る風の音やら、ツクツクホーシの鳴き声が、遠くに聞こえるくらいです。
そうすると不思議なもので「子ども時代」の退屈だけど「不思議」と「知らないモノ」に満ちていた、あの夏休みの頃の気持ちまで蘇ってくるんですよね。
まぁ、そんな「楽しかった少年時代の気持ち」で地図を書き上げたわけなんですが
いくら少年時代の気持ちでも 「いえ」とか「たけやぶ」くらい漢字で書けよな。 (「気持ちが戻る」と「退行」は別ですからね…しっかし、汚い字だなぁ…)
[
2004年08月20日-02:57
] ▲
国内を移動しただけなのに。現在進行形で、酷い時差ボケに悩まされています。
『田舎』から無事に帰ってきたわけなんですが、生活時間を強引に変えたせいか、はたまた『田舎』は時間の流れ方が違うのか、とにもかくにも酷い時差ボケです。といっても、単純に眠いだけなんですけれども。
普段の僕はといえば、昼頃にモソモソと起き出して用事を片づけつつ原稿を書いたり銀行に行ったり郵便局に行ったり、データを仕上げたりメールを書いたり、また場合によっては打ち合わせや取材にでかけたり、そうして夜明け頃にモソモソと寝床に潜り込むという生活をしています。
で、『田舎』に出向いた当日は午前中就寝・午前中起床。さらに、その後オールナイトで2時間睡眠→新幹線乗車というプランで、就寝は夜九時過ぎ。
そして疲労と昼間のドーピング(液状モカ+栄養ドリンクをダブル)のせいか、ぐっすりとは眠れず、寝返りを打ち放題打って夜明けを迎え、翌日は朝5時に起床して行動開始という、なんだかわけのわからないタイトスケジュール。
ついでに軽井沢のホテルに一泊して、昨日帰宅したわけなのですが、19時くらいからもう異常に眠いわけです。そして今眠気のピークを迎えています。
まぁそれでも、これでぐっすりと睡眠してしまえば何事も問題ないのかもしれないのですが、隣室には姪っ子のあーちゃんが定期的に可愛らしい泣き声を上げて、彼女の『お仕事』を果たしてくれたりしているので、それもままならなかったりするわけです。
ちなみに、あーちゃんは「あやあ、あやあ」と実に可愛く泣くのですが(もうメロメロです)、しばらく泣き声が聞こえつつも、姉貴の動く気配がなかったりした日には「だだだだ大丈夫か?!」と、気になってしまいます。
そうするとやっぱり必然目が冴えてしまうんですよねー。なんというか「ああ、これが親の本能なのね!」などと間違った認識を新たにしたりしつつ、あーちゃんの『お仕事』は楽しんでいるのですが、睡眠が不安定な事にはかわりなかったりします(苦笑)。
そんな感じで、なんかもー身体は休眠を欲しているのに、意識がそれを許さず、環境的にもNGという、心技体がばらんばらんの状態だったりします。
それにしても、いい帰省が出来たと思います。ばあ様も喜んでくれたし、あーちゃんの写真も持って行くことが出来て、じいさまや御先祖様に、御報告も出来ましたしね。
後日画像を整理できたら、あの地図の補足もしたいと思います。思いの外正確な記憶で、結構笑いました。そして坂道とか息切れを起こしたりとかしたわけですが。狭くて急な石段とか怖くてケツで降りていったわけですが。
ばあ様は元気だし、村もそんなに変わっていなかったのに、なんというか、眠れなかったり、息切れしたり、足がむくんだり、ツメが割れたり、筋肉痛になったりと、一番ダメな方向に老いたのは自分自身だったという事がよくよくわかった『自分探しの旅』でしたね。
そんな自分自身の再発見いらんわい。 (切ない。あと身体痛い)
[
2004年08月24日-09:35
] ▲
先日、『田舎』に行ったときの事です。
友人数人と連れ立って長野県の『田舎』に帰省したわけなのですが、ばあさまも御歳九十一歳(今年九十二歳です)。当たり前ですが、負担をかけるようなことは避けなければいけません。
というわけで、居る間のおさんどんは自分達で行うわけですが、野菜は村中どこでも新鮮なモノが手に入るモノの、肉や魚といった他の食材が手に入りにくいのです。
というのも、村に一件だけある「よろずや」は、微妙に賞味期限という言葉がアウターゾーンの彼方にすっとんでいたりするんですよね。
