じーらぼ!言戯道場 (G-LABO Gengi-DOJO) 管理人:みやもと春九堂(しゅんきゅうどう)


【過去のつぶやき】
 2005年10月の【家元のつぶやき】のバックナンバーです。

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2005年10月のバックナンバー

パートナーシップ(2005年10月01日-10:59)
スピードの向こう側。(2005年10月03日-06:56)
論理箱。(2005年10月05日-17:47)
あげさげチャッカーズのこたえあわせ。(2005年10月07日-15:11)
体育の日ウイーク。(2005年10月09日-23:55)
結果報告。(2005年10月11日-00:47)
ウンキッシュ。(2005年10月12日-21:09)
雨、光、亀裂。(2005年10月14日-20:00)
次なる伝説を目指して。(2005年10月17日-01:35)
母の抽斗。(2005年10月20日-00:25)
七周年。(2005年10月21日-14:15)
裸一貫出直して「AOコーナー」から!(2005年10月24日-15:59)
ハッスル!ハッスル!(2005年10月26日-03:35)
窓口嬢、陵辱。(2005年10月27日-15:23)
間違い探し。(2005年10月29日-00:55)
ハロウイン。(2005年10月31日-06:20)


パートナーシップ


「1+1は2じゃないぞ。俺達は1+1で200だ!十倍だぞ十倍!」

上のセリフは当時新日本プロレス所属だった小島聡選手(現・全日本プロレス三冠王者)が、天山広吉選手とのタッグチーム「天コジ」について語ったものです。

総合100万パワーのウォーズマンが「ベアークロー2本で100万+100万で200万、 いつもの2倍のジャンプで400万、更に3倍の回転を加えればバッファローマン、お前の1000万パワーを超える1200万だ!」と、きっぱり言い放ったくらい不思議な感じがしますが、(1+1)×10=200だというなら、きっと正しいのでしょう。


さて、俗にタッグやダブルスという者は1+1を2以上にする事が必要なんて云われます。天コジタッグの様に、未知なる力で十倍すると1+1が200になってしまうという怪奇現象まではいかなくとも、お互いを高めあい、短所を補いつつも長所を引き出す。そういう事が必要というわけですね。

ダーツにもペアマッチ/ダブルスと呼ばれる試合形式があり、頻繁に行われています。ハウストーナメント(お店が主催する大会です)の場合は、参加人数を多くしたり、参加者同士の交流を深める為という意図もあるのでしょう、基本的にはダブルストーナメントが主体だったりもします。

勿論気の合う仲間同士でダブルスチームとして参加を申請することも可能な場合もありますが、基本的にはチームレーティングで組み合わせを作りますので、申請レーティングでペアを振り分けられる形になります。


これはどういうことかといいますと、ダーツは実力が絶対評価数字になってしっかり現れるスポーツでして、それをレーティングといいます。レーティングは01やクリケットといったゲーム種目の成績(スタッツ)から計算され、そのダブルスのペアは、そのレーティングで振り分けられるということです。

例えば参加者全体のレーティングをみて、一番上の人が14で、一番下の人が2だったとします。この場合、一番上と一番下の合計が16になりますので、基本的にはその数字に合う様に参加者同士をペアに振り分けるわけですね。10の人は6の人と、12の人は4の人と、8の人は8の人とっていう具合です。

しかしながらそう上手くバラバラのレーティングの人が集まる事もないので、1〜2くらいのチームレーティング差が出てしまうことは、ままあったりもします。


さてさて、レーティング12の人とレーティング4の人では、当然実力が全く違います。すると、基本的には、より上手い方がまだこれからの人にアドバイスをしつつ、ゲームをコントロールするというのがゲームのスタイルになるわけです。

このレーティングが上の方の人をファースト、下の方の人をセカンドと呼ぶのですが、この組み合わせの機微が、1+1を2以上にも2以下にもするわけなのです。


特にダーツはメンタルスポーツですので、ファーストであれセカンドであれ、如何に狙ったところに入れるかというよりは「如何にプレッシャーを感じずに楽に打てるか」という事に尽きます。この試合中のプレッシャーというのは本当に大きいもので、全く自分のプレイが出来なくなることもあるんです。

どんな上位者であれ、そうした傾向はあるわけですから、まだ始めたばかりでレーティングがさほど伸びていない人、つまりダブルスでのセカンドの人ならば余計に強くプレッシャーを感じてしまいます。


さて、俗に「ファーストの仕事」「セカンドの仕事」として、「ファーストの仕事」は01ならば、最低TONキープ、出来ればハット、アレンジ出来たらハイオフ狙い、失敗しても上がりやすいアレンジでセカンドに渡す。「セカンドの仕事」は01ならば、なんとかブルに一本でも入れる、キャッチ上等とにかく削る――なんてことを云ったりもするのですが、そういう実力に応じたプレイの結果よりも、もっともっと大事な「仕事」が、それぞれにあるんです。

それはお互いに「いつものプレイ、実力通り・実力以上のプレイ」を出せる環境を作って上げること。勿論それは結果として実力に応じたプレイ結果の数字を出すという事にもつながるのですが、それ以上にメンタル面のケアが必要になるわけです。

つまり「ファーストの仕事」は「如何にしてセカンドがプレッシャーを感じない様にケアするか」。ファーストとセカンドに割り当てられた時から、セカンドはファーストに頼る形になります。そこで如何に頼りがいあるファーストになれるかが重要なわけです。

セカンドが失敗しても「大丈夫!OK!」と励ませる度量の広さと明るいムード作り、そして実際に「大丈夫」な状態を作れる実力を発揮すること。それこそが「真のファーストの仕事」になるわけです。

対してセカンドはというと、これもまたファーストに頼り切るだけではなく、例えばファーストが失敗して一本もブルに入れられなかった時に、一本でもいいからぶち込む。こうした予想外のカバーをしてくれることで、ファーストもまたプレッシャーから開放されるわけです。

また自分が失敗しても「次は絶対に入れてきます!!」とファーストが心強く思える様なポジティブさを見せること。そしてそのムード作りをすること。つまり、お互いに実力以上を出そう出そうとするのではなく、お互いがお互いをケアし、サポートしようという姿勢とムードを作ること、それが「仕事」であり、その結果として、いいプレイを生み出す事に繋がるわけです。


これはとりもなおさず「思いやり」に他ならないわけです。小規模なハウストーナメントとはいえども、初対面の人や常連同士でもお店で時々顔を合わせる程度なんていう人と組むこともあります。

そうした場面でも「チーム」としての機能を果たせるかどうか、つまり「思いやりある姿勢」を出せるかどうかという事が求められてくるわけで、よく「ダーツは紳士のスポーツ」なんてことを云われますが、まさに「紳士」であることが求められてくるわけですね。


さてさて、DDT(ドラマチック・ダーツ・チーム)こと我がダーツ部も、そこそこに腕が上がってきたこともあって、最近ではいくつかの大きな大会にもエントリーをするようになってきました。まぁエントリーだけなら誰でも出来るわけですが(笑)。

大きな大会の場合は、参加人数も多いのでレーティングを参考数字にした階級別に試合が行われることになります。つまりダブルスのトーナメントならば、最初からチームとしてスタッツとレーティングを申請してエントリーし、そのチームの合計レーティングでエントリーする階級に振り分けられるというわけです。

つまり気心も実力も試合のペースも熟知した相手とペアを組んで出場するということですね。こうなってくるともう、誰と組むかわからないハウストーナメントのダブルスとはまるで違う展開になってきます。

ぶっちゃけた話が見知らぬ相手とのペアより、あらゆる意味でやりやすいということ。特にファーストの立場としては、上級者としてセカンドをリードしなくてはならない上に初対面の相手ならば余計に紳士的であらねばならない、という二重の気遣いが必要になるわけですが、気心の知れた相手ならば、その必要がないわけです。


紳士のスポーツだなんだと云ったところで基本は勝負事です。喧嘩腰ぐらいの勢いで打たなければ勝てるもんも勝てません。

ここ2ヶ月くらいの僕はレーティング上どうしてもファーストに割り振られてしまうのですが、ファーストとしてはもう最下層レーティングですので、紳士としてペアに気遣いをして優しく明るく努めつつ、ボードに向かったら闘志むき出しで打つ…なんていう高等なメンタルコントロールなんか出来ないんですよ。

結果として、ここのところのハウストーナメントでは負けがこんでいる状態でして、非常に悔しい思いをしつつ、自分の未熟さを呪い、こんな情けないファーストとペアを組む事になってしまったセカンドの肩に申し訳ないと肩を落とす日々ってな具合になっちゃってるわけですよ。なんとも精進が足りません。


さてさて、ところで今回我がDDTがエントリーした大会は10月10日に栃木県は小山で開催される「B.COLLECTION DARTS FESTIVAL」。400人からのプレイヤーが集う大きな大会です。

ダブルスのトーナメントになるわけですが、申請したスタッツからBフライトクラスへのエントリーになりました。前にもチョロっと書きましたが、僕のパートナーは兄貴。十数年来の友人であり、2ヶ月遅れでダーツにハマり、今まで一緒にやってきた仲間です。

同じ釜の飯も喰い、同じ杯で酒も飲み、今ではサイトまで同じサーバーでやっているわけで、過去に遡れば同じエロゲーでアレした兄弟という痛々しい傷痕もあるはずです(嫌すぎ)。ある意味ここまで気心の知れた相手はいないといえるでしょう。そしてそれは同時に「遠慮しなくていい相手」ということでもあるわけです。

10月10日は、我がドラマチック・ダーツ・チームとして初のダブルス対外戦でもあります。負けられません。対戦相手は全て殺っちゃう気味っくらいの勢いで臨むつもりです。そしてそれはパートナーに対しても同じ事です。

試合会場はいわば戦場です。とするとペアのファーストとセカンドは軍曹と二等兵みたいなもんです。そして軍曹といえばハートマン先生(フルメタルジャケット)です。軍曹は二等兵を叱咤します。罵倒します。そして激励します。それが軍曹が軍曹たる所以。軍曹クオリティです。


そんなわけでして10月10日は

「グダグダ云う前にブルにぶち込めこのデブ!」
「貴様こそファーストのクセにTONどまりか、ハット出せ!キ(ピー)ついてんのかこのデブ!」

「ノーマークだと?!貴様俺にストレスを与えて胃潰瘍で殺す気だな!この殺人デブ!」
「BUSTだと?!溢れさせるのはピザを前にした時のヨダレだけにしろデブ!!」

「うるさいデブ!」
「なんだとデブ!」

「ブヒィイー!!」
「ブキヒーィ!!」



と、こんな素敵な会話が
飛び交う事になりそうです。

(合言葉は「思いやりよりも、来週の火曜日に返すからハムカツちょっと貸してでぶー」で)



[ 2005年10月01日-10:59 ]  



スピードの向こう側。


彼がやってきたのは、いわゆる一つのエコでした。

というわけで、“サーキットのクマ”こと春九堂です。狼でもなければ虎でもありません。いわば早くもなんともなく、どちらかといえばサーカスの曲芸ベアーのような存在。むしろそれそのものといっても過言ではないでしょう。

えーとですね、前にも何度か記事で書いたと思うのですが、「月刊Mr.Bike」という老舗バイク雑誌さんにエッセイを連載させてもらっておりまして、その雑誌の企画で巨漢ライダー読者ばかりを集めた「DB隊」というものがあるんですよ。で、僕は先々月あたりから、DB隊の名誉会長なる役職に就かせて頂いているんです。

まぁ名誉会長とはいえども、さしたる役割があるわけでもなかろうとたかを括っていたのですが、そんな甘い話はなく、就任一発目の仕事として、日曜日に栃木県は茂木にある、世界レベルのレーシングコース「ツインリンクもてぎ」をバイクで走ることになってしまい、いっちょうやらかしてきました。


ツインリンクもてぎのオーバルコース「インターナショナルスピードウェイ」といえば、インディーカーが時速300キロで疾走したりするようなコースです。普通に考えたら一般人は滅多に走ることなんてありません。

ぶっちゃけますが、僕はバイク雑誌に連載をもっていたりするくせに、スピードがキライで、四輪も二輪もレース自体に興味がないという、とんでもないおポンチ野郎なんですよ。そんなヤツがツインリンクもてぎを走ってイイモノなのか。どんな疑問を心に抱きつつのレースデビューだったわけです。


まぁレースといっても10/1−2に開催された「本田宗一郎杯Hondaエコノパワー燃費競技全国大会」で行われた「マスコミ対抗!第5回 30分エコ耐」で走ってきたわけでして、この競技は決して速度を競う様なものではなかったんですけどね。

で、「マスコミ対抗!30分エコ耐」とは、マスコミ各社による50ccのスーパーカブを使ったミニ耐久レースでして、エコランと同じく正確に計測された同一量の燃料で、30分間にコースを何周走れるかを競うものなんですよ。

全開にして走れば距離は伸びずにガソリンだけ消費してしまう。かといってアクセルを開けては閉めて惰性でゆっくり走るというエコラン走行を繰り返していたら、30分という時間内に走れる距離が短くなってしまう。

つまり、速く走るだけではダメで、燃費を考えて、効率よく、なおかつ多く走ったチームが勝つという、なんともテクニカル&タクティカルなレースなんです。


しかしながらエコランの鉄則として、如何にエンジンの負担を減らして効率よく回すか、というものがあるわけです。その為に、各大学高校専門校などのチームはアルミフレームを使い、カーボンや発泡スチロールで車体カバーを作り…と血の滲む様な「軽量化」の努力をするわけです。

エコ耐の場合はスーパーカブ50ccという統一規格で行われるわけですから、軽量化は出来ません。となると、軽量化できる部分はライダーの選定になってくるわけです。小柄で体重の軽いライダーを使えば、それだけエンジンに対する負担が減りますからね。

ところが、我が月刊Mr.Bikeチームが選定したライダーは、デブ巨漢ばっかりを集めたDB隊の2トップ。名誉会長である僕(125kg)と、最重量を誇る横綱さん(150kg)です。勝負する気ないだろMr.Bike。


他チームからは皆、細身小柄なライダーが出場し、またHONDA PRチームからはプロのレーサーが参戦する中、思い切り場違いなクマが2頭。確かにツインリンクもてぎは山の中ですので、クマがいても間違いはないのですが、コースに出ているのは明らかにおかしい。そしてもう一つ明らかに乗車するバイクより重い上にデカイ。

もう明らかに僕らの回りだけが亜空間化しています。しげの秀一「バリバリ伝説」の世界の中に、なぜか「銀牙―流れ星銀」の赤カブト(ヒグマ)が紛れ込んでいるようなものです。


まーそれでも、圧倒的なまでに不利な状況化とはいえ、エキシビジョンマッチのようなもの。完走できりゃ御の字だろうなんて思っていたのですが、かなり甘かったです。

というのも30分ピッタリまでに帰ってこなければ、その時点で失格。ゴールはその30分以内に任意のタイミングでゲートをくぐればいいのですが、30分以内であってもゴールする前に燃料を使い尽くしてしまったら、その時点で失格と、説明を聞けば聞くほど、エキシビジョンどころかガチンコルールであることがわかったんですねー。いや事前に教えてよ(笑)。

そんなこんなで、必死になって作戦を練ったりしてレースに臨んできたわけなんですが――その結果は来月11月4日頃発売の「Mr.Bike」にてということで、全国書店・コンビニエンスストアなどでお買いあげの上、読んでやって下さい(笑)。

一応ネタがホットな内に、許可範囲での画像公開なんかもしたいと思います。ネタバレにならない程度にね。あとは公式サイトの方に結果とかも出るんじゃないでしょうか。

まーそんなこんなで人生初のレース参加でツインリンクもてぎなんて云うインターナショナルコースを走行してきてしまったわけなんですが、場内実況放送で「ゼッケン275、ミスターバイクDB隊最重量ズ頑張ってます!カブがちっちゃく見えるなあー!!」といじられた時に、スタンドから笑い声が聞こえてきたので



個人的には成績以上に大事な
勝利を得た、と思っています。

(エコ関係なしかよ)



[ 2005年10月03日-06:56 ]  



論理箱。


先日、某所で知人に紹介され、なおかつ回答して正解をいただいたりした「ロジカルクイズ」というものがあります。

材料と前提条件をいくつか用意して、正解を論理的に考えるという遊びなのですが、これが非常に面白かったので、ご紹介。


◆問題

僕の家には、今3つの箱があります。どの箱もしっかり梱包されていて、外から中は見えません。

それぞれの箱に、『肉』・『魚』・『肉と魚』と書かれたラベルが貼られています。しかしながら、どのラベルも貼る箱を間違ってしまったようです。つまり箱に貼られたラベルと中身は一致していないということです。

この3つの箱の中身とラベルを、以下の条件を守って正しく直さなければなりません。

【条件1】3箱のうち1箱にだけ、一回手を入れて中身を「一つだけ」取り出す事ができる。
【条件2】取り出した中身だけは見ることができる。
【条件3】どの箱も中を覗くことはできない。


さて、どのようにすれば、箱のラベルを正しく直す事ができるでしょうか?


この問題をすぐに解ける人は論理的思考が出来るというか理系的脳の持ち主というか、そんな感じの人だと思います(「そんな感じ」て、またあやふやな)

僕は割と短い時間で正解に辿り着きましたが、それ以外の回答の方が豊富に出てしまい、ワケのわからないことになってしまいました。条件や前提として出された情景を、想像力豊かに色々考えてしまう文系的脳の持ち主なのかもしれません。


ですが

・全てのラベルの末尾に「?」を書き加える。
・全てのラベルの前に「メイビー」と書き加える。
・全てラベルを「魚とか肉とか?(肉とか魚とか?)」に書き換える。


という、「どーでもいーじゃんそんなもん。テキトーに行こうよテキトーに」という考え方が出まくりの回答は、まぁとりあえずアリといえばアリとしても。

・四つ目の箱を用意し「くま」と書いたラベルを貼って、その中に入る。
・そして誰かが正しくラベルを直してくれるのをドキドキしながら待つ。
・時々箱を開けて外の様子をチラ見する。
・誰かが「くま」箱を開けようとしたら「入ってます」と応える。
・中身を出そうとされたら意地でも抵抗して箱を開けさせない。


という回答群は、最早論理クイズの原型を成していません。というか回答ですらない。想像力豊かな文系脳というよりも、脳みそ膿んじゃってるタダのバカという表現しか思い浮かばないといったところです。


さらに、この後続いた回答群は

・5つ目の箱に「校長」と書いたラベルを貼って設置する。
・校長先生が入ってくるのをドキドキしながら待つ。


と、既に物語化しちゃっています。自分の回答ではありますが、どこから校長先生が出てきたのか理解不能です。しかも箱が5つに増えている上に、最初の問題「ラベルを貼り替える」という事は、既に忘却の彼方です。

ちなみに、この回答群は友人と話ながら、どんどん出していったわけなのですが、この後は「如何にして校長先生を箱の中に押し込むか」という会話をえんえん続けていたという事は云うまでもありません。


というわけで、皆さんも、このクイズの正解を考えてみて下さい。ヒントを出しておきますと、「肉」も「魚」も「肉と魚」も、全て同じ重さで、箱は完全密閉されているので臭いも漏れてはきません。つまり「重さで調べる」や「臭いを嗅いで調べる」はダメってことですね。ヒントというよりは、誤回答の消去って感じですけれども。

回答を思いついた人はコチラからメールをいただければ幸いです。もちろん珍回答・面白回答も大歓迎ですよー。



ありえないとは思いますが
論理的に校長先生を箱に入れる方法を
思いついた方も、メールをお願いします。

(いくらなんでも、それは来ないだろ(笑))



[ 2005年10月05日-17:47 ]  



あげさげチャッカーズのこたえあわせ。


太々&黒々
あげさげチャッカーズの
論理クイズこたえあわせ

太々でーす。
黒々でーす。
二人合わせて、太くて黒いあげさげチャッカーズでーす。
というわけで、今回は何故か論理クイズのこたえあわせにかり出されてしまいました。司会ってことでいいのかしら。
ココの管理人もいい加減人使い荒いよね。コントやるだけの存在だったはずなのに、ダーツの解説はさせられるわ、クイズ番組の司会までやらせられるわ。なんか喋りは出来るから放送作家の書いた進行台本と字幕に頼れば無難に面白いけど、肝心のライブなんかでのオリジナルのネタがまるで面白くない最近の芸人みたいだな。
さりげなく長いセリフで物凄い毒を吐かないでよ。どこで誰が見てるかわからないんだから。
そうだね、チャックはこっそり全開にしておくべきだよね。仮に咎められても「おっと!こりゃうっかりだ!」で済ませられる様に。
いやいや!そんなうっかり認められないから!そもそもそんな云い方する人実際見たことないよ!水戸黄門のうっかり八兵衛かよ!
高橋元太郎(64)。2000年まで人気長寿時代劇「水戸黄門」で「うっかり八兵衛」を演じる。都立松原高校出身、実は歌手として芸能界にデビューしてるんだよね。
いやいや?なんでそこでプロフィール解説してるの?誰も聞いてないよ?
驚異的なのは1970年の水戸黄門第2部から2000年の28部まで、うっかり八兵衛を演じ続けたってことだね。云い方を変えれば、この人は29歳から60歳まで、うっかりしつづけたって事だぜ?
いやいや、誉めてるのか貶してるのか驚いてるのかよくわかんないよ?
このロングキャリアは尊敬に値するね。そして60歳を迎えて、すんなり引退したあたりの引き際も素晴らしい。このまま続けてたらどうなるかわかんないもんね。水戸黄門第50部!とかなっても、まだうっかりし続けてんの。で、80歳を超えたあたりから、台本にないセリフをうっかり云っちゃったりとかね。なんつーの、もうリアルうっかり、みたいな。
ちょっとちょっと?なに危険球投げようとしてるんだよ!危ないよ!?
でも、監督とかスタッフも「いや、あの人の事だ。自分の間でアドリブを加えているのかも知れない…っ!」とか考え込んじゃって、誰も何も云わないの。本番中に「御隠居!昼ご飯はまだですかねえ?」とか延々繰り返し云っちゃっても、そもそもキャラクター設定が「食いしん坊」なもんだから、誰も気づかない。
黒い黒い黒い黒い黒い黒い!!
「第二の森繁久彌!」みたいなね。
ギリギリ過ぎるから!!しかもギリギリアウトの方だから!!
まぁまぁ、そんなにうっかりでふくらませても仕方ないから、進行させようよ。
自分がやったんだろーがー!
で、なんだっけ。まぁいいや、問題のおさらいから入ろうよ。
まったく…えーと、問題はこんな感じでした。


◆問題

僕の家には、今3つの箱があります。どの箱もしっかり梱包されていて、外から中は見えません。

それぞれの箱に、『肉』・『魚』・『肉と魚』と書かれたラベルが貼られています。しかしながら、どのラベルも貼る箱を間違ってしまったようです。つまり箱に貼られたラベルと中身は一致していないということです。

この3つの箱の中身とラベルを、以下の条件を守って正しく直さなければなりません。

【条件1】3箱のうち1箱にだけ、一回手を入れて中身を「一つだけ」取り出す事ができる。
【条件2】取り出した中身だけは見ることができる。
【条件3】どの箱も中を覗くことはできない。


さて、どのようにすれば、箱のラベルを正しく直す事ができるでしょうか?
なんつーの。論理クイズとか論理パズルとかって、こういう傍若無人なの多いよね。そもそもなんで肉と魚を室温放置するかな。最近ようやく涼しくなったとはいえ腐るぜ?
いや、あくまでも仮定の問題だし…。
大体、ラベル貼り間違えるとかってありえないよね。漢字読めなかったのか?義務教育はちゃんと受けたの?それとも、やっぱり「うっかり」なのか?
話「うっかり」に戻るの?!
もう、こういうのはホント勘弁して欲しいよね。火災現場のバケツリレーで、うっかり「水」と「ガソリン」のラベルをバケツに貼り間違えちゃったらとんでもないことになるんだぜ?!
わかった!わかったから!話進まないから!!
というわけで、僕の回答は、「ラベルを貼り間違えたヤツを呼び出して、正座させて小一時間説教する」かな。意外とメールでも、この回答を送ってきた人が多かったしね。決して少数派の意見ではないはずだよ。
い、いやその、確かにメールでそういうのも多かったみたいだけど、それ問題の根本解決になってないから。
えー。めんどくさいなー。んじゃあ真面目に応えればいいわけ?
お?実は自信あったり?
まぁこれ以上ひっぱっても仕方ないしね。解答待ってる人達は、こんなコントモドキ煩わしいだけだろうし。
うわ、またそんな危険球を…。
てなわけで、簡単に解説していこうか。

まず、この問題のキーポイントは

・全てのラベルが間違っている。
・中身は一つしか取り出せない。
・箱の中は覗くことが出来ない。


ってとこだね。
うんうん。
で、箱の中には「肉」・「魚」・「肉と魚」が入っているってワケだ。わかりにくいからこうしようか。

肉と魚が入っている箱=【A】
魚だけが入っている箱=【B】
肉だけが入っている箱=【C】

「肉と魚」ラベルの箱=【い】
「魚」ラベルの箱=【ろ】
「肉」ラベルの箱=【は】


そうするとさ、どれでもいいからまず開けちゃったりして一つ取り出すと、万が一その箱が【A】だった場合、取り出せるのは「一つだけ」だし、「覗くことも出来ない」わけだから、肉と魚が入っているのに、どちらかしか出せないことになるわけだよね。
そうなるね。
ってことは、まず【A】の箱の中身を出すって事は避けなきゃいけないわけだ。