この現象は僕がガキの頃から変わっていないらしいのですが、今回も購入したペットボトル飲料の賞味期限が『20040420』という素敵な表示だったりして、「(品質管理の悪さが)変わってねえー!!」とビビったりたじろいだりしました。
ちなみに当たり前ですが、そんな飲料でも定価で販売しています。そしてそれを普通に飲むのが『田舎』スタイル。暑かったので、あっさり飲み干しましたよ、ええ。
まぁそんな素敵な我が田舎にあっては、まともに生活をしている家では自家用車を複数台持っているのが当たり前で、それに乗って「町」まで買い出しにいくというのが定石なんです。
また住民の数自体が少ない集落内では相互互助の精神が当たり前にありますので、ばあさまの食材も一緒に買ってきてくれたり、車に一緒に乗せてもらったりということが普通にあるわけなんですよね。
しかし。今回は急の来訪、しかも友人連れで、若い衆が合計4人(内一人はクマ)。ストックの食材を使うわけにもいきませんので、当たり前ですが買い物に出かけることにしました。
しかしここで問題が発生。というのも「足」がない。チャリもなければ、バイクも車もありません。ですが「よろずや」で生鮮(鮮?)食品を買うのは、ちょっとアレがソレ。
というわけで、村の周囲は長野五輪景気で随分と変わっているはずという期待を込めて、徒歩で店を探すことにしました。「とりあえず県道まで出て、コンビニかなんかありゃ助かるよな」という程度の望みでしたが。
まぁ最悪の場合はタクシーを使って行こうということで、友人達と連れ立って出かけたわけですが、集落の外に出てみても、家の数は増えたような気がするけれど、店とかは全くありません。むしろ新築家屋の増加に正比例して車の数が増えているような気がします。
いやあーな予感を感じつつ、既に隣の集落に位置するところで、聞き込みを開始。すると「踏み切りを越えたところにスーパーがある」という情報を得ることが出来ました。まぁ来た道を戻ってさらに先に行くというルートだったわけなんですけれどね。
そんなわけで、情報が正しいことを信じつつ、また「歩いて十分くらいだよ」という、おばやんの言葉を信じつつ、途中の青果の路地販売で購入したトマトを丸かじりしたりしつつ、てくてくと踏み切りへと向かったのです。
しかし「10分」で辿り着いたのは、元の集落でした。当たり前です。自分の集落から10分かけて歩いてきて、そのスーパーの情報を得ることが出来たのですから。
さすがに「気づけよ」とか思わないわけでもないのですが、血を引いているとはいえヒキコモリの都会っ子(都会っ子って!)と、地元の人間とでは歩く速度が違います。
そもそもセミの声に耳を傾け、田畑を渡る風を感じながらのそぞろ歩きです。仮に地元の人間の速度で10分ならば、僕らにとっては20分30分といったところなのかもしれません。
そう考え直すことで、「くそお!騙しおったなぁ!」と叫びながら地下足袋、学生服にゲートルを巻いて、ナショナルランプを胸前にくくりつけ、左右の耳の上に懐中電灯を鉢巻で巻き付けて、夜の内に集落を壊滅に追い込もうなどというアレでソレなリアル八墓村はしないで済んだわけです。
しかし県道に出て、それから10分。さらに10分と歩を進めるも、一向に踏み切りは近づいてきません。というか、実は踏み切りの存在は、車で集落に来たときに通った記憶があるだけで、どれくらい離れているかという事を理解していなかったのです。
さすがにくたびれてきて、足も痛みだし、店を見つけたら「ブローニングの九連発を下さい。弾はダムダム弾で」とオーダーしそうになりかけていた頃に、ようやく踏み切りを発見。ですが教えてもらった店は、集落の「よろずや」と変わらぬ品揃えと品質管理っぷりで、当然精肉を売ったりもしていません。
ぐったりと項垂れ、色々な意味でナニかを諦めつつ、周囲を歩いていると周辺地図の看板を発見。そこで近辺にスーパーが有ることを確認して、再び移動し、ようやく買い物をすることが出来ました。ちなみに帰りは当然タクシーです。
帰宅後、無事に食事をしながら買い物をしてきた事をばあさまに話すと、「へえあんなとこまで行ったンかい。村からじゃ二里だか三里だかもあるだろうに」