で、「全てのラベルが間違っている」=「ラベルに書かれているモノは中には入っていない」わけだから、【い】の箱には、絶対に「肉と魚」は入っていないわけだよね。肉か魚しか入っていない。

つまりこの箱は安心して開けて中身を一つだけ取り出すことが出来るわけだ。ってなわけで、開けて取り出す。
うんうん。じゃ、ここでは【い】の箱から取り出したものは、肉って事にしようか。
OK。そしたらとりあえず、こうなるわけだよね。

【い】=【C】

で、残りは【ろ】と【は】の2つの箱なんだけど、【い】=【C】である以上、【ろ】の箱には肉は出てこないし、「全てのラベルが間違っている」わけだから、魚だけであるということもないわけだよね。

つまり、【ろ】の箱に入っているのは「肉と魚」ってことになる。

【ろ】=【A】

ってわけだ。
ふむふむふむ。いいねいいね。
で、後は消去法。

【い】=【C】
【ろ】=【A】

で組み合わせが出来上がっちゃってる以上、【は】の中身は

・全てのラベルが間違っている
・「肉」は既に【い】の箱から出ている。
・「肉と魚」は【ろ】の箱である。


というわけで、「肉」ではなく「肉と魚」でもない。そうすると【は】の箱に入っているのは「魚」ってことだね。

【は】=【B】

というわけで、あとは組み合わせ通りにラベルを貼り直して出来上がり。
おー。正解正解。ちなみに一番最初に中身を取り出した【い】の箱から「魚」が出てきた場合も、同じ考え方で解いていくことが出来るわけだね。
まーそういうことだね。ところで台本によると、ここでお詫びがあるとか?
あ、そうなんだよ。これ最初問題の一部が間違っていたんだよね。問題文が「一度、一つだけ箱を開けて中身を出すことが出来る」ってなってたんだ。これだと、箱をひっくり返していいって事になっちゃうから、「肉と魚」の箱を開けてしまっても、どっちも一度に出てきちゃうから、「肉と魚」という複数のモノが入っている要素が無意味になっちゃうんだよね。
なるほどね。考え方は同じだけど、難易度が少し緩くなっちゃうのかな。どれを開けてもいいってことになるわけだからね。
んー、でも逆に「2つのものが入っている箱は絶対に開けてはいけない」という出足の前提が1個削られちゃうから、難易度が上がったって見方も出来るね。
まあそれもそうか。でもそこでつまづいちゃった人っていた?
うんにゃ、いないね。ちなみに回答数は170通ジャスト。正解者数は156人だね。
おや。間違えた人がいたの?
んー。わからないっていうメールが10通で、あとはネタ回答だけの人って感じかな(笑)。
なるほどねー。まぁ、こんなもんわからなくたって、日常生活ではなんら困ることはないので気にしないでいいよ。ここの管理人なんか、箱に入ったまま出てこないしね。
あの箱も手に負えないよなー。

それもさー、「くま」「校長」と続いて、「私もわからないので、箱に入って誰かがラベルをなおしてくれるのを待ちます」って人が5人もいるんだよ(笑)。
箱が10個も並んでるのか!
まぁ、そんな感じだねぇ(笑)。
国の行く末が不安になるね。
そんな大袈裟な。
もういいよ、わかった。ほらアレだよ、回答メールでも「燃やしちゃえばいいじゃない」ってのが、かなり多かったし、いっそのこと実行しようぜ。10箱全部。むしろ部屋ごと行こう。
なにさらりと過激な事いってんの?!
BGMは郷ひろみの「GOLD FINGER '99」で。
いやいやいやいや!!
あーちーちー♪あーちー♪燃えてるんだーろーかー♪

みたいなね?
黒い黒い黒い!!
まーでもほら、放火は、罪が重いからね。やりませんよ。
いや、その判断もどうかと思うけどね?
ちゃんと、天ぷら油を満たした鍋をコンロにかけたまま、うっかり放置するから。
うっかり火災?!

っつーかダメだってば!それ意図的じゃん!明らかに燃やす気マンマンじゃん!!
『吉田照美の殺る気manman!』

みたいなね?
そんな殺伐とした番組、お昼のレギュラーで放送出来ないから!
それでは本日の御題は「あなたのうっかり体験」。

えーとFAXをいただいたリスナーの方とお電話がつながってまーす。

もしもーし、どんなうっかり体験なんですかー?

「ええっとですねー。今、上司と一緒に全国視察の旅先なんですけどー。あのー家を出てくる前に、なんか忘れてきたような気がしたんですよー。で、さっきテレビ観てたら自宅の近く、あのー水戸の方なんですけどー。その辺りが火災で数百メートル全焼とかってニュースがやってましてー。で、気が付いたんですけど、どうも天ぷら鍋をコンロにかけたまま忘れてきた様な気がするんですよねー。『おっと!こりゃうっかりだー!』みたいな」

もう、スタジオ大爆笑。

どっかんどっかんですよ。
照美も小俣も笑い死に寸前!みたいなね?
いやいやいやいやいや!!それ大爆笑するところじゃないから!!それにその2人そんなに黒くないし!!
ちなみに、そのリスナーのラジオネームは「ハチベエ・ザ・ウッカリスト」
またうっかり八兵衛に戻るのかよ!!いー加減にしなさい。
どーもありがとうございましたー!



[ 2005年10月07日-15:11 ]  



体育の日ウイーク。


矢りたい放題ですよ奥さん!(奥さん?)

というわけで、珍しく従来通りの10月10日を「体育の日」とした連休になっているわけですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

北関東の山の方では紅葉が最盛期を迎えていたりと、あいにくの曇天続きではありますが、それもまた風情ある行楽日和といった感じになっていますね。

またこの時期は運動会やら体育祭のシーズンでもあるわけで、三歳になった僕の甥っ子も、幼稚園の運動会があったそうで、かけっこやらなんやらと楽しんできたようです。なにしろ生まれて初めての「運動会」。姉夫婦もこの日の為にDVDカムを購入するなど、順調に親バカの道を歩んだようです。


さて、甥っ子がそんな「生まれて初めての運動会」で、この体育の日ウイークを楽しんだのであれば、叔父である僕もやる気を出さないわけにはいきません。皆さん3歳児に対抗心を燃やしてる29歳がココにいますよー。

というわけで、まずは土曜日に、お台場で開催されたダーツショップI&Kのセレクショントーナメントに参加してきました。

このセレクショントーナメントは8月から月一で全六回開催される大会でして、優勝者には10ポイント、準優勝者には5ポイントが与えられ、6回終わった時点で最もポイントの多い選手を「I&K選出選手」として、大きな大会などでスポンサードしてくれるというモノなんです。

エントリーフィーも1000円でワンドリンク+ランチ付き(ゲーム代別)というお得さですし、ABCのフライト別(階級別)の試合なので、同じくらいの腕前の人達と試合が出来るチャンスでもあるわけなのです。


で、僕は8月の第1回に参加したのですが、緊張しまくって何がなんだかわからないうちに予選落ちするというみっともなさを披露。

おまけに財布の中に福沢先生がいると思いこんでいたのですが、出してみたら2千円札だったというハプニングまで起こすという、ドジっ子炸裂っぷりまでかましてしまったりと、まっことどうしようもない結果に終わってしまったわけです。

9月の試合には日程が合わずに不参加。そして今回10月の大会に再びエントリーとなったわけです。8月の参加時には8だったレーティングも9まで上がったことですし、フォームも随分と変わりました。

ダーツバーにでかければ、どんどん知らない人とも対戦をし、それなりのキャリアを積んでの参戦。いわばリベンジマッチみたいなもんです。


今回は参加人数も6人と少なめだったので、トーナメントではなく総当たりのリーグ戦となってしまったのですが、その方が試合が出来るチャンスが増えるわけで、投げれば投げるほど調子が上がってくるタイプの僕としては願ったり叶ったり。

結果としては5戦全勝で優勝し、見事リベンジを果たすことが出来ました。前回参加時は予選落ちだったのが、今回は一気に優勝。10ポイント獲得です。

結果も勿論嬉しいわけですが、好い意味での緊張をしながら投げることが出来たので、そこそこ「いつも通り」のゲームをする事が出来たので、それが一番嬉しかったですね。

前回はまるで自分の投げ方が出来ず、本当に何がなんだかわからないうちに終わってしまったんですよ。しかも大会後のゲームでは、その場にいた参加者の方全員に勝てたりしていたので、如何にダーツがメンタル重視のスポーツであるかを思い知らされましたからねえ。


さて、このセレクショントーナメント。いつもなら決勝戦はビデオ撮りをして、それをI&Kのサイト上で公開したりするのですが、今回はリーグ戦な上に同点決勝もなかったので、試合のビデオ撮りはありませんでした。

その代わりなのかどうかはわかりませんが、参加したプレイヤー達のフォームを一眼レフの高機能なデジカメで連続撮影するという面白い企画をやってくれまして、僕も撮影していただきました。で、早速このフォーム写真がI&Kのサイト上で公開されているのですが……なんだ、この緑色のデブは。

いやいやいや、自分の体型は重々承知していますし、毎日一応鏡も見ています。でもそれにしたって、こう、なんといいますか…。素振りならともかく、自分がダーツを投げている姿を客観視する機会って滅多にないんですよね。それも全身の映像ともなれば尚更です。


これまで僕の観てきたダーツのフォーム写真というのは、一流どころのトッププレイヤー達のものばかり。で、日本人のトッププレイヤーの皆さんって、みんなスマートなんですよ。Tripleightの谷内太郎選手なんかモデルさんですしね?(最上段左上)

まぁ海外のトッププレイヤー達には、フィル・テイラーコリン・ロイドピーター・マンレイなど、僕みたいなクマ系プレイヤーも決して少なくはないのですが、少なくとも国内トッププレイヤー達の動画を集めた9darts.tv等では、こんなクマの映像を見た憶えがありません。なんかもう、本当にありえないデカさです。


明日参加するB.COLLECTIONダブルストーナメントは、件の9darts.tvの撮影が入るそうなので、準決勝・三位決定戦・決勝あたりまで勝ち残ることが出来れば、ビデオ撮りをしながらのゲームになるかもしれません。

まぁまずはそこまで勝ち残らなければならないわけなんですが、フライト別の大会とはいえ、同じ階級に32チーム64人も参加するわけですので、相当な難関であることは確かです。


僕のダブルスのパートナーは兄貴。同じダーツチームのメンバーであり、また十数年来の旧友でもありますが、実は2人で組んで外で何かの試合をやるというのは初めての事だったりします(自主イベントでは一回だけボーリング大会がありますが、結果は全敗)。そして僕はダブルスでの優勝経験がありません。それどころか勝利経験すらも少なかったりします。

もしここで勝利を上げることが出来たら、ダブルスでの初出場・初優勝・初勝利なんてことにもなるかもしれません。そして9darts.tvにも初登場なんてことも、あるかもしれないわけです。まさに初めて尽くしです。童貞喪失しまくりです。

勿論出るからには勝つ事を第一に考えますし、それを4回繰り返せば優勝に結びつくわけですから、頑張らないわけにはいきません。最低でもファストアウト(一回戦負け、敗者復活戦一回戦負け)は避けたいところ。いや、矢る前から負けた時のことを考えるバカはいないので、とにかくまずはベスト4進出を目指したいと思います。そうすれば9darts.tvの動画にも載るかも知れませんしね!!



もし動画が掲載されたら、9darts.tv初の
「プレイヤーがカメラフレームに収まりきらない」
という珍事が起こるかも知れません。

(ある意味優勝よりもオイシイかも…(笑)。とにかく頑張ってきます!)



[ 2005年10月09日-23:55 ]  



結果報告。


というわけで大会に参加してきたんですが。アレですよ。もう全然ダメでしたね!笑うしかない様なダメっぷりでした。まだまだっていうか、まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ(以下数千回繰り返し)ってくらいの、まだまだっぷりでしたね。

結果からいえば、まずは一回戦負け。そして裏(ルーザーサイド)に回って、一回戦は勝利するも、二回戦で負け。ダブルイルミネーショントーナメントですから、2回負けた時点でアウト。

これでもう試合はなくなってしまったわけです。まぁファストアウト(2回連続で負けで終了)は避けられたとはいえ、本当に最低限の結果しか出せませんでしたねえ。どうしようもありませんでしたねー。


まぁグダグダ云っても仕方ないのですが、反省する意味でも、前夜から振り返ってみましょう。まず前日夜。体調管理も大会の内ですから、念には念を入れて、前の晩はゆっくり休むつもりだったのですが、どうにもこうにも寝付けず、結局2時くらいに就寝。

で、支度もありますし、会場で練習できる機会があるかどうかもわかりませんので、最低限の肩慣らしはしておかなければなりません。というわけで、そのまま6時半に起床。シャワーを浴びて服装を整えて、ボードに向かい、とりあえず肩慣らしに200本ばかりブルに放り込み……やめましょう。

準備が綿密であればあっただけ悔しさだけがこみ上げてきて涙が止まらない様な状態になってしまいます。あーもー悔しいっつーか情けないっつーか、ほんとどーしよーもないっすね。こういう気持ちっつーのは。


まぁ普通に社会人やってるだけだったら、こんな体験出来ることもないでしょうから、もちろん勝って喜ぶ体験の方がいいわけですが、負けて悔しい思いをして、さらに練習するっつーのもアリなんでしょうね。ホントスポ根マンガの世界ですよ。面白いなぁダーツは。

今回のよかった探しとしては、大会慣れしてきたというか試合慣れしてきたというか、さほど緊張せず、好い意味での緊張感を保ったまま、普段通りのプレイが出来たなっていうのはありますね。それで負けてしまったのだから仕方な……なくねえ!仕方なくねーよー!もお、ウンキッシュ過ぎてダメダメです。

今回の大会はダブルスだったんですが、一緒に組んだ兄貴も珍しいくらいにぐったりしていましたね。まぁダメダメな試合内容だったので、当たり前といえば当たり前なんですけどね。あー悔しい。落ち込むなあ…。お互いこの悔しさをバネにステップアップ出来ればよいなーと思ったりするわけですが、とりあえず今は落ち込ませて下さい――。





(落ち込み中)





だ、だめだ…浮上のきっかけが掴めない…。ダメだ、このままではダメダメだ。落ち込んだまま浮き上がれない。なんとかしてやる気を出さないと。えーとえーとなんかないかなんかないか…。ん…?











んー…?











んんー…。











んんんんんーー……。






5位:エクサブラ グローナイト






…うむ!





サイズ指定 IV以上な女性読者さまからの
励ましと慰めのメールお待ちしております。

(所詮それで回復する程度の落ち込みか)



[ 2005年10月11日-00:47 ]  



ウンキッシュ。


-ish

形容詞語尾。形容詞につけて「〜がかった」の意の形容詞を作る。
(childish, foolish, oldish, greenish.)


最近仲間内で流行っている言葉があります。



ウンキッシュ。



お食事中の方ごめんなさい。でも本当なんです。流行らせはじめたのは数日前からなんですが、使い方としては「ク●な、ウ○コな」という状況や何かを表す時に用いるものです。

きっかけはまぁダーツなんですが、とあるトーナメントに参加した時、試合前の練習でいまいち調子が上がらず、仲間の待っているテーブルに戻った時

「いやー調子悪いわ。もうなんかリリースもフォロースルーもウ○コだよ。ク●だなこりゃ」

と云いたかったのですが、なにしろ会場がオシャレなカフェレストランだったモノですから、「いやー調子悪いわ。もうなんかリリースもフォロースルーもウン」まで云ってから言葉を選び、「ウンキッシュだわ。全然駄目だなー」と軟着陸したという場面で誕生した言葉だったりします。


まぁよもやこの場面でのウンキッシュやウ○コ・ク●といったタームに対して、ダーツを投げる手が、そのものズバリなMr.BENであるというような事を想像をする人はいないとは思いますが(どんな状況でそんなことになるんだよ)、ここでいう「ク●」とは、駄目なゲームなどを指して云う言葉「ク●ゲー」等と同じ意味でのク●になります。もしくは「下手くそ」のク●ですね。

ちなみに●の中に入る文字は「ソ」であって「マ」ではありません。そりゃ僕はクマですが。あわせて○の中に入る文字は「ン」です。「リ」でもなければ「ロ」でもありません。「マ」を入れる人は蘇我氏の末裔だと思います。お父さんは稲目で息子は蝦夷、そして孫は入鹿なのでしょう。


で、そんな経緯で、この「ウンキッシュ」なる言葉が誕生してから一週間近くが経つわけなのですが、先日の本欄記事内でも「ウンキッシュ」を使用した為、現在グーグル先生において「ウンキッシュ」で検索すると、物の見事に金メダル獲得という、めでたいんだかうれしいんだかよくわからない事になっています。

ちなみに当サイトは他にもこんなのでも金メダルを獲得しており、かつて「マナーアップサイト」と名乗り、トップページにその言葉を明記していたことを心苦しく思う程だったりします。


しかし、ふとしたはずみで転がり出た、この「ウンキッシュ」なる言葉。何気に非常に深い意味を持っているのではないかと思うわけです。というのも冒頭に書いた様に「-ish」は形容詞を表す言葉ですので、僕が用いた用法はもちろんのこと、便意を催した時にも使えるわけですよ。

例えば、恋人との甘いひととき。不意に襲う便意。そんな時に「ちょっとウ○コしてくる」とは云えなくても「ハニー。アイムウンキッシュナウ」ならば云えます。颯爽と席を立つ姿には、古のタバコCMのBGM「ハンハハ ハハン ハンハーン ホニャララ ラッキーストラ〜イク♪」が流れてきそうなイメージさえあります(いやねえよ。そもそも「トイレ」って一言云えば済むし)


まぁ、そんな戯れ言はともかく。どこか洗練されたような語感のある言葉が、仲間内で妙に気に入られたらしく、かなり局地的ではありますが流行の兆しを見せ始めています。

日記などでも頻用するようになった友人に「随分気に入ったみたいだねぇ」と云ったところ「流行語大賞とるつもりで!」と軽快に返されたわけですが、こんな言葉が流行語大賞に擦ったりしようものなら



それこそ我が国の言語文化は
相当ウンキッシュだと思わざるを得ません。

(というわけで、皆さんも流行らせて下さい)



[ 2005年10月12日-21:09 ]  



雨、光、亀裂。


その日の夕方、当たり前のように八月の空は曇り始めた。

「一天にわかにかき曇る」なんていうセリフだか歌詞だかを、以前どこかで聞いたことがあるような気がするが、窓の外、そこに拡がる空ばかり見ていた僕は、そのセリフだか歌詞だかの情景をリアルタイムに目撃することになった。


遠くで雷鳴が聞こえる。

ゴロゴロというありきたりの表現のしか出来ないような音。空はどんどん黒くなり、薄墨を落とした水のようになり始めた。

音が近づいた。

そう思った次の瞬間には窓ガラスを大きめの水滴が叩き始めた。きっと窓を開ければ、外に出れば、彼女が好きだと云っていた「雨の匂い」、正確に云えば「日に焼けたアスファルトが雨に濡れた匂い」を胸一杯に吸い込む事が出来るのだろう。

だけど僕は窓を開けることも、外に出ることもしなかった。ただ無感動に窓を濡らす雨粒をみているだけだ。

雲の向こうにストロボを焚いたような光がみえた。数秒後に雷鳴。確実に雷は近づいてきているようだ。


――いっそのこと、そこかしこに落ちりゃあいいんだ。

もちろん一番に落ちて欲しいのは自分の身なのだが、僕はそんな悪態を口の中で吐いた。「雷を落とす」なんて言葉にしてしまうと、叱られたり怒号を浴びるというような意味になるが、別段それでもよかった。

この怠惰で無意味で、腐臭さえ漂うな状況。それを一変させてくれれば、それだけでよかったのだ。なんだってよかったのだ。


僕は相変わらず窓を見ていた。窓を見てため息を吐いていた。それから窓の外へと焦点を動かす。灰色の空、灰色の雲、時々の稲光、それから雷鳴。その向こうの空も、日が沈んで暗くなりはじめているのだろう。灰色の空は蒼さを増していた。

死人の顔色のようだ。

そんなことを思ったのは暗くなった外の風景を透過する窓に、自分の顔が映ったからだ。どれだけの間ぼうっとしていたのか、僕の顔は次第にくっきりと窓に映り始めた。

雨雲と夜とがもたらす蒼と黒が強くなれば強くなるほど、僕の顔は鮮明に窓に映る。だからといってどうということもなかった。

雨はいつか止むし、夜はいつか明ける。そうしてまた無為な一日が始まって、無為に過ぎていくだけのことだ。しかも動かない僕にとっては、それは地球が自転し続けているからというだけのものであって、僕にとっては「一日」は始まりもしなければ終わりもしないのだが。


雨は止む気配を見せなかった。

暗い蒼。蒼い曇天。

雨はますます強さを増していて、屋根や窓を叩く音がうるさいくらいだ。時計を見ることもなければ、灯りをつけることもせず、トイレにいくこともなかった、寝返りや姿勢を変えることすらしない。ただ窓を、否、窓に映った自分の顔を見続けていた。

随分目が慣れてきたのか、窓に映った僕の顔を叩く雨粒一つ一つがはっきりと見えるようになっていた。そして窓に映った自分の顔の目にあたる雨粒を見ては、泣き顔のようになりはしないかなどと考えたりしていたが、無表情に僕を見返す僕は、やはり無表情なままだった。


不意に窓の外が光った。稲光だ。まだ続いていたのかと思うまでもなく、今度は雷鳴が轟いた。

――近いな。

そう独りごちようとした瞬間、窓に光の亀裂が走った。僕の顔に亀裂が入った。そうしてすぐに再び雷鳴。「ど・どーん」という大音が空に響く。窓に映った僕の顔は、少し驚いた顔をしていた。いや、どちらかといえば間の抜けた顔、かもしれない。

僕の網膜には先ほどの稲妻が、未だしっかりと焼き付いていた。天井灯を消した直後、瞼の裏に見える残像のように。二・三度瞬きしたのだが、残像は消えなかった。瞼を閉じて開くたびに、窓に映った僕の顔に稲妻の亀裂が入る。

もう一度瞬きをしたら、残像が遠くなったような気がした。だから僕は身体を起こして、その残像へと手を伸ばしてみた。しかし亀裂は窓ガラスの向こうに行ってしまったようだった。

もう一度だけ瞬きすると、窓から僕を覗き込む、知らない顔をした男の眉間のあたりに亀裂は遠のいてしまった。


――だめだ、行ってしまう。

何故か僕はその稲光の残像が、今のこの腐った状況を変えてくれる何かだと思いこんでいた。

あの光を逃しちゃいけない。

そう思うと同時に、窓の向こうの男が拳を固めて窓に殴りかかった。鈍い衝撃音。

もう一度。どういうわけか僕も拳が熱くなった。手首も挫いたように痛む。そしてもう一度。窓がひび割れて、窓の向こうの男の姿が一瞬消えた。

目をこらすと、男は狂ったような表情で今一度拳を振り上げた。身体ごと勢いをつけて殴りかかる。


――なにやってるんだコイツ。

そう思うまでもなく、窓に拳がめりこみ、今までとは違う衝撃音とともに、男の姿は消えた。途端に冷たく湿った空気が部屋に流れ込んでくる。窓ガラスが割れたのだ。斜めに窓を叩いていた雨が、今度は部屋の中に入ってきた。

僕はといえば、上半身の右半分が外に出てしまっているような状況だった。熱を持った拳と手首が雨に濡れて冷たい。腕を引き戻すと、窓枠からずり落ちてきたガラスが、腕を少し切りつけて、それがら床に落ちて割れた。

なにをどうしようもなかった。瞼を閉じても、光の亀裂はもう見えなかった。でも確かに状況は変わった。あの雷は僕に落ちてくれはしなかったけれども、確かにこの状況を変えてくれたのだ。


手指と腕が痛む。手探りで携帯電話を探すと、その薄ぼんやりとした灯りで、自分の腕を調べてみた。濡れた指の皮膚が何カ所か破けて、血が滲んでいるようだ。腕にも傷が何カ所かある。

だが別段どうということもなかった。僕は携帯電話を左手に握ったまま、歩くと部屋の灯りをつけた。ちかちかとうるさい光に顔をしかめて目を閉じる。それからゆっくりと目を開けると、いつもと変わらぬ部屋が照らし出された。


手首を伝う温みに気づいて腕を見ると、腕の内側がざっくりと切れていた。痛みを感じないのがおかしいくらいだ。ふと気がついて、今まで自分の歩いて来た床をみてみると、点々と紅い印がついている。

僕は苦笑しながら、その印を目で辿った。視線の辿り着いた先は、僕がさっきまで寝っ転がっていたベッド、その向こうには割れた窓。

僕は自分の血痕を目印にするように下だけを見ながら、狭い部屋をベッドの方へと歩く。そしてベッドまで辿り着くと、電灯に照らし出された、雨が降る前と変わらぬ光景に溜め息を一つついて、左手の携帯電話を開いた。

そして数字ボタンを順序よく、しっかりと押す。

間違えようのない、一度もかけたことがない短い番号。


それから受話部分を耳にあてて、数コールの後に出た相手に、事務的な声で伝えた。


「恋人を殺しました。住所は…」


無感動に用意されていた台詞を口にする僕の視線の先にはベッド。そしてその下には、確かに数時間前まで僕の恋人だったものが転がっている。


部屋には、割れた窓から吹き込んできた「雨の匂い」が充満していた。彼女が好きだと云っていた「雨の匂い」が。

僕は電話を切って彼女の側にしゃがみこむと「よかったね」と呟いてその髪を撫でた。

割れた窓ガラスから吹き込んだ雨が、硬くなった頬を濡らして、彼女は泣いているように見えた。だから僕は少しだけ悲しくなって、溢れた涙を拭うと割れた窓を見上げる。

空に走った光の亀裂は、この、どうしようもなくなった世界とは「違う世界」に繋がっているはず。だから僕は次の稲光が来るのを待ち続けた。今度はガラスはない。

だからそのまま飛び込めば、また彼女とやり直せるはずなのだ。

そう信じて、僕はいつまでも光を待ち続けた――。



たまにこういうの書くと心配されるんですが
僕自身は心身共に健康ですよ?