一里=約4km
おい、どこが「10分で着く」んだ。 隣の集落のおばやん。
一緒に行く友人達には「お墓参りとかで山の中歩くから、はき慣れた靴で来てね」と云っておいたのですが、まさかアスファルトで舗装された道を店を求めて歩きつめるのに役立つとは思いませんでした。
ちなみにその後聞いた話では、その踏み切りの側は、昔は遊郭やら芸者さんたちの置屋なんかもあったそうで、集落の男共は、そこに憂さを晴らしに行っていたそうです。
もちろん徒歩で。灯りも何もなく(今も殆どないです)、舗装もされていない道を、です。なんつーか御先祖様ら、おねーちゃん遊びするのに気合入りすぎなんじゃないでしょうか。
まぁ昔の人はそれくらい平気で歩きましたし、逆に現代人の我々が歩かなくなり過ぎたという風に考えるべきなんでしょうけどねぇ。
ところで、当みやもと家の家系は、僕から十八代先まで遡ることが出来るそうなんですが、五代だか六代だか前の当主というのは、集落を含めた地域を管理していたお城の御用学者だったそうで、門弟達も数百人からいたそうなんです。
ところが、嫁さんをもらわなかったのか、先に亡くしたかで跡継ぎがおらず、妹夫婦を養子にしたらしいんですね。
まぁそんな御先祖様なのですが、多くの弟子をもち、リスペクトされるべき学者という存在だったにも関わらず、結構な道楽者だったらしく、遊びが過ぎて、あっさりと身上を潰してしまったらしいのです。
しかし遡ること江戸の中期から末期のお話です。遊ぶといっても集落に賭場やら遊郭やらがあるわけもなく、やはり先ほどの今は踏み切りがあるエリアまで、通い詰めていたらしいとの事でした。
ある程度の知識が付いて物事の分別もつくようになった頃に、この御先祖様の話を聞いた僕は「明らかに僕には、この御先祖様の血が色濃く流れているっぽいなあ」などと思っていました。
まぁ「遊び」の種類は違えども、「楽しむこと」の為には後先を考えないというあたりが、明らかに「血」かなぁ、と(笑)。
写真があるわけでなし、絵やらなにか遺品が残っているわけでもなく、代々の墓に弟子達が建てて遺した墓石と墓碑があるだけの御先祖様ですが、偶然にも御先祖様が「遊び」に出かける為に歩いた道を漫ろ歩いて、また少しその御先祖様に親近感を覚えたりした、とまぁそんなお話でした。
まぁ御先祖様が同じ道を歩いて、身上を潰すほど豪快なのに比べ、子孫の僕は同じ路上を歩く途中で、スキップをして
足を挫いたりする程度の スケールなんですけれどね。 (あ、あとマメも作ったよ!<自慢のつもりか)
[
2004年08月25日-20:42
] ▲
MSNメッセンジャーという結構便利なソフトがあります。
何をするソフトかといえば、相互に登録してあるメンバーがこのソフトをオンライン状態で起動しておけば、その状況がわかり、必要に応じてチャットウインドウを開いてメッセージで会話が出来たりするわけです。
他にもファイルの転送が出来たり、デジタルカメラを通じてテレビ電話のようなことが出来たり、マイクを使って音声でのチャットが出来たりと、色々便利……らしいです。いやテキストベースでのメッセージのやりとりでしか使ってないもんで(笑)。
こうしたソフトは他にも多くありますが、やはりそこは天下のマイクロソフト社製。他のメッセンジャーソフトの追従を許さず、最大のシェアを誇っているようです。Mac用とかWindowsCE用とかもありますしね。
で、このMSNメッセンジャーのメインウインドウ(ログインしているメンバーの一覧を表示するウインドウ)の最下段には、広告バナーが入っているんですよね。
しかも大体がアニメーションGIFかなんかの動画バナーなんです。時期や時間帯によって表示されるモノは違うのかも知れませんが、ここ最近僕の広告には「セイチャット」という、どこぞのチャットサイトの広告が表示されていまして、それがちょっと気になっているんですよね。
実際のチャット画面をイメージしているのかもしれませんが、なんか茶色いアイコンで、こんな会話がされているんです。
文字打つの遅いね
ほっといてよ!どうせクマなんだから!