(「極度の肥満」と「ダーツのやり過ぎ」以外はね?)



[ 2005年10月14日-20:00 ]  



次なる伝説を目指して。


体育の日なんてとっくの昔に終わってしまったわけですが、僕の中では「体育の日ウイーク」は、まだ続いていたりしたわけでして。

そんなわけでして、本日はロスカボス御茶ノ水店にて開催された「NEXTレジェンドロスカボスBCフライト限定シングルストーナメント」に参加してきました。

とはいっても、今回御茶ノ水店で開催されたトーナメントは、ロスカボス各店舗で開催されている同トーナメントの「地区予選」。つまりこのトーナメントを勝ち抜いて上位4名の枠に食い込むことで、本戦トーナメントに出場する権利を手に入れることが出来るわけです。


で、参加してきたんですが、まーひどいひどい。前日はダーツ部の仲間と投げ放題の店に9時間パックで入って延々投げ続けるという狂気じみた実戦練習をこなし、帰宅したのは深夜過ぎ。

そのままさっさと寝ればよかったものの、古い友人から来た「今電話大丈夫?」というメールに、迂闊にも「かまわんよ」と返事をしてしまい、そこから夜明けまで離婚するだのしないだのという非常に重い話を延々聞かせ続けられるという展開に。もうこの時点で相当にウンキッシュムード満点です。


結局一時間ほど仮眠をしてシャワーを浴びて、そのまま早朝のうちに一路御茶ノ水へ。エントリー開始二時間も前に着いてしまったので、身だしなみを整えて精進潔斎すべえと、あらかじめネットで調べておいた理髪店に行き、半分眠りながらお任せでカットをしてもらい、ヒゲも整えてもらいつつ夢心地で一時間ちょい。

そしてエントリー。練習。試合開始となったわけですが、始まった時点で眠気MAXな僕。しかもついていない時はとことんついていないもので、試合順が一番最後というオマケつき。眠気と、それにともなう体温の低下。そして緊張とでメタメタになりながらの試合になってしまったわけです。

肝心の試合もこれがまた非常にウンキッシュでして、なんというかそこそこ試合慣れもしてきたはずなのに、どういうわけか震えが止まらないんですよ。なんつーかガクガクというよりはマナーモードのケータイの様な感じです。バイブの霊にでも取り憑かれたかと、そんな感じです。

そしていつも通りのダーツが投げられない。無理矢理ねじ込む感じで投げて、なんとか一回戦は突破したものの、二回戦、三回戦と勝ちはするものの、どんどん成績は悪くなり、どうやって勝ったのかもわからないような有様。スーパーウンキッシュMAX状態です。


続く準決勝で敗退したものの、ダブルイルミネーショントーナメントなのでルーザーサイドに回り、そのまま試合は続行。ルーザー準々決勝という形になったのですが、これに勝てば、とりあえずベスト4入りが確定するわけで、ここでウンキッシュダーツはやってはいけないわけです。

試合形式は501−クリケット−501。501は落としたもののクリケットは勝利。続く3本目の前に対戦相手の方から「負けませんよ!」と宣言された瞬間、なんていうんでしょうね、肚が据わったといいましょうか。まぁぶっちゃけケンカ魂に火がついた状態になりまして。どういうわけかバイブモードがあっさり停止したんですよ。

なんか前もそんな事があったような気がするんですが、こうなると割とノリノリになるというか、脱ウンキッシュを果たして、なんとか勝利することができたわけです。

そのままの勢いでルーザー準決勝も勝利。続くルーザー決勝で勝てば優勝者決定戦にコマを進めることが出来、最悪でも2位になれたのですが、ここで最後の最後で痛恨のウンキッシュミスをしてしまって敗退。結果は三位で本戦出場権もゲットできたわけです。


まぁ試合内容は後半以外は全く誉められたモノではなかったのですが、それでもなんとか頑張れた結果。胸を張って表彰式に臨んだのですが、なんと予選なのに上位3名には賞品+トロフィーが用意されていまして、これはもう本当に嬉しかったですね。

カップや表彰状なんかは学生時代になんだかんだでもらったことはあるんですが、トロフィーはどんな小さなものでももらったことがなかったんですよ。つまり文字通りの人生初トロフィーだったわけです。

喜んで賞品目録とトロフィーを受け取って記念撮影。戦い終わればノーサイドですから、和気藹々と本戦でのお互いの健闘を誓い合ったりしつつ解散となったわけですが、収納箱ももらって、しみじみとトロフィーを見てみると、プレートには「10月16日 NEXTレジェンドロスカボス 横浜予選 3位」の文字が。


この日は大会進行をお師匠であるひぐひぐさんがやっていたので、「あれ、お師匠。このトロフィー…横浜大会ってなってるんですけど…」と伝えたところ、「あーそうなんだよね。本戦までに取り替えておくから、家元、今日はそれ置いてって」とあっさり。

そんなわけで、僕の人生初のトロフィーは現在手元にはなく、11月6日の本戦会場で渡される予定になってしまったんです。

まったく、こんなところでネタの神様降りなくていいから!って感じの珍事だったんですが、ある意味物凄いプレッシャーがかかる展開ですよね。だって本戦トーナメントで二連敗してもトロフィーを受け取って帰らなくちゃいけないわけですから。だから、そんなネタいらないっつーのに。

自分の不甲斐なさに肩を落としての家路。しかしその手には何故かトロフィーが――。うわーそんなのイヤ過ぎます。辛すぎる。耐えられません。

そういうわけで、なんとか頑張って本戦当日は預けたトロフィーに利息をつけて、2つくらいに増殖させて持って帰ってきたいと思います。頑張るぞー!!




間違いトロフィーとは知らずに浮かれるクマ。
この後失意のズンドコへ。




入賞者写真というより
犯罪者写真なのは仕様です。

(友人曰く「悪そうな笑福亭鶴瓶だなぁ…」…云われてみれば確かに似てる



[ 2005年10月17日-01:35 ]  



母の抽斗。


言葉の抽斗。

最近そんなことを考える様になっています。「抽斗」は「ひきだし」と読みます。これ自体が既に言葉の抽斗ですな(笑)。

簡単に云ってしまえば、多分「ボキャブラリー」ということになるのかもしれませんが、それともちょっとニュアンスが違う様な気がするんですよね。

例えばボキャブラリーというのは表現の多様性に必要なものであって、同じ事を表す言葉の様々な種類を持っているということになるわけです。で、僕の考えている「言葉の抽斗」はちょっと違うんですよね。

どう違うかといいますと、「ボキャブラリー」は普遍的かつ「現在」でも通用する表現であり語彙ですが、「言葉の抽斗」の場合は、古くてもう着なくなった和服や、タンスの肥やしとなっている服、そして一度袖を通しただけの勝負服など、それこそ箪笥の抽斗に収まっているモノの様に、それこそ時代から洋の東西まで、とりどりの言葉達が入っていると思うのです。

場合によっては、仕舞った本人が忘れているモノもあるかもしれないわけですよね。ですから喩えるならば、ボキャブラリーは整理された書棚であり、言葉の抽斗はそれこそ衣装箪笥の抽斗といったところでしょうか。


で、先日のことです。母上と会話している最中に、あまりにもバカな事を連発している僕に、母上が、それはそれはきっぱりと云いました。



「あんたクルクルパーでしょ」



うわー!なんだそれ!クルクルパーですってよ、クルクルパー!小学校低学年以来、二十年ぶりっくらいに聞きましたよ!昔よくやったしやられたなー!こう人差し指でくるくるっとやって、指を広げてパー作るヤツ!うわー!

と、こんな感じで罵倒されたにも関わらず、大喜びしていたら、追加攻撃を喰らいまして、今度はまじまじと見つめられて「バカ」とズバリ一言云われてしまいました。

その一言は、ぐうの音も出ないくらいの斬れ味で、云われた側としては、すごすごと大人しく退散するしかなかったわけで…。



とりあえず母上の言葉抽斗には
忘れられた死語と斬れ味鋭い匕首が
しまってあることはわかりました。

(ちなみに先日はアンポンタンと云われました…母すげえ…)



[ 2005年10月20日-00:25 ]  



七周年。


本人すらもすっかり忘れていたのですが、10月17日をもちまして、無事サイト運営も7周年を突破しました。ここ四日ばかりは8年目に入っているということですね。

いやー我ながら「何があったんだ?」と思うくらい長い趣味になっていますね。なんなんだろうなぁ。

一部の方から「なんでそんなに長く続けられるんですか?」という質問をされたりすることもあるんですが、単純明快に「好きだから」ってだけなんでしょうね。


個人サイトの終焉は、忙しくなって引退、飽きたから閉鎖、トラブルを起こして逃亡。大体はそんなところでしょう。あとはサイトバレとかですね。

「忙しくなって引退」の可能性は今後もありえますが、現状ではとりあえずさほど考えていません。どれだけ忙しくても、思うままに文章を書くくらいのことが出来なくなるほど忙しいなんてことはありえないからです。

ここまで続いてきたのは「好きだからこそ/趣味だからこそ」なわけで、それらを犠牲にしてまで忙しくなる様な事ってなかなかないでしょうし、そんな追い詰められた人生の歩き方はしたくないなと思うわけです。

どうしようもなく忙しくなったら更新頻度を下げたりすればいいだけですしね。現に今ではそうやってコントロールしていますから。


で、「飽きたから閉鎖」の可能性もありません。まだまだサイトを通じてやりたいことは沢山ありますから。

僕の様なスタンスの個人サイトというのは、有益な情報発信とかそういうわけではなく、個人の生活や思考を文章化した小規模なエンターテイメントです。だから発信側からすれば「対情報を求める人」ではなく単純に「対人」になるわけです。

人間が人間との付き合いに飽きてしまったら、そりゃあもうサイトではなく人生を閉鎖した方がいいんじゃねえかとか思ってしまうので、飽きることってのもないわけですよね。このスタンスで続けている限り、ですが(笑)。


トラブルに関しては、なんともいえません。まぁ自分のスタンスと自分のペースを大事にすることと、ケンカふっかけたりするような真似はしないこと。普通の日常生活における礼儀やマナーのレベルで十分なんじゃないですかねえ。

最後にサイトバレですが、両親・姉達・義兄達に加えて、祖父母や甥姪に至るまで僕のサイトを既に知っているので、これ以上バレようもありません(笑)。4世代集まった食卓の話題に普通に出ますから。

職場バレというのも、サイトがきっかけとなって仕事をしていますので、これ以上バレようがないですし、編集さんとの打ち合わせでもサイトの話題が出たりすることがあるので、これもまたなんともないですな(笑)。

なにはともあれ「見つかったらヤバい」様なことをしなけりゃいいんじゃないかってな話ですよね。本当にそれだけです。


昨年あたりからインターネットではブログが猛威をふるっており、様々な人が情報発信をするようになりました。その手軽さからということもあるんでしょうねぇ。また、その気軽さ故に様々なトラブルも出てきたりしています(きんもー☆とかね)

「ブログやってる」だとか「サイトやってる」だとかの事は、もう珍しくもなんともありません。始めるのも続けるのも止めるのも自由です。ただ僕自身は、自分が発信した情報を表示している画面の向こうには、必ず「誰か」がいるということだけは忘れない様にしたいな、と思っています。

そして、今ブログやらサイトやらをやり始めている人、やろうかなと考えている人達にも、こんな面白い世界に足を踏み入れたのですから、折角ですし好い方向に存分に活用して欲しいなとも思うのです。


ネットはコミュニケイションツールです。画面の向こうにいる誰かとの繋がりは、良くも悪くも無限の可能性を秘めています。例えば「校長先生を箱に入れるにはどうしたらいいか?」というバカな問いに「おじいちゃんに頼んでみます(祖父が小学校の校長先生をやっているんです)」と応じてくれる人もいたりするわけです。いささかアレ過ぎる例ですが(笑)。

勿論好いことばかりではないでしょうし、事実僕の場合もそうでした。きっとこれからもそうでしょう。でも、それでもなお、まだまだこの世界には面白い可能性が沢山転がっている。電話回線やらADSLやらCATVやら光ファイバーやら無線やら携帯電話やPHSやら。そうしたインターネット端末同士をネットワークの一本一本は、全て「縁」だと思っています。

その「縁」を繋げて、面白いものを作っていきたい。そして、例えば恋人同士や友達同士が知り合ったきっかけを「ネットで」としたときに、それが不自然でもなんでもなく、白眼視されたりするようなこともないような世界に、少しでも近づいていったらいい。そんな世界に近づく後押しを、ほんの少しでも出来たら…と、まぁ口幅ったいですが、そんな風に考えています。


昨年の誕生日に「去年の体脂肪率を超えていたら即閉鎖」と書きましたが、現時点であっさりクリアしていますのでご安心を(体重も6キロ減。ダーツ効果かしらん)。まぁ油断してここで太る可能性もあるわけですが(笑)。とにもかくにも、これからも僕こと、みやもと春九堂と「じーらぼ!言戯道場」は前進し続けます。

まだまだどんどん楽しんでいこう。きっと面白い世界がそこに広がっているはず。イベントもやります。文章も書きます。出来れば本も出したいなあ。太々や黒々、大福熊猫たちやバットマン先生達も、まだまだ暴れたりないといっています。

三十歳という年齢を目の前にして振り返れば、サイト運営に二十代の青春の大半を費やしてきたということになるのですが、これからもまだまだ青春です。「大人のバカっぷり」を「小規模エンターテイメント」として、どんどん進めていきたいと思います。

最後に、リング上での事故で進退不自由となった今も、不撓不屈の精神でエンターテイメントを模索し、体現しつづけるプロレスラー・ハヤブサ選手の言葉でサイト運営7周年の言葉を締めくくりたいと思います。



お楽しみは、これからだーッ!!!





七周年お祝いのえっちらほいメールは
コチラから随時受け付けております。

(台無し)



[ 2005年10月21日-14:15 ]  



裸一貫出直して「AOコーナー」から!


かつて「地上最強の人材派遣会社」と呼ばれたプロレス団体がありました。

その名を「格闘探偵団バトラーツ」。新日本→UWFという流れをくむ「U系団体」の一つで、第二次UWFが分派した、組長こと藤原喜明主催の「藤原組」の最後の弟子達が、諸般の事情で起こした団体です。

とはいうものの若手ばかりの集団です。技術がない、身体がない、ネームバリューがない。そんなないない尽くしの中で、彼らが選んだ答えは「身体を張ること」でした。


プロレスは単なる格闘技というだけではなく、スペクテイタースポーツとしての側面を持ちます。そしてその性質からも、打撃技や投げ技などは「試合を組み立てる為」に、急所を狙って全力でぶち込むようなフルコンタクトを避ける傾向があるわけです。

しかしバトラーツは違いました。顔面を、背中を、頭部・後頭部を、ボコボコにするまで殴り合い、そして蹴り合いました。関節技を極める時も隙あらば折る気・絞め落とす気でやりました。

それまでのU系団体であれば、レフェリーが止めるであろうシーン。KOで決まってしまうであろうシーンであっても、決して試合は止まりません。

リング上からは肉を打ち、骨がぶつかるゴツゴツバチバチとした生々しい衝撃音がはじけ飛び、確実に客席に伝わります。そして専門誌やファンの間からは「バチバチ」なる新しいスタイルとして評価を受け、また人気を博していったわけです。

いつしか彼らにとっては「それしかそうせざるを得なかった」スタイルでしかなかった「バチバチ」スタイルは、「彼らにしか出来ない」スタイルへと進化していきました。

その人気の急上昇っぷりたるや、無名の若手集団が両国国技館で興行を打てる様になるほど。しかもグレッグ・バレンタイン、ボブ・バックランド、そしてロードウォリアーズなどの有名外国人を招聘したビッグマッチです。無名の若手達の団体が、そんな興行を出来る様になるとは、本人達も考えていなかったと思います。


団体としての興行だけではなく、各団体へ進んで参戦。タッグリーグなどの試合にも参加し、独自のスタイルで話題を振りまきました。その結果が「地上最強の人材派遣会社」というニックネームに辿り着いたわけです。

また当時話題性を持ち始め、プロレスラーが挑んでは敗北を重ねていた総合格闘技「ヴァーリ・トゥード(なんでもあり)」にも、バトラーツは選手を派遣しました。出場したのはバトラーツ所属選手の中でも、トップに近いところにいたアレクサンダー大塚選手。

打撃と関節技が中心のバトラーツスタイルの中にあって、レガースを着けずキックを使わない珍しい選手でした。試合ではアマレス出身であることを最大限に活かし、素早いタックルとグラウンドコントロールを主武器とし、3カウントフォールのないルールですので「KOする為のスープレックス」をフィニッシュとしていました。

スキンヘッドにツーショルダータイツ&レスリングシューズという出で立ちと、彼のリングネームはロシアのアマレス最強王者「ゴリラより強い」と謳われていた、アレクサンダー・カレリンにあやかったもの。そんな選手だったわけです。


対戦相手はマルコ・ファス。当時から最強の名を欲しいままにしていたヒクソン・グレイシーと同じくらい強い、また路上での戦いならば400戦以上無敗(当時のヒクソンのキャッチは400戦無敗だった)であるといわれていた選手です。

アレクはプロレス界ではそこそこ名が売れ始めていたとはいえ、それでも全体から見ればまだまだ無名の若手。対する相手はアメリカの元祖「なんでもあり」の大会UFCで活躍する「路上の帝王」です。つまりは誰も期待していなかったカードだったわけです。

しかしながらこの試合は大番狂わせがおきました。1Rは攻め込まれるも、2Rは積極的に打撃を繰り出し、最終的にアレクは戦意喪失勝ちするというとんでもない結果を出したのです。


一躍時の人となったアレクサンダー大塚選手。もちろんプロレスマスコミ以外のメディアでも取り上げられる様になります。そして、そのスキンヘッドでアマレスツーショルダーに鍛え上げた肉体美という姿が、実にその、なんといいますか、別の意味でも玄人受けしまして。ぶっちゃけると2丁目界隈での人気者にもなっていったんです。

で、その人気に応えてか、僕とは何かと縁深い「薔薇族」のグラビアに登場したこともあったりしたんです。とはいっても半裸止まりでして、もちろんフルヌードではありません。

まぁ、それもまたえらい人気だったらしく、「路上の帝王」に殴り勝ちしたと思えば、男女混合ミクストマッチではパーマンのメイクとコスチュームで鉄柱越えのトペコンヒーロを決めてみたり、ゲイ雑誌のグラビアも飾るということで、様々な側面から、えらい話題になったわけです。


ですが、その後バトラーツは諸般の事情とか、プロレスファンを裏切る様なアレがあったりして、当時のメンバーは散り散りになり、最終的には社長の石川雄規一人を残して事実上の解散。選手も散り散りとなって、各団体に散らばっていったわけです。

そんな中でアレクは、その後、一躍名を挙げたPRIDEに専念。ですが、結果を出さなければ評価が上がらない世界で、まるで実績を残せず、たまに上がるプロレスのリングでも大した活躍を残せず、と宙ぶらりんというか相当駄目なポジションにいってしまっていたんです。

昨年はZERO-ONE MAX(当時ZERO-ONE)の火祭りリーグ戦に参戦したのですが、プロレスマットからしばらく離れていたこともあってかパッとした活躍もなく、本当に最近じゃ名前も聞かない、というような感じだったんです。

初代タイガーマスクこと佐山サトルが旗揚げした真日本プロレスや、上井のBIG MOUTH LOUDのリングに呼ばれて上がっても、新しいファンからすれば「あれ誰?」状態。


ところが、そんなアレクサンダー大塚選手が、唐突にとある団体のマットに登場したんです。大物選手「X」として。

前フリは、みちのくプロレスで毎年開催されているタッグリーグ(今年はトーナメント)「みちのく二人旅」の大間まぐ狼選手のパートナーとして「スキンヘッドの超大物選手をパートナーとして呼ぶ」という言葉でした。

そして大会開催。スキンヘッドのプロレスラーは決して少なくないので、一体誰が出てくるのかと思っていたところに登場したのがアレクだったわけです。発表されたリングネームは「男盛(おとこさかり)」


赤の越中ふんどしを着用し、尻を全開にして戦うフンドシファイター大間まぐ狼のパートナーだけあって、男盛も勿論ふんどし姿でした。それも越中ではなく、わりふんでもなく、六尺ふんどし(どういうのかわからないよい子のみんなはググろうね)。それを限界MAXまで食い込ませての参戦です。

ぶっちゃけ、ぶっちゃ毛そうになっているほどの食い込みMAXです。驚きです。肉体美を惜しげもなく披露です。そして試合中では、敵もフンドシのリア部分を掴んで引っ張り上げて食い込ませたりとナイスな攻撃を見せます。

男盛りも「おい食い込んでるよ。反則だよ反則」と、つま先立ちになりながらアピールしてみたり、渦潮ジャイアントスイングで振り回した相手の頭部を大間が尻で受けたりと、なかなかの活躍ぶり。


「みちのく二人旅」の結果は準決勝敗退となってしまいましたが、「マルコ・ファスを破った」という遺産で戦い続けるも、全く結果を出せなかった総合格闘技から身を引いて、プロレスに復帰しようとするも、なんかいまいち吹っ切れていなかったアレクが、みちのくプロレスの「楽しいプロレス」に染まっている姿は、実に嬉しいものでした。

総合格闘技とプロレスの間で宙ぶらりんだったアレクが、ここに来て「薔薇族のグラビアを飾った」という別の意味での過去の遺産を限界にまで押し出した様なファイトスタイルでの復活。彼に必要だったのは、こうした開き直りだったのではないかなぁと思ったりしたわけです。


僕にとってアレクは嫌いなレスラーではないですし、バトラーツ時代の「KO率100%」のドラゴンスープレックスや、両国でのラブウォリアーズなど、色々楽しませてくれた、大好きなレスラーの一人です。そんな彼がプロレスに本格復帰してくれるならば、こんなに嬉しいことはありません。

おそらく「男盛」というリングネームと、ファイトスタイルは、今回の「みちのく二人旅」限定のキャラクターになるとは思います。ですが、そもそも「総合格闘技から薔薇族まで」という「振り幅」こそが彼の魅力。ここからまた新しいスタートになれば、と、力いっぱいエールを送りたいと思う次第です。




(ベースボールマガジン社刊 週刊プロレス No.1285 107頁より引用)



頑張れアレク!!負けるなアレク!!
二丁目からもラブコールが沢山来ているぞ!

(ちなみにアレクはノンケで奥さんも娘もいます(笑)。僕もノンケですよ?



[ 2005年10月24日-15:59 ]  



ハッスル!ハッスル!


スリー!ツー!ワン!ハッスルハッスルー!