…えーっと…。
この謎の茶色いアイコン、クマだったのか。
あとクマだと文字打つの遅いのか。
そんな二重の驚きですよ。
第二関節拳で打った直後に、そのまま指を曲げて拳にして打撃を追加する(不可能だし衝撃点がかわります)と、石が砂になるほどに砕けるという、子どもが真似したら明らかに重傷(骨折)を負うようなアレ技と同じくらいの衝撃ですよ(和月センセに励ましのお便りを送ろう!)。
普段は気にもとめない広告なのですが、こんなこと書かれちゃったら気になるじゃないですか。早速クリックですよ。そういう意味では広告の効用をしっかりと果たしているナイスな広告ですよ。
するとリンク先には「キュートなクマのキャラクターで簡単チャットデビュー!」の文字が。やっぱりクマだったのか。
まぁ確かにそう見えなくもないですが、クマというかこれは「ぬいぐるみのクマ」ですよね。顔に縫い目入ってますし。
まぁ色々なアイコンがあるらしいのですが、どんなに装飾を施そうが僕にはクマには見えない上に、微妙に怖い。表情豊かにぬいぐるみが喋っているのかと思うと、怖さ倍増です。
まぁ色々なチャットソフトやらチャットサイトやら、そもそもの冒頭で紹介したメッセンジャーソフトなんかやらがありますが、色々な意味でここまでインパクト大だったモノは初めてです。
ところで僕は自他共に認めるクマなわけなんですが、キーボードの入力速度は一秒間に最大17ヒットです。
というわけで、この広告作った人。 あんまクマなめてんじゃねーぞ。 (スノボのゲレンデでは「素早いデブが出る」と話題になったクマだぜ…?<自慢にならない)
[
2004年08月27日-14:26
] ▲
先日珍しく電車に乗っていたときの事です。
都心に向かう電車は途中の駅から急に混み始めたのですが、乗り込んできた人の大半は若い人でして、若いというか高校生か中学生くらいの人が大多数を占めていました。
そういえば世間はまだ夏休み。女性も男性も、否、女子も男子も露出度が高く、そしてその分開放感も高いのでしょうか、にわかに車内は華やかに、そして騒然とし始めました。
考えてみれば、この電車が向かう先はワカモノの集う街が続きます。そりゃあ華やかにもなるし、騒がしくもなるってもんです。
まぁ夏休みだしね、みんなハジケるよね。うんうん。でもおっちゃんは疲れているから、あんまり騒がしくしないでね、などと必殺クマ寝入りを決め込んだりしていたのですが、目の前に立った「イカニモ」なワカモノ男子の3人組が、とにかくやかましく話し始めたのです。
全員金髪か脱色(むしろ漂白)している毛髪に、褐色の肌。そして「え?今もそれアリなの?」というような、NBA系のユニフォーム風のタンクトップに腰履きなパンツという出で立ちです。
まぁ一言でいうならば、「出来るならあんまり関わり合いになりたくないヤンチャ小僧達(でもからまれたら頭からかじるよ!もぐもぐ!)」といった感じなんですね。
まぁそんな彼らが大声でワーニャーマジェー?チョーウジェーベーベーブー(解読不能。聞き取る気の問題で)と話しているわけなんですが、どうにも特殊な発音形態言語で、僕には半分くらいしか聞き取れません。
それも拾い拾い聞いていると、チーム(チーム?!)のメンバーかなんかの話なのでしょう。飲み屋で酒飲んで暴れて「アリネエー」とか誰かが店員を投げ飛ばしたとか、そんな話もしています。コイツら野獣かなんかでしょうか。
そして彼らの話題は、どうも話の内容が刺青が云々という話になったようでした。それも誰かがこれから刺れる刺れないの話ではなく、誰かが刺れている刺青について話しているらしいんですよね。
そんな感じで「アイツチョーヤベー」「マジヤベー」などと賑やかに笑いながら彼らは話しているわけなんですが、どうにも一人スゴイのがいるらしく、彼らの中では「なんだかんだいいながらもアイツが一番ヤベーヨ」ということになっているらしいんですね。
しかし関係があまり深くはない仲間なのか、名前が出てこないらしく「ナンダッケヨーアイツー」とか首をひねっています。
名前を覚えられなくとも刺青を覚えられているなんて、どんなヤツなんだと思ったわけなんですが、どうやら彼の刺青は龍らしく、しかも「ウジャウジャ彫ってあんのチョースゲーマジヤベー」ということらしいんです。
そんな話を拾い聞きしていた僕は、ますます興味深い人物に思ったというか、それはどう考えてもタトゥーとか甘いものではなく、リアルに倶利迦羅紋々入りの大当たりな本職さんなのではなかろうかと、彼らの将来が不安になったり、そんな素敵な方とこんな若い内からお付き合いがあることで、ガッチリと、そりゃあもうガッチリと決定したであろう彼らの将来性の方向に心の中で手を合わせてみたりしたわけです(南無おめでとう)。
しかし、しばらくする内に一人が名前を思い出したらしく嬉しそうに云いました。
「ああー!オレ思い出しちゃったよマジヤベー!」
「マジかよナンダヨ名前ー!」
「シシンだよシシンー!」
「うおナニそれマジヤベーそーだよ、シシンだよシシンー!」
「なんだっけアレだよえーと、クモンリュー!クモンリューシシンだよクモンリュー!」
シシン…?