というわけで、PRIDEという総合格闘技をプロデュースするドリームステージエンターテイメント(DSE)が、その成功の黒字をぶち込みまくって、PRIDEとは逆方向のエンターテイメントをかましている「ハッスル」が、11月3日にビッグイベントを迎えます。

そのタイトルも『ハッスルマニア』。いわずと知れた世界最大規模のプロレス団体WWEのビッグイベント『レッスルマニア』のパクリというかインスパイヤというかオマージュというか、まぁベストマッチな落としどころとしては「パロディ」というヤツですね。

最初の頃こそ、ビル・ゴールドバーグを呼んでみたり、呼んだ挙げ句に持てあましてみたりという迷走状態を続けていたハッスルですが、鬼才・金子ナンペイ氏によるポスターに描かれた映画調の絵から始まった、小川直也の孫悟空スタイル、故・橋本真也のアフロ&ソデにフリンジが付きまくった衣装スタイル、そして高田総統の登場から、物凄い勢いでエンターテイメント化。

今や「プロレスの一線を越えた新しいエンターテイメント」として、すっかり定着しています。どれくらい定着しているかといえば、エロテロリストことインリン・オブ・ジョイトイを「インリン様」としてリングに上げ、スキットもやればM字開脚もやり、なんと試合までしてしまうという暴走っぷり。しかもその支持率が主役たる小川直也よりも高いというくらいです。


「ハッスル」というモノを既存の何かと比べるのは正直難しいといえば難しいです。WWEに代表されるエンターテイメントプロレスと比べるには、プロレスの試合レベル自体があまり高くはない。ストーリーも社会風刺的なモノをメインに据えているWWEのソープドラマに比べると、いささかチープであり、お笑い的要素が強い。

悩んだ挙げ句に行き着いた答えは、これからゴールデンに進出できるかもしれない深夜ワクのバラエティ番組といったところでしょうか。それもここ数年の深夜番組黄金期というわけではなく、まだアングラ臭が漂っていた時期のものです。後期「オールナイトフジ」や「夢で逢えたら」のあたりですね。

また、日曜朝にやっていた特撮コメディモノのノリにも近いモノがあるかと思います。いわゆる東映ファンタジー系というやつですね。「勝手に!カミタマン」とか「バッテンロボ丸」とか。そういうのを幾分大人向けにしつつ、ドリフのライブコントの様なノリで観客も参加するという様な、そんな感じです。


さてさて、そんな「ハッスル」に、現在ちまたで大人気のレイザーラモーンHG住谷氏が参戦するという事は既報の通りなのですが、続く大物芸能人として狂言の和泉元彌氏が参戦することになりました。確かに能・狂言こそが正しい意味での「芸能」ですから、まさに大物芸能人ではありますね。

和泉元彌さんという人は、僕にとっては「ダバダ〜♪なコーヒーのCMに出てた人だ」というくらいの知識しかなかったのですが、なにやら一時期随分とワイドショーなどを賑わせたこともあるような方らしいですね。

僕も高校時代の先輩が書いたテキスト(面白いので必読(笑))で、聞きかじり程度の知識はあるのですが、そんな人がいくらハッスルとはいえどもプロレスのリングで試合をするということに、さすがに驚きました。


ちなみにレイザーラモーンHGに関しては、以前も少し紹介しましたが学生プロレスの猛者であり、しっかりと練習にも取り組んでいるようなので、試合になっても事故的な「大変なこと」になることはなさそうだなという予想が出来ます。

ですから安心して見ていられますし、プロレスラーに憧れ、学プロからお笑いに進み、妙縁奇縁の果てにプロレスのリングに上がることが出来るという、ある程度以上のサクセスを楽しむことも出来るわけです。

またインリン様に関しては、屈強なレスラーがしっかりとガードをしており、相手がダウンしている時などに出てきてはちょっかいを出すという、いわゆるWWEでいうところの女性マネージャー(DIVA)的な動きは、プロレスの長い歴史の中では決して珍しいことではありませんから、これもまた安心して見ることが出来るわけです。


ですが、ここでモトヤちゃん、もとい、和泉元彌氏が問題になるわけですよ。退会処分を喰らったりとかしているとはいえ、仮にも日本の伝統芸能を受け継ぐ人。そんな人が殴る蹴る投げる極めるの技を出来るわけもなく、またそれを受けることも、対戦相手としても、それらを喰らわせることも出来るわけがないわけです。

今回のハッスル出場も決して「プロレス転向」ではなく「ゲスト参戦」であり、あくまでもプロレスラーとしてではなく「狂言師」としての参戦なのですから、実に難しいところです。ぶっちゃけた話「あんた何しに出てくんの?」と思うわけなんですが、まぁ色々あるのでしょう。

しかし元からプロレスファンでもある和泉元彌氏はやる気の様子で、実際記者会見でも「プロレスの歴史は200年、狂言の歴史も600年。室町時代から続くエンターテイメントと、世界中で200年も続いたエンターテイメント。そして平成の新しいエンターテイメントとしてハッスルに興味がある。また飛行機で隣り合った故・橋本真也さんとのご縁もあったので」と、プロレスに対するリスペクトを前面に押し出し、なかなか好感が持てます。

まぁなんですかね。記者からの「技を何か考えていますか?」という質問に「空中元彌チョップ」と応えてみたりと、それはちょっとどうなのよという面もあったりするわけなんですけどね(笑)。空中って、チョップって。どんな技なんだよそれって感じです。


そんなこんなでドタバタしながらも、和泉元彌氏の対戦相手は元新日本プロレス→元WWEのケンゾーこと鈴木健想に決まったりと、得意のドタキャンやダブルブッキングもなく、あとは当日を待つばかりになったわけなのですが、一体どのような試合を見せてくれるのか不安であり楽しみでもあります。

ケンゾーはラグビー出身のパワーファイターですし、身長191cm/体重123キロの大型ヘビー級レスラーです。対する和泉元彌氏は慎重169.7cm/体重63キロ。仮に手加減をしたとしてもタックルの一つもかまされれば木の葉の様にキリモミしながらぶっ飛んでしまいそうです。「空中元彌チョップ」がどんな技なのかはわかりませんが、どちらかというとチョップを喰らって宙を舞うところしか想像出来ません。


そんな和泉元彌氏がどうやって戦うのか。彼の言う「狂言を活かす」とはどういうことなのか。色々考えてみたのですが、そもそも狂言なるものをよく知らないんですよね。知っているものといえば、学生時代に国語の教科書で読んだ「附子(ぶす)」っくらいのものです。

この作品は、確か太郎冠者と次郎冠者が、「これは周りの空気さえも毒になる附子という毒だから、決して開けてはいけないと」言い含められた箱を、主人が留守の間に「あおげあおげ、あおぐぞあおぐぞ」とやって毒気を払って近寄り、箱を開けて中を見ると黒砂糖水飴だったので二人で喰ってしまうという内容だったと思います(上記のリンク先を読んだらほとんどあってた。なかなかの記憶力にびっくり)

僕でさえも知っており、なおかつ国語の教科書にも載る様な話ですから、この辺りから狂言のネタを引っ張ってくるのかも知れません。さらに能や狂言には、割とアクロバティックなシーンもあります。例えば「土蜘蛛」で使う蜘蛛の糸なんかもそうですし、あぐらをかいたままジャンプしたりもします。そういうところを使うのかも知れません。

また能や狂言といえば、黒子という存在も外せません。調べてみたところ、狂言の黒子は「後見」といい「演技を後見し、衣装をなおしたり、小道具を扱ったりする。芝居の黒子とは違い、シテに事故の生じた際には引き継いで演じる。シテが文句を忘れたときにプロンプターとして声を出してやるのも後見の仕事」と、相当重要なポジションであるようです参考資料サイト


これらの情報と、これまでのハッスルの演出などを総合して和泉元彌氏vsケンゾーの試合をシミュレーションしてみると――


入場時、ケンゾーは元WWEっぷりを発揮というか丸パクリして神輿に乗って登場。エキゾチックなテイストの衣装でリング上にその巨躯をアピールして、コーナーに仁王立ちにて和泉元彌を待つ。

しかし、そこに草間GMが登場し和泉元彌氏がダブルブッキングで試合に間に合わず、ドタキャンしそうになっていることを告げる。憮然とするケンゾー。場内ブーイング。しかしそこに中継カメラが繋がって、横浜アリーナ近くのヘリポートからのライブ映像が送られてくる。

着地したヘリから降りてきたのは、黒服グラサンのSPに囲まれた和泉元彌氏。そのまま試合会場に直行すると実況される。映像はここで終わり、スクリーンが消えると場内暗転。鼓の音が響き渡り、地謡の歌声とともに狂言装束に身を包んだ和泉元彌が扇を片手に、スモークの焚かれた入場ランプへと姿を現す。

前後左右には先ほどは黒服SPだった者達が、後見(黒子)として付き従い、背筋をぴしっと伸ばした和泉元彌を囲む。閉じた扇をリングに向ける元彌は後見と共にリングへ向かう。そしてケンゾーと対峙。コールされゴング。


様子を見る様に距離を取りながら近寄るケンゾーに、元彌はしずしずとリング中央へ。ロックアップするかと思いきや、手首を扇で払うだけでケンゾーは一回転。まるで合気道の達人のような体捌きと動きをみせる元彌。伸ばしてきたケンゾーの手首を掴み取って、小手返しなども。

転がされたケンゾーが受け身をとって構え直す、同時に元彌もぴしりと扇を向ける。まるで腰投げ→袈裟固め→ヘッドシザースという一連の全日本プロレス式カウンタームーブが決まったときのように場内拍手。

しかしここで試合は静から動へ。打撃を狙って勢いよく突っ込んでくるケンゾー。一撃目のクローズラインはダッキングしてかわすが、振り返りざまのタックルをもらってしまう。勢いよく転がる元彌。場内はケンゾーにブーイング。しかし追撃のストンピングを狙ったケンゾーを、リング下にいた黒子が飛びかかって止める。

羽交い締めにされたケンゾー。しかし黒子は「見えない存在」なので、ケンゾーもどうしようもない。その間に体勢を立て直した元彌はコーナーに上がり扇を広げる。そして浪々と「あおげあおげ、あおぐぞあおぐぞ」と「附子」を謡う。

その間にさらなる黒子達がリング上に上がる。この黒子達が尋常ではなく強い。明らかに中の人はプロレスラーであり、ケンゾーをリフトアップするわ、投げ飛ばすわ、蹴り飛ばすわ大変なことになる。「あおげあおげ、あおぐぞあおぐぞ」の声にあわせて、コーナーに釘付けにしたケンゾーに連続攻撃なども。


頃合いを見て黒子がグロッギー状態のケンゾーを肩車リフトしてリング中央へ。元彌が「それぇぃっ!」と「附子」でいうところの箱へ飛びかかって開けるくだりに入ると、別の黒子達が元彌をリフトして肩車状態のケンゾーの近くに運び、通り過ぎ様に畳んだ扇を持った右手を逆水平チョップのようにケンゾーの顔面に叩き込む。これが必殺「空中元彌チョップ」だ。

ロードウォリアーズのダブルインパクトを受けた様に、肩車状態から後方に半回転して落下するケンゾー。黒子がそれをひっくり返し、その上に元彌が乗り、大見得を切って3カウント。元彌大勝利。そして試合後は狂言式ハッスルポーズを決めて、自家用ヘリで次の自主公演へ――


とまぁ、長くなりましたが、こんな試合が僕の脳内では出来上がったわけです。しかし自分で云うのもなんですが、なんとなくありそうじゃないですか(笑)?むしろこういうパターンくらいしか和泉元彌氏がリング上で試合をする方法はないと思うんですよ(笑)。

それにWWEでスポーツエンターテイメントのなんたるかを叩き込まれたケンゾーなら、こういう試合での受けも出来ると思うんですよね。むしろケンゾーでなければ出来ないというかなんというか、まぁそんな予想ですね。


まぁ最近上り調子のハッスルですから、僕のこんなちんけな予想など、遙かに斜め上へと超えてくれることを期待するわけですが、これ以上となると、色々な事情からなかなかに難しいのではないかなぁとも思うわけです。

いずれにせよ「ハッスルマニア」開催まで、残り一週間ちょっと。どんなエンターテイメントを見せてくれるか、本当に楽しみです。



くれぐれも事故で大怪我をさせて、元彌ママに
「タクのモトヤちゃんになにするザマス!」と
訴えられたりすることがないように願います。

(まぁそういう展開もありといえばアリ…なのかな…)

続報が出ました。「セッチー鬼瓦軍団」とはまた微妙な名前ですが、狂言の曲目からとったとのこと。しかし鬼瓦といえばビートたけしがかつて「オレたちひょうきん族」で演じていた労務者キャラクター鬼瓦権蔵がいたりするわけで、ひょっとしたらひょっとするのかもしれません。まぁねぇな(笑)。

ちなみに節子ママは「そのためにも、ケガをされては困る。健想選手、もし万一和泉元彌にケガでもさせたらタダでは終わらせない」と発言。なんというかこう既に予想通りの展開になってきていますよ。すげえな(笑)。

またプロレスのトレーニングでは、元彌ちゃんもなかなかの動きを見せたとのこと。僕が書いた程度のカウンタームーブくらいは試合でも披露してくれる可能性が高くなりました。いやーそれにしてもどうなっちゃうんでしょうねぇ。非常に楽しみです。


[ 2005年10月26日-03:35 ]  



窓口嬢、陵辱。


先日、某先生から仕送られてくる小切手を換金しに都内の某外資系(?)銀行へと僕は出向いた。

この銀行はなんというか、如何にもセレブ臭が漂うイヤゾーンである。そもそも複合ビルの9階にあるあたりから気に入らないし、青い絨毯フロアなのも気に入らない。

自動ドアをくぐると同時に嗅覚を刺激する、如何にも「脱臭してます」気味な臭いも気に入らなければ、一番最初に目に入る受付の女や警備員も気に入らない。奥にゴールドメンバー専用の窓口があったりするのも気に入らない。とにかく気に入らないことだらけなのだ。

僕がこの銀行に預けてある金額は、全ての預金者と比べてみてもミニマムであろうことは疑いない。一応外貨仕立てで数千ドルはあるのだが、この金持ち臭漂う空間の中では、その程度の金額は端金なのだ。きっとビバリーヒルズあたりじゃあ犬の餌も買えないに違いない。

そんな貧乏人が、こ汚い格好でやってきて、小切手の換金を強請りに来ている。手続きにかかる時間は数千万・数億の入金手続きと代わらないだろうが、扱う金額は比べものにならない。しかも海外小切手は換金するのに米本土に郵送という手続きをとらなければならないので、実際は単なる入金手続きよりも面倒そうである。

つまりこの時点で、僕は相当嫌な客になっているはずなのだ。決して僕が自分を卑下しているが故に被害者ぶっている意識が高いわけではない。なんともいえないアウェイなムードが、この銀行のそこかしこから漂ってきているのだ。

大体他の客すらも気に入らないのだ。貧乏人が入ってきたから「珍しいモノを見た」とでも云う様に観察しているのだろう。僕が待合い席に座れば連中は黙りこくる。だが僕が姿を消せば途端に語尾に「ザマス」を着けて会話を交わし始めるに違いないのだ。

会話の内容は勿論僕をバカにするものだ。いや彼らは別に僕をバカにしているつもりはないのだろう、ただ自分たちとは違う生き物について論評を加えているだけなのだ。

「驚いたね、二本足で歩いていたよ」「それどころか服を着ていたザマス」「よく聴き取れなかったのだが、あれは日本語じゃないかね?」「信じられないな…」などの会話だ。全く持って度し難い。ここでは僕は人間扱いすらしてもらえていないのだ。

そんなアウェイ度MAXな空間であっても、貧乏人としては数百ドルの小切手を換金する機会を失うわけにはいかない。その金が明日のゴハンに変わる、即ち生命線の維持なのだ。耐え難きを耐え忍び難きを忍んで、窓口に呼び出されるのを待つ。救貧院でお貴族様から賜ったスープを待つ浮浪者の気分だ。

窓口に呼ばれると、この窓口を担当する小娘がまた気にくわない。なんだそのグラデーションのかかった髪の色は。くるくるくるくるとスパイラルのように緩やかなカール。そのくせ一点も非の打ち所がない。まるで「今、美容院にいってきましたの」たとでも云うかのようなセットだ。

メイクも完璧。濃紅のルージュが映えるが、決して下卑た構成にはならない。書類にペンを走らせる為に僕が身を乗り出すと、ほんのわずかにだけ香る匂いは高級香水のそれだ。金だ、金のニオイがする。紙幣を絞って抽出した液体を全身に振りまいたかの様な匂いがする。そんな完璧さなのだ。

服装だってそうだ。完璧の上に完璧を重ねている。これが外資の窓口に立つ女の見本だとでもいうようなスタイル。僕の様な貧乏人相手には顔には営業用の笑みの一つも浮かべない。自分が優秀な「キャリア」の道を歩いている自信に満ちあふれ、瞼は常に半開き、口元には余裕を浮かべ――そして、僕を見下す。

耐え難い屈辱。アウェイ感マキシマムゾーンであるこの銀行の中でも、ここは最もアウェイ濃度の高いエリアだ。書類に自分の名を書く。それだけでも全身から脂汗が吹き出そうになるほど苦しい。僕がそんな苦痛に身を焼いているにも関わらず、この窓口の女は貧乏人の書く拙い文字をじっと見ているのだ。

書面に視点をおいているので女の表情は見えない。だが僕の書く文字を見ている女は、きっと屠殺所のブタを見るよりも冷たく、そして侮蔑的な表情をしているに違いないのだ。少なくとも人間を見る目ではない。改めて自覚させられる。そう、ここでの僕は人間ではないのだ。

書類を渡すと僕の手指が触れたところより一番遠いところを、まるで汚染されたモノを触るかの様に摘んで受け取る。手袋があればしていただろう。マスクがあれば着けていただろう。防護服があれば着用し、そして銃があれば僕を射殺しただろう。この女はそういう女だ。

視線も合わさずに淡々と女は作業を続けつつ説明をする。マニュアルの暗唱。「どうせ聞いたところで人間の言葉なんてわからないでしょ」。女の口から放たれる音は言葉以外のところで僕にそう語りかける。いや投げつけているだけだ。言葉の通じぬ動物に対して、ため息を混じりの叱責を繰り返す様に。

そしてここに来て僕の羞恥心と侮辱を重ねられて澱んだ心は限界を迎える。

ああ、もしも許されるならば、僕はこの場で武器を取り出し、このフロア全ての動く者を破壊するだろう。そしてカウンターを乗り越え、ついさっきまで僕を侮蔑していた女を僕の知りうる言葉の全てで罵倒する。

限界まで見開いた目を充血させて、あらん限りの大声で罵倒するのだ。衝動だけが先走って言葉にならないこともあるだろう。意味を成さない言葉を吐き出すだろう。「口角沫を飛ばす」などというが、まさにその状態だ。言葉と共に女に向かって吐き出される唾液の飛沫。それを思う存分に吐きかけてやるのだ。

狂気と凶器を突きつけられ、怯えきって動けなくなった女は失禁すらするだろう。完璧の上に完璧を重ねていた存在が一気に壊れる瞬間。快感が僕を満たしはじめる。破壊的衝動に捕らわれた僕は女に迫る。女が身につけている完璧を穢れた僕の手で全て引き裂き、そして命令するのだ。



――僕を詰れ。僕を罵倒しろ。僕を踏め。素足で僕の顔を踏むんだ。



自分の妄想の結末に驚き、身震いして現実に意識を戻す。激しい動悸とじわりとした発汗の感覚。まるで淫夢を見た朝の様だ。現実は何も破壊されてはいない。ここは金持ちの為の空間であり、僕はそこに紛れ込んだ貧乏人という名の異分子なのだ。

窓口の女は手続き控えを僕に渡すと軽く頭を下げる。それはこの空間から解放される合図。僕は窓口から離れると脇目もふらず出口を目指した。自動ドアが背後で閉まると、空気が遮断されて僕は日常の空間に戻ることが出来た。

強化ガラスで仕切られた空間の向こう側では、おそらく僕に対する論評がはじまっているのだろう。窓口の女は席を立ち、うがいと手洗いを繰り返すのだろう。

僕は精神的苦痛と屈辱の中で、そんな妄想をしながらエレベーターホールを目指した。

またこの場所に来ることを愉しみにしながら。





えーと、何が云いたいかといいますと
某銀行の窓口のおねーさんが
キャリア系Sっぽくて、
僕の「この人ドSですレーダー」
びんびんに反応して、かなり好みだったとかそういう話です。

(陵辱されたのは僕(しかも妄想)というわけで)



[ 2005年10月27日-15:23 ]  



間違い探し。


というわけでして、めちゃくちゃにスケジュールをぶち込みまくってなんとか予定を消化したので、いっちょ山にでも籠もって自然をマンキツしてきたいと思います。

とはいっても、別段片方の眉毛を剃って生えそろうまで下山せずに延々とダーツを投げ続けるとかそういうわけではなく、毎年恒例の仲間達との秋キャンプに行くってだけの話なんですけどね。

川沿いの素敵なキャンプ地に陣取り、気のおけない仲間達と炭火やたき火を囲んで、とれたてのサンマをイヤというほど食べてきたいと思います。カツオも食べられたらいいなぁ。

なにやら雨降りらしいのですが、知ったことかと。気合いいれて愉しんできたいと思います。ここのところ仕事もたてこんでいましたし、大会続きでダーツにのめり込み過ぎでしたしね。

そのせいで足底筋膜炎とかいう疾病で足裏に激痛が走る様になっちゃったりしましたし。楽しむ為のはずの趣味が苦痛を産んでちゃあいけません。

たまには仕事もダーツも、どちらのことも忘れて、ぼけーっとしないと!特にダーツの事は忘れるぞ!うん!そもそもボードもダーツも持って行かないから投げようもありませんしね!



まぁ禁断症状が出たら、切り株に向かって
手斧を投げたりしようと思います。

(ダーツのルーツらしいですし(笑))



[ 2005年10月29日-00:55 ]  



ハロウイン。


トリック・オア・トリート?

ハロウィン(Halloween)は、キリスト教の諸聖人の日(万聖節)の前晩(10月31日)に行われる伝統行事。諸聖人の日の旧称All Hallowsのeve(前夜祭)であることから、Halloweenと呼ばれるようになった。wikipediaより引用)


てなわけで、山から帰ってきました。一泊二日とはいえやっぱりキャンプは楽しいです。ちなみに出発前に書いた間違い探しですが、サンマは川にはいません(笑)。もちろんカツオもいませんよ?

ですが今回のキャンプは恒例のサンマキャンプでして、サンマをイヤと云うほど食べてきたわけです。しかしなぜ渓谷にいってサンマかといいますとですね、秋のサンマは脂がのっていて炭火七輪で焼けば煙が立って大変なことになってしまうわけです。

しかしそれを家庭用レンジコンロのグリルで焼いたところで味気ないじゃないですか。というわけでキャンプ場など直火使用がOKな郊外に出向き、産地直送のサンマを前もってキャンプ場受け取りという形で準備しておいて、そこで思う存分サンマを食し、酒をかっくらって一泊して帰るというイベントをやっているわけなんですよ。

まぁカマドで直火さえ使えりゃ海だろうが山だろうが何処だって構いやしないんですが、折角なんで秋の紅葉も楽しむべしと山にしたわけですね。ちなみに今年でこのイベントも5年目を迎えていまして、いやはや非常に毎年楽しみにしているんですよ。


さてまぁ、そんな話はさておき。毎年十月上旬には開催しているこの行事も、今回は参加メンバーの日程調整を重ねた結果十月末になってしまいまして、十月も本日31日で終わりとなってしまうわけです。本当に時間が経つのを早く感じますねえ。

そして10月31日といえば、冒頭に書いたとおりハロウインなわけです。まぁクリスマスと同じくそもそもがキリスト教のお祭りなので、仏教徒である僕には関係がないのですが、正月には神社にお参りして、お彼岸はお墓参りをする日本人ですから、そこはそれ。

クリスマスとて「お祭り」と捉えているわけですから、ハロウインだって同じ事なわけなんですよ。とはいってもクリスマスほどの人気やら認知度のある行事ではないみたいですけどね(笑)。


ハロウインといえば、やはり仮装でしょう。本来は子ども達が、お化けの扮装をして「トリック・オア・トリート」といいながら隣近所を回るというところに仮装の意義があるわけなんですが、まぁ日本の祭的解釈としては「コスプレOKな日」程度にしか捉えられていないようです(笑)。

実際この週末も至る所でコスプレが行われていた様で、カボチャのお化けから魔女、ドラキュラや狼男、フランケンシュタインなどのホラーキャラクター。そしてジェイソンやフレディなどの現代ホラー映画の主人公達などのコスプレなども人気があるようです。


まぁ日本で「おばけ」と云いますと、白装束に三角頭巾で足がない「うらめしやー」なわけなのですが、ここは西洋の祭と云うことで、それなりのものを選びたいところ。

しかしながら先ほど挙げた様なオーソドックスなものでは面白くないし、かといって凝ってしまうと予算が足りないし準備も大変――そこで僕も考えました。

安価でカンタンに準備が出来て、なおかつキリスト教的なイメージ内のオカルティック系なキャラクターでありつつ、我が国独自の文化色も併せ持ったハロウインのコスプレです。

そんな完璧なモノがあるのか?と思われるでしょう。しかし本当に特に何かを購入したりすることもなく。自分の手持ちの衣装だけで、誰にでもすぐ出来るものがあるんです。その分一発芸的な要素は多分に濃いのですが。



それでは御覧いただきましょう。



アニメ「エヴァンゲリオン」から第三使徒:サキエルです。

(↑コレです)















モチーフにされたキャラクターは、ホラー的なキャラクターやおばけの類ではなく「天使」という設定であるとかそんなことよりも、この奇抜な格好をしているデブが、



五日後には三十歳になるという
現実が、ホラー度MAXです。

(「ジャミラ」を連想した人は情報の抽斗が古すぎです)



[ 2005年10月31日-06:20 ]