クモンリュー…?
クモンリューシシン…?
九紋龍 史進 (くもんりゅう ししん)
『水滸伝』じゃねーか。
なんてことでしょう。この見るからにヤンチャをきめこんだボーイズは、白昼堂々彼らには似つかわしくない中国伝奇文学の代表作の登場人物について熱く語らっていたらしいのです。
とすると先ほど「居酒屋で暴れた」とかそんなことをいっていたのは武松とか魯智深和尚とかのことなのかもしれません。
いやまてよ。ひょっとしたら『水滸伝』をモチーフにしたチーム(チーム?!)なのかもしれません。梁山泊とかなのっちゃったりしているのかもしれないわけですよ。それでタトゥーとか彫っちゃったりとか!チーム内では「あにじゃ!」とか呼んじゃったりしているわけですよ!!うわこわーい!(頭の悪さが)
そんな風に妄想してる間に彼らは降りるべき駅に到着したらしく、出口に向かいます。そしてその際に聞こえてきた一言が、僕の妄想をあっさり否定しました。
「読書感想文とかチョーダリーよなー。さっさと終わらせてプール行こーぜプール」
うん。えーと疑ったりしてごめん。 宿題頑張ってね。 (なんつーか人は見かけによらないもんですな)
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2004年08月29日-12:23
] ▲
ちょ、ちょっと待ってくれ!
みんな、みんな僕の話を、ちょっとだけ聞いてくれ!そして質問に応えてくれ!
あ、えーと。そんなに静まりかえらなくってもイイ。うん。えーと、ちょっと聞きづらい事でもあるからさ、うん。
あのね、お腹緩い人っているじゃない。いやいやタプタプとかプルプルでなくて、内臓の方。そう、腸関係。むしろ腸そのもの。そうそう消化器系。
でね。年がら年中こーMr.ビッグベンがハードウエアというよりはソフトウエア側なわけじゃない。あ、いやいや「ウエア」は気にしなくていい。
え?ややこしい?わかったよ!なんだよ人がオブラートに包んで話してりゃイイ気になりやがって!あーわかったよ、そっちがその気ならこっちだって直球投げるよ!
そもさん!!
全国の軟便や下痢でお悩みの 同志(えー)諸君に問う!!
腹に力を入れてしまうと、明らかに出てしまうというほど、または時間が許すならば何時までも便座に座っていたいというような、ゆるゆる状態であるにも関わらず、どうしても日常生活というか、外出をせねばならなかったりした時!!(というかいつでもそうだよな!)
尻の谷間の「*」上に、「*」に蓋をするような形で折り畳んだティッシュや、トイレットペーパーを挟み込むことがある。
これは是か非か?!
ちなみにこれを長時間続けると、「*」周辺がペーパーとの摩擦で傷ついたりして、ぢになりやすくなるというリスクがあるが、パンツを汚したりアレなことにならない為に、気休め程度とはいえかなり有効であることは、僕が既に十数年間をかけて立証していることを、ここに付記しておきます。
さあメールでレッツジャッジ!! (件名は変えずに一行目に是か非か経験済みかを書いてお送り下さい)
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2004年08月31日-13:16
